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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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『マイ・ブラザー』怖いよトビー…
(記&画/minaco.)

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前々から薄々思ってたけど、トビー・マグワイアって怖いです。

丸々と大きな青い瞳、瞼は半開き。表情に乏しく何を考えてるか解らんし、笑ってても眼が死んでるし、そもそも人の心はあるのか?とすら思えるから怖いです。似たタイプに若い頃のジェームズ・スペイダーがいるけど、彼のヤッピー的無気力感に対し、トビーは冷ややかに醒め切った無常さ。また、同じ童顔でもホビット族のイライジャ・ウッドほど異形ではなく、一見普通に見えるのが厄介です。

勿論、スパイダーマン=ピーター・パーカーは孤独なヒーロー稼業をウジウジと呪うちょっと陰気な中坊男子なので、はまり役だった。けど同時に、中の人から滲み出る狂気は、ある意味本当の黒スパイダーマン…。


さて、そんなトビーが暗黒面を全開にして、アフガニスタンからの帰還兵を演じたのが『マイ・ブラザー』('09)でした。予告編だけで怖すぎるけど、監督が家族ものに定評あるジム・シェリダンなので観てきた。

GIカットの海兵隊員トビー。その弟がジェイク・ギレンホール。妙に感じが似てるので兄弟として説得力あり(そういや、ジェイクが従軍した『ジャーヘッド』は面白かった)。トビーの愛する妻には、何度も「美人だ」と強調されるナタリー・ポートマン。アフガンへ出征した夫(兄)と残された家族が平行して描かれ、戦地での過酷な体験やそれによる家庭崩壊など、かなりシリアスなドラマだった。

出来の良い兄と厄介者の弟や、アメリカの戦争と犠牲の物語はよくある。そもそも、これはデンマーク映画『ある愛の風景』('04/スザンネ・ビア監督)を忠実にアメリカに置き換えたリメイクだそう。どおりでガチ。但しジム・シェリダンといえば、アイルランド良い子役が付き物なのだ。『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』('03)でもアイリッシュ一家が主人公で、2人の娘がとても生き生きと達者な演技を見せた。今回も音楽がU2、娘達の子役が素晴らしい。それに、使い勝手の悪いキッチンなどありふれた生活感が非常に巧い。

ナタリーさんもジェイクも熱演してるけど、何より鬼気迫るのがトビーである。出征前、良き父良き夫で幸せな家庭を築いていたトビーだが、既に正気とは思い難い顔をしてるような。そして一度戦死を知らされた家族の元に、ひょっこり帰還するトビー。げっそりと痩せこけて、眼だけ見開き瞬きもせず、心に救いようの無い闇を抱え、幽霊みたいに変わり果てている。物凄く怖い。

戦地で何があったのか、ミステリーとして最後まで引っ張っておく事も出来ただろうけど、そうしなかったおかげで、戸惑う家族との間の緊張感もとても怖い。鏡に向かい髭を剃るだけでも、弟の横に座るだけでも、娘の誕生日を祝う席でも、娘にジョークを言うのにも、膨らませすぎた風船のようにヒヤヒヤして怖いんです。そしてやはり風船は破裂する…

帰還兵の狂気といえば『タクシー・ドライバー』のトラヴィスなど色々いるけど、若きデ・ニーロのメソッド演技以上に、トビー・マグワイアの持つ業は恐ろしい。底知れぬ暗黒面を覗いてしまいました。


「マイ・ブラザー」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
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by tototitta | 2010-08-03 21:17 | 映画 | Comments(2) | ▲ TOP
Commented by Laa-laa at 2010-08-05 04:25 x
観た直後は私の『こんなお兄さんがいなくてよかった』ランキング初登場1位でした。オールタイムベスト(ワースト)ワンはゴッホさんですが。
なんだろう、幸せな時の虚ろさが半端ない。むしろ戦争はきっかけにすぎず、遅かれ早かれサムは壊れていったんじゃないかとか邪推させられる。トビー・マグワイヤはそんな印象でした。
宣伝的には【感動作!】みたいな煽り方だったんですよね、これ。なんかそんなにシンプルでいいのだろうか、そう解釈できない自分が歪んでいるのかとかちょっと考えさせられました。
Commented by minaco. at 2010-08-06 00:36 x
Laa-laaさん

初登場1位!解ります!ゴッホさんはガチすぎてきついっすねえ…テオよ(涙)

サム兄さんが遂に切れてしまうのを観て、とても辛いシーンなのに、あまりの怖さに笑ってしまいました。人間、恐怖がすぎるとひきつって笑っちゃうんですね…
仰るとおり、トビーのGIカットだけでも薄ら怖く不気味に見えてしまい、まるでこの後の修羅場を暗示してるかのよう。笑顔なのに冷たい…良い人なのに虚ろ…。寒々とした雪景色も相まってますね。

感動作か解らないけど、良い映画でした。スザンネ・ビア監督の映画はこれ(オリジナル)以外の何本か観てますけど、喪失と再生を描いたものが多い気がします。あくまで過程であり、答えは用意されず。私は弟ジェイク・ギレンホールのその後を思い、それもまた痛々しくやるせない気持ちになるのでした。
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