(記/minaco.)
やりましたよー。EL決勝トーナメントにてRSC アンデルレヒトを迎え、3−1の勝利。ルートはノルトバンクアレナで
初先発&フル出場&ゴール!
この日は1トップを務め、人一倍ユニを汚してた。CKからマタイセンが先制し、40分エリアくんの折り返しからルートが追加点。出てきたGKに強引に突っ込み、角度の無い所から決めた。ゴールするには、相手より一瞬だけ早くボールに触ればいいんだ。
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さて、先週の話だけど、レアル・マドリーのゴンサロ・イグアイン君がスペインの番組「La Sexta」に語ったエピソードがちょっとした話題になってた件。それによると加入当時、彼はルートにこんな事を言われたそうで。
ゴールってのは、ケチャップのボトルみたいなもんだ。どんなに押してもちっとも出て来ない時もある。でもやがて、叩いただけで一気に出て来るんだよ。
3カ国得点王の実績を持つストライカーからアルヘンの若きストライカーへのアドバイスとは、
「ゴールはケチャップ」だと。
『マスコミはトロール漁船に集まるカモメだ』
『翼よ、あれがパリの灯だ』
『芸術は爆発だ』
『山椒魚は悲しんだ』
『サラリーマンは気楽な家業ときたもんだ』
『だるまさんがころんだ』
『これでいいのだ』
『ゴールはケチャップだ』
こうして様々な名言と並べてみると、いささか寺山修司的前衛か?
まあさすが、フリットにケチャップたっぷり付けて食すのが大好きなオランダ人。あるよね〜。粉チーズもそうだけど、なかなか出てこないと思ったら急にドバっと出ちゃうんだよね〜。
──いや、そんな生活感丸出しの「あるあるネタ」じゃなくて。もしかしたらケチャップのCMコピーに…使われる訳もなくて。もうちょっとキレイな例えはできんのか…。
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偉そうに言ってるけど、少なくともユナイテッド時代のルートは試合に負けた日、自分を責めノイローゼで眠れなくなる人である。
とてもじゃないが「こんな日もある」などと割り切れない人である。
むしろ周りに当り散らし相当迷惑な人である。
あの因縁のガナーズ戦でPKを失敗した時だって、その後PK練習ばっかして悶々と悩み続けた挙句、やっと「…なんだい、ちゃんと蹴れるじゃん自分」と気付くまでしばらく掛かったという話。
きっと彼は、イグアイン君にかつての自分を見てたんだろう。大きなお世話だが。
つまり、右も左も解らぬ若い頃の自分(イグアインの年頃、彼はまだ大学生で2部のセミプロ選手だったけど)に言ってやりたかったんじゃなかろうか。
そういや、以前は
「ゴールはメインディッシュ」とも言ってたルート。
どうしていつも食い物に結び付くのか。それはきっと貧乏性だから。眼の前に料理があれば全部平らげなきゃ気が済まない。ブラバント農民は飢えてるから貪欲に執着し、喰う為に働く。
要するに、底の方にへばり付いたケチャップを「出ない」と諦めず、意地汚く「出るまで無理矢理押してみた」のはルート自身である。ケチだねえ。すると、意外にも「ヤケクソで叩いたら出ちゃった」…そんな実体験に基づいて彼はこの論理を導き出したと思われる。いつもその繰り返し。
今喰えなくてもいつかは喰える、と最初から思えたら気が楽なのに。イグアイン君に言ったのはそうゆう意味だろうけど、でもそこまでケチャップに執着してるのはルートなのだ。
昔、ギグスがこう評した事がある。
「あいつのメンタルは特別で、もしチャンスを逃しても引きずる事はないだろう。次のチャンスを狙い、ゴールする自信があるんだ。その自信が周りの選手にチャンスを作ろうと思わせる」
実は引きずってるんだけど、だからこそ「ケチャップ」だと言い聞かせる。そうやって恐れを信念で武装し続けると、やがて妙に説得力を持ち、人には自信に映るのかもしれない。
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ああ、ケチャップだけでこんなに語ってしまった。
今夜は3位レヴァークーゼンと直接対決。これに勝って勝ち点差を縮めたい、いや縮めねばならぬ大大大一番でございます。やっとTVで観られるよぅ(泣)