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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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『グラン・トリノ』に見るガチの最期
(記&画/minaco.)

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「この店には1969年以降、スピリッツは置いてない」と、かつてイーグルスが歌った。
クリント・イーストウッドは「この国には1972年以降、いい車は置いてない」という映画を作った。
それが『グラン・トリノ』('08)。


前略、イーストウッド先生。(←特に意味はないけど、何となくそう呼んでみます)

俳優業を引退なさるそうですね。となると、この映画は先生自らマッチメイクした「引退興行」という訳ですね。解ります。

だから、先生の演じる偏屈ジジイはこれまでの集大成キャラなのですね。愛犬と愛妻と愛車以外の世の中を嫌い、何より自分自身を一番嫌い、煙たがられる爺さん。ちっとも丸くならないダーティ・ハリーの老後の姿。そこには自ずと先生自身がかぶります。

思うに、イーストウッド先生はいつもヒロインをヒドイ目に遭わせますね。今回もそうでした。きっと、先生の過去の女性経験を反映してるのでしょう。昔ソンドラ・ロックとの関係で余程痛い目にあったのか…と思っちゃうほど、どSな扱いですもの。しかも、女の趣味はマニアック。実は怖い女性に振り回されるのが好きなMでもあり、先生の屈折した女性観が伺えます。

先生はガチですね。これは「ガチはどうやって引退するか」という映画なのですね。解ります。

イーストウッド先生は、とことん「負けブック(負け試合)」を飲む事にした訳ですね。何にも屈しちゃならぬはずのガチが、勝負の舞台を降りる時。レジェンド・レスラーが世代交代を賭けた試合に臨む時。相手がどうあれ、負けるしかないのです。

そう思って観ると、その負けっぷりが一生懸命すぎて、可笑しくて堪りませんでした。ワタシはずっと笑いっぱなしでした。ケタケタと。後ろの席で観てた人には「この人すすり泣いてるのかな」と思われそうですが、椅子が揺れてたのは笑いのせいです。

家族の無理解攻撃、若造神父のお節介攻撃、隣に住む東洋系移民大家族のしつこい贈り物攻撃、チンピラの狼藉攻撃、その他かつてない未知の攻撃をイーストウッド先生が受けるのです。ご老体で受身を取る度に、顔を顰めて唸ります。「フガ〜〜〜」「ヌハ〜〜〜」と漏れる声が、ダースベイダーに似てます。

それでも、ガチの最期は納得して花道を去りたい。負け様は自分で決めたい。イーストウッド先生もそう思うのでしょう。そこは譲れないと。

もっと他にやり方があったんじゃ?てゆうか、それ『アルマゲドン』?!とゆう気もしますけど、ガチはいつも極端に走るし、解り易くないといけない。西部劇みたいに無法者は成敗され、そこに事情を汲むなどあり得ない。ガチには白か黒か、2つしかない。単純ですもの。解ります。

かくして、ガチは「1人でやる・自分でやる・最後までやる」(ガチ3原則)でした。ラストで名車グラン・トリノが海辺を駆けると、その後にはいい車は通らない。イーストウッド先生は満足げに歌います。エンディング曲「俺のグラン・トリノ」は、先生にとっての「マイ・ウェイ」です。そうでしょう?

さよなら、イーストウッド先生。
でも、プロレスラーとガチの引退宣言は信用ならないものですよ。

草々

「グラン・トリノ」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
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by tototitta | 2009-05-05 21:34 | 映画 | ▲ TOP
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