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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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『ダークナイト』~もしも、バットマンがセラピストに相談したら~
(記&画/minaco.)

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ここはゴッサム・シティの片隅にある、怪しげなカウンセリング診療所。

セラピスト:次の方、どうぞ。

(黒尽くめのマント男が現れ、おもむろに椅子に腰掛ける)

セラピスト(以下セ):おお、バットマンさんじゃないですか。今日はどうしました?
バットマン(以下バ):話を聞いてもらいたい。秘密は絶対厳守。金はいくらでも出す。

:おやおや、バットスーツが傷だらけじゃありませんか。何をしてきたんです?
傷は己への戒めだ。大丈夫、このスーツは猫には強い…。いや、今ちょっと『ダークナイト』でジョーカーと戦ってきたのだ。
:ああ、凄い評判ですねジョーカー。えらく不気味で、それでいてちょっと可愛いヤツでしたね。ロングコートに派手なコーディネイトが、まるで「破壊の堕天使」ハーポ・マルクスをリスペクトしてるような。ナースのコスプレには、思わず笑っちゃいましたよ。
:笑うな。そんな軽口叩くとヤツが来てお前の口を切り裂くぞ。
:す、すみません。よほどトラウマになったようですね。
:ああ、かなりダメージを食らってしまった。どうも精神的に参るのだアイツは。
:なるほど、それがご相談ですね?

:実は…このゴッサム・シティを悪の手から守るにはどうすればいいか悩んでおる。警察は腐りきってるし、デント検事はあっさりトゥーフェイスになっちまったし、市民は俺の苦労など解ってくれやしない。最近は部下のフォックスに仕事を頼んでも嫌そうな顔をする。しかも、どうやら執事のアルフレッドは俺に隠し事してるみたいなのだ…。
ああ、そして幼馴染のレイチェル。以前と感じが変わった気もするけど、ああいうタヌキ顔がタイプなのだ。彼女を思うといたたまれない…。

:それはそれは、大変ですねえ。それにしても、何故マスクなんか付けてるんです。もっと親しみやすいキャラなら愛されると思いますけど。
:それは『ビギンズ』で説明したはずだ。両親の死とコウモリ恐怖症を克服したのだ、俺は。
:ははぁ…そうでしたね。貴方は自己流のやり方でトラウマを克服したばかりでなく、その上正義のヒーローになろうとした訳だ。無茶しますねえ。信念に固執して、他人からの忠告も聞かないでしょ。今回は自ら香港出張までしたそうじゃないですか。そんな無茶な事ばかりやってると、周りがドン引きしちゃいますよ。
:仕方ない。「街に平和を、人々に正義を」が俺のミッションなのだ。その為には何だってやる。

:確かに。だからあんな事までしちゃって…。ヒロインもあんな目に遭っちゃって。
じゃあ、まずはゴッサムに監視システムを整備して銃規制もして、市民の防犯意識を高め、自衛には合気道や柔術など教えたらどうです?いや、犯罪の根源的原因である社会格差を何とかすべきかも。その方が早いでしょう。悪人を1人1人倒すより。
:むむ…それを言っちゃお終いだ。俺はこれだけ金を使って、新しいバット・ポッドまで開発して、ラブシーンさえなく、たった1人で戦ってるというのにその言い草はあんまりだろう。
:何言ってるんですか、大金持ちのくせに。まあ、泣きたい時は思い切り泣いた方がいいですよ。時にはパーッと憂さ晴らししてみては?
:ロシア美女とヨットでバカンスに行ったけど、それでも気が晴れないのだ。
:フラストレイションを発散させるべきですよ。言う事聞かない奴は中の人(クリスチャン・ベイル)ならボコっちゃいますよ。
:黙れ!中の人などいない!!

:まあ落ち着いてください。いいですか。つまり、貴方はガチなのですよ。いきなり正義か悪か、なんてやる事が極端で過剰なのです。
今にして思えば、'80~'90年代にあった『バットマン』シリーズはアメコミのままでした。ティム・バートンがフリークスへの愛を注いだ『バットマン』『バットマン・リターンズ』も、プリンスのテーマソングも、ダークとはいえ、やはりファンタジーの範囲内だったのです。
なのにどういうつもりか、貴方がたはこの時代にコミックの設定を敢えて忠実に「リアル」化した。即ち、我々の専門用語では“4 REAL”=ガチです。そして、これまでのシリーズをチャラにして、新しい歴史を上書きしようとしている。
:ああ、それの何が悪い。ジョエル・シュマッカーの『バットマン・フォーエヴァー』『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』ときたら、もはや単なるキャラクター・ショウだったではないか。許せん。

:考えてみて下さい。ドラえもんやアンパンマンを実写的に置き換えて、“もしホントに存在したら”というリアルを追及すると、かなりキモイでしょう?それと同じですよ。
はっきり言って、リアルな貴方はイタいんです。歴代のバットマンに比べると、どうもが足りないとは思ってましたが、その分過剰なイタさが満載なのです。でもガチだから、自分のイタさに気付いてないんですよね。
:何だと…そんなバカな!

:更に言わせてもらいますと、他のアメコミ・ヒーローは「仕方なく身に付けてしまった」超人力なのに、貴方は積極的にバットスーツを着てる。金持ちだから。
:これでも会社の資金を流用するのは後ろめたいのだ!バレそうになって必死だったのだ!

:それにですね、貴方だってそもそもの動機は復讐でしょう?ジョーカーとどこが違うんですか。『デビルマン』の不動明と飛鳥了、またはシャーロック・ホームズとモリアーティ教授を思い出してご覧なさい。古今東西、宿敵とはそういうもの。映し鏡なのですよ。
:デビルマンか…日本の漫画は凄いな…。いやそうじゃなくて、俺は人殺しなどしない!俺の何がいけないのだ!

:いけないとは言ってません。それがガチの宿命…。変わりようがありません…。世の中がどんなにしょっぱくても、貴方には受け入れられない…。
:せっかくセラピストに相談してるのに、救いようがないと言うのか!

:やれやれ。何をそう深刻な顔をしてるんだ?

:むっ…どこかで聞いた台詞……ハッ!!!お、お前はまさか…ジョーカー!?

ジョーカー:(マスクを脱ぎ捨て)ウヒャヒャヒャヒャ!!今頃気付いたかよ。悪いが今年のオスカーはもらった!アカデミー賞授賞式で待ってるぜ!
:くーーーーっ。多分その通りになりそうで怖いぞ!

ジョーカー:あっ、そうそう。ついでに言っておくが、次回のヒールはペンギン…しかも中の人フィリップ・シーモア・ホフマンって噂だぜ!!!
ギャーーーー!!そ、それは反則だーーーーーーっ!!!


ジョーカーは笑いながら診療所に火をつけ、彼方へと去って行った。物陰ではズタ袋を被ったスケアクロウが薄ら笑いを浮かべている。
夜明け前は一番暗い。そんな訳で、残されたバットマンは1人寂しく、夜の闇にダーク・ナイトとなって消えるのであった。
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by tototitta | 2008-09-12 21:54 | 映画 | Comments(8) | ▲ TOP
Commented by rivarisaia at 2008-09-12 22:34
超笑った…。お腹がよじれそうです。冒頭のイラストを目にした時点で痙攣起こしそうになりました。じつは裏で本当にこんな会話してそうですよ。

そうですよねえ、世知辛い…もとい、しょっぱい世の中はガチには辛いですよねえ。わたくし、執事が例のお手紙を燃やしたときに、えー!と思ったんですけど、あの場面のバットマンが一番アイタタタ、という感じでございました。

次回の悪役の中の人がフィリップ・シーモア・ホフマンだったら、もうウキウキしちゃうんですが、誰になるんでしょうねえ。がんばれ、バットマン!




Commented by minaco. at 2008-09-13 00:59 x
rivarisaiaさん

わーい、ありがとうございます!感想を書こうとしてたら妄想が広がってしまい、こうなりました…。映画はどガチでジョーカーも勿論凄かったんですが、よく考えるとキッツいよねえ、バットマン…と。高層ビルの屋上で1人黄昏るバットマンは、デビルマンのエンディングにそっくりです。

>あの場面のバットマンが一番アイタタタ
ほんとそうでした!これ見よがしに美女をはべらせるブルース・ウェインもアイタ~だけど、知らぬはアンタだけ…ってイタすぎる(涙)。でも所詮女なんてそんなもんよね。

次回どうなるんでしょうねえ。噂ではリドラーにジョニデ(え~)とか、ジョーカーにサム・ロックウェルとか名前が挙がってますけどねー。フィリップ・シーモア・ホフマン=ペンギンて、ハマりすぎ!是非!
Commented by Mercedes at 2008-09-13 05:50 x
minacoさま アイディア面白いですね。こういう感じなのですね、今回の作品は
もう完全にジョーカーさんのペース。早く見たいです。
Commented by minaco. at 2008-09-14 00:11 x
Mercedesさん

>こういう感じなのですね
と、言っていいものか否か。ぜひ観てお確かめ下さいね。
ジョーカー、怖いけど時に微笑ましかったです。ベイルくんはガチが似合いますねー。
Commented by かず at 2008-09-14 20:15 x
「中の人などいない!!」
ははは。懐かしい。
かわうそ君、どうしてるんでしょうね?
……と思って少しググってみたらアレは「下の人」でしたか。
老いたな。
  
釣られてオールナイトで観てきました。
個人的に『ビギンズ』はあまりピンとこなかったのですが、今回の『ダークナイト』は評判どおりの傑作、素晴らしい出来だったかと。『ミリオンダラー・ベイビー』とか『ブロークバック・マウンテン』とか、ここ数年ハリウッド映画の傾向もずいぶん変わってきたなーと思っとりましたが、『バッドマン』のように昔ならばもっと単純な勧善懲悪のヒーロー物でよかった作品が、あれだけ重く複雑な内容でしかも興行的な成功も収めているのは良い傾向なのではないでしょうか。
>ドラえもんやアンパンマンを実写的に置き換えて、“もしホントに存在したら”というリアルを追及すると、かなりキモイでしょう?
ご慧眼。なるほど、このシリーズの肝(←シャレぢゃないっす)はそこかもしれませんね。また、そのキモイを受け入れられる土壌が、オタク達だけの小さな市場ではなくなったことに隔世の感がございます。
 
Commented by minaco. at 2008-09-15 00:50 x
かずさん

懐かしいですね。アレ、「下の人」でしたっけ!ちなみに吉田戦車は岩手出身。

『ダークナイト』ご覧になったのですね。言われてみれば、確かに近年ハリウッドがガチ傾向へ流れてるようですね。ガチ・ブーム(ほんとに)到来?!喜んでいいんでしょうかw しかし、そんな中でも一般に受け入れられそうにないメル・ギブ(『アポカリプト』『パッション』はガチ)w

いやはや感想がまとまらないまま、今回はネタに走ってしまいましたが。リアルになったからこそ見えてくるイタさ、ですね。それにしても、この映画は自らハードル高くしちゃいましたねえ。ジョーカー(=ヒース)を超えるヒールが今後できるだろうか、と心配になります。てゆうか、彼を受け入れてしまった観客としてはもはや歴代ヒールがしょぼく思えてしまうし、そもそも一番きついのはバットマンとしか…。どうなる次回作?

私は『ビギンズ』、キリアンのスケアクロウだけ充分満足でしたよん。今回もしょっきり(前座)役で出てきてくれて嬉しかったです。
Commented by j-w at 2008-09-18 16:14 x
『ビギンズ』を見たときも ミーハー主婦はただただ始終お口「お~~~~」の形でしたが キリアン君の青い目に吸い込まれつつ かかし~?

できれば(お財布が許せば)映画館でもう一度みたいな~と思うのでした。
 ひとつにはあまりの期待と興奮で しばしどきどきしすぎてですね もうひとつは
画面のスピードがですね お話もころころはやくって ちょっと 目が ちかちかしてですね
つまりたくさん何かを見逃したんじゃないか?と思うとなんだか損した気分がちょっとあったりして…50代に突入すると 頭も回転がゆるくなったの?もともとゆるいのか…と映画館を後にしたのでした






この作品のことを書いている方のを読みますが
minacoさんは どこか一味違います…
Commented by minaco. at 2008-09-20 00:22 x
j-wさん

キリアン、案山子がハマってましたー。ブキミくんで好きです~。
確かに怒涛の展開が速すぎて、てんこ盛りで、一度に消化しずらいです。私もできればもう一度観なおしたい。
私のは感想文になってないっすから。思い出しながら、ネタとしてお楽しみ下さると嬉しいです。
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