[鹿 2-0 フロンたーれ]
昔、
「ザ・フォッグ」というB級恐怖映画があった。
フォッグ、直訳で「霧」。公開時コピーが「霧の中に何かがいる・・・・・・」 。港町を突如として覆う怪しい霧、その中に現れたのは400年前の亡霊たち・・・というお話だった。
川崎フロンたれ戦の後半、久々にジーコスタジアムに霧が出現した。
そして、程なく先制点。
あれは、本当にオウンゴールだったのか? もしかして
「霧の中に何かが・・・・・・」?
どうにも点の取れない鹿FWに業を煮やした先人の亡霊が霧とともに現れ、鹿にゴールをもたらしたのでは無いだろうか。
あの高角度でゴールに突き刺すヘッド・・・長谷川あたりか。生きているけど。
でも、あの一点が無ければどうなっていたことやら。勝手知ったる関塚サッカー(あの頃の鹿そのまんま)相手だし、過密日程で省エネサッカーもやむを得ない現状だけど、もう少しリスクをかけて攻めなくちゃ、弱いところに取りこぼす悪癖がまた出ちゃいますよ。
霧だって、そうそう現れてはくれないのだから。
さて夏の怪談噺はここまでとして、最近思うのだが、
どうも満王とそれ以外の選手とのプレーに差を感じてしまう。
もとから、確かに満王の能力は鹿随一(だから僕は鹿では満男じゃなく“満王 ”と呼ぶ)だし、他チームを含めてファン視線を差し引いても過去現在において最高の日本人MFなのだが、ここまで他の鹿選手とレベル差があっただろうか。
無論、満王がまさに“王”としてピッチに君臨し、プレー面、得点力、戦術眼、精神力というあらゆる場面でチームを牽引しているのは嬉しくも思う。だがその結果、あまりに満王に頼り過ぎている現状、一部選手には遠慮さえ見られる現状にはちょっと不安を感じてしまう。
ここは大船渡高校サッカー部じゃないんだから。
満王が出場停止になったら、更には海外へ移籍したら、鹿はどうなってしまうのか。
個人的に「満男→X→福士(現・順天堂大学一年。かつて満男に鹿を選択させた僕の念力で、四年後鹿入りさせる予定)」という鹿王の系譜を埋めるXに思っていたポンテが浦和に攫われたので、余計不安。
それに、今はまだ満王の“教育的指導”で済んではいるが、このままではいつまた
“エウレルの悲劇” が繰り返される事やら。マリノス戦でもキレてたし。
次節での彼らの奮起に期待したい。特に本ヤン、峰、師匠・・・そして蟻。
君には満王怒りのインジケーターにリーチかかってるよ、多分。
(絵/minaco、記/なるほ堂)