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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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『(500)日のサマー』におけるThe Smithsと『卒業』
(記&画/minaco.)

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The Smithsを愛聴するアメリカ人とは、きっと相当に根暗な少数派に違いない。もしティーンエイジャーの部屋にThe SmithsやThe Cureのポスターが貼られてるのを親が見たら、ウチの子が遂に道を踏み外したかと危ぶむだろう。

当時、花束を振り回しクネクネと身を捩りヨーデルを歌ったモリッシー。その歌詞は「君と10tトラックに轢かれて死ねたら最高〜♪」とか、「仕事なんかないよ〜♪」とか、「アンハッピーバースデイ〜♪」とか、「女王は死んだ〜♪」とか、およそ引きこもりの惨めったらしい恨み節。良い子はこんなバンドに思春期を捧げちゃいかん。


『(500)日のサマー』('09)の主人公トム君は、少年時代にThe SmithsやJoy Divisionの洗礼を受けてしまった哀れな優男。運命の女性サマーとの馴れ初めも、名曲『There is a light that never goes out』。こんな設定を堂々持って来るとは、何て痛いボーイ・ミーツ・ガールの物語よ。

どこが面白いと訊かれても、ツボを突くネタやギミックが盛り沢山すぎて困る。ランダムな(500)日、ミュージカル、ブルーのグラデーション、ベルイマンごっこにも笑った。いや、そもそもThe Smithsを愛しJoy DivisionのTシャツを着る男をワタシが他人事と思えようか!更にBelle & Sebastianまで出てくるんだから、そりゃもう勝手に歌い、ずっとニヤニヤしっ放し。

ところがThe Smithsで意気投合した2人とはいえ、実際その依存度はかなり違うんだ。即ち愛に飢えた男と、愛に満たされない女のギャップ。そこでもう一つ、重要な鍵となるのがニューシネマ時代の名作『卒業』('67)だった。トム君は「過剰に素直に受け取って」しまうけど、サマーは現実を見る。

ダスティン・ホフマン扮するベンが花嫁姿のエレーンを教会からさらって、バスに乗り込む有名なラストシーン。実はちっともハッピーエンドじゃない。後部座席の2人が微笑からやがて虚を見つめる、その奇妙な間と戸惑いの表情よ。“駆け落ちしたはいいけれど、さてどうしようか…てゆうか、勢いで行動しちゃったけど良いのかしら…”と微妙な空気が流れつつ、ジ・エンド。若さ故の過ち、先の無い不安。真実の愛を得たはずの2人は、その愛を信じられない。正にLove will tear us apart again♪

多分トム君とサマーの愛の不毛に通じるものがあるんだろう。トム君が回想して「あのクソ女!」と吐き捨てるように、『卒業』のベンも「失敗した!」と後悔するのかもしれない。

しかし、海に魚は沢山居る。結局「夏」を乗り越えたトム君が堅気になっちゃうのが切ない。モリッシーは未だジョニー・マーを引きずってるというのに。

演じるジョセフ・ゴードン=レヴィットは良かった。顔のパーツが故ヒース・レジャーにそっくり、でも身のこなしや佇まいが軽やか。ズーイー・デシャネルは野暮ったくてどうも好きじゃないけど、2人並ぶとお似合いとゆうか、トム君が引き立つ。

何となく、この映画は既に思春期が過去となった人にとって、よりリアルに楽しめるような気がした。そしてThe Smiths者としては、まるでモリッシーとジョニー・マーのすれ違いを観てるかのようではないか。違うか。

「(500)日のサマー」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
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by tototitta | 2010-05-31 20:11 | 映画 | Comments(8) | ▲ TOP
Commented by Mercedes at 2010-06-01 06:45 x
この映画見たいと思っています。DVDで見る事になるでしょうが。主人公の男の子、どこかで見たかな、と思うのはヒース・レジャーに似ているからなんですね。彼らの設定が興味を引きます。その辺からすでに好きかも、と思えて・・・。ご紹介ありがとうございます。
Commented by desertstorm at 2010-06-01 20:04 x
うわあー!!
アメリカ人のThe Smiths者は「アンタ、大丈夫かい?」と、ついついこちらも要らぬ心配をしてしまいます。
確かに、自分の子供の部屋にロバート・スミスのポスターが貼ってあったら悩むかも!!(笑)

これを知らなかったら、この映画を観ようと思わなかったですね、きっと。
色んな意味で期待大です!
早速観てみます!
Commented by minaco. at 2010-06-01 23:56 x
Mercedesさん

もうすぐDVD出るでしょうね。その際には是非どうぞ。
主演の子、良かったです!ヒースにそっくりな顔してますが、もっと線を細く可愛くした感じ。はまり役でした。

他にも色んな懐かしめの曲が流れますので、お楽しみに!
Commented by minaco. at 2010-06-02 00:06 x
desertstormさん

これまでもThe Smiths者が出てくるアメリカ映画はあったけど、もっと変わり者やオタク扱いだったなあ(『ママ男』とゆう映画でも、モリの歌が使われててビックリした)。
あと、昔観た『バックマン家の人々』の中で娘の部屋にこんなジャケがあって、当時あちらのティーンにはドロップアウトの象徴?みたいでしたw

今回はとても新鮮な設定ですね。ネタ盛り沢山なので、どこか身につまされる所も多いかと思います。是非、ご覧になって感想を聞かせてください♪
Commented by Laa-laa at 2010-06-02 02:01 x
ジョセフ・ゴードン・レヴィットは私の中では『ゲイ映画で見かける人』だったのですが、この映画だとすごく文系センシティヴな感じがはまってましたよね。
トレイラーを見てすぐに「これは見なくては!」と思ったと同時に、「このカップルは墓場でデートとかするのか」とか勝手に想像してしまいました。
ところでワールドカップ名物ナイキCMですが、ロナウドはガエル・ガルシア・ベルナルですよ! ルーニーはこのCMのためにウルヴァリン状態だったのかもしれません。
Commented by minaco. at 2010-06-03 00:18 x
Laa-laaさん

私は初めて観たんですが、結構色々出てるんですね。ジョセフ・ゴードン・レヴィットくん。ゲイ役も似合いそうな柳腰~。今度クリストファー・ノーランの『インセプション』にも出るんで、楽しみ!

そう、うちもトレイラーで「There is a light」のシーン観て、これは!とw
cemetery gatesはなかったけど、この監督は相当スミス者だなあ~と思いました!

>ナイキCM
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督(長い!)なんですねー観ました!
ロン小さすぎwwルーたんはウルヴァリンでもかわゆいなあ。先日、未来を妄想したばかりだったんで、一瞬パクられたかと慌てますた(嘘w
Commented by desertstorm at 2010-07-19 19:40 x
男の子はナイーブで、女の子はグロテスク。
男の子は悲惨で情けなく、女の子は忌々しくて容赦ない。
古今東西いつの時代も変わらないこの本質を、真っ当に描き出していたように感じました。
<運命を信じなくて、2人の関係を決定したがらない>サマーを、イノセントに信じこもうとするトムに、呆れるやら笑えるやら。
「こんな話、あなたが初めて」なんてその最たる例で、彼女の言葉のそこかしこに、ヒントがあったのに!

もし自分が登場人物だったら、90分も掛けずにすぐさまトムに言ってやりたいです。
結局2人の関係が何だったのかを、苛立ちと悪意混じりに(笑)
Commented by minaco. at 2010-07-20 00:29 x
desertstormさん

ご感想ありがとうございます!正に、その通りですねえ。
若き日の痛々しさがこれでもかと溢れてますが、現代版「卒業」に風刺が効いた感じです。

トムくん… (ノД`)
キミもThe Smithsを愛聴してるんだからさー、所詮Some girls are bigger than others ~♪じゃないかトムくん!と諭してやりたいですねw
とはいえ、私は完全にトム君目線で観てしまいましたが。

なので、ラストでの展開はちょっと口惜しいですw出来れば、とことん痛い男のまま生きてほしかった…
まあ、サマーだって充分痛いんですけどねえ。
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