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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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skin by なるほ堂

by tototitta
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日本代表 - チリ戦、雑感。
(記/なるほ堂)
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2008年01月26日(土) キリンチャレンジカップ2008
日本代表 0 - 0 チリ代表
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こんなに「退屈」な日本代表を見たのは久しぶり。
実況に競技場の気温を聞いても、氷点下二桁まで行かぬ限り寒いとは言わない我々としては、やはり画面から伝わる「寒さ」の原因はピッチ内のサッカーそのものに求めてしまう。

ただ、それを岡田さんのせいにする気もないし、選手のせいにする気もなし。
「少タッチで叩く以外に、何故“キープして溜める”という事が出来ないの?」
「中盤でボールを奪えないと全く攻撃にならないのに、何故ボランチが一枚?」
「何故相手の出方に対応して、ゲーム中に守備ゾーンを修正できないの?」
という疑問は数々あれど、何よりもやはり、

「一度リセットしてしまうと、未だ『根無し草』みたいな我らが日本サッカーは、
『最低限の共通認識』すら失われてしまうのだなあ」


という現実を再認識するのみ。しみじみと。

+++

高校サッカー選手権の最中にも思ったが、未だ日本のサッカーは一体「何に根ざしているのか」がさっぱり判らない。それはJクラブも同様だ。南米や欧州への「憧れ」や「流行」を追いながら指導者が試行錯誤し、それぞれに理想のスタイルを具現しようとしている。ショーケースに並ぶ色とりどりのそれらを眺めるのは楽しい。だが、未だそこから肝心の「日本サッカーのベース」となるものが見えてこない事への危惧も。人種のるつぼの様な国でさえ感じられる「共通認識」がこの国で出来ないのは、雑多な建築様式の乱立する町並みを見るたび、それはやはり国民性なのかなあとも思ってしまう。

ただし、これは飽くまで個人的意見だけど、優れた戦術で「かさ上げ」された実力に拠り勝利するサッカーばかりしていても、しかしあまり本番での結果に結びつかない印象があるので、今日のチリ戦の様にこうやって個人の力量が露になる機会を得た事は評価したい。

この試合で露になった、選手の構成力やキープ力の無さ(決定力は今更なので言わない)。もう一度サッカーの原点である「日本サッカーの個の現在」を検証するには良い機会だったろう。試合勘など多少のエクスキューズは差し引いても、やはり僕的には「戦術以前に解消しなければならない欠点」を感じた。これらを放置して「何か」で補った所で、所詮本番では容易に実態が露呈する、言わば「付け焼き刃」に思う。さあ、岡田さんはどうするのか? 見もの。

+++

最初に「退屈」とは言ったけれど、でも最後まで目の離せなかった要因が2つ。
勿論第一は、代表デビューとなった鹿の篤姫=内田篤人
トイ面の選手が手強かったのと、1枚ボランチでは前に駆け上がった時に一体誰がカバーするのかが不明だった事もあって、結果「鮮烈デビュー」とは行かなかったけど、まあボチボチでしょう。鹿でなら容易にできるオーバーラップが、連携の未完成とタメの効かぬ中盤故容易には果たせず、しかし「ならば」とゴール前まで自分でビジョンを持って駆け上がったシーンには頼もしさも。正直ピッチ上の「お兄さん」たちには、代表デビュー戦に臨んだこの若武者に対し、もう少し気遣いが欲しかったが、まあ彼らは自分の事で精一杯だったようで……。

さてさて、彼の今後は。個人的には未だどうにも「岡田監督、サイドバック大抜擢、市◯」というキーワードに不穏な思いは拭えないが、3バックへの方針転換でもせぬ限り代表定着は大丈夫と信じたい。ただし、予選で使えるレベルでは未だ無いね。

それと、もう1つこの試合で楽しませてくれたのが、この日対戦した「チリ3軍」。何処ぞの局と違って、彼らを強豪と「偽装」しなかった実況には好感。されど彼らチリ代表は、これまでテストマッチの度に何度も我々をガッカリさせた、過去の「噛ませ犬」たちとは違っていた。

南米弱小国の若手が披露したサッカーは、恐らく岡田さんが掲げる「接近、展開、連続」と同種だったと思う。だからこそ、我々はそこに歴然とした「差」を見る事が出来た。同じ志し乍ら、しかしそのスタイルをピッチに顕したチリの所以は、

「チリも積もれば山となる」

の喩え宜しく、「しっかりしたボールキープ」と「的確なプレス」の「積み重ね」にある。単に駄洒落を使いたいだけだろうというご指摘はさておき……。

ともあれ、ちょっとした当たりで足下がおぼつかなくなり、結果いつ破裂するか判らない水風船を押し付けあうかの様な日本選手には、例え今後「意識」を植え付けたとしても、それのみでは決して追いつけない「差」を見て取れた。正直、畏れ入った。

+++

で、何が言いたいかというと、やはり日本の環境は選手にはヌルいという事。南米の弱国に身を置く彼らの方が、余程厳しい環境で揉まれているのだという事の再確認──しかしそれを補う為に知恵を絞る役目は岡田さんに任せよう。僕が言いたいのはつまり、それ故に鹿島アントラーズの今季の補強策=「逆輸入」は、非常に魅力的だという事だ。強引な展開、御容赦。

南米ファンには既に馴染みのあった笠井の獲得、そして澤と交渉中の報せには、思わず

キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !

と大喜び。来季のフラメンゴそっくりの新ユニフォームに、鹿の「原点回帰」を見て取った僕としては、これはセレソンの代表クラス獲得よりも嬉しい報せだ。

鹿島のサッカーの根底に揺るぎなく流れるのは「南米サッカーの厳しさ」である。その伝統を絶やさぬ為にも、大物ブラジル人獲得の厳しくなった現在にこの補強策は正しいし、こうやって「鹿島だからこそ出来る入団ルート」を確保するのは、今回のみならず将来に渡って優秀な選手を獲得し続ける道筋にもなるはずだ。高卒エリートにも魅力はあるが、本場で揉まれた奴らの方が鹿には相応しい。いや、この日に見た若きチリ代表──あんな連中と競い、結果を残してきた奴らこそ鹿の求める「サッカーエリート」だ。

+++

最後に。
先に僕は「日本のサッカーは一体何に根ざしているのかがさっぱり判らない」と書いた。それが日本の弱みであると。だが、ならば手前味噌だが、

「いっそのこと鹿島が、その『根っこ』になればいいのでは?」

と思う(……というか、そう願う)。その為にも、今までの様に一貫したクラブ姿勢と強さを今後も顕し続け、そしてやがては、

「鹿島の選手で、鹿島のサッカーをそのまま代表でやれば良いんじゃないの?」

みたいな声が、このような一鹿サポの「妄言」としてではなく、もっと代表サポや、あまつさえ他サポからも上がる様な努力を続けて欲しい。鹿島はそれが可能なクラブだ。



余談。
ここの所、色々残念なニュースがあるのだけど、その中の一つ。
山本脩斗選手の契約についてのお知らせ [ 磐田 ]

ジュビロ磐田は、昨年10月、山本脩斗選手の2008年からの加入が内定したことをご案内いたしましたが、その後のメディカルチェックにて、山本選手が原発性左鎖骨下静脈血栓症であると判明いたしました。チームドクター・本人と協議した結果、当面選手契約はせず、2月1日付でジュビロとの業務委託契約を締結し治療に専念させ、完治後に正式に選手契約を締結することで合意いたしましたのでお知らせいたします。
山本脩斗(盛岡商→早稲田)の磐田入団は「先送り」に。
されど、何よりもメディカルチェックで血栓症を発見して下さったジュビロ磐田に感謝。完治までの「業務委託契約」という配慮にも併せて。

なお、高原選手の例もあって磐田ではこのような検査が積極的に行われたとの話も聞くが、海外のピッチ上よりサッカー選手の悲報相次ぐ昨今ならばなおさら、このような命にも関わる病気はもっと速い段階で発見されるシステム作りを願いたい。もし彼が磐田に入団していなかったら、そのまま何処かのピッチで倒れていたかもしれない……そう思うと背筋が寒くなる。

思えば昨年末、鹿島に「早稲田のシュートが入団」の報を聞き、「来たか!」と思ったら「鈴木修人」の方だったというオチにガッカリした事があったが(←ここら辺は一岩手県民&鹿サポのエゴとしてご容赦下され。勿論、修人も大歓迎!)、こうして思えば磐田入団は正解だったのかもしれない。良いクラブ、良い人たちの居る所に行けたのだと。どうか磐田サポの皆様、必ずや完治の折にはピッチにてご恩返しをしますんで、それまでは「契約社員・山本脩斗」への暖かい支援をよろしくお願いします。
by tototitta | 2008-01-28 17:15 | サッカー全般 | ▲ TOP
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