(記/minaco.)
♪Concrete Blonde / Happy Birthday
昔、首都圏で学生をやってた頃のこと。自分では標準語に絶対の自信を持っていたし、同級生との日常会話に不都合はなかった。訛りなどキレイさっぱりおさらばしたつもりだった。
ところが、ある時。
エレベーターに乗ろうとしてボタンを押した時、ワタシは無意識に口に出してしまっていた。
「コレ押ささらない」
…しまった!「押せない」と言ったつもりだったのに!
「~ささらない」と言うのは、盛岡弁で「~できない状態」の意である。他にも「言わさらない」「書かさらない」などと使う。反対語は「~さる」で、「言わさる」「書かさる」などと可能な状態を指す。
もっと深く説明すれば、この「ささらない・ささる」は受動態なんである。「押せない」は自分が主語だけど、「押ささらない」はモノが主語になっている。つまりモノに人格を持たせ、「書かさらないペン」や「言わさらない言葉」というモノの立場で表現されているのだ。その辺が盛岡弁独特のニュアンスで、英語で言う過去分詞の湾曲表現に似ているかもしれない。どうだろ。
時は流れ、今では方言と標準語を使える、いわばバイリンガルみたいでちょっと得意げな気がしている。しかもワタシの場合母方の県北訛りも入ってるので、まるでブラバント語とフランドル語とオランダ語を操れるみたいな?(違う)
そんな訳で、本日は満男の三十路突入を記念して、以下を盛岡弁で書いてみます。
じゃじゃじゃ、京都戦の残り10分はどんでしたなっす。は、最初はわがねくてまげるがと思ったずども、勝っでいがったなす。まんづまんづ。鹿島つえじゃ。
してさ、満男す。周りが気の抜けたプレイしでるど、ごしゅっぱらやけでたなっす。したども「そら攻めるべ」となったどき、ちゃんと気が利ぐべさ。相手一人いなぐなったども、なんぼしたってそれも必然じゃねがとおもたのさ。
んだどもなっす、満男ももは30だずど。早ぐねが?今でもめんこいずけど、アッとゆう間だべ。このさぎも全部さ勝って、こどしはキャプテンとして優勝するのす。そうだばよがんすな。どんどはれ。