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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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『猿の惑星』と『チェルシーFC』
(記/なるほ堂)

大分ご無沙汰してました。別ブログの立ち上げ(本項最後にて紹介)や、仕事が忙しかったのもあるのですが、実は「魔女の一撃」ことギックリ腰で寝込んでまして(……苦笑)。

さて、安静の間は、録画したまま放っておいた映画を見たりしていたのですが、暫くはチョボチョボとそれらについて書きたいと思います。ラグビーW杯(涙)やサッカー(号泣)の話は、また日を改めて。



『猿の惑星 PLANET OF THE APES』

リメイクには嫌悪感な僕としては、録画したまま「見ザル、聞かザル」だった本作を見た。

ピエール・ブールによるオリジナルの原作が、彼自身の「太平洋戦争中の捕虜体験」から書かれたのは有名な話。彼は、かの『戦場にかける橋』の作者でもある。

即ち、作中の構図「猿vs人間」とは、
「粗暴で、しかし組織的な戦闘力に長けたアジア人vs危機感の足りない、愚かな白人」

同朋先人を「猿」とされるのは些か申したい部分もあるが、しかし作品自体に蔓延する白人たちの「怖れ」は、見ていて結構「小気味良いもの(変な言い方だが)」でもあった。

当時の白人が我々をどのように見ていたのか──それを知る資料としても、この映画はとても貴重であり、また同時にエンターテイメントとしても成功している『猿の惑星』は、正に傑作と呼べるだろう。

そのリメイク、ティム・バートンによる『猿の惑星 PLANET OF THE APES』
ここにある「猿vs人間」の構図は、オリジナルとは大きく違っていた。今作の下地は『パレスチナ問題』である。即ち、「ユダヤ人vs粗暴なアラブ人」

主人公の「立ち位置」も違う。オリジナルではあくまで「人間側」であり、まるで将来「全米ライフル協会」の首領としてタカ派の頭目にでもなりそうな、「奢った愚かな白人」としてチャールトン・ヘストンが居たのに対し、リメイクでは「猿と人間の中間」みたいなルックスのマーク・ウォルバーグ。彼は惑星にて、両者の中間に立ち、その「調停役」の役割を果たすのだ。

つまり『猿の惑星 PLANET OF THE APES』は、

“イスラエルの領有を巡る紛争地帯に、空から降り立った「正義のアメリカ軍人」が、「ユダヤもパレスチナも出自(神)は一つ」と説き、紛争を収める”

──というお目出度いお話。そう、実際にアメリカ人が考えていそうな「都合の良い中東和平案」をなぞっているのだ。

故に今作は薄ら笑いで見てしまった。アメリカ人の脳内にある都合の良い「アメリカ軍=正義の調停役」という図式を、ここまで臆面も無く描いているなんて。実際は違うくせにw

ちなみに最後のシーン。ネタバレで恐縮だが、あれは「アラブ人は殺せる時に殺さないと、アメリカは彼らに支配される」という警告……と言うよりも、単なるパロディだろう。苦笑い。正に鬼才ティム・バートンの、「猿も木から落ちる」ような映画だった。「ティム・バートンなのに……」と思う反面、「ティム・バートンだから仕方ないか」という部分もある。

まあ「サル者は追わず」の理に従い、これ以上突っ込んでも仕方ない映画なので、「オリジナルと違い、実体験を下にしていない人が“都合良い解釈”で作っちゃうと、幾らお金をかけても平板なストーリーの失敗作になる」という、悪い見本として心に留めておくことにする。ちなみに、CG技術の進歩の甲斐無く、猿の着ぐるみには愛嬌も怖さも無かった。オリジナルは、結構トラウマだったのだが。



さて、ユダヤ人がらみでサッカーの話。あなたにも、
チェルシー

映画にさえ背後の「政治アングル」を強引に嗅ぎ取る僕のタチの悪い姿勢……それはサッカーに於いても変わらなかったりする(困ったもんだ)。イスラエル代表DFベン・ハイム、元イスラエル代表監督アブラハム・グラント、そしてテン・カーテをアヤックスから──モウリーニョ放逐後、やたらと「ユダヤ人脈」が強化されているチェルシーFC。その狙いを伺うのは容易だろう。

油モビッチにとって重要なのは、チェルシーというクラブを利用して、
「反ロシア(=反プーチン)の砦」
を造ること。

ウクライナという、旧ソヴィエト内で反ロシアの急先鋒である国家に、シェフチェンコを通じて接近し、今度はプーチン皇帝と絶賛抗争中のユダヤ人閥との関係を強化──もう“政商”油モビッチには、サッカーなんてどうでもいいのよね。呆れたサポに見放されて客が減っても、彼には痛くも痒くもないんだし。

ともあれ、リトビネンコ毒殺事件以降、身辺穏やかではないベレゾフスキー(英国亡命中の反プーチン強硬派の親玉。ロシア・ユダヤ新興財閥のドン)の後釜こそ、彼の狙いだろう──いや、策略に長けた油モビッチのこと、単純に「反プーチン」ではなくウクライナやユダヤを手なずける事でプーチンとも水面下にて手を結んでいたりして──等々、色々と面白い想像は尽きない。

されど、いくら政治アングルとして面白くとも、サッカーの話としてはちょっと困る。一時はタイの政争に巻き込まれたリバプールも同じく。

「ライバル・ユナイテッドに遅れを取ってはならん」とばかりに、絵に書いた餅のような新スタジアム構想を立ち上げちゃったら、案の定金欠に──すると、そこに融資の話を持って来た怪しい人物が……。まるで『どんど晴れ』の終盤の、どうしようもない世界をなぞったようなストーリー。

ぶっちゃけチェルシーがサッカークラブとして没落しようが、一向に構わないが、やはりリバプールという名門が、あの世界一のサポーターに愛想を尽かされるのは見るに忍びない。金満プレミアを支える「お金持ちウェルカム」な姿勢も、そろそろ「負の部分」の方が大きくなりそうだ。

最後に──。
そんなこんなで、世界のサッカークラブにはその背後に「サッカー以外の目論み」を持つ例は少なくない。実は、我が鹿島アントラーズは「村おこし」という、Jリーグ発足に当たって唯一明確な目的を持っていたクラブだったりする。しかし、正直そろそろ新しい目論見も必要なのではないだろうか。

ピッチ上に関しては、文句は無い。「10冠」を追いかけよう。だが、ピッチ外ではもっと生々しい野望がこのクラブには必要だと思う。大都市のクラブに負けない為には、もっと大きな野望が。



PS/
上でも少し触れましたが、実は本ブログのスピンオフ(アウトレット?)として密かに、
tototitta-sem
というブログを立ち上げておりました。内容はあの『どんど晴れ』の観戦記です。卑屈者なるほ堂による見苦しい愚痴ばかりの、狂人日記的な……恐らく皆様にお読みいただいても呆れられるだけのブログでしょうが、宜しかったら読んであげて下さい。
by tototitta | 2007-10-20 18:59 | 映画 | ▲ TOP
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