イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
XML | ATOM

skin by なるほ堂
ABOUT CONTACT BLOG LINK
<   2006年 06月 ( 58 )   > この月の画像一覧
| ▲ TOP
ワールドカップTV桟敷画報 その13
6/25 PORTUGAL × NETHERLANDS
d0031385_21182938.gif

d0031385_21185050.gif

しかし、何でこんなに悪い方へと転がるんだろうな、この選手は。不器用だからでしょうか。そうか。でも不器用で何が悪い、と。

覚悟はしてたけど、ルートがプレイしないままオランダは敗れた。
思った通り、若い選手や国際経験の乏しい選手達は何も出来なかった。頼りになるのはスーパーマン・ジオとエドさんだけ。は相変わらず、ハイティンガのトンパチ ぶりは思ってた以上に発揮された(あの場面で前にドリブル・・・火に油を注ぐ気か)。

それでもチームの一員である限り、闘わねばなるまい。
ルートはベンチから出て一人立ったまま試合を凝視し、時にはサイドラインまで来て下がってくる選手をハグで迎えた。ホイッスル後うな垂れるチームメイトを一人一人慰めてまわって、スタジアムの頼りないオレンジサポに手を挙げて挨拶してた(家族がいたのかも)。それもサブの大事な仕事。そんなルートに真っ赤な目のエドさんがハグしに来ると、どっちが気遣われてるのか解らなかったりするが。
ルートの眼は冷静なようでアドレナリンが沸騰してた。絶望した顔ではなかった。

多分今のオレンジは、喧嘩したらデコ1人に負けるでしょう。あのようなナーヴァスでネガティヴな空気のピッチにルートがもし立っていたら、それはそれでどうなっていたか保証は出来ない。
勿論勝利を願ってはいたが、「カンプノウの奇跡」を目撃した私でもこの日フランケンシュタディオンで奇跡が起きるとは期待しない(ベッカムはいないからね)。
実を言うと、いっそもう、どっちが勝ってもいいから早くこの拷問的状況から彼を解放してやってくれ、とすら一瞬思うのだった。

マルコの考えは私には解らない。なので批判など思いつかないし、多分マルコもガチだから仕様がない。あのマルコに「なっとらん」と言われたらどんな選手でも反論できないし。マルコを説得するだけの猶予もなかった。
でも納得はしない。
例え出来が悪くても、願わくば心中する覚悟でいて欲しかった。システムや戦術に選手を合理的に当てはめても、そこに血が通ってなければ意味がないと思う。特にワールドカップでは。
ルートはロナウドにもトッティにもなれたかもしれないが、マルコが奇跡を信じるカトリックではないとしたら、それは仕方ない。

ユーロ04でベスト4まで行けたのは、身びいきだろうがルートとエドさんの力だったと思う。あの時のような黒ルートが観たかった。そうすればこのチームでも勝てると思ってた。でも黒になれるチームではなかった。メンバーを外れた時、やっと黒ルートの眼を見た気がする。
ルートは決して負けを認めない。彼をあきらめさせる事は誰にも出来ない。子供の頃からそうだったんだもの。

ルートのキャリア最大の1ヶ月は誕生日を待たずに終わった。
とはいえ彼のキャリアはいつもこんな風に挫折で始まって、次に来るチャンスを掴んできたのだった。だからこれは初めてのワールドカップであって、終わりじゃない。
膝の前十字靱帯を断裂した時、手術したばかリの傷跡を見せてルートは言った。
「まだタオルは投げるなよ」

「さまよえるオランダ人」の呪いを解くのは、真実の愛だけである。
あのカズじゃないけど、ルートはドイツに魂を置いてきたと思う。
2年後か、4年後か、彼が誇りを失わない限りきっとそれを取り返しに行くよ。


さて、これでいよいよ審判の日 を待つだけ。
放牧か、種馬か、馬刺しか、馬主に決めてもらうしかない。
d0031385_21234124.gif




(記&絵/minaco.)
[PR]
by tototitta | 2006-06-29 21:24 | W杯2006 | ▲ TOP
ヒデ・・・中田ヒデ。
W杯も休息日。
今日くらいは休もうと思ったのですが、世の移ろいは目紛しく、書きそびれては時期を逸するとの思いも多々。
よって、今日はこのブログへ寄せられた皆様の言葉に感謝しながら、そのご意見から学んだ事を踏まえ、
中田英に関して思った事を──

この四年間、中田をしばしば、
「お前はトルシエか」
と思いながら見ていました。
「世界と戦うには、〜でなくちゃいけないのだ!」
前監督の、サッカー後進国の選手を子供扱いし(当時はそれが正当だったでしょうが)、
日本人のメンタリティを否定した姿に重なって見えたのです。
・・・彼もすっかり外国人になっちゃったのでしょうか。

でも、
「W杯で勝つ為のメンタリティ」

「海外リーグで成功する選手のメンタリティ」
は別物と思います。
なのに、中田英はムキになって後者を選手たちに求めている様に映りました。

W杯で必要なのは前者。
・・・敢えてそれを「チームの和」と申しましょうか。
そう言うと甘く聞こえるかもしれませんが、結果を見るとその欠如こそが敗因だった気がします。

つまり、
「自己主張が足りない」よりも、「自分を殺してでも仲間を生かす」というドメスティックな美観が失われていた故の敗北に思えるのです。

味方に闘争心を求めた中田が、結果自分の闘争心に苛まれ、感情もパスもコントロールが利かなくなった様を見ても、彼のアプローチには疑問を感じざるを得ません。

むしろ味方の個性を活かし、丁寧なパスを送って組み立てる満男の冷静さこそがW杯では光って見えました。
己を主張する力も大切ですが、クールに味方やゲームを理解する力(=賢さ)こそが、W杯では大切だったのでは?


勿論、立場の違う両者を単純比較する事は出来ません。
そもそも丁寧なグラウンダーのパスを蹴れない中田(それ故の雑なパスを『世界標準の厳しいパス』と報じる向きには失笑しかありません)が、明らかに技術的に勝る満男とは別のアプローチを試みる事は当然でしょう。
またジーコも経験ある中田にチームの牽引役を求めた事ですから、中田を即ち「間違っていた」ということは出来ません。


ただ、
中田がテンパりすぎて、冷静に状況を伺う仲間すらも否定している様に映った事、
中田の自己主張は、時にゲームの流れを壊していた事、
また、
ジーコが最終戦に中田に主将を任せなかった事、
ブラジル戦後、選手らがピッチに伏した中田に声を掛けなかった事(僕の見た限りでは)、
・・・それらを見ると、やはり中田を過剰に評価する風潮は誤りだと思います。

メディアの中には、
「世界を知る中田の危機感を、チームメイトが理解出来なかった」
と、敗因を語る人がいます。

そういう考えも否定はしませんが、一方で、
かつてトルシエ否定の論陣を張った方々が、彼らの語るトルシエ像(注1)のごとく対話能力に乏しく、「かくあれ」としか振る舞えない中田をそのように擁護するコラムを書いている事には呆れました。

ならば、4年前にトルコに敗れた時も、
「世界を知るトルシエの危機感を、日本人選手が理解出来なかった」
と述べるべきだったでしょう。
実際、トルコ戦を前に「開催国として最低限の目標は果たせた。後は楽しんで・・・」と語った中田の甘さ、そしてそれに対するトルシエの危機感、それらへの考察は殆ど語られる事はありませんでした。
(注1/日韓大会中、選手たちの出したフラット3の変更案に彼らの成長を感じ、その自主性に委ねるなど、結構トルシエは柔軟さも併せていました。ですが、トルシエは自分のエキセントリックな表面的言動ばかりを上げつらうメディアにはあくまで頑なだった為、その意趣返しとして「トルシエを無視し、反乱した選手たちの功績」と報じられた、と僕は感じています)

ともあれ、
そういうスカスカな論拠で世間の意見が導かれていくならば残念です。

彼らは言います。
「豪州戦の失点も、中田の求めた厳しさを選手たちが判っていなかったからだ」
と。

ですが、
中田のチームメイトに覚える物足りなさも理解する一方で、その過度な焦燥感がゲームを壊したと見れば、ここは厳しさではなく、クールな「賢さ」こそを持つべきだったと言う考えの方が理解出来ます。
孤軍奮闘は格好良く見えますが、孤軍奮闘しか出来ないメンタリティは「W杯で勝つ為のメンタリティ」とは別物なのです。

僕は決して厳しさを否定し、安直に和を唱えているのではありません。「なあなあ」で作られた和はそれこそ最も嫌う所です。
しかし、時々素っ頓狂な格好で帰ってきては「日本人選手は〜」と切ってしまう乱暴さには、どうにも頷けないのです。
中田は、選手それぞれの個性を理解した上で言っているのですか、と。
またメディアも、中田を賛美する為に、中田の主張に一方的に則って、他の選手をひ弱と決めつけていやしないか、と。


僕がこのように思いをまとめても、恐らくは少数派の意見でしかないでしょう。
悲しいかな、現在の日本社会の流れは、
「日本的組織=甘えの温床」
という単純な見方に基づき、
「閉塞的な組織を打破する、個の力を持った日本人」
を求め、
あまつさえ、それが組織そのものを破壊することさえ良しとしている風に思えます。
現存する良さを省みないで、ただぶっ壊すばかりの人を英雄視するのです。

中田英の乱暴な語り口は、そういう考えの人たちにはウケが良いのでしょう。
言い過ぎかもしれませんが、特にメディアの中核をなすアウトロー的作家orフリーライターは、
もしかしたら自分に照らして、その生き様をカッコイイと思っているのかもしれません。

中田が今日本人に求められているような、世界の中で生き抜く日本人像の一つの象徴であることは否定しません。
ですが、それを組織に還元出来ないならば、その人格はサッカーチームに於いては無為に思います。
中田賛美者はW杯の場を借りて、「我が意を得たり」とばかりに、元来この場とは直結しない
『日本社会論』を語っていやしないか?
・・・僕にはそう映ります。
そもそも、対話が出来ない裏返しとして自己主張ばかりするならば、それは「強さ」でもなんでもありません。


試合後、中田がピッチに伏す姿を皆様は色々な思いで見られたと思います。
彼は自分を、雪山で遭難したパーティを牽引するリーダーと思っていたのかもしれません。
「富士山しか知らない仲間を、エベレストを知る自分が助けなければ!」
こういう状況では、味方の弱さを切って捨てる強烈なリーダーシップが求められます。
・・・だが、パーティは全滅。
中田は自分の無力さに苛まれている様に映りました。

しかし、
誤解を招くかもしれませんが、そこには中田の自惚れがあったのではないでしょうか?
仲間たちは決して富士山しか知らない訳ではありません。
またエベレストではないにしろ、パーティのリーダーとして、時に元ブラジル代表FWの胸倉を掴みながら、幾度も、そして今も登頂に挑んでいる男がいます。小笠原満男です。
そもそも、中田自身にはパーティのリーダー経験はこれまで無かったと思います。

にもかかわらず、中田は自分のみがリーダーと自負し、冷静に地図や残りの食料を計算する仲間を無視し、まだ完全に遭難と決まった訳でもない時分から危機を騒ぎ立て、過度にパニックを招いた様に映ります。
ピッチ上で凍死した中田を見て、僕は「よく頑張った」とは決して思えないのです。

皆様には、どう映られたでしょう。
とどのつまり、
中田を評価される方々の
「日本人はもっと強さを持つべき」
という考えには完全同意しますが、
しかし、「では中田は強いのか?」と考えると同意出来ない・・・という事です。
中田の強さは海外で生きる為の強さであり、ピッチで勝利を得る強さとは違うのです。
同様に、中田以外の選手が弱いという考えにも同意しません。
正直、満男以外は判りませんが。

次のW杯も中田は目指すのかは判りませんが、もしそうであるならば、
彼には一層の成長を望みます。
個の強さではなく、リーダーとしての強さを。
そして、その為にも今の中田にはきちんとダメ出しをしておきたいと思います。


PS/
中田、満男と来て、本来は中村も語るべきかもしれませんが、大事な大会に熱を出したりするメンタリティには語る言葉もありません。試合後におめおめと泣く姿、彼を信じたジーコが可哀想でした。
まずは頭を丸めて出直せ、と言いたいです。


(記/なるほ堂)
[PR]
by tototitta | 2006-06-29 20:25 | W杯2006 | ▲ TOP
ワールドカップTV桟敷画報 その12
6/24 GERMANY × SWEDEN
d0031385_23575237.gif

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

6/24 ARGENTINA × MEXICO
d0031385_23582941.gif

d0031385_2359081.gif

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

6/25 ENGLAND × ECUADOR
d0031385_2359273.gif


(絵/minaco.)
[PR]
by tototitta | 2006-06-29 00:02 | W杯2006 | ▲ TOP
見たらすぐ書く・W杯観戦雑記 その35
【決勝トーナメント一回戦】セレソン 3-0 ガーナ

過去の「屈辱」を知る者は、その「克服」を見た時に一層の喜びがある。
それはサッカーを長く見続ける事で得られる特権。
昨日のトッティの様に。

ブラジルは長く患っていた病いを、今日克服した。
試合前、大方の予想は「ブラジルの圧勝」だったが、何につけ一応は絶望的観測をするのが癖な僕は違った。
・・・病の名は、アフリカコンプレックス。

現在のセレソンたちは、過去アフリカのチーム相手に幾度も苦い経験をしている。
ロナウド、ロベカルらを擁したアトランタ五輪ではナイジェリアに敗れ、
ロナウジーニョを擁したシドニー五輪では南アフリカ(GL)とカメルーンに敗北。
その再現が脳裏をよぎり、このカードが決まった時からイヤな予感が拭えなかった。


ブラジルの強さの要因の一つに、どの国もブラジルを相手にすると、その「名前」に怖れ、
対ブラジル用の特別なシステムを採ってしまう事が上げられる。
普段の自分たちの良さを、自ら消してしまうのだ。

だが試合開始直後に、ガーナが取った「特別なシステム」を見た時、背筋が凍った。
「ハイプレス、ハイライン」
・・・シドニー五輪でカメルーンがブラジルを葬った作戦だ。

あの時のカメルーンは高い位置からプレスを掛け、更にDFラインを異常に高く設定してきた。
DFラインの裏に広大なスペースが生まれるこの作戦は、一見無謀にも思えたが、
だが、そこを突こうと安易に長いボールを用いたセレソンは、結果いつもの自分たちのリズムを忘れ、逸る気持ちからオフサイドの山を築いた。
組織力に長けたガーナは、その再現を狙ったのだ。

だが、その作戦は五分で破られた。
大会始めから5キロのダイエットに成功したロニー。
・・・点を取る事よりも、走る事の方が辛そうなFW。
俊敏獰猛な怪獣から、怪獣ブースカへと変態を遂げた彼だが、やはりモンスターには変わりない。

しかし、もう一人、、、というかもう一頭が未だ冴えない。
簡単な1対1の場面を決められないアド。
しかも、
ルシオの「痛い痛い」はいつも通りのアレだが、キーマン・エメルソンが負傷。こりゃまずい。
セレソンにイヤな空気が漂った。

だが、今のセレソンはもうあの時の子供ではない。
試合中、ガウショがカピタン・カフーのプレーに怒る場面があった。四年前のW杯でよく見られた光景の、全く逆。
時と経験を経て、大人になった彼らは何をするべきかを判っている。
DF裏のスペースは、今の彼らには「落とし穴」ではないのだ。
そつなく二点目、三点目・・・。

多分、ここら辺がminacoがセレソンを好きでない理由なのかもしれない。
困難に遮二無二立ち向かい勝利を掴むのではなく、無理無く冷静に、確実な答えを導きだすのだ。
人間的な弱さを見せないカナリアたち。
minacoは言う。
「セレソンはサッカーロボット」
・・・お前はオズマか。(『巨人の星』参照)

だが、言い得て妙かもしれない。
かつてのブラジルサッカーは、
「人が走る」よりも「ボールが走る」
と言われた。

だが今は更に進化し、
「ボールを動かす」よりも「頭を動かす」
というサッカー。

「体力」よりも「技術」
から、
「技術」よりも「頭脳」
へ。

「よりもよりもって一体何なのよ!」
・・・そう言いたくなるほど、強い。(スカパー組しか判らないか、コレ)

ともあれ今日、
「ガーナのブラックスター」よりも「セレソンの胸に輝くファイブスター」
は証明された。


ガーナ。
後半。作戦が消滅したと思ったら、監督の姿も消滅していた。
二失点後も序盤の作戦を続けていれば、ブラジルの焦りも生まれたのでは?と思うと惜しまれる。
決して悪いチームではなかった。
だがFWが悪すぎた。エースFWが背番号3ってのも、どこか怖さを削いでいた理由かもしれないが。

「ゴールが見えたら撃て」
日本の指導者や解説者が繰り返し使う言葉。僕はこの言葉が嫌いだ。
(カントナもそう言うが、カントナは現役時代、決してそうじゃ無かった。あれはナイキに言わされているだけ)
この言葉をそのまま実践するかの様に、まだGKの位置を見る余裕があるにも関わらず、兎に角ゴールが見えたらシュートを撃ったガーナ。で、悉くゴールを外した。当たり前だ。
・・・指導者の皆さんは、これを良しとするのだろうか?

ブラジルは、ロニーの得点シーンを見れば判るが、決してそんな阿呆な真似はしない。
世界の一流FWがシュートを早く撃てるのは、状況判断とシュート体勢に入るのが異常に速い故(スイス戦のシェバのシュートは凄かった! 外れたけど。)であり、何でもかんでも撃っているのではない。
ちゃんとプロセスを踏んでいるのだ。

先の言葉は恐らく「ゴールが見えたら、素早くプロセスを踏んで、撃て」と取るべきなのだ。
だが日本では「プロセスよりも撃っちゃえ」に置き換わっている。
日本のFWがシュートを撃たない事が「消極的」と言われるたびに腹が立つ。
彼らは「消極的」でも「臆病」なのでもなく、そのプロセスが異常に遅いだけなのだ(フォローになってないか。。。)。


閑話休題。
ガウショの冷静さが光るセレソン。そこに、「1位でなくては許されない国」の宿命を見る。
それは選手にも言える。
ジューニョ・ペルナンブカーノ。通称ブッコちゃん。
恐らくブラジル以外の国なら何処でもレギュラー、いや背番号10のエースに君臨出来る男。

だが彼はそのポジションに於いて1位ではない。
ガウショの、もしくはゼ・ホベルト(今日の活躍でリトル・ゼに昇格。映画『シティ・オブ・ゴッド』参照)の位置に於いて、彼は2位。
・・・セレソンで、ではなく世界で2位だ。
だが、それは即ちセレソンでポジションが無いことを意味する。


しかし、光明が見えた。
もうアドはいらないと思う。恋人が子供を産んだのに、お前はいつまで妊婦のままなのか。
今日も試されたが、アドを外し、ワントップにすればブッコの位置は生まれる。

世界で2位の攻撃的MFが、2位であるが故にベンチの肥やしになるのは忍びない。
肥やしになるのは、肥えたアドでいい、、、僕はそう思う。
しかも次は、セレソンのもう一つのトラウマであるフランス戦。
フランスリーグMVPの出番だ。



その他、気付いた点。
・3得点後、ほぼ試合が決まったというのに流さず、攻撃にガンガン上がるカフー。
 こういう場面でも嫌らしいほどに存在感を見せつける所が、セレソンに於ける
 彼の牙城を高くしているのだろう。エグイなあ。

・御大ザゲイロ、もう少し日陰に置いてあげて。。。




(記/なるほ堂)
[PR]
by tototitta | 2006-06-28 23:47 | W杯2006 | ▲ TOP
見たらすぐ書く・W杯観戦雑記 その34
【決勝トーナメント一回戦】スペイン 1-3 フランス

『勝敗を分けた“格上意識”』


四年前、アジアの暑さに敗れた両国の対決。

フランスがここ数年苦しんできた原因は、W杯’98以降、抜けきらぬ“格上意識”にあったと思う。
「王者フランスの名に相応しいサッカーを見せなければ。。。」
それが足かせとなり、そのギャップに選手は苛まれた。

実際、W杯’98にしろ、EURO’00にしろ、決してフランスは“圧倒的なサッカー”で制した訳ではなかった。
固い守備とジダン個人の超人的能力に依る栄光。
だが、国民も選手もル・ブルーの格そのものが何処よりも上であると勘違いしてしまった。

しかし、スペインとの対戦が、彼らの目を覚ました。
無敵艦隊を前に、フランスは自分たちが今「格下」であることを意識せずにはいられなかった。
フランスは解放されたのだ。

スペイン代表もまた、これまでその“格上意識”が足かせとなってきた。
・・・優勝すらしていないくせに。

スペインは、自分たちの力を誇示するがごとく、高いラインを敷き、ピッチを支配しようとした。
膠着した時間帯、慎重に行くべき時も、強引に自分たちのペースに持ち込もうとした。
全てのカードを切ってまで。
そこには謙虚さが欠けていた。

己を格下と位置づけたフランスが、そこにつけ込むのは必然だった。
スペインDFの裏への飛び出し一発に賭ける、ある種後進的なアフリカサッカーのような戦術。
・・・それは四年前、自らの格上意識の足下をすくったセネガルの戦術だった。

ル・ブルーの勝利。
それは謙虚さを取り戻した事へのご褒美だったのかもしれない。
思えば、かのナポレオンも、将軍時代は華々しかったものの、皇帝となり、権威を纏った事で栄光に影を差した。
ル・ブルーはもう皇帝の玉座にはいない。だから、また頂点を目指せる。

立役者は、リベリ。
なかなか結果が出ず、未だ売り出し中だった当時に彼を当ブログでフューチャーした関係上、
このままじゃ、
「なんだ、言うほどの選手じゃないじゃん。なるほ堂は見る目が無いね。ケッ!」
と皆様に言われかねないと危惧していたけれど、安心しました〜。ありがとう!

一方、スペイン。
彼らが謙虚さを持つ日は来るだろうか?
前述の通り、一度も優勝していないのに“格上意識”を持っている彼らゆえ、この敗退からそれを学ぶ事は出来ないだろう。
「美しい攻撃サッカー」の称号さえあれば、結果等この国には必要ないのかもしれないけれど。



その他、気付いた点。
・ドラソー、コーンウェルの小説に出てくる『パリの狼男』の風情。でも、もう出番は無いのかな?
・自由あってのトーレス。ビジャが外れて1stストライカーの役割を担わされたら、全然だめ。
・これで得点王はクローゼに決まりかなあ?



(記/なるほ堂)
[PR]
by tototitta | 2006-06-28 17:22 | W杯2006 | ▲ TOP
見たらすぐ書く・W杯観戦雑記 その33
【決勝トーナメント一回戦】ウクライナ 0-0(PK3-0)スイス

80年代ニューロマ・バンド『ザ・ウクライナ』
シェフチェンコ(Vo)。
カリニチェンコ(Gu)、レブロフ(B)、ボロニン(Dr)。
その他、腰元バックダンサーズ。


ウクライナは今日も唯一のヒット曲『ウクライナの矢』でステージに臨んだが、
序盤スイスのVoのマイクケーブルを切断する作戦に、シェバの歌声は消されてしまった。

スイス。
ヨーロッパの『駆け込み寺』と呼ばれるこの国。きな臭い地域からアルプス山中へ逃れてきた人々の末裔たち。
若いとはいえ、その団結力は強い。序盤はスイス、ヨーデル楽団のペースだった。

だが、バンドがトラブルの時は、バックダンサーが間をつなぐもの。
今日はウクライナはバックダンサー達が頑張った。

バックラインにプレスを掛けられると、怖くて前に蹴りだしてしまう。
後方から上品な組み立てを試みても、ボールはハーフウェイを越えない。
・・・そんな日本DFと変わらぬ実力が、今日までの腰元バックダンサーズだった。
(それでもフロントマンの実力で勝てるから良いのだが)

しかし、後半からはステージマネージャーのハッパが効いたのか、果敢に前からプレスを掛け、
GLからドイツの地に響いたスイスの「♪ヨ〜ロレイホー」の歌声を許さない。

見直した。
ただのバックダンサーではない。
所詮スクールメイツ級と侮っていたが、花柳社中並に出来る奴らだ。

何も出来ないスイス、そもそもスイスもヨーデル一曲しか無い国。
若いイレブンがベンチを見やり、
「♪教〜えて、おじいさん」
と訊ねれど、老監督に具体的な策は無く、
「♪教えて、アルムの森の木よ」
と唄えど、ここはドイツだ。


「ヨーデル」も「ウクライナの矢」も聞こえないピッチ。
楽譜(スコア)が失せたピッチに、スコアレスドローの結末は必然だった。上手いな。(自画自賛)

だが、ウクライナには新曲があった。
ミレフスキー『黒鳥』。

途中投入され、その黒髪をたなびかせながらピッチの水面を泳いだ彼のPK。
その悪魔的な軌道がウクライナに勝利をもたらした。

凄い選手が現れた。
ウクライナはもう『ウクライナの矢』のみの一発屋ではない。
・・・この新曲、売れるぞ!



その他、気付いた事。
・シェバ、今日も国歌でピクピク。PK失敗は名選手のお約束ね。

・PK戦でのシュトレラーの、怪しい舌の動き。イジリー岡田?

・ベラミー、残念。もっと見たかった。

・無失点で終えたスイスのDFは見事だった。肉体のデカさ、強さは余計なファールをせずとも
 相手を封じる。羨ましい。日本も「柔よく剛を制す」の精神はあるが、柔道の技はサッカー
 じゃ、全部反則なんだよな〜。

・改めて、ミレフスキー。
 ヅラタンに見た夢の終わりを感じた今大会だったが、また夢を見れそうだ。
 このPKで、彼の値段は三倍くらい上がったんではなかろうか。



(記/なるほ堂)
[PR]
by tototitta | 2006-06-27 22:46 | W杯2006 | ▲ TOP
見たらすぐ書く・W杯観戦雑記 その32
【決勝トーナメント一回戦】イタリア 1-0 オーストラリア

ヒディンクに敗れた四年前。
戦犯はトッティ。

そのイタリアが四年間かけて、導きだした答え。
・・・トッティ。

指が震えて、これ以上書けないよ。



(記/なるほ堂)


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

震えが収まったので(笑)、付記_

素晴らしい試合だった。
ヒディンクサッカー対策を散々悩んだであろうリッピ。
その答えがトッティ投入。
「四年前の借りを返すのは、君自身だ」

数的不利に、この交替は常識はずれだと思う。
でもサッカーは常識ではない。
ヒディンクのサッカーが計算から導かれるのに対し、リッピはカルチョの魂で対抗した。
そして魂が勝った。人間が勝った。

ピッチに入ってからのトッティの、今まで見た事の無いような集中した顔。
ローマのバカ王子が、王の顔になった。

・・・・・・・・・

しかし、この折角の好試合。某局の解説が酷くて水を差された。
(その憤りが最後の興奮に繋がったのかもしれないが)

別にテレビ実況なんて期待していない。タレント解説者にも馴れた。
だが選手監督経験のある解説者、つまり日本サッカーの現場に携わる人たちの見識の無さには愕然とする。
これは日本サッカーの弱さに直結しているから。

序盤にて解説者、
「イタリアのFWは勝負を急ぎ過ぎて、MFの上がりを待たない」
(以下、聞き書きを要約の為、細部文言の違いはご容赦)。
だが、これはイタリアがスタミナ配分を重視し、中盤のフォローアップを捨てていた故であり、FWに問題は無い。

そもそも序盤のイタリアが中盤を引き気味に戦うのは、いつもの事。
加えてこの試合は、ヒディンクサッカーの恐ろしさが
「後半のチェンジペース(FW投入)」
にあることを踏まえての当然の策。
イタリアはオージーを掌の上にのせながら、上手く足を貯めていた。
(結果、これが数的不利でもDFが戦えた要因であり、
終盤にヒディンクが攻撃の梃入れを躊躇した遠因と考える)

だが解説の方は、
「序盤はオーストラリアのペースですね」
と言う。イタリアが“引かされていた”という事らしい。
・・・

勿論、美観の違いもあるのだろう。鹿党の僕と、元磐田の監督(←書いちゃった)とは違っていて当たり前かもしれない。
しかしハーフタイム。
イアキンタが登場すると、トニが外れると早合点。
「トニはシュートが決まらないから」って事らしい。
・・・やはりこの解説者はおかしい。

トニの単独でもシュートに行ける戦闘力に委ねた攻撃をイタリアが行っている現状を、まるで判っていないのだ。


案の定、交替はジラルディーノ。
どちらかと言えば中盤のフォローを要する選手の方・・・黙る解説者。

仕舞いには、イタリアが残り足を活かしたDFの攻撃参加でPKを奪取すると
「(この展開では)PKしか無いと思っていました。。。」
・・・ズルいだろう。それは。

僕だって別に大した知識がある訳ではない。
現場なんか知らない。だから僕がこのブログで書いている事の大半は的外れかもしれない。
でも、そんな僕でもまあ判るようなサッカー界の常識を、最近まで現場にいた人がまるで判ってないってのが、、、
日本サッカーの現状を見せつけられているようで悲しくなるのだ。

違う試合でも愕然とした解説(別人物)があった。
主審が手を挙げて明らかに間接FKとジェスチャーしているのに、
「この距離なら直接もありますよ〜!」
と解説。。。ねえよ!

勿論キッカーは味方選手にパス。すると、
「おっ、意表をつきましたね〜」
そして「今日はキックの調子が悪そう」とか言う。
その選手、次の場面では凄い直接FKを決めていましたが(苦笑)。

また某元監督は、選手名をしょっちゅう別選手と間違えながら、
「今日はXX選手が目立ちますね〜」
って言ったり・・・

こんな人たちの下で、
どうやって選手が成長出来るというのだろう。

いまいちルールが判っていないアナウンサーがいようが構わない。
勝ち点と得点の違いも判らないニュース司会者がサッカー好きぶろうが、
それは日本サッカー界の未熟さ故と受け止めよう。

だが
ピッチで何が起こっているかを判断出来ない、
選手の名前も特徴も知らない現or元監督の解説者、
そういう人たちだけは勘弁して欲しい。

せめて「わからない」というのなら兎も角、
そういう人たちに、試合後いけしゃあしゃあと選手や監督の評価はされたくない。


(記/なるほ堂)
[PR]
by tototitta | 2006-06-27 20:35 | W杯2006 | ▲ TOP
見たらすぐ書く・W杯観戦雑記 その31
【決勝トーナメント一回戦】オランダ 0-1 ポルトガル

昨日メキシコが負けて、
「これでもうW杯の楽しみが無くなった」
とminacoは言った。
「未だオランダが・・・」と思ったが、オランダの試合はルートファンの彼女にとって、
最早苦行でしかない。

ルートへの思いから、日に日に心を病み、今壊れた彼女を横にしながら、こうしてキーボードに向かう自分。
あぁ、まるで映画『ベティブルー』のよう。窓の外からは野良猫の声が聴こえる。
・・・あんないい男でもいい女でもないが(涙)。


試合。
双方に塩を抱える、正に『塩祭り』と予想。
だが、カード祭りでもあった。
「サッカー界にロシア人が絡むとロクな事が無い」
・・・そんな偏見丸出しの言葉も漏れてしまう。(ご容赦)

結局は不用意に一枚交替カードを切った(ファールト投入)ファン・バステンの、
未熟さが勝敗を分けたか。


オランダの攻撃。
結局、ニステルローイの出来が問題なのではなく、
「前線三人だけでフィニッシュを作る」
というオランダのやり方にこそ問題があったと思わざるを得ない。
・・・何の慰めにもならないけど。

ファン・バステンは、ニステル抜きのスタメンをアルゼンチン戦でこそ試すべきだった。
そうすれば今更問題点を知る羽目にならずとも済んだのだが。。。

退場させられて、ジオと黄昏れるデコ。
その姿に、デコ=ジゴロ説の正当性を再確認をする。
かの女優・加賀まり子さんもデコのファンと聞いた。
ある種の女性(と僕)には、彼はたまらなくセクシーなのだ。

デコを欠くポルトガルはイングランドと対戦する。
もう少しだけ、見たいんだが。。。



その他気付いた事。
・ハイティンハ。フェアプレーでボールを敵GKに返すべき所をドリブル。そりゃダメだろ。
 結局この時に出た警告、サッカーの美を守ろうと鉄槌を下したデコへのカードが、
 デコの退場への伏線になってしまった。これは間違いと思う。
 バカ面と思っていたが、ここまでバカとは思わなんだ。


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


付記_マデイラ島の岩塩。

マンチェスターUに於けるクリスチャーノ・ロナウドは、塩(しょ)っぱい。
(「塩っぱい」とは、相撲を語源する隠語で「土俵に這ってばかりの奴」=「弱い奴」。
だが近年は「情けない奴」「中途半端」とか「見かけ倒し」の意味で用いられる。)

怪我に見舞われた彼ゆえに、今日キツい事を書くのは憚るべきかもしれないが、まあ個人の戯言とお許しいただきたい。

塩風漂うポルトガル・マデイラ島から採掘され、塩路はるばるマンUへやってきたこの岩塩
身体は逆三角形のムキムキ。一見見栄えは良い。
だが、それ故に身体が固く、かつアンバランス。およそサッカー選手の肉体ではない。
一見ロナウジーニョのような足技を繰り出すが、柔らかさが全く無いので、
それには華麗さも、突破の効果もない。
阿呆の子の様にシザーズを繰り返しても、敵も味方も呆れるばかりだ。

重心が高すぎるのも上体の鍛え過ぎから。
故にキック時は大抵軸足が浮き、丁寧なインステップキックなど出来ず(!)、結果ボールは何処へ飛ぶかも判らない。
走る時も肩に力が入り過ぎで、その様はケムール人(『ウルトラQ』)のようだ。

しかも困った事に彼はおつむに問題がある。(我ながら、いい加減酷いなぁ)
学習能力が無いのだ。だから一向に進歩しない。むしろそんな自分がカッコいいとでも勘違いしているのだろうか?
先輩方の苦言に、しおらしくなったかと思えば逆に塩らしさが増し、
塩々(えんえん)とボールを塩揉みして、試合を塩漬けにしてしまう。

本家ロナウドとの区別の為『ロナルド』とか『C・ロナウド』と表記される彼だが、
もうこの際、『塩(しょ)ナウド』でいいと思う。

ここ数年、ユナイテッドは彼のあまりの塩っぱさに、チーム自体が塩分過多になり
動脈硬化を起こしている。ファーギーは本当に心臓の手術をした。
このままでは増築したオールド・トラフォードさえも塩害で錆び付きかねない。
同時期に同じ塩の道を辿ってカンプ・ノウに行った岩塩クアレスマは、
一嘗めで判るその塩っぱさ故に早々に塩(えん)を切られた。

ユナイテッドもそうあるべきと思ったが、以外にも契約を塩長。
このソルティなドリブラーは、まだまだユナイテッドファンの悩みの種になりそうだ。


しかしポルトガル代表では、この岩塩を上手く活かしてきた。
正直、メキシコ戦を見るとロン抜きのポルトガルの方が強くも思えるが、
オランダ戦で彼が欠けた後のポルトガル攻撃の単調さを見ると、やはり彼は必要なのだろう。
(コスティージャの退場も一因だが)

プレミアとは違い、勝手知ったる母国故に、その塩水が合うのかもしれないが、それだけではないと思う。
これほどの塩をもスパイスに替える一流の料理人がいるのだ。
デコ。

オランダ代表にも塩がいる。
ファン・ペルシーと、ロッベンだ。
(それにしてもニステルローイの周りに塩田の広がる不条理よ)

ペルシーは多少プレーの使い分けが効く様になり、塩抜きされて来た感はあるが、ロッベンはまだ塩加減が悪すぎる。
しかも料理人がいない。

オランダ代表もユナイテッドも、岩塩をメインディッシュにしようとしているから不味いのだと思う。
あくまで料理の味を引き立たせる隠し味とすれば良いのだ。
ポルトガルの国旗をよく見てよう。

緑と赤。
緑と赤と言えば、そう、
・・・スイカだ。

スイカに塩をかけると甘みが引き立つ。
それがポルトガルのやり方。



(記/なるほ堂)
[PR]
by tototitta | 2006-06-26 21:30 | W杯2006 | ▲ TOP
見たらすぐ書く・W杯観戦雑記 その30
【決勝トーナメント一回戦】イングランド 1-0 エクアドル
イングランド戦。
ベンチに座るスウェーデン人監督。
どうにも指揮をしているのはマクラーレンの方に見える。
マダム・タッソーの蝋人形か?
・・・その姿に、島国で監督をする外国人監督の辛さを思う。


01_ジーコの言葉。
GL敗退決定後のジーコの言葉、その「敗軍の将、兵を語る」っぷりへの苦言をあちこちで聞く。
そもそも「敗軍の将、兵を語らず」というアジアの格言(by孫子)をブラジル人に照らす事に無理があると思うし、
すっと以前、マズい事に鹿島が敗れた日に行われた『ジーコを囲む夕べ』での不機嫌バージョンのジーコを知っている僕としては、
全然驚かないお言葉。
だが、それでも今の国民感情に鑑みて、大分「裏切られた」とお思いの方が多いようだ。
これまでメディアがジーコ像を良く脚色し過ぎてきたせいもあるだろう。
ジーコはラモスと同じ、ブラジル人なんだよ。
(この一言で、説明がつくでしょ)

勿論、そういう感情も否定しない。
(中には発言の隅をつついての憂さ晴らしや、他へ責任が飛び火するのを怖れて、ジーコに責任押し付けちゃえって感じのも見受けるけど)
でもそもそも、こういう「感覚のズレ」も引っ括めて、外国人監督を連れてきた意義だと思う。

ラモスやセルジオ越後の言葉は、いつもキツい。
日本人には少し理解を越えた常識を軸に語る彼ら、それがブラジル流なのだと思う。(アントニオ猪木参照)

無論、一義的には腹は立つ。今更そんな事言うなよ、と。
だが、それは国際感覚に乏しく、かつ身内に優しすぎる日本人にとっては大切な経験だと思う。

外国人にまで日本の常識の枠組みを押しつけ、
「言うべきではない」「自分の責任のみを語るべきだ」
でいたら、それこそ島国の孤児のままだ。
折角外国人監督を連れてきたのに、こちらに沿った当たり障りの無い、
本音ではない言葉を言われても有り難くも何ともない。


世界王者(今日の所はまだ)の国の常識・・・負けたらボロクソに言う。
例え言いがかりに近いような批難でも、敗れた選手はそれを甘んじて受けなくてはならない。
・・・僕らは今、身を持ってそれを体験しているのだ。

確かに選手が可哀想、とも思う。
だが国民の過保護の中で、選手が成長出来ないのだとしたらそれこそ可哀想だ。

ジーコが常々言っていた事・・・
なぜ、海外と比べて日本国内では選手が逞しくなれないのか?
(ジーコに鍛えられた満男は除く)

言いたくないが、中田浩二の成長には驚いた。ならば、どうやってそれを克服するべきか?
日本人の優しさは美徳としつつも、世界と戦う日本には改善すべき余地はあるのではないか?
・・・それがジーコが最後に監督として残した宿題だと思う。少なくとも、そう受け止めるべきと思う。
(単にヤケ糞で言っただけとしても)


そもそも、敗軍の将として兵を語らなかった加茂監督や岡田監督のメンタリティに物足りないから、
海外から監督を呼んだという経緯がある。
地理的に島国な僕らは、すぐに自国の良識のオリに閉じこもってしまう。
それじゃ、いけないんだ。

彼らの非常識な流儀に、右に倣えと言うのではない。
ブラジル流に倣い(?)、今更「ジーコ監督就任は私の一存で決めた訳ではない」と責任逃れするようなメンタリティはいらない。
それを知り、学び、糧にしようと言いたいのだ。
反撥するのではなく。

それでも・・・
ジーコのやり方が気に入らないならそれでも良し。
でも、キツい事を書くようだけど
「僕らの気に入るやり方で・・・」
なんて言って、日本代表が強くなるとお思いですか?


02_外国人監督・エリクソン
イングランドも島国、その排他性は日本と共通する。

だが、似ているようで違う。
僕らはジーコを「有り難い、有り難い」と上げ奉りながら、その端々にナイーブに反応する。
つまり僕らの反撥は「そんな事言わないで・・・」的な、消極的な反撥だ。
だがイングランドは違う。
「この国の美観に沿え!」
と、最初(ハナ)から喧嘩腰だ。

サッカーの母国としてのプライドもあるのだろうが、
彼らには語るべき「自分たちが培ってきた流儀」があるから、と思う。
日本サッカーにそれは無い。

例えるなら、
スウェーデン人エリクソンは相撲界へ来た外国人力士だ。
千年の伝統を自負する相撲界は、外国人をも力ずくで自分らの流儀に引き込む。

小錦が「相撲は喧嘩」と言ったか、言わないかで、その非日本人性に釘を刺した様に、
イングランドもメディアの嘘取材でエリクソンから
「僕の力でイングランドの選手を移籍させれるよ〜」
的な発言を抽き出し、彼をイングランド文化へスポイルしてしまった。

今のエリクソンはチームへの批難の声の防波堤にすぎない。
でもこれが必要なほど、イングランドメディアのプレッシャーはきついから、まあ役には立っているのだろう

このやり方がイングランドサッカーの発展に寄与するのかは判らない。
今の日本の相撲界の様に、競技レベルの向上を外国人力士が担っている現状と、
逆に土俵の美が疎かになっている現状(むしろ日本人力士に原因があると思うが)を照らすと、
どちらとも言えない気がする。
個人的には、イングランドはもう少し柔軟になっても良い気はするが。

ただ少なくとも僕らはサッカーをまだ外国から習う段階だから、
外国人監督の流儀を日本文化の枠組みに押し込めるのは得策ではない。
それだけは言える。


03_試合。
毎試合変わるイングランドのスタメン&フォーメーション。
今日は『4-1-4-1』。
結果的には守備の役割分担が不明瞭になって、機能し難かった印象だ。
ただ、キャリックがこの日担った役割をキングが・・・の思いは残る。
怪我で外れた彼がいたら、この戦術で新しいイングランドが見れたと思うだけに残念。

エクアドル、今日はふわふわハイボール作戦
高地でハイボールが揺れる状況に馴れている彼ら、そして今大会の普通に蹴っても揺れるボール。
・・・この適正が彼らを決勝Tまで導いたのかもしれない。
でも、それだけじゃあね。。。

確かに勝つ事は勝ったイングランド。
「イングランドらしからぬ出来」との声も聴こえるが、
昨今のイングランドに於いては、もはやこれが普通だ。

例えばドイツでバラックが一人でしている仕事を、イングランドは三人で行っている。
絵箱に筆が沢山あっても、その分絵の具が少なければ、単調な絵しか描けない。
・・・イングランドもまた「黄金の中盤」を持つが故の悩みに苛まれているのだ。

ただし、
「こりゃベッカムのFKでもなきゃ、点取れないね」
なんて思いながら見ていた試合でも、本当にそれで点を取れるからズルいんだよな、イングランドは。。。



その他、気付いた事。
・イングランドはエクアドルを怖れたのではなく、W杯を怖れて戦っていた。
 そこをエクアドルは誤解して
「このままの攻撃がイングランドに通用する」
って思ってたのかもしれない。

ララァ、散る。(お約束)
・イングランドサポの心の叫び・・・「カーンを貸してくれ!」
・試合前のエクアドル監督の怪しい動きは何?
・(ビクトリアと息子)来たか。



(記/なるほ堂)
[PR]
by tototitta | 2006-06-26 18:09 | W杯2006 | ▲ TOP
ワールドカップTV桟敷画報 その11
6/21 NETHERLANDS × ARGENTINA
d0031385_2225378.gif

試合後、若い小さい子が大好物なルートがユニ交換をしたのはテヴェスだった。テヴェスとは以前ボカ・ジュニオルスとの対戦でしっかりユニをゲットしていたらしいので、今回のターゲットはメッシかと思ってた。メッシよりテヴェスが好みならそれも頷ける(顔じゃないよ)・・・が、後でメッシにもコナかけてるのが発覚。やっぱし。

そんな情報と同じくらい重要じゃないこの試合、それでもオレンジにとっては決勝トーナメント前のテストマッチだったのかもしれない。
ガビーがいなくてもアジャラさんやコロ助など猛者揃いなアルヘンDF相手にシュートも打たせてもらえなかったが、ブルディッソを踏みつけたルート。スマヌ。でも馬の後ろに立つのは危険だと・・・(早期回復をお祈りします)。

楽観主義を貫きたい自分でも、さすがにこの試合を観ていて凹む。国内組のDFにとってテヴェスなど野生動物と対するのは未知との遭遇だっただろう。オロオロしっ放し。(ま、ジオがいてくれればいいんだけどね)
でも、ファン・バステンは私が思うよりずっとガチで完璧主義者みたいだ。背後でクライフのプレッシャーを感じたのか知らないが。

これがW杯だと思う。日本の敗退を観てても、改めてW杯は本当に特別なものだと思う。勝ち負けが重要じゃない、といえるのは日本代表だからであって、優勝を夢見ていい国にとっては違うと思う。
何をおいても勝ちにこだわるからこそ、W杯の価値があるんじゃないかな。

ここでプレイすることは特別なんだ。プレイしなくても、チームの一員であることは重要なんだ。個人の問題など二の次だ。全員で闘えるチームこそチャンピオンにふさわしいはず。

大会前には「黒ルートでも何でもアリ」と思った私だが、開幕直前に「このオレンジでは黒にはなれない」と悟った。フットボール人生で最も大事な1ヶ月、観てると心痛でどうにかなりそうだけど、きっと役目を果たせると信じる。だって色んな意味で「何だってやるつもり」だからね。うん。
スタメンを外れるかもしれないルートの話は長くなりそうなので、また後日。
d0031385_2233160.gif



* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


6/21 PORTUGAL × MEXICO
d0031385_2241954.gif

デコやロンを温存したポルトガルでしたが、控えの国内組を出した方が強い気もする。


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


6/22 CZECH Rep. × ITALIA
d0031385_2281731.gif

チェコ、残念でした。自分で言うのもナンだが、実はバロシュを描くのには自信があります。


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


6/22 JAPAN × BRAZIL
d0031385_2255457.gif

満男のお父上のお言葉、「ここまで頑張ってきて2戦連続先発出場できた事が嬉しい」。私もそう思う。
お疲れさま。それでも明日も、満男のサッカーは続いてゆく。



(記&絵/minaco.)
[PR]
by tototitta | 2006-06-25 22:19 | W杯2006 | ▲ TOP
LINKS
・ Mercedes's Diary
・ おかず横町
・ デジカメのいろいろ
・ 今さらながらの○○修行
・ 春巻雑記帳
・ 塔とゆりかご

映画
・ NAWOWOW
  NAWOKO KAWAMURA'S PORTFOLIO

 Football
 ・ CALCIO馬鹿のたわ言。
 ・ 【別館】Black Swan of Ukraine
 ・ ファーポコ
 ・ A.C.MILANを斜め読み

 鹿島アントラーズ
 ・ オフィシャルサイト
 ・ Red-Deer's Diary
 ・ My Soccer Diary
 ・ やわらかな風に包まれて
 ・ はいっ、おばさんは遠隔地鹿島サポです!

 レノヴェンスオガサFC
 ・ オフィシャルサイト


OTHER ROOMS
WEBSITE SPIN-OFF

・ ABOUT US
・ CONTACT