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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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満男JAPAN、始動
(記/なるほ堂、絵/minaco.)
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サッカーニュースは小笠原満男、野球ニュースは菊池雄星、そして一般ニュースは小沢一郎センセイと、近頃全国版とローカル版のニュースに境目が無い岩手県。今の日本は、ここ岩手を中心に動いている──そう言って差し支え無いだろう(良くも悪くも)。

思うに、人にMVPがあるように、都道府県にもMVP(Most Valuable Place?)があるならば、バスケットの川村卓也選手北限の海女の活躍を併せ、昨年度の受賞は我ら岩手県であった事に疑問の余地はない。その勢い留まらず、今年、遂に岡田氏が満男を招集した。これは「満男の日本代表復帰」ではない。なぜなら、これで彼らは日本代表と呼べる集団になったのだ。即ち、日本代表が我々のもとに復帰したのである。4年ぶりに。

この度の岡田監督の決断に対しては、「遅い」とか、「遅すぎる」とか、色々思う所はあるが、「満を持しての登場」というのは「満男」らしくもあり、「主役(ヒーロー)は遅れてやってくる」というお定まりにも叶うもの。吾として、好意的な解釈をも憚るものでは無い。

代表キャンプでの満男についての報道。「30歳の新人」として、自発的に皆とコミュニケーションを図り、これまで築いてきたチームのやり方を尊重し、それに自分を融合させようという姿勢には、随分と好意的な評価が見受けられた。
「ここではどうやっているの?」と聞いたりして、いろいろやってみながら。自分がこうしたいといって、そればかりやってもチームはうまくいかないだろうから。
しかし、それを一重に「成長」と括るのはどうだろう。

満男史研究家として、ここで少し歴史を遡ろう。かつて満男に向けられた批判、しかしその原因を紐解けば、それはいわゆる特権階級化した『海外組』への反発ではなかったか。

彼らが帰国する度、「はい、海外組ですよ。これまでご苦労様」と、満男はそれ迄仲間たちと築いてきたものを幾度も無にされた。常に遅れて合流し乍らリーダー然とし、練習では他選手を罵倒しながら、ピッチ外ではひとり別行動。好意的メディアの前でだけ、良い格好をする選手。しかし、誰もそれに釘を刺そうとしない──そういう「筋の通らないやり方」に、満男は義憤を覚え、反発してきたのだ。

故に、今回彼が代表合流に際し、「はい、JリーグMVPですよ。これまでご苦労様」的な態度を自ら了としないのは当然である。リーグベスト11表彰での彼の発言も示すように、誰かの、加えて自身にも「筋の通らないやり方」を認めない彼の心根は、いささかも変わっていない。そして、私はその姿勢を強く支持する。今も以前も。

依て、敢えて「変化」があったとすれば、それは満男の成長というより、時を経て、満男が元来持っている「器」に相応しい地位を託されるようになった、ただそれだけの事である。持って生まれたリーダー、ボス、ドン、頭領の資質が、不相応な地位に置かれ、窮屈だったのだ。


………
2月2日、『満男チャレンジカップ』
焼酎はNGでキリンビールはOKな大分の地での復帰戦を少し振り返る。久しぶりとなる攻撃的MFながら、「モノの違い」をしっかりと示した満男。しかし、彼が自らに課した使命は、「チームを勝たせること、チームをランクアップさせること」であった。それに於いては満足とは言い難い試合。一部選手のコンディション不良、短期間の事前合宿という言い訳は、満男自身受け入れないだろう。

そして明日から、『東アジア満男選手権』が始まる。
聞けば満男も、これまでの「今のチームに合わせる」という姿勢から、もう一歩踏み込んだ発言をしているようだ。戦いを前に、満男曰く、

「優勝しかない。3連勝して優勝する」

その言葉、情熱、決意。これこそが、久しく名ばかりであった日本代表に欠けていたものだ。日本代表の望まれる姿は『岡田JAPAN』ではないだろう。チームを仕切るべきは誰か。「(ジーコ時代と違い)いじられキャラから、いじりキャラになっていた」と満男を驚かせた中沢主将も、そのプレーぶりは兎も角、ベネズエラ戦後に「シーズンが始まったばかりなので悲観することはない」と言ってしまう様では、W杯4強への道を牽引する主将としては正直物足りない。

日本代表の望まれる姿。無論、『サムライブルー』でもない。世界に等しくフットボールは民衆のものである。侍という特権階級、飢饉が訪れても餓死しない様な、生ヌルい支配層のものでは無い。武士道という虚飾的な世界観の正反対、石に齧り付いても、時に手を使っても、自らに勝利を課す者たちの居場所が、フットボールのピッチだ。

江戸時代。百姓一揆最大多発地区であった岩手南部藩は、偉大なる一揆の指導者を沢山輩出してきた。満男もその系譜に連なる、その血を継ぐ者である。美しい死で歴史に名を残すより、ただひたすらに打倒する為に闘う、そういう血だ。小沢センセイも、是非は兎も角、勝負には勝った。依て、勝ちたいなら誰を中心に置くべきか、答えは一つだ。

しかし、その明白な答えを私は強要するつもりは無い。なぜなら、自然にそうなるという確信があるからだ。この『東アジア選手権』で日本代表は変わる。

『満男JAPAN』

へと。
by tototitta | 2010-02-05 21:41 | 小笠原満男 | ▲ TOP
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