(記&画/minaco.)
セドリック・クラピッシュ映画の常連である、ロマン・デュリスくんが好き。当たり役となったグザヴィエのシリーズ(『スパニッシュ・アパートメント』と『ロシアン・ドールズ』)他、これまで5本で組んでいる。
新作は、
『PARIS』('08)。その名の通り、パリに暮らす人々の群像劇である。まあクラピッシュはいつも群像劇だ。
ロマンくんとジュリエット・ビノシュの姉弟を中心に、その周辺に点在する世代も職業もバラバラなグループがリンクする。まあ、取り立て目新しい話ではない。あり得ねー!と思う状況も、突如アニメになったりするのもご愛嬌。
何だかパリ万歳、パリは良いとこ一度はおいで♪みたいなオサレ映画かと思うけど、案外そうではなかった。観光名所は日々の生活に追われる庶民の目線だし、クラピッシュには珍しくアフリカ系移民も登場する。ワタシはパリに行った事もないし知り合いも居ないものの、映画のモノローグにあったように、「パリの人は不満ばかりで、何にでも文句を言う」ってのには深く頷いちゃう。パリには住みたくないなあ。そんな機会ないけど。
ともかく、ワタシはロマンくんをまじまじと目で追った。モジャモジャ頭が好きだけど、坊主頭もいい。やっぱりこの子、セクスィー。
元ムーラン・ルージュのダンサーという設定なので、ラメラメな衣装で踊ったりするシーンもある。彼にダンサーの才はないはずだけど、その動きにはとっても惹きつけられる。そう『ルパン』('04)でも見せた身体のしなやかさ、器用さがなまめかしいのだ。部屋で胸毛出して踊る彼は、生々しくて非常にエロかった。
生々しさというのは、ワタシ的に重要なポイントだ。ロマンくんはよく脱ぐけど(しかも全裸)、毛深くて不恰好で、ただ眺めてもおよそ美しくない。動いてこそ、彼の魅力。また、口元のいやらしさも外せないポイント。ちょっとだらしなく緩んだ唇に八重歯、口角の皺。笑顔がマルケスを思い出す。
そして、彼がラストでタクシーに乗る。
「ラストでタクシーの後部座席」ときたら(アーロン・エッカートも、ジョジクルもそれを演じたが)、これは余程の説得力じゃないと許されないシーンだと思う。更に長回しに耐え得る人材といえば、ロマンくんくらいしか居ないでしょう!
今回はとてもシリアスな役柄なのに、やっぱりどこか下品さの漂うロマンくんが好き。これがメルヴィル・プポーなんかだとオサレ映画にもなりそうだけど…。
【おまけ】
"17 fois Cécile Cassard"とゆう映画ではこんなコトもしちゃってます。(・∀・)イイ!!