いやはや、、、まず言いたいのは、ファーギーをナメていた事への謝辞。御免なさい。
てっきりこの試合はAチームで臨むものだと思っていた。次節のリーグ戦はリバプール相手だが、もはやその勝敗に大きな意味があるかは疑問だし、むしろFA杯の方に比重を傾けるのだろう、と。
それに、現在のユナイテッドのドツボ状態を断ち切るには、ここでガメつく勝ちを拾うべきと考えるのは常識的で、万一ここで敗れて更にリバプール戦も落とすような事があれば、いかにファーギーとはいえ決意せねばない時だ。
でも、ファーギーは若手で臨んだ。改めて、この人の凄さを知った思いだ。
ユナイテッドをユナイテッドたらしめているもの、それはこのクラブは常に『過去・現在・未来』が同居している事だ。そのどれもが重要であり、決して疎かにはしてはいけない。歴史を分断してはいけないのだ。
例え『現在』が強くとも、『現在』しかないクラブには魅力も重みも無い。どことは言わないが。
短絡的に今日の勝ちを拾いには行かない。今が苦しくても未来への希望を捨てない。それがユナイテッド、、、理解しているつもりの僕でさえ、試合前には忘れていた。
でも、ファーギーはちゃあんとそれを分かってる。やっぱりあんたは凄いよ。 やはりファーギー以外には容易にこのクラブの監督は容易には勤まらない。
今日のロッシの大爆発も、そんなファーギーだから有り得た事だ。
思えば、再試合になってminacoが沈んでいたのも今となっちゃ笑い話。
かの時は「若手の鍛練の場が増えたと思えば良いじゃないか」と適当に慰めたが、ほんとその通りになった。相手のバートンもお金が入ってウハウハ、ユナイテッドも若手が成長してくれてウハウハ。もう良い事尽くめ、みんな幸せ。悲しみなんて一時的なもの、何だって結局は「運命が用意してくれた大切なレッスン」なんだよね。
で、ロッシのこと。
サッカーを観戦中、いわゆる“俺好み”なプレーを見ると「ウホ〜!」と吠えてしまう。勝手に。
今僕を一番吠えさせるのはロナウジーニョだが、今日のロッシにはそれ以上に「ウホ〜!」と言わされた。(ルーニーは確かにロッシ以上のプレーヤーだが、好みという点で言えばロッシに軍配をあげてしまう。)
うすうすロッシの非凡さには気付いてはいた。現在のスタメンに食い込むのは苦しいだろうが、少なくとも怪我以降、身体を当てれなくなったサハよりは上だろう、と。
でも、まさかここまで出来る奴とは!
相手が弱かったから? いやいや、相手云々の問題では無い。少なくともロッシがこの試合で見せたその発想や技術の凄さを語るには相手なんか関係ないよ。無論、上相手では今すぐこの通りにはいかないが、この高い資質は絶対に上でも通用する。断言してもいい。
例えればロッシは、ロマーリオとジュニーニョ・パウリスタを併せた選手だ。ブラジル人で申し訳ないが、ブラジルマニアの僕がブラジル人に例えるのは最大限の賛辞と受け取っていただきたい。(イタリア人だし『新しいバッジョ』っていうのも否定はしないが)
ロッシは兎に角、軸が強く、足裁きが速い。何より足のどこの面でもボールを蹴れるのが素晴らしい。前述の両ブラジル人はその技術をビーチで身につけたが、ロッシはニュージャージーの何処で覚えたんだろうか。
無論、偉大なブラジルの両選手からは劣る点もあるが、イングランドの速いサッカーの中でブラジル人的な踊るようなプレー=ジンガを使えるのは驚きである。プレミアではブラジル人は生きないと思われていたが、ロッシのプレーはその常識を破るものだ。
ロッシがC・ロナウドと決定的に違うのもそこだ。
ロッシの技術の素晴らしい点は、味方のリズムを殺さない所にある。味方によりよいタイミングでプレーさせる為に、ロッシはボールと踊るのだ。
そして一方の、自分のリズムでしかプレー出来ないロナウドに味方がキレるのは当然である。
ロナウドとニステルの衝突があったのも、止む無し。奇しくも「ロナウド、ユベントス行き拒否」報道の後であるからにして、ニステルももう腹を決めて殺るしか無かったんだろう、と推察。「お前、いいかげん空気読めよ」である。
この試合ではもう一点。リオのボランチもヒットだった。
まあ、これは遊びかもしれないが、攻撃好きのCBを1列前に置くことの有効性はエジミウソンやマルケスのが証明している。ネマニャ効果で、いいオプションが増えたか。
でも、、、それにしても本業CBがレギュラーボランチよりも格段に攻撃力があるってのが、なんとも。。。
確かにオシェイ、フレッチ、ブラウン、、、かつてはユナイテッドの未来を担うと言われた選手たちである。しかし、最近はソルトマニア(塩専)垂涎のしょっぱいキャラ。
決して能力が無いわけではない。だがこの三人が測ったかのように同時にピッチから下げられてからのユナイテッドが、正に完璧なフットボールをしたことからも、彼らの塩っぷりは本物なのだろう。
リッチーやピケも微妙だ。ユナイテッドのカンテラはもう駄目なんだろうか?
いやいや、それでもロッシや、何よりも既に赤い悪魔の伝説を背負っている風格に溢れるバーズリーがいるではないか。バーズリーのような選手が出てくる限り、やはりユナイテッドの若手育成主義は間違っちゃいないのだ。バーズリーはリバプールに於けるキャラガーになれる逸材である。
良い作品が産まれるにはそれ相応の代償も覚悟せねばならない。そういうリスクを負い、しかしそれでも、それら不良品をもいっぱしの本物に仕立て上げるのがユナイテッドの使命だ。何よりファーギーがそれを信じているのだから。
さて、ここまでユナイテッドを語ってきた。しかし言っておくが容易にはユナイテッドファンにはならないぞ。やはり海外クラブで一番魅力を覚えるのがバルセロナである事に揺らぎは無い。やっぱりユナイテッドにはブラジル人がいないし。。。
でも、このブラジル人的なジンガの持ち主であるロッシが毎試合今日のようなプレーを見せたら、正直自信が無い。転向するかもしれない。
実際、バルセロナの未来であるメッシには、技術的にクリアしなければならない欠点が沢山あって、正直のれないし。。。彼は持ち上げられ過ぎでしょ。
軸が左に傾いていて、左脚でしか蹴れず、ドリブルも左にしか切り込めない選手なんて、結局潰れるのがお約束だもん。
ロッシ>メッシですよ。
でも、、、そうしたらminacoの思う壷なんだよな。複雑。
(なるほ堂)