(記/minaco.)
【町家の雛祭り】
週末、近所の古き町家が残る界隈で、
「盛岡町家 旧暦の雛祭り」というイベントが催された。36軒の店舗や住宅が一部開放され、道行く人が雛飾りを見学できる趣向となっている。
古くは江戸~昭和の貴重な雛人形や、独特の吊るし雛なども興味深いけれど、ワタシ達は普段中まで入る事のなかった建造物をじっくり探訪できた事が愉しかった。また、古い町屋の佇まいをそのままに、現在も自宅として住み続けている住人の解説が聞けて嬉しかった。
そこに住む当人達は、嬉しそうに建物の歴史を語ってくれた。戦時中に徴収された窓の鉄格子、昔使っていた商売道具、旧家の太い梁や細かな細工の欄間、懐かしいタイル張りの煙草屋の店構え。それらを説明する住人達は皆、とても誇らしそうであった。
古い街並みを残すのは勿論大切だけれど、実際そこの住民が誇りに思える事、何よりそれが一番大事だと思う。家々に歴史あり、そこには血が通っているのを確認した。
【マスターズ】
今年もマスターズのテーマ曲、「Augusta」がTVから流れる。オーガスタを称え、歴代レジェンドの名前を織り込んだこの歌は、最後にここを作った球聖ボビー・ジョーンズで締めくくられる。いずれ、4番の歌詞にタイガー・ウッズが加えられる日が来るかもしれない。
マスターズはとりわけ敷居の高い大会だ。大会参加者は、オーガスタから招待状をもらった者だけ。一般ゴルファーはクラブの会員になる事すら難しい(つまりプレイするのは殆ど不可能)。
ワタシがゴルフを好きに、というかメジャー大会を観るようになったのは、その伝統への忠実さにある。悪く言えば閉鎖的だけど、コースや競技が人を選ぶというのはゴルフくらいで、未だに厳格なのはゴルフくらいだから。今やウィンブルドンも屋根が付いちゃうし。
勿論、コース設定もゴルファーもクラブも時代によって変わるけれど、マスターズはオーガスタに限る。マグノリアが咲く美しいコース、魔物が棲み、11番ホールから13番ホールは「アーメン・コーナー」、複雑なグリーン、気紛れな風向き、オーガスタそのものが主役である事には変わりない。こうした伝統の風景、レジェンド達が歴史を作った舞台装置で、グリーンジャケットに袖を通すゴルファーだけが新しい。
【サンダランド×ユナイテッド】
この日もまるでユナイテッドの兄弟チーム(弟いるし)、または元リザーブチームみたいなサンダランドである。あのバーズリーがサンダランドのキャプテンバンドを巻いている。敵陣深くから上げるクロスの弾道がバーズらしくて嬉しい。なるほ堂はその姿に、山形のサイドバック、キャプテンマークを腕に鹿島を待つ石川を重ねる。
またしてもユナイテッドを救ったのは、キャリックのシュートコースを変えた町田くん。ふと思うのは、ヴィラ戦で決勝ゴール決めたのがウェルベックだったらどうなっていただろう、と。
この世で一番大切なのはタイミング♪だから、町田くんは確かに強運の持ち主だ。でもウェルベックがチャンスをモノにしてたなら、また違ったドラマで盛り上がってた事だろう。この機会にウェルベックの逃したものが大きいかと思うと、複雑な思いがする。
何故なら、ワタシはユナイテッドに関して超保守的だから。リッチー、バーズ、マクシェイン。彼らが残っていたら…とすら考えてしまうのだ。
チームは05/06シーズンを境に大きく転換した。その後の成功は言わずもがな。しかし、多くを得た分何かを失ったんじゃないかという感傷をワタシは拭えずにいる。クラブが進む道にどこまで付いてゆけるのか、自信がない。クラブの伝統を継承するのが現在の選手の責任。目先のタイトルより、それを願ってしまうのは間違いかな。
そんな時、ルーたんのインタビュウを
公式サイトで読んで、少し救われた。彼の挙げたオールドトラッフォード思い出の試合はワタシと同じ、05/06のチェルシー戦。あの時は、ワタシにとってCL決勝よりも特別な記憶。(よろしければ
コチラ を参照のこと)