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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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フレデリック・ワイズマン『パリ・オペラ座のすべて』
(記/minaco.)


パリにもオペラにもバレエにも疎いのに『パリ・オペラ座のすべて』(2009)に惹かれたのは、監督がフレデリック・ワイズマンだから。

ナレーションも無くテロップも無く、インタビュウや人の名前も、説明的なモノは一切無く、音楽も実際その場で流れる音のみ。個人のドラマや背景も語られず、その演目すら解らず、時系列とも限らない。在るのはパリ・オペラ座の日常そのもの、バレエとバレエダンサーの本質。そんなドキュメンタリー映画です。ガチです。

以前観たワイズマンの『動物園』(1993)もそうだった(感想)。何も説明されなくても、「動物園とは何か?」「バレエとは、オペラ座とは何か?」の答えとしてこれほど明確な映像はない。稽古風景ばかりでなく、ミーティングからオペラ座の建物そのもの、屋上で飼育される蜜蜂、清掃員や補修作業まで。いくら密着撮影とはいえ、多分バレエ好きにすれば余りに非芸術的なバレエ映画と感じるかもしれない。

カメラはまるでオペラ座のどこか片隅からひっそり覗くような視点で、バレエに携わる人の営みを観察し、記録する。時には舞台上でダンサーのすぐ傍らに居るかに思えるが、決して観客の目線にはならない。ダンサーや演出家の素顔など求めず、ただ誰もがプロフェッショナルに仕事をこなすのを見つめるだけ。

バレエに詳しくない自分なんかはそれを観て、面白い動きだなあとか、人の身体は色んな事が出来るもんだとか、演出や振り付けってこうするのかなどと想像を巡らす。やがてふと気付いたのは、このバレエダンサー達(個々の役柄すらワタシは知らない)は即ち、「銭の取れる肉体の持ち主」なんだという事実。いや下品な表現で失礼だけど、鍛錬され形作られ自由に動かせる身体にはお金を払う価値がある。驚くべき能力を発揮する生身の身体に。

ミもフタもない事実だけど、一つの本質だと思う。ある意味ワタシのような素人にワイズマンは解りやすい映画である。美は細部に宿る---と言われるように、真は細部にある。敢えて芸術性を外した日常の中に固有な本質があり、細部から全体を見る。いくら観ても見飽きない。何故なら、その日常は映画の前も後も続いている。


オペラ座バレエの総監督と思われる人物や裏方スタッフの仕事ぶりは、フットボールクラブにも通じるものがあると感じた。タニマチを接待し、プランを立て、若手を育成し、問題と闘い、伝統と格式を貫く。ファーギー著『監督の日記』みたいだ。あれもまた、いつ誰と会って何をしたか、その事実のみ淡々と積み重なってゆき、監督としての日常の細部からユナイテッドそのものを思わせる。

なので、ワイズマンには『オールドトラッフォードのすべて』を撮って欲しいなあ。ファーギーやコーチや施設内スタッフの仕事、トップチームからアカデミーまでキャリントンでの練習風景などを、ただ黙々と観察してみたい。

「パリ・オペラ座のすべて」の映画詳細、映画館情報はこちら >
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by tototitta | 2010-12-03 01:16 | 映画 | ▲ TOP
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