今季の中でも屈指の面白さだったスパーズ戦の前半。だが、ひょっとしたら我が家ほどテンション上がって盛り上がって観てた人はいないかもしれない。
ルートが、パートナーを前に置いてチャンスメイクしている。
前に書いた
「ルート→ニリス化計画」を、本当に試すとは。ファーギー、またしてもサプライズ。貴方はホントに人を驚かすのが好きだな…。
前節スコアレス・ドローの失敗を踏まえた実験だったのだろうか。勝ってるチームはいじらないが、変える時は大胆にいじってみる。それがファーギーのやり方。
ルートが下がった位置でボールを受け、左右に開きパスを捌く。ルー坊が前でチェックしに行き、一番先にゴールへ入る。2人の役割が入れ替わっているのだ。ぶっちゃけ、この位置でボールを持ててシンプルにパスを出せるのは、今のチームではルートだろう。ルー坊がそこでプレイしてた時よりもずっといい。左サイドに開いたルートがロンに出した、ドライブのかかった絶妙のボールときたら!2点目もルートが右でボールキープしたからパク☆チーは上がれた。DFをいなし、流れるようにパスを繰り出しゴールを演出する様に、ちょっとカントナを被せちゃったよ。キング許して。
さすが4位のスパーズには獲得リストに噂されてるレノンやデフォー、ロビー・キーンらスピードに自信ありの選手で掻き回された。若くてイキのいい選手とダヴィッツの経験が活かされたいいチームである。残念な事に後半は中2日のユナイテッドの疲労も出て、ボールを支配出来ず苦戦。
ハラハラし乍ら、それでも残り少ない時間にギャリーが上がってくるのが頼もしい。
ルートは2度の大きなチャンスを逃してしまった。どちらか決めておけば楽になったのに、かなり悔しい。きっと世間的には前半のようなプレイより、このチャンスを決められなかった事を批判するのだろう。それは仕方ない。
このまま新しい役割が続くのか、今後の展開はまだ読めない。今季のユナイテッドは1回見逃すと筋が解らなくなる連続ドラマ。表面的な結果だけで一喜一憂するのはもったいない。我が家のアングルはちょっと一般的じゃないかもしれないが、長期的に1つのチームを観ていると文脈やエモーショナルな意味合いが見えてくるものだ。ハイライトだけ観るとまるで日本人選手が活躍したかのように編集したTVのスポーツニュースのように、今日のルー坊はダブルだ!と喜ぶのはまだ早い。
だが、ルー坊は恵まれている。自分を活かしてくれるシステム、それが出来るパートナー(勿論サハも)がいる。何しろ、ファーギーはルー坊(とロン)の為に残りの監督人生を賭ける覚悟だ。何でもしてくるだろう。それだけの価値のある選手なのだ。羨ましい。
一方ロンは、このアングルにどう関わるのだろうか。狙い通りのカウンターを決めた1点目、アシストしたロンが拳を握って「よっしゃあ!」と吠えていたのが新鮮だった。でもとりあえず、「ロンは人生を楽しめ。何か趣味でも持て」となるほ堂が言ってる。何だソレ。
そんな訳で、新展開を迎えたユナイテッドのアングルは次回に続く!
(記&絵/minaco.)