(記&絵/minaco.)
<#9 / UTD × WIGAN ATHLETIC 4-0>
いつものようにメールボックスを開き、迷惑メールを削除する私に、届いたユナイテッドのニュウスレターは、フレッチの切ないブログがありました~♪(リスペクトto 阿久悠)
代表戦で怪我を負ったフレッチは、この試合をスタンドから応援するとの事でした。ファンと共にチャントを歌い、レフリーに罵声を浴びせながら、この90分間だけは怪我を忘れてられるんだと・・・・うう、ニュウスメールで泣かせてどうするフレッチ (ノД`)
なのに、ああそれなのに。怪我を忘れさせるどころか悪夢のような展開になってしまったんである。ひー、もしやフレッチの呪いか。
怖いもの知らずのヴィダが脳震盪(みるみる腫上がってたんで頬骨骨折かと思った)で交代。
更にこの日久々のアンカーで先発のおシェイが代わりにCBに入ると、その後痛みを再発して交代。
前半だけで2人交代の非常事態。何故か観戦に来てたブルース師匠、後継者ヴィダの代わりに出てくれないか、とすら思う(CKのヘディング要員だけでも)。
しかしここでユナイテッドは、右サイドで先発したピケがCBに移動、センターにアンデルソ~ン、右にはシンプソ~ンときた。
今そこにある危機に立ち向かうのは、クスチャクを含め、まるでリザーブチームの中にリオが入ったみたいなバックスなんである。
こういう状況下のリオはとても生き生きして見える。仕切りたがり、目立ちたがりのリオ姐さんには、内心「おいしい」状況なのがバレバレ。嬉々として右SBとアンカーとCBの1人3役を賄ってしまう。
いや、そもそもユナイテッドの選手はリスクに対しての認識がズレてるのだ。リスキーなプレイを好むギグスも脈絡なくタックルかますスコールズも、日頃から危機感覚が麻痺してるし、それは正しい。何せ、監督からしてペースメイカー入れてるくせに心臓に毛が生えてる。
要するに、狂ってる。
ところで、遂に出番が来たリザーブ組。
ピケはそのスペイン仕様の守備スタイルがやはり難点。ウィガンに攻め込まれる場面がなかったとはいえ、キビシイものがあった。
一方かわゆいかわゆいシンプソンのデビュウ戦は、なかなかだった。ギャリーを手本としリーダーシップもある彼は、さすがオールドトラフォードを庭として育ってきただけの事はある。余裕が出た終盤には何度もいいクロスを入れ、ルーたんのアシストもした。急な起用にも係らず、自分のプレイを見せてくれたのが嬉しい。ああ、でもスタンドで足を放り投げてピッチを見つめるバーズの立場が・・・(このバーズに正しいマンチェスター男の姿を見た。それだけでも嬉しいけど)。
そして急遽初のセンターハーフをこなしたアンデルソンには、セレソン評論家のなるほ堂も大興奮だ。いや、シンプルでスルーパスの出せるブラジル人らしくないセンスに複雑ながらも、
「有史以来初めてユナイテッドで活躍するブラジル人」の予感を感じたらしい。まあ、クレイベルソンとは違う事だけは間違いない。
終わってみれば4‐0の大勝。ウィガンが余りにもアレだったとはいえ(メルキオットがいなくなったら脆い)、見事に難局を乗り越えた。アルヘンらしさ溢れるゴールのテベス、ルーたんは珍しいヘッドでのゴール。ロンは腫れた左目を指してダブル。特にルーたんはユナイテッドの10番、トップに相応しいプレイだった。
そろそろユナイテッドの新しい形が見えてきたと思う。
この日のユナイテッドをバルサに例えて、エトー(というか、かつてのラーション)がルーたん、ガウショはロンでメッシがテベス、そしてデコがギグス、シャビがスコールズと思えば解りやすい。
そして前線のこの組み合わせが、ワタシは一番しっくりくる。
でもシステムよりも大事なのは、新しい選手を加えて様子を見てたチームが、やはり下からの選手を加えてもユナイテッドにしかならないという事実。
いいなー、カッコイイなーと思う事はあっても、共感できる事ってあんまりない今日この頃。昨季以来ココロに空いた穴は未だ埋まらない(秋風が吹き抜けるのよ)。それでも、ワタシの心のクラブはココなんだなあと再認識する。
ベンチやスタンド観戦組や、ファンと共に居たフレッチ(さぞかしこのレフリーに罵声を飛ばした事だろう)や、敵のゴールキックになろうと潰しに行ったテベスのプレイを称えるファン。
怪我人は困るけど、こういう試合もまた悪くない、と思わせてくれた事が嬉しかった。
きっと上手くいくよ。バーズ、がんがれ。