(記&絵/minaco.)
やはりボルトンはネタクラブ・・・。完全にカモですな。
試合前からニヤニヤするルーたん。何か良い事でもあったのか。
ラーションが去り、オーレもサハもまだ復帰せず、スミシーもベンチ。この状況でルーたんは1トップ、というか、4‐3‐3いや4‐3‐2‐1なのか。
今までのルーたんは1トップを苦手にしてたように思う。だが、この日はどうだ。出来るじゃないの。気の利いたポスト、的確でワイドで無駄のない動き、落ち着いたシュート。まるで憑き物が落ちたように、堂々たるプレイではないか。
スウェーデンに帰ったはずのラーションだが、実は
ルーたんの着ぐるみを着たラーションがピッチに居たのかと思った。
この短い間に、ラーションは若い選手に
「オトナのたしなみ」を指南した。
例えば、これまでが黒澤明の時代劇的重い刀で斬り合うチャンバラだったとすれば、そこにいきなり眠狂四郎の円月殺法である。ソフィスティケイテッドされた彼とプレイする者は皆、巧く見える。誰にとっても最高のパートナーだった。
但し、「切った張った」のルーたんにそれを望むのは難しい。半可臭い(←方言?)プレイでしばしば自滅するルーたんは、それが魅力でもあるけれど、エースを背負って立つには軽いのよ。
でもこの試合、ボルトンが余りにもユルユルだったとはいえ、ルーたんには常に余裕があった。ご機嫌だった。
試合後、ユニを交換するルーたんの背中に、チャックは付いてない。だとしたら、ついに進歩だ。
ところで、試合前にアネルカと熱く抱擁してたガビーは、右のギャリーが早々に負傷交代したせいもあってか、結構目立ってた。
ディウフとやり合うだけでなく、後半のクロスは美しかった(プレミアのカメラワークはイイね)。ロンには頭で突っ込んで欲しかったなあ。
同じ笑顔といってもカンナヴァロの
営業スマイルとは違う。
例えるなら、森でハンターと野ウサギがばったり出会った時、ガビーは獲物に「ほら、走ってお行きなさい」と笑顔を見せ、野ウサギが背中を向けて駆け出した瞬間にズドンと撃ち殺す。
カンナヴァロは野ウサギを見なかった振りをして、そのまま笑顔で銃口を向ける。
パタゴニアとナポリの違いなのかな。ガビーは激しいけどフェアなんである。いつでも1対1でかかってこんかい、と嬉々として受けて立つ。
ダブルしたパク☆チー。彼が怒ったのを観た事がない。京都に居る時から見てきたなるほ堂も同じく。
パク☆チーはサブ選手に相応しいプレイをする。途中投入されても試合の流れを壊さず、感情を出さず、自分のアピールより堅実に忠実に貢献しようとする。分をわきまえず、気の強さが仇となり試合を壊しかねないリッチーに比べたら、何て使い勝手がいいのだろう。でも、そこが正直物足りなくもある。
去年、カーリングカップ優勝直後のロッカールームの映像を思い出す。
シャンパンを振りながら、おシェイやブラウンが標的に向かう。加入したばかりのヴィダはロッカーに張り付いたまま固まり、パク☆チーは手荒いシャンパンシャワーに、ただただ「キャーキャー」と女の子みたいに甲高い悲鳴を上げていた。そんなリアクションのパク☆チーは果たしてこの野郎共の世界でやってゆけるんだろうか、などと心配になったりした。
エヴラ(←仲良しらしい)やリッチーの血の気を分けてやりたい気がする。余計なお世話ですが。
いや、実はパク☆チーが羨ましいのよ。だってルーたんにギグスにリオに、ハグハグされてんのよ。一応アジア人として感情移入すれば、この中でプレイ出来るなんて、夢みたいなんですもの。ルートやエドさんにも随分可愛がられた(パク☆チー行きつけの韓国料理店でキムチ初体験したとか)し、ああジェラシー(って何故ワタシが)。だからこそ、もっともっと、と思ってしまうのね。
最後にスミシー。
今後のチーム事情にもよるが、サブにまわる事が多いだろう。でもそれはスミシーがオーレになる布石なのかもしれない。
スミシーにはこのクラブで現役を全うして欲しい。勝手ながら、第2のオーレになれるのは君だと思う。地道にあきらめないでプレイし続ければ、きっと大舞台で贈り物をもらえるんじゃないかな。
CL決勝で劇的な逆転ゴールを叩き込み、サポから永遠のリスペクトを得るスーパーサブ。
スミシーにもそんな日が来るのかもしれない。