(記/minaco.)
只今ツール・ド・フランスをまったり愉しんでいる訳ですが、最初の3日で盛り上がりの頂点に達してしまい、アルプスに入るまではランスwithアスタナ珍道中をニヤニヤ眺めておりやんす。
そんな時、スコットランドのターンベリーでは
全英オープンゴルフ(ジ・オープン)が開催中。あまり馴染みがないかもしれないけど、今日はゴルフの話です。
例え多少の不合理があっても、伝統を守ろうとする競技が好き。ウィンブルドンはあのセンターコートに屋根が付いちゃったけれど、ジ・オープンの強風とラフの深さ、バンカーの悩ましさは100年以上昔から変わるはずがない。
そもそもゴルフには不合理な状況ばかりである。歴史あるコースの中には、ティーショットの先を阻むようにホテルが建ってたり、バンカーの数が不明(数える度違う)と言われる所があったりする。壁のように聳え立つバンカーで10数打スコアを重ねる選手もいたし、リンクスの不安定な天候で寒さに震えながらプレイする事もしばしば。
まあフットボールに例えると、18回PKを蹴るようなプレッシャーの連続っす。博打みたいなもんっす。そして難関不落の山に挑むように、自然を制するのではなく、自然を知り尽くした者が頂に立つ。それが、ジ・オープン。
ところで石川遼くんへの連日大仰な報道に辟易もするけれど、日頃フットボール観戦でストレスを溜める者にとって、ゴルフの中継はまだ好ましい方だ。何しろ競技を知り尽くしたヴァリトン・ヴォイスのゴルフキャスター、戸張さんがいる。いつぞやはタイガー・ウッズの口癖まで把握しててたまげた。冷静な状況判断と底なしの知識、選手へのリスペクト。品がよろしい。
勿論、今年も松岡修造の蛮行は目に余って仕様がないんだが、それを戸張さんと青木功がたしなめてくれるから有難い。元祖・傍若無人なガチレジェンド青木の前じゃ、修造なぞ所詮フェアウェイに零れる木の葉。毒には毒、ガチには大ガチをもって中和する、という荒技である。
それからジ・オープンといえば、最終日の最終ホール。最後のゴルファーの後をギャラリーが一斉に押し寄せる風景。頃合を見計らってカップに名前を刻み始める職人の姿。
そんな変わらぬセオリーが好き。伝統が守られるのは一重に競技へのプライドであり、ウィンブルドンのボール・パーソンの身のこなし同様、プロフェッショナルな運営スタッフの力なんだろうな。R&Aはホント偉そうだし。
弊害があるとしてもそういう競技はファンにリスペクトされ、決して譲れないプライオリティを持ち続けるし、浪漫があるじゃないかと思ったりする。
(追記*あ、タイトル変えました)