イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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ゆくガチ、くるガチ〜『銀ガチ鉄道2007』<下>
(記/なるほ堂)
このエントリーは、
「ゆくガチ、くるガチ〜『銀ガチ鉄道2007』」<上> <中>の続きです。

第9話『サルガッソー』
「ガチは時間を裏切らない。時間もガチを裏切らない」
──作者複数



「いけないわ、その言葉は厄介な事になるのよ」「そんなことないさ」
タイトル下に用いた警句に、ガチ郎は素知らぬ顔。だがそこへ、車掌が慌てて飛び込んで来た。
「〆ーテル様、ガチ郎様、申し訳ありません! だ、脱線です!」
パクリ元の怒りに触れたのか、脱線した銀ガチ鉄道は時空と重力の墓場「サルガッソー」へと吸い込まれてしまった。ドッカーン。

そこは暗闇だった。汽車の電気系統は全てダウン──
「暗いよ、狭いよ、怖いよ! 銀ガチ鉄道、訴えてやるからな!」
「ガチ郎さん、落ち着いて下さい」
「君は?」
「私はニガリのクレア……」

──この銀ガチ鉄道の食堂車でウィトレスをしています。
そう云うと彼女は自身の体を発光させ、仄かながらに車両の中を照らした。
「私の身体は塩の結晶。体内の塩化アンモニウムが燃えて、光を放っているのです」
「……ということは、塩化人間だな。塩っぱい奴め! 〆ーテルは何処だ?」
「〆ーテル様は機関室で、このサルガッソーから抜け出す算段を。それよりも……」
「何?」
「隣の車両に沢山の人が乗り込んで来ています」
「ただ乗り客だな。放り出してやる!」

「怖いんじゃないぞ。君が懐中電灯代わりにならなきゃ、前がよく見えないんだ」
ガチ郎はクレアの背中に隠れながら、隣の車両へと。すると、そこには粗末な身成りの、しかし瞳の奥に大いなる慈愛をたたえた人物が立っていた──
「貴方は、キリスト?」
「……イエス」

他にも、その車両に居たのは歴史上名だたる「ガチ者」たち。
聖徳太子、ガンジー、チェ・ゲバラ、ベートーベン、ジョン・レノン、高杉晋作、黒澤明、流全次郎、双葉山、手塚治虫、ゴッホ、熊谷守一、棟方志功……

そしてガチ郎は聞いた──
キリストに始まり、今に繋がるガチの歴史を。偉大なるガチ者たち、また彼らに憧れ「ガチズム」を掲げた『全ガチ連』、そしてそれを引き継いだ『ネオガチ』たちの話を……。

最後にキリストは言った。迷う事なかれ、と。受難とはガチの茨道。ならば履物を脱ぎ、その上を歩くがよい。迷える者にガチ者が与えるのは「愛。震える愛。」であり、他人の病いを治す「奇跡」ではない。いくらガチを信奉しても、道を拓くのは己自身。暗いと不平を言うよりも、すすんで灯りを点けましょう。だが覚えておくんだ、君は一人ではない。you may say I'm a dreamer.but I'm not the only one.私は永遠のガチの同伴者、常に君の傍らにいる……

その時だった。
汽車に巨大な塩の塊が衝突した。車内に充満する塩酸ジフェンヒドラミン。塩化人間、ソルトマニアたちの襲撃だ。ガチ郎は迷わずに立ち向かった。「誰かに頼らないで戦うぞ! これでいいんだね!」と問うと、キリストは答えた。
「……イエス」

しかし、塩化人間の塩っぱさは一筋縄ではいかない。かのオシムが倒れた時、TVでプレミアリーグを見ていたという。2007年の塩バロンドール受賞者クリスチャーノ・ロナウドの塩分が、もともと持病を抱えていた老将の心臓にダメージを与えたのは想像に難くない。そもそも例え健康体であっても、あれほど過剰な塩分は命に関わる。だが、その塩猛威に遂にガチ郎が敗れそうになった時、クレアが身を犠牲にして彼を守った。クレアの身体は粉々に飛び散り、そして塩の襲撃は去った──。

車内に灯りが点いた。銀ガチ鉄道が復旧したのだ。
だが、そこにはもう彼らの姿は無かった。幻だったのだろうか。しかしガチ郎の掌にはクレアの欠片、小さな塩の塊が残っていた──

>───────────────────────────────<
ガチ郎は 時空の狭間の中で 沢山のガチにあった……
どうしてあんな場所にガチたちは居たのだろう?
〆ーテルは答えた
ガチは、永遠の時空の中を彷徨う定めなのよ……

そして クレアもガチだったわね 愛する人を守る為に命をかける
それはガチ

ガチ郎は思った……
この世界を作ったのは、歴史に名を残した偉大なガチだけではない
その影で 沢山の名も無きガチが その身を犠牲にしてきた
その人にとって大切なガチを守る為に……
クレアの欠片を握りしめながら
ガチ郎は 亡き母のことを思い出していた
(オチ無し)
 >───────────────────────────────<


第10話『終わりなきガチの物語』
「何があっても この腕が千切れそうになっても
 離さない 守るわ ずっと二人で生きていこうね
 たとえ あなたが 女に生まれていたとしても
 私の心は必ずこの場所、たどり着いてるわ」
 ──ジャングルスマイル『おなじ星』
※参照

決して挫けない、不屈の精神。それこそが「ガチの本懐」だと〆ーテルは言った。
2007年、この塩化人間に支配された世界を舞台にしたガチたちの……決して終わる事の無い挑戦。その駅を出ると、ガチ郎の耳に大きな音が聞こえて来た──
「バシッ!」「バシ!」

音を頼りに、ガチ郎は走った。
その途中、ガチ郎は今年復活したガチたちの姿を見た──

・ドン底から日本シリーズMVPを勝ち取った、中村紀洋
・日本シニアOPを65歳で最年長優勝。エージシュートまで達成した青木功
・甲状腺を患うも、年末「ラジソン」にて復活した岩手の声・大塚富夫アナ(IBC)。
・昨年交通事故で片足を失ったが、現在カヌーで五輪を目指しているダリオ・シルバ
・事故で片腕を失うも、ピッチに復帰した元パラグアイ代表、F・ゴンザレス
・喉頭癌、しかし歌声もそのままにステージへ帰って来た忌野清志郎

……そして辿り着いたのは海沿いの道場。
そこには誰が書いたか判らぬ文字「ノアだけはガチ」。

暮れにも関わらず、道場の中にそのガチは居た──
プロレスラー、小橋建太(40歳/京都福知山出身/独身)。
時に神はガチに試練を与える。お前はこの敵に勝てるか? 昨年、神は彼に人類最大の敵=癌を差し向けた。これまで幾多の敵レスラー、幾度もの両膝、肘の手術、束の間の休日もタラバガニに乳を挟まれ……しかしそれらとの激闘を越えてきた小橋。ならばこの最強の敵を越えてみよ、と。
その報にファン、関係者は一様に声を失い、なるほ堂は失神した。

しかし今日も、小橋建太はプロレスラーとして立っている。
12月の復帰戦。実況ガチ、矢島学(日本テレビアナウンサー)はこう叫んだ。

「強いとは、こうゆう事だぁー!」

道場には彼の練習台として剛腕チョップを受けたレスラー、テーブル、コンクリート、スイカの残骸が散らばっていた。その姿に、腎臓癌の大手術をした面影は無い。

なぜ、ここまでするのか──
ガチ郎の傍らで〆ーテルは言った。プロレスが今も生き続けるのは、それがいつの日も日本人のコンプレックスをくすぐる存在だったからよ。

日本人が戦後の挫折感に苛まれた時代に、力道山。
外国からエコノミックアニマルと揶揄された時代には、ジャイアント馬場の体躯、懐の大きさと、アントニオ猪木の言動のスケールの大きさ。
閉塞したサラリーマンの時代には、序列社会への反骨を唱えた長州力の革命精神。
そしてバブル期、田舎者の華やかな物への憧れに三銃士が応え、またその影で忘れられつつあった人の痛みを四天王が体現した。わかる、ガチ郎?

ガチ郎は答えた。「うん、取りあえず〆ーテルがプロレスオタクってのは判った」
〆ーテルはエメラルドフロージョンでガチ郎を沈めると、一人リングに向かい話し続けた。

……そして小橋建太。
今、多くの若者は迷っている。「何を頑張るべきか」を。
彼らは言う「何の為に頑張るのか?」「頑張った先に何があるのか?」「よしんば何かを得ても、それに意味があるのか?」と。

答えが沢山あるはずなのに、答えを見つけられない──そんな時代に小橋は現れた。
小橋は時代にチョップし続ける。そして小橋建太の試合を見た者たちは、必ず気付く。

「頑張る事“こそに”意味がある」

のだと。
小橋を始めとする、不屈のガチたちは人の心を震わす。
彼らこそが、この暗闇に我々の足下を照らす──人の形をした「光」。

目を覚ましたガチ郎はプチ感銘を受けながら、リング上の小橋建太に塩っぱい質問をした。
「小橋さん、プロレスとは何ですか?」
「……何なんだろう?」と小橋は答えた。
これまで、その問いに何人ものレスラーが、彼らなりの答えをしてきた。
だが、このプロレス界の頂点に立つ者の答えは、少年の心に一際重く響いた。

リング上からは、延々とチョップの音が続いていた。その姿にガチ郎は思った。「わからないのなら、鏡を見ればいい」と。小橋建太が鏡の前に立つ時、そこに映っているのが、人々に勇気を与え続ける「プロレス」そのものだ、と。

その姿を見ながら〆ーテルは思った。
ガチ郎、あなたも立派なプロレスオタク……。

>───────────────────────────────<
ガチの向こう側には、ガチしか無い
されどガチは、そのガチから逃げる事ができない……
ガチで無くなる事は総てを失う事、彼らガチ者にそれは堪え難い恐怖
だから、例え病いや老い、逆境に置かれても、
彼らは懸命にガチであろうとするのかもしれない
時にそれを「痛々しい」という者もいる
それは優しい、気遣いにも似た言葉
だがそれでもガチは、その歩みを止めない
あるはずの無い「答え」を信じて……

ガチ郎は思った……
「小橋建太はイエスに似ている」
容赦ない誤解と偏見の中、しかし何かになびく事無く
ただひたすらに自分の中の真実を世に顕し続ける
例えその果てに、受難にあっても……
しかし彼らは「復活」する。

それにしても、ガチの系譜を辿っているうちに
イエス・キリストから小橋建太まで
よくもまあこんな話を書き続けたもんだ、やっと次で最後かと……
作者は思った……
>───────────────────────────────<


その時、車掌の声が響いた。
──お客様、読者の皆様、
長らく御乗車頂きありがとうございました。
次は終点「塩ドロメダ」。


最終話『塩(エン)ドロメダ』
「人は誰でも 塩ガチさがす 旅人の様なもの」
──『銀ガチ鉄道2007テーマソング』より



「なぜだ、〆ーテル! ガチの身体をくれる星の名前が『塩ドロメダ』なんて!」
ガチ郎は叫んだ。「駄洒落としても塩っぱいよ!」

〆ーテルは答えた。
「ここは巨大な塩の塊で出来た星。プロメシオウム女王が君臨する『塩化帝国』の首都。そして私は女王の娘……ガチにとって塩は、塩にとってガチは、鏡の中の自分なのよ」
「さっぱり意味が分からないよ!」読者を代弁する様にガチ郎は叫んだ。

「よくぞ帰って来た、我が娘よ」玉座の上に、女王が現れた。
「さあ少年よ、お前をガチにしてやろう! この塩化帝国を支えるガチに!」
しかしガチ郎はその手を振りほどいて叫んだ。
「待ってよ、そんなのガチじゃない! ずっと妙だと思ってたけど、そもそもタダで……何の努力も無しでガチになれるはず無いじゃないか!」
「今頃気付いたのか! 1行目で気付け、愚か者め!」

すると〆ーテルが、遮る様に言った。
「いいえお母様、みんな最初から気付いていたわ。みんな判っていて気付かないふり……壮大なノリツッコミだったのよ」
「裏切ったのか、我が娘よ!」

戦闘が始まった。「ガチ戦士の銃」を乱射しながらガチ郎は思った。
──この世の中には「ガチ」という名を借りた「塩」が多い。そういう「なんちゃってガチ」「名ばかりガチ」……いわゆる「エセガチ」を量産し、真のガチを貶めるのが塩化帝国の目的だったのだ。倒さなくちゃ、こういう連中こそ倒さなくちゃ。世の中、ホントこういう奴って多いよね! 確かに塩化帝国は手強いよ、圧倒的な塩分濃度だ。負けるかもしれない……けれど、ガチとは決して後悔しないこと! ガチは奇跡を信じる力よ!

「あの少年を救うのだ!」
その時上空から、あの『負けるがガチ』の星で出会った男の声が響いた。「自由と信念」の旗をたなびかせ、緑の方舟エメラルド号に乗った三沢さんだ。あの酒場で緑色のガウンに身を隠していたのは……あれは三沢さんだったのか。三沢さんはノアガチ戦士と、そしてガチ郎がこの旅で出会った沢山のガチたちを率い、自らもガチエルボーで塩化帝国に容赦ない攻撃を加えた。もうやりたい放題だ、作者も。

更に、頼もしいガチの猛者たちも。カントナ(カンフーキック)、勝新太郎(座頭市)、千葉真一(地獄拳)、市川雅敏(毒舌)、コマンドー(「こいよベネット」)、ノエル・ギャラガー(オアシス)、映画「素晴らしき哉、人生」(ガチで泣ける映画)、シャチ(ペンギンを襲うシャチはガチ)、重曹(一年の汚れもスッキリ)、南部鉄瓶(大切な鉄分も補える)……人も物も入り乱れ、さながら猿蟹合戦の様相だ。

その最中、〆ーテルの声が響いた。
──お母様! この前の塩大賞も、このガチ大賞も……どちらも同じ人が書いているのよ。精神のバランスを取る為に。シオニズムもガチズムも、「塩学連」も「全ガチ連」も皆同じ。ガチと塩は互いに支えあうもの、共に何かが過剰なもの同士……しかし人々にとって愛すべき存在。全てを塩になんて間違っているわ!

戦いは終わった。
何をされても「ニヤニヤ」で受け流す塩化人間兵士も、ガチ者たちの繰り出す「ガチ名言」「ガチでいい話」「ガチ者の生き様」に心の塩を溶かされ、涙を流し、その塩辛い涙と共に体内塩分は消え去った。塩化帝国の中枢、既に玉座には女王の姿はなかった。そこには、ただただ今年を代表するガチ者にまつわる「いい話」に涙を流す、女が居た。
「ルート、あんたはいい人だ。どうかその女性の魂が救われますように……」

『塩化帝国』は崩壊した。感涙する塩化人間たちの群れに、しかしガチ者の鉄槌は容赦なかった。正に「泣きっ面にガチ」。惑星は塩酸ガス、塩化カリウム、塩酸ジフェンヒドラミンその他色々を撒き散らしながら、2007年大晦日の宇宙の藻くずとなった。



エピローグ──────
旅立つ者たち、それを見送る者たちで溢れる駅のホーム。その汽車には「銀ガチ鉄道2008」と記されている。

車 掌「ガチ郎様、これからどちらへ?」
ガチ郎「地球に帰るんだ。地球の塩と戦わなくちゃ」

ガチ郎は澄んだ瞳で続けた。
──今の地球には、あまりにも「笑えない塩」が多すぎる。また、ガチを「金を産む機械」としか見ない……皆の共有財産である「ガチ言葉」や「ガチ詩」を登録商標化し、金儲けに使う許せない奴も居る。でも僕は塩を滅ぼしたいんじゃないよ。あくまでバランスを取り、塩とガチが共存できる幸せな2008年を作る──僕はその礎になりたいんだ。ユーロ本大会、W杯予選、そして五輪。そこには今年塩っぱかったけれど、来年こそはガチを……そう願っている人たちが沢山いる。発展途上ガチ……僕はそういう人たちを助けたいんだ。

車 掌「しかし地球にのさばっている塩化人間たちは手強いですぞ。一体、どうやって?」
ガチ郎「途中、イスカンダルでソルトクリーナーを貰って来るんだ。きっと一発だよ」
車 掌「漫画が違うけれど、それもよろしいでしょう」
ガチ郎「あれ、〆ーテルは? 〆ーテル、一緒に来てくれるよね! どうせ帰る星も無いんだし」
車 掌「……〆ーテル様は別の汽車で旅立たれました。私に手紙を預けられて」


「さようならガチ郎……
 いつかお別れの時が来ると、私にはわかっていました。
 私はガチの幻影。ガチ者にしか見えないガチの流れの中を旅するガチ女。
 あなたの2007年ガチ懐古と一緒に旅をした事を、私は永久に忘れない。
 さようなら……私のガチ郎。
 そして、さようなら……こんな訳の判らないエントリーにお付き合い下さった
 読者の皆様さようなら・・・・」


「〆ーテル! 〆ーテル……!(泣)」
ガチ郎は天を見上げ、遠い何処かの星へと旅立った〆ーテルに叫んだ。
「また来年の続編であえるよね。きっとだよね、〆ーテル!」

物陰からその姿を眺めていた〆ーテルは、そっと呟いた。
「……ええ、きっとよ」

そして更に物陰から、その姿を見ていた作者は思った。
「やだよ。もう、こんな面倒くさいのはこりごり」

>───────────────────────────────<
今、万感の想いを込めて除夜の鐘が鳴る
今、万感の想いを込めて2007年が行く
一つの「年」は終わり 
また新しい「一年」が始まる

さらば〆ーテル
さらば銀ガチ鉄道2007
さらば……そして皆さん、どうかよいお年を
>───────────────────────────────<


[PR]
by tototitta | 2007-12-31 19:25 | 小ネタ | Comments(7) | ▲ TOP
ゆくガチ、くるガチ〜『銀ガチ鉄道2007』<中>
(記/なるほ堂)
このエントリーは、
「ゆくガチ、くるガチ〜『銀ガチ鉄道2007』」<上>の続きです。

第5話『ガチパーツ』
「一目見て外国人が『オー』と唸るのがオーパーツ」
「一目で『ガチ!』と唸るのがガチパーツ」
──ガチ者たちの伝承より



「〆ーテル、弱ったね。折角降りたのに、この駅改装中だよ……」
出口の判らぬ、迷路の様な駅の構内。
「……色々な所が行き止まりだったり、鉄板で覆われてたりして、ちゃんと案内文字を読まなければ外にも出られそうもないね」

そんなガチ郎に、〆ーテルは微笑みながら言った。
「ガチ郎。それよりも……よく見てご覧なさい、この文字を」
〆ーテルに言われるまま、そこに目を遣ったガチ郎は驚いた。この文字、ガムテープで書かれているじゃないか。レトロなゴシック体、しかしそこからは、かの『シュヴァルの理想宮』の様な、えも言われぬ「パワー」を感じる。

「これが、修悦体。ゴシック体に取り憑かれた警備員・佐藤修悦さんの『作品』よ……」
【参考1】 【参考2】


そのガチっぷりに圧倒されながら、文字の案内に従い駅を出た二人は、表通りの『ガチショップ』へと足を入れた。そこには今年を代表する、様々な「ガチ商品」が──

d0031385_19121043.jpg
KNOCK-OFF Lamp
「〆ーテル、これは只のボーリングのピンじゃないか?」
「いいえ、これはランプよ。そして、スイッチは無いわ。」「えっ?」
「倒さないと消えないランプ。そして立っている限り、その輝きは消える事が無い……」
「……ガチそのものだね」

d0031385_19124822.jpg
Blackboard Globe
「これは黒板で出来た地球儀。無印良品の……でも残念ながら日本では販売されなかったわ」
「チョーク一本あれば、好きな様に大陸を描けるんだね」
「泣いているのね、ガチ郎。故郷の地球を思い出したのね……」
「違うよ……。こんな単純な発想を先に思いついていれば、僕も一山当てられたのに……」

>───────────────────────────────<
ともあれ、
この大宇宙では、今日も何処かで職人たちが
ガチパーツを作り出している……
恐らく彼らは、それがガチパーツである事に気付かぬまま。
この大量消費時代にありながら、
僕らの心に響く物を作り続ける、名も無き職人たちが居る事を
ガチ郎は嬉しく思った……
>───────────────────────────────<


第6話『この映画がすごいガチ!』
「ちょっとでもやれそうな気がしたなら、挑戦しろ」
「(どうせ夢なんか叶いっこない、と言う生徒に)その通りだ。挑戦しない者にはな」
「信念は最強の秘密兵器だ」
── 映画『レッスン!』より



「〆ーテル、ご覧よ! こんなに沢山の映画館が並んでいる!」
『地下鉄のガチ』『あるガチの唄』……上映されているのはガチ映画マニア垂涎の作品ばかり。中でもガチ郎は、壁に貼られた『2007ガチ映画』のポスターに目を輝かせた。

『レッスン!』(ダンスガチ)
『アポカリプト』 (ただし、劇中のマヤ文明はヤオ)
『300 スリーハンドレッド』(筋肉ガチ)
『ロッキー ザ ファイナル』(イタリアのガチ馬)
『パフューム』(匂いフェチガチ)
『プラネット・テラー』(ゾンビガチ)
『プレステージ』(奇術ガチ)
『街のあかり』(ガチ・カウリスマキ作品)
『河童のクゥと夏休み』(カッパガチ)……

「今年はガチ作品の当たり年……」
〆ーテルは言った。
「……あらかじめ、ガチ層を狙った作品も多かったわね。TVドラマもそう。川中島での“うっかりガチ合戦”を題材にした『風林火山』も、千葉真一らガチ役者のお陰で好評だったのよ」

「僕、この映画観て来るよ。これ、ずっと前から観たかったんだ!」
「いけないわ。ガチ郎、よく見て」
「あれっ? 主演が三船敏郎じゃない」
「それはリメイクよ。それも塩っぱい……リメイク。ガチが商売になる事に感づいた塩化人間たちが、過去のガチ名作に手を伸ばして来たのよ……あら、ガチ郎どこ?」
ガチ郎は、休日のOL風の女たちの群れに取り囲まれていた。
「た、助けて、〆ーテル! 変な人たちが無理矢理……」

彼女たちはガチ郎を塩っぱい映画へと無理矢理に連れ込もうとしていた。
ハンカチ片手に、口々にこう云いながら──

「私、いっぱい泣きました!」「こんな面白い時代劇ははじめて!」

「止しなさい!」〆ーテルは女たちに鞭を振るった──
「なんてこと……映画の内容よりも、素人の言葉が宣伝になるなんて」
「でも心配いらないよ。ほら、ガラガラだから」

>───────────────────────────────<
ガチ郎は思った……
現実の世界が塩っぱいからこそ
今、人は映画にガチを求めるのだろう
皆、ガチたちの肉体や言葉に責められたいのだ
どうだ これでもか、と。
それがいい事なのか悪い事なのか ガチ郎には判らない
それにしても……
2作目までは正にガチ映画として面白かった
『ダイ・ハード 4.0』は……
マクレーンが自分のキャラ設定をすっかり忘れていたのが
ガチ郎は悲しかった……
>───────────────────────────────<


第7話『冥ガチ星』
「ガチのお墓の前で 泣かないで下さい」
──『千のガチになって』より



その星は、ガチガチに凍った厚い氷に覆われていた。氷の下には幾重にも、既に黄泉の国へと旅立ったガチ者たちの亡骸が。ガチガチと震えながら、ガチ郎はただ立ちすくんだ。すると──

「私は氷の星のジャドウ、氷の墓地の管理人。」

ご覧なさい、これが今年亡くなったガチよ、と彼女が指差した下には、まだ埋葬されて間もないガチたちの遺体が並んでいた。

牛なのにメイ、メイ牛山。猛牛・琴桜。そして高松英郎、鈴木ヒロミツ、パヴァロッティ、山口小夜子、羽田健太郎、稲尾和久、石立鉄男、木原光知子、植木等、船越英二ら……敬称略。

「さあ、仕事に戻らなくちゃね」
だが、次にジャドウが埋めようとしていたのは、既に冷たく動かなくなったジョニー黒木

「ま、待って! ジョニーは死んでいないよ!」
尤もなことを叫ぶガチ郎に、だがジャドウは冷たく言い捨てた──

「黒木知宏は生き続けても、ガチ野球選手・ジョニー黒木は死んだのよ」

ジャドウは続けた。
「スポーツ選手はね、現役時代にどんなにガチでならしても、引退後は忍びないもの。解説者、タレント……TV局という巨大な塩化装置に巻き込まれ、現役時代にあれほど燃え盛っていたガチの炎も、次第にウザい炎へと変わり、やがて塩っぱくなっていく……」「松岡○造だね!」
「……それはとても悲しい事。とうに判っていたのよ。小坂が去り、初芝が去り……もうとっくに私の愛したロッテではなかった事は──」
ジャドウはロッテの帽子を脱ぎ、ジョニーの傍らに置いた。

「でも、これで心置きなく終止符を打てるわ。誰が好き好んでTSUYOSHIなんて登録名の選手を応援できるというの?」
「ファンだったんだねぇ」

「さあ、次はあなたの番よ。ガチは、ガチのまま葬られる事で、永遠のガチで居られる……
「わあ、やめてくれよ! つ、冷たいよ!」
「生きていれば、人は必ず塩っぱくなるんじゃぁ!」

「ジャドウ、やめなさい!」
危うい所で〆ーテルが現れ、ガチ郎を救った。

ジャドウは塩化人間だった。
誰もがあなたと同じではないのよ、そう〆ーテルはジャドウに吐き捨てた。
彼女はガチだった頃の自分を思い出しながら、この星を覆う厚い氷の上で、
いつまでも泣き続けた。

>───────────────────────────────<
〆ーテルは言った……
ジャドウはかつて、「邪道プロレス」でならした男子レスラーだったと
けれど引退後、一度浴びたスポットライトを忘れられず
選挙に出てみたり ワイドショーで吠えてみたり 
その内に皆に飽きられてしまった……
ガチ郎は思った
ガチと呼ばれる事よりも
ガチとして生き続ける事の方が難しいのではないか……
例え自分がこの銀ガチ鉄道に乗り
ガチの体を貰ったとしても
この冥ガチ星に葬られる日まで ガチで居られるのだろうか
今のガチ郎に それは判らない……
>───────────────────────────────<


第8話『馬頭星雲』
「ここに電話番号がある。必要なら何でも俺かカミさんに電話しろ。
助けになってやる。」
──ルート・ファン・ニステルローイ
(マドリッドに来たオランダ人の後輩に。ちなみに誰もかけてこないとか)



「〆ーテル、何を読んでいるんだい?」
ガチ郎は訊ねた。
「これは地球の……岩手という場所に伝わる古い民話を集めた本『遠野物語』。人間の女性が馬に恋をした、哀しい物語よ」
「人が馬に恋を? そんな馬鹿な」
ガチ郎は笑った。だが、〆ーテルは続けた。
「岩手は『南部曲がり屋』にもある様に、人と馬は家族同様。半馬半人の姿をしたオシラサマを祀る信仰もあるのよ。また、かつては名馬の産地としても有名で、今もチャグチャグ馬コがその歴史を伝えているわ。ちなみに有馬記念を制したマツリダゴッホも、馬主は岩手の人……」

そして〆ーテルは車窓から、オリオン座の東端にある星雲を指差した。
あれが馬頭星雲。2007年、銀河系を救ったガチ馬を讃える……永久の星の輝き、と。
「銀河系を救ったって? そりゃあ凄いや。オチは見えているけど、聞かせてよ!」
〆ーテルは続けた。

──赤い悪魔から厩舎を追われ、遠い銀河へと辿り着いた「白馬ルート」は、滅びつつあったその銀河系軍団Rマドリーを幾多のゴールで救い、奇跡的なリーガ逆転優勝に導いた。でも、何点取ったから、では無いの。彼のガチ精神そのものが奇跡を起こしたのよ。覚えておくのよ、ガチ郎……

「ガチに、中の人など居ない」

それは有名なガチ格言よ。ルートはガチで周りがドン引きする程の、そのプリミティブな欲望を隠さない。いいえ、隠せない。ガチは空気を読んだら負け。何度空回りしようとも、ただただゴールへと、勝利という名の「信念」へと、真っ直ぐに突き進む──

「人はいつも沢山のゴールを俺に求めるけど、一番要求してるのは俺自身なんだよ」
(ルート・ファン・ニステルローイ)

……それはさながら、
進むべき前方に意識を集中させる為の「遮眼革」を着けた競走馬の様に。
ガチ郎は思った。「ふうん、単に顔が馬面ってだけじゃないんだね」

最後に〆ーテルは、彼の「2007年ガチ名場面」を思い浮かべながら、それをやはり『岩手の詩』に託して読んだ。

「雨にも負けず 風にも負けず 怪我にも 
 その“愚直の美”を理解できぬ者たちからの批判にも負けず……
 例え脚を痛めて 退いても……」

d0031385_19143981.jpg
「ピッチに優勝を決める得点した者あれば 乱入してよくやったと励まし……」
(結果、その大きなガッツポーズで、主役からカメラを奪ってもお構い無く)

d0031385_19145612.jpg
「……スタンドに故郷よりの、死の病に侵された人あれば」

d0031385_19151884.jpg
行って ただ抱きしめる

「──みんなにお馬さんと呼ばれ、
 手でアシストすれば『いや、あれは足だ。前足だ』と、
 また、背後のディフェンダーを蹴り倒せば、『馬の後ろに立つのが悪い』と……
 例え敵に『人でなし!』と呼ばれても、そりゃあ馬だから仕方なく……
 
 ファーガソンには『出てけ!』と言われ、
 クライフには『でくのぼう』と呼ばれ……
 それでも 今日も馬車馬の様に駆けずり回り 大切なゴールを奪い続ける」


そして、〆ーテルはこう結んだ。
「そういうガチに 来年も逢いたい……」

遠い馬頭星雲に手を伸ばし、〆ーテルは言った。
──誰かがそれをやれば不格好で笑われる事を、でもガチがやれば……やはりそれも不格好で笑いを誘うのだけれど、何故か涙が零れてしまう。それは人々の感動を呼ぶ。バカ負け……いいえ、ガチ負けね。「男の中の男」が、例えばガットゥーゾの様な人ならば、「ガチの中のガチ」は、ファン・ニステルローイのような……。

その姿にガチ郎は、手にした『遠野物語』を読みながら思った。
「叶わぬ恋だねえ……」

>───────────────────────────────<
勝者とガチはイコールではない
ガチはガチであるがゆえに 敗れることもある
しかし人は ガチが勝利を……
ゴールという名の「勝利の証」を掴む瞬間を望む
何点取ったかがガチの証ではないことは知りながらも
しかしそれが ガチが一番輝く瞬間だから……

それにしても……ガチ郎は思った。
「馬」に思いを抱く者と、「鹿」に思いを抱く者
馬と鹿──なんと馬鹿な二人だろう

しかし彼らはお構い無く
「現代のオシラサマ」
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馬の顔をした半馬半人の像を、今年も正月の神棚に飾るのだった……

>───────────────────────────────<


「ゆくガチ、くるガチ〜『銀ガチ鉄道2007』」<下>へと続く
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by tototitta | 2007-12-31 19:14 | 小ネタ | Comments(0) | ▲ TOP
ゆくガチ、くるガチ〜『銀ガチ鉄道2007』<上>
(記/なるほ堂)

プロローグ『無限に広がるガチ宇宙……』
「ガチは闇を抜けて 光の宇宙(うみ)へ」
──『銀ガチ鉄道2007』テーマソングより


タダでガチになれる星へ行くんだ!──
2007年の大晦日。地球の少年・星野ガチ郎は、塩化人間「塩塊伯爵」に殺された母の思いを抱いて、「銀ガチステーション」へと急いでいた。塩ニズムにまみれた地球上に降り積る塩雪は、容赦なく彼を覆う。少年の心に去来する母の言葉、「ご免ね。ガチの身体だったら寒さなんて気にしなくてもいいのに……」。だが、貧しい彼には肝心の乗車券=「パス」が──。

「銀ガチ鉄道のパスなら、あげるわ」

塩雪の中に埋もれていたガチ郎を助けたのは謎の女、〆ーテル。某業界隠語「ガチ〆」から来ているのだが、それはこちらの事情だ。決してメーテルではない。

銀ガチステーション──
「これが、銀ガチ鉄道2007か!」
「そう、私たちはこの汽車に乗るのよ。それは2007年に輝いた『ガチの星』を辿る旅。今年一年のガチを巡る銀河旅行。そして、終点の駅が──」
「タダでガチにしてくれる星だね! 母さん、俺行くよ! 母さんや父さんの分までガチに!」

汽車はガチガチと音を立てながら、無限にきらめくガチ宇宙へと。ガチ郎は思った──
(……それにしても、〆ーテルは一体何者なんだろう? このエントリー自体は、回りくどいやり方が好きな作者が、旅の体裁を借りながらこの一年のガチを羅列しようって腹づもりなのは判るけど、それにしても?)

ともあれ、汽車は行く。少年のぶっちゃけた思いと、元ネタが判らねばさっぱり意味不明であろう読者と、そして……いきなりこんな展開でちゃんと書き終えられるのかという作者の、大いなる不安を乗せて。車内に車掌の声が響いた。

間もなく最初の停車駅、<夢は叶う>──。


第1話『夢は叶う』
「俺は国立なんかいらねえ 優勝旗が欲しいんだ」
──齋藤重信先生



駅の前には、今年の春に高校サッカー選手権を制覇した「盛岡商業高校サッカー部」の偉業を讃えて、建立された碑。〆ーテルは云った。この星には、この一年に夢を叶えたガチが沢山いるわ。ご覧なさい──

岩手県民悲願の高校サッカー日本一を達成した齋藤重信先生
その齋藤先生が瀕死の時、しかし敢えて「選手権に行きたいんでしょう。なんとか間に合
 わせますから」と言い、家族の目を点にさせた主治医
そして、歴代の盛岡商業サッカー部たち……

他にも──
齋藤先生の愛弟子。J優勝に加え、最終節に念願の「満員」をも叶えた小笠原満男
鹿に10冠をもたらした、オズワルド・オリベイラ監督
リーガを制し、予て念願だったイングランド監督に就任したカペッロ監督
サンダーランドをプレミアシップ昇格させたロイ・キーン監督
夢のメジャーのマウンドに立った桑田真澄投手
誰が何と言おうと1000ゴールと言い張るロマーリオ
己の信念を貫き、その采配でドラゴンズを日本一へ導いた落合監督
林の中を彷徨っていた女性を一晩暖め、無事命を救った「湯たんぽ犬」こと老犬ウシ

「2007年……今年はガチが大豊作の年」
〆ーテルの言葉に頷きながら、ガチ郎は答えた。
「Salt Aword'07のエントリーで塩が一杯紹介されていて、てっきり今年は塩だらけの一年と思っていたけれど、実はこんなにガチが活躍していたんだね!」
「そう。多くのガチが活躍し、そして多くのガチが喝采を浴びたわ。これから行く星にはもっと沢山のガチが居る。でも……、この大宇宙に『塩』が溢れれているからこそ、これまで密かにガチを愛していた者たち=『隠れガチ』たちが目覚め、声をあげたの……」

〆ーテルは噛み締める様に言った。
「……時代がガチを必要としているのよ」

>───────────────────────────────<
ガチ郎は思った……
こんな寸劇よりも、塩大賞みたく個々の話をもっとすればいいのに
だが、〆ーテルは言う……
ガチに飾り言葉はいらないのよ
じゃあ大賞、部門賞発表とかは?……なおも訊ねるガチ郎に
〆ーテルは伏し目ガチに答えた。
ガチ郎、覚えておきなさい。ガチに部門賞など無いの
いいえ、そもそもガチに「賞」など無い……
>───────────────────────────────<


第2話『ガチ言葉の荒野』
「サウイフ ガチニ ワタシハナリタイ」
──宮沢賢治



「絶対に定期券を……、パスを無くさない様にね」
心配げな〆ーテルを汽車に残し、ガチ郎は赤い岩石の荒野へと降り立った。見渡す限り何も無い荒野、だがガチ郎は気付いた。周りの岩に刻まれた、無数の文字……ここにも、あそこにも!

「愛してるとは何回も言ったけど、ありがとうとは言った事がなかった。」
(ジョン・マクレーン)

「俺たちはサッカーの話をしているんだ」
(カズ)

「握り拳と握手はできない」
(ガンジー)

すると、ガチ郎の耳に何処からか「ガチガチ」という音が響いて来た。その先にはひとり、岩にノミで文字を刻んでいる男。彼は言った──
「やあ、僕はモジキザーム。こうして何年もこの星に『ガチ言葉』を刻んでいるんだ。ガチの言葉で星を埋め尽くす、後世の為に記録に残す……誰が読んでくれるかは判らないけど、それが僕のライフワークさ」
「まるでガチマニアのなるほ堂みたいな人だね」
「ご覧、これが今年刻まれた『ガチ言葉』だよ──」

盛岡の老舗百貨店『川徳』を指して──
「お前が頑張る気持ちを百万円で売っているなら、先生は買ってきてあげる。
残念ながら売ってねえんだ。1千万円でも買ってきてあげる。
売ってないから、
それだけは自分でやるしかないんだ」
(齋藤重信/盛岡商業高校教諭)

「疲れたら休んでもいい。でも諦めるな」
(ビリー・ブランクス/隊長)

「ここはフランスだ。フランス語で話せ」
(セバスチャン・シャバル/仏ラグビー選手)

「パオロ・マルディーニはその苗字のおかげだけでプロサッカー選手になった、
という人が誰一人いないことを、すごく誇りに思っている」

(パオロ・マルディーニ/ACミラン)

「自分の足を見る度に何でこんなに技術がないんだと悔しくなるし、
一度たりとも自分の足技に満足したことがない。
カカのような天才肌の選手はスーパープレーを連発できるが、
俺のような選手は
カルチョに対する情熱だけが全てだ」
(ジェンナーロ・ガットゥーゾ/ACミラン)
 
「地震の災いに見舞われし上越の地に上杉謙信まかりこした。
皆の者、
勇気を出して立ち上がるのじゃ」
(Gackt/上越市「謙信公祭」にて)

復帰戦。三沢に敗れたにも関わらず──
「小橋が勝ちました……腎臓がんに勝ちました!」
(矢島学/日本テレビアナウンサー)

「昼ご飯を食べたからといって、晩ご飯を食べたくならないわけではない」
「明日のレッズとの一戦では、重要なプレーヤーを欠くことになります。

──それは、背番号『12』です」
(オズワルド・オリベイラ/鹿島アントラーズ監督)

「犬飼さん、我々は裏切られていません」
(川崎Fサポーターの掲げた横断幕)

「俺のこのポジションにいたレジェンド達すべてをリスペクトしなきゃならんし、
レアル・マドリーをそういうクラブにしなくちゃならん。
今は俺の番だ」
「優勝できると思わないなら、プレイするべからず」
(ファン・ニステルローイ/Rマドリー)


「──ところで、君はもしかして銀ガチ鉄道に乗って来たのかい?」 
「うん、ガチの身体を貰いに……」
ガチ郎がそう答えた瞬間、モジキザームの表情が変わった。
「そうか……。じゃあ、パスを出すんだ!」
「うわ、何をqあwせdrftgyふじこlp」

ノミで頭を割られたガチ郎に、モジキザームは言った。
「許してくれ。僕もガチになりたいんだ。こうしてガチの言葉を刻み続けて来たけれど、我が暮らしガチにならず、じっと手を見る……そんな日々にはもう我慢できないんだ!」

「おや、目が覚めたかい?」
──ガチ郎が気付くと、そこは古ぼけた民家のベッドの上だった。
傍らには見ず知らずの老婆の姿。
どうやらこの老婆がガチ郎を助け、ここへ連れて来たらしい。  

「だ、誰? お金も銀ガチ鉄道のパスも盗られて、もう無いぞ!」
「そうだったね。で、どうするのかね?」
「まだ汽車の出発には時間がある。取り返しにいくよ」
「じゃあ、これを持ってお行き。これは『ガチ戦士の銃』。遠い昔、私の息子はこの銃を持って宇宙に旅立った。ガチになりたいという夢を抱いて……丁度お前さんの様な目をしていたよ。そして夢破れて、ここで死んだのさ」
「負けた人の銃なんて縁起悪いけど、貰っておくよ! ありがとう!」

危うい所でガチ郎はモジキザームを見付け、丸腰の彼を背中から撃ち、パスを取り返した。
「全く太い野郎だ。ただで銀ガチ鉄道に乗ろうなんて、サモシイ了見だ!」
「ググ……お前に言われたくない。まあいい。いいかガチ郎。この大宇宙、ガチフロンティアで生き抜く為には、撃たれる前に撃て。それと……〆ーテルには気をゆるすな。ガクッ」

>───────────────────────────────<
遠ざかるガチ言葉の星を見ながら、ガチ郎は思った……
今年は沢山のガチ言葉があった。だけど、モジキザーム……
ガチ言葉をどんなに見聞きしても、どんなに「心」に刻んでも、
それでガチになれる訳ではないのだ。
一体どうすれば人はガチになれるのだろう?
ガチ郎は悩んだ。だが、
〆ーテルは何も言わない……>───────────────────────────────<


第3話『負けるがガチ』
「ガチは美しい 戦いに敗れても ガチは美しい」
──『振り向くな ガチは美しい』より



華やかなガチの影には、敗れ去ったガチも多い。
西部劇を思わせる、暗い酒場には歌が流れている──
「♪何が欲しいというの 私・・・それともガチ?」

テーブルの上には「漫画の肉」「もんじゃ焼き(カズの実家)」「じゃじゃ麺(白龍)」といったガチフード。男たちは静かに涙を流しながら、今年一年敗れてもなおガチだった者たちを讃えて酒を酌み交わしていた。

「病に倒れ、ようやく目覚めた時。既に職は解かれ、また息子も無職に……加えて、一人も代表に呼ばなかった鹿島が優勝していた。しかしそれでも目覚めた途端、『アイスは冷たいものだ』と名言を忘れぬオシム前監督はガチ!」
「J2降格すれど、ヴァンフォーレ甲府の披露したサッカー。その天晴さはガチ」
「Jダントツの最下位ながら、最終節に浦和を沈めたカズはガチ!」
「ラグビーW杯、相次ぐ怪我人に急遽キッカーを任された大西将太郎。
その大役を立派に果たした彼は、敗れしジャパンの中にあっても一際ガチ!」
「W杯ならば、アルヘン代表。毎回、試合前から泣いている姿はガチ!」
「いやいや。イングランド代表のウィルコ、ロビンソンにガチを見た!」
「中国の地で罵声の中で敗れしも、しかし堂々『ARIGATO 謝謝 CHINA』の弾幕を掲げた
なでしこジャパンはガチ!」

そこへガチ郎が飛び込んで来た──
「大変だ! 〆ーテルが変な奴らに攫われた!」
「そりゃあきっと塩化人間の仕業。『弛緩城』の連中だな……」
し……しかん城? なんだそりゃという表情のガチ郎を他所に、マスターは続けた。
「そこは、あらゆる者を『ニヤニヤ』と弛緩させてしまう塩ニストの居城。彼らを率いるのはガチ者を憎む反ガチ王子、またの名を『塩塊伯爵』!」
「なんだって! そいつは『ガチ者狩り』で殺された母さんの仇! こりゃ、一石二鳥だ!」

しかし、逸るガチ郎に周囲は冷ややかだ。
「どうせ、塩化人間たちにニヤニヤされるのがオチさ」
「お前の様な塩小僧が勝てる相手じゃないぞ。死ぬのが怖くないのか?」

ガチ郎は答えた。
「そ、そりゃ怖いさ。自宅PCのHDも消去してないし、何よりコナン君と蘭ちゃんの顛末を知るまでは死にたくないよ……」
店内を冷笑が包んだ。塩っぱいにもほどがある。

すると──
「行かせてやれ……」
店の一番奥の席に座っていた、緑色のガウンに身を隠した男が言った。
「お前たちはガチを志しながらも、しかし遂に果たせなかった……そんな自分を慰める為に、この店で『敗れてもなおガチ』の者たちを思っているのだろう。ならば、行かせてやれ──

男には、相手が塩っぱいと判っていても戦わなければならない時がある」

大文字にした所で今イチ意味が分からないが、取りあえずその言葉を励ましと受け止めたガチ郎は単身『弛緩城』へ乗り込み、無事〆ーテルを救出。母の仇を討った。
「〆ーテル、どうして泣いているんだい? 塩塊伯爵はもう死んだよ」
「この塩塊伯爵は……かつてはガチの希望に燃えた、あなたの様な少年だった。けれど、ガチも歩けば棒に当たる……同じガチ者との命をかけた戦いに敗れ、いつしかガチを恨む様になってしまったのよ」

その時、上空を飛び去る一艘の船。そこには酒場であった男の姿──
「少年よ、お前がいつか真のガチの意味を知った時に、また会おう。大山ガチローの……友の銃を持つ少年よ、さらば」
ガチ郎は「ああ、また話がややこしくなる」と思いながら、その緑色の船を見送った。

>───────────────────────────────<
銀ガチ鉄道の車窓、ガチ郎は思った……
もしかして人は敗れた時にこそ、「本当のガチ」になるのでは?
でもその逆に、敗れた時に「塩」になってしまう者もいる。
負けるがガチ……
ガチ郎はその言葉をいつまでも噛み締めていた。
勿論、〆ーテルは何も言わない……
>───────────────────────────────<


第4話『小さいガチ見つけた』
「戦うガチの唄を 戦わない奴らが笑うだろう」
──中島みゆき『ガチファイト』より



その駅を降りると、そこには南ウェールズに似た海岸線が広がっていた。
ただ冷たい風が吹きすさぶだけの、寂しい崖──
「一体、こんな場所の何処にガチがいるんだろう?」
すると、海に向かって立っている青年を見つけた。「自殺か?」

「ちちち違うよ、歌を歌っているんだ」

聞けば、携帯電話の営業マンだという。

「こここ子供の頃から、辛い事があったらここで一人、海に向かって歌っていたんだ」
「君の事だから、随分と歌い込んだろうね……」
ガチ郎は彼の蛭子能収のような顔を見乍ら、言った。
「それにしても歌なんて……プッ。いいかい? もう今の音楽界にガチの居場所なんてないよ。心震える歌なんて、もう何年も聞いていない。ラジオから聞こえてくるのは、コマーシャリズムに汚染された塩ミュージックばかりさ。見ろよ、今日の紅白を。音楽好きのガチストはレコードの中の、昔の歌手の歌声にガチを求めるだけ──」

そう言うと、ガチ郎は突然睡魔に襲われた。
地球で塩雪に埋もれた記憶に、彼は寒くなると眠くなるのだ。危険だ。
するとその時、青年の歌声が響いた──ガチ郎はその響きに目覚め、救われた。
「君の……君の唄は、ガチ!」

>───────────────────────────────────<
その不細工な青年は、その後タレント発掘番組「Britain's Got Talent」の
初代チャンピオンとなった……
彼の名は
ポール・ポッツ

大凶作だった2007ガチ音楽界で、ただ一人ガチ歌を聴かせたという。
ガチ郎はその歌を銀ガチ鉄道のラジオで聴いた。
それは、あの時の歌だった……


Nessun dorma!
Nessun dorma!
Tu pure, o Principe,
Nella tua fredda stanza guardi le stelle,
Che tremano d'amore e di speranza!

(『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」)

それを聴きながら、ガチ郎はまた別の名曲を思い出していた……
“男は顔じゃないよ ハートさ”
──『誘惑スレスレ』田原俊彦
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「ゆくガチ、くるガチ〜『銀ガチ鉄道2007』」<中>へ続く
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by tototitta | 2007-12-31 19:06 | 小ネタ | Comments(0) | ▲ TOP
ボクシング・デイ
(記/minaco.)

<#19 / SUNDERLAND × UTD 0-4 >

レキップ紙で発表された<2007ドリームチーム>を見て、思ったこと。
コレ選んだ人は誰ですか?
ユナイテッド・ファンですか。
その人に会ったら、思わず握手を求めてしまいそうだ(でもGKはカシージャスだと思う)。良い選手を集めても「こんなチームは勝てないだろ!」と突っ込みたくなるのがよくあるベスト11だが、このドリームチームなら相当強い。これは強いってば。


さて、この年末のドサクサに紛れて、キーンさんとの2度目の対戦。サンダランドのマスコットが微妙にファンシーで、しかも女の子までいる事を知った。まるでしかおくん&しか子ちゃん(@鹿島)みたい。

前半で3点穫ってしまったけど、キーンさんだけでなくマクシェインやヨーク、赤白が全く似合わないリッチーを思うと素直に喜べないし、更にPKまでいただくのは忍びない(ナニのアレは…)。
キーンさんとこには手加減してもいいんじゃないのー(´A`)、とも思ったりするのだが、ピッチの連中は全く容赦ないんであった。

それでも試合後のキーンさんは「こんなに強いチームに負けたんだから」と、温かい(サンダランド・ファンにはカチンとくるかもしんない)お言葉。監督カッコイイよ監督。
正直、現役中もああ見えて結構理知的なんじゃないかと時々感じたし、オーレが「無人島で一緒に居るならロイがいい」と言うのもちょっぴり解る気がしたものだ。勿論ヒドイ事も一杯したけど、信じる者(犬とか)には惜しみなく愛を注ぐ人だと思ってる。
改めて、監督姿のキーンさんはカッコイイ。願わくば来季も対戦できることを。

フレッチが頼りないのもあってか、ルーたんは1人何役もこなして起点を作ってくれた。ゴールにしろアシストにしろ、気持ちよくボールと味方を操る。こんなルーたんを待っていた。
しかし、後ろに戻すのにわざわざあっち向いてホイのフェイントを入れ、3回もFK蹴ったら一回くらいは入るよな、と誰もが思った通りFKを決め鼻高々なロンを除き、敵地でゴールしてもリアクションは薄かった。サハにはもうちっと笑顔が欲しい。

アーセナルが引き分けた為、これで首位もいただきでやんす。パク☆チーもようやく復帰おめ。
先日のクラシコでバルサに圧勝したレアルと共に、願ってもない展開で年が越せそうだ。
最後まで出来すぎな1年である。来年はどうなる事やら…って、ユナイテッドの2007年はまだ終わってないんだった。ひー。
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by tototitta | 2007-12-28 21:12 | Manchester United | Comments(2) | ▲ TOP
Salt Aword'07──塩大賞授賞式(その3・塩ディング)
(記/なるほ堂 ※このエントリーはフィクションです)


【お断り】本エントリーは塩大賞「Salt Aword'07」の続編でございます。
「その1」
「その2」
をお読み頂き、「塩獄の門」を潜られました上で、こちらへお進み下さいませ。


──その時だった。
塩もたけなわだった「Salt Aword'07」の会場に訪れた静寂。
そして一瞬の後に沸き上がる大歓声、

♪THERES ONLY ONE RONALDO!
♪THERES ONLY ONE……


ソルトマニアは知っている。この後は、遂に本年のソルトオブザイヤー「塩バロンドール」受賞者の登場だ。

主役に先立って、豪華なゲスト出塩陣が塩を添える。
ユナイテッドに7失点を喫して以来、ソルトマニアのアイドルとなったセレソンのへっぽこGKドニ(ASローマ)。そんな若手に負けられんとCLにて倒れ芸を披露したジダ。コレジャナイドリブラーこと、何かの役に立ったのを見た事が無いロッベン(Rマドリー)。居なくなってからアーセナル絶好調のアンリ(バルセロナ)。そして、アドリアーノ(一応、まだインテル)。

しかし、彼ら現役フットボール・レジ塩ドたちが壇上に表れても、「その名前」を呼ぶ声は治まらない。まるでスパルタンXが小橋コールにかき消される三沢さんの様だ。

熔解寸前の塩気に満ちた雰囲気の中、
僕たちは、私たちは、受賞者の名を叫んだ──

♦塩バロンドール=主塩男優賞♦
クリスチャーノ・ロナウド

何も無いはずの花道で転びながら、今年の「塩男」──我らが塩ナウドが登場した。
手に塩握りながら、その姿を見つめる私たち。意味なくツンツンした彼の表情、それもいい。尖ってこそ、塩の結晶だ。

プレゼンターとして現れたのはロナウジーニョ(バルセロナ)とロナウド(ACミラン)。塩の舞台での「ロナウド三代そろい踏み」、憎い塩出に会場のニヤニヤは最高潮を迎えた。

トロフィー代わりの「金の漬物石」
副賞として、嬉しい「伯方の塩(メキシコ)」をセットにして。
更には日々のたゆまぬ塩演技に送られた「(シ)オスカー像」も。

──塩壇上、それらを抱えたクリスチャーノの姿に、これまでソルトウォッチャーとして彼の成長を追い続けた私の感慨も一塩だ。



その塩分、塩を研究する若者たち「塩学連(えんがくれん)」に依頼して、分析してみた。
  • ドリブルA:自分で倒れるも笛ならず→ふてくされる。
  • ドリブルB:今度は本当に倒されるも笛ならず、審判もニヤニヤ→半ベソ。
  • ドリブルC:只の横走り。単に前を塞がれコースを探しているだけなのだが、実況では「得意のドリブル」と評されてしまうことも。
  • パス:球出しのタイミングが自己中で、敵にカットされる→味方に罵られる。
  • シュート:客席へ→頭を抱える。
  • FK:呪文を唱え、コンパスみたいな構えから放つも壁直撃→一人反省会、天を仰ぐ。
  • シュミレーション:何度もリプレイされ、笑われる。
  • フェイント:誰も惑わされず→ただ、踊り疲れる。
    (その横で、ギグスがいとも簡単に敵を抜いていく)

しかし、これだけでは「ただの塩」に過ぎない。
彼がそんじょそこらの塩ではない事は、その後の以下のプレーに現れている。
  • ヤケ糞的に体力任せで、猪突猛進的に走る→なんとなく敵を振り切る。
  • ゴール前に突っ込む→敵ビックリ→ゴール!→「どんなもんだい!」と鼻腔を拡げる。
  • 主審も根負けして、あからさまにダイビングながらPK獲得。
  • 周囲の胡散臭い雰囲気も意に介さず、怪しい動きながらPKだけは確実に決める。

なんという荒技……ならぬ「荒塩」。先日のダービーカウンティ戦も出色、
「弱小相手にも、フェイント通じず」
「バレバレのシュミレーションでPK獲得」
「PKを決めても、機嫌の悪いルーニーに張り手を喰らう」
「強烈なシュートを放つも、自分の蹴り上げた泥が顔面を覆い、暫し戦闘不能に」
──かくも塩に愛された男、こんな選手がかつて居ただろうか。

私は思う。
「オールドトラフォード=夢の劇場」を「塩の劇場」に変え、その主塩男優の名に恥じぬ明らかなる塩でありながら、しかしユナイテッドを優勝に導き、「塩分そのままに本家バロンドールで二位の得票」という快挙を為した彼こそが、ただニヤニヤするばかりだった我らソルトマニアを新しい世界へと導くのだと。まさに、

「塩心、忘るべからず」


一向に成長しない──ならば、それもよし。
逆にそのまま「更に大きな岩塩の結晶となる事」、それもまた成長なのだ。

「塩っぱい=役に立たない、嫌い」という世間の減塩志向に一人立ち向かい、己の塩を更に手塩にかけて育てながら、この無味乾燥な世の中を塩味に塗り替えるクリスチャーノ・ロナウド──そんな彼に永塩の愛、塩ドレスラブを送ろうではないか。さあご一緒に、

ショッパい マイラブ このプレミアで
ショッパい マイラブ 歩いていきましょう
シュートは右に ボールは左に
フェイントじゃないの

忘れないわ あなたのダイヴ
倒れる仕草 手でヘディング
忘れないわ ドリブルの時
そうよ あなたの あなたの塩気


「ショッパい マイラブ」
(本歌「グッバイマイラブ」アン・ルイス)



表塩式は続いていた。すると──、
壇上に巨大な「半紙」が現れ、更に京都の名刹・塩水寺よりお越し頂いた僧侶が、大きな筆で文字を記した。
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「偽」

それは確か、今年一年の世相を表す漢字のはず。否、刹那に私は気付いた──その文字は、この一年に幾度も我々をニヤニヤさせてくれた彼の「被ファール“偽装”」を顕した文字! 僧侶は笑み、私たちは悟った。選ばれしこの「世相漢字」が、実はクリスチャーノ・ロナウドのこの一年の活躍ぶりこそを指し示していた事に、私たちは心震えた。

様々に「偽装」が世相を賑わせた一年を思い返し、改めて言おう──

「やはり、今年一年を代表する塩は彼しか居なかったのだ」





華々しい塩ディングと共に、「Salt Aword'07」は幕を閉じた。
グランドフィナーレで今年の受賞者たちが壇上に介した際、あまりの塩分でステージが溶け出すハプニングはあったものの、皆一様に晴れやかな、素晴らしい一夜の「塩ー(ショー)」だった。

ソルトマニアたち、塩ニストたち、ニヤリストたちは来年またここで邂逅する事を誓いあい、またそれぞれ元の生活へと帰っていった。ウニシオ湖へ、死海へ、塩の松原、シオ釜、シオ留へ……。

会場の外、しんしんと雪が降っている。
いや、それは塩だ。しょっぱい塩だ。
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「……来年はどんな塩が、僕らを塩ジョイさせてくれるだろう?」


正直──、
年々、皆が面白いと言うものほど、僕には塩気に満ちて映る。それは隠せない。「どんだけー」とか「おっぱっぴー」の何が面白いのか、皆目分からない。また、とても看破できぬ様な腹立たしい出来事も後を絶たない。だが大切なのは、巷に溢れる塩たちにただ憤怒の心を燃やす事で、自分の心を乱して仕舞わぬ事だ。ドント ルック バック イン アンガー。
降り積もった塩に、指で僕は字を書いた──

「物は考え様」

すべては塩から生まれた。ならば全て塩に帰すのも必定。哀しみをニヤニヤに変える強さ、それこそが「塩ニズム」の心。

塩を愛する人は心清き人──君の肩に悲しみが塩のように積もる夜には、心の底から誰かを愛することが出来るはず。スプートニクに乗って、宇宙に飛ばされたライカ犬のことを思えば、僕らの周りの塩なんてちっぽけなモノだ。そうだろ?


<FIN>
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by tototitta | 2007-12-25 23:00 | 小ネタ | Comments(14) | ▲ TOP
Salt Aword'07──塩大賞授賞式(その2)
(記/なるほ堂 ※このエントリー“も”フィクションです)


【お断り】本エントリーは塩大賞「Salt Aword'07」の続編でございます。「その1」をお読み頂き、「塩獄の門」を潜られました上で、こちらへお進み下さいませ。


♦グッド塩デザイン賞(ソルトデザイン賞)♦
サッカー日本代表・新ユニフォーム

(初)
【塩評】
塩っぱさが「ぐっ」と来るようなデザイン製品(バッドデザインとは異なる)に与えられる本賞。昨年度は「マンチェスターUのレプリカ?」とも囁かれた「浦和レッズ06ユニフォーム」の国際的恥ずかしさが満票を獲得したが、今年は正式発表前に海外のインターネットで公表されちゃうという塩ハプニングもソルトマニアの注目を浴びた「日本代表ユニフォーム」が受塩。ブルーの褪せた感じがなんとも。

【副賞】
SONY「Rolly」(プレゼンター:ネット工作員)

【次点】
フェラーリF2007:ここ最近のF1界に於けるフェラーリ社の天狗っぷりに対する批判、それへの「開き直り」とも見て取れるデザインには、ニヤニヤせずにはいられない。<画像参照>



♦ベスト塩ドレッサー♦
高砂親方(元・朝塩)

(初)
【塩評】
朝青龍問題、その原因の所在が何処にあるのかを一目で示した親方の「パイロットシャツ」にソルトマニアの喝采も一塩。モンゴル視察の際も、
「温泉、気持ちよかった」
などの塩名言も残し、一連の騒動に対する「助塩賞」に推す声もあったが、やはり「パイロットになりたかった」という思いが高じての「パイロットシャツ」という親方には、今賞こそ相応。プチ流行の兆しもあった「鈍感力」ブーム(それも塩っぱかったが)にも、「やっぱり鈍感な人は駄目だな」と塩水を挿した感じ。

【副賞】
毛皮のコート2着(プレゼンター:朝青龍、亀田大毅)

【次点】
小笠原満男:かつてはジーコにも突っ込まれた「ネックウォーマーかぶり」、またW杯の際には練習着を「ジャミラ」に着こなす等、幾多の不思議ファッションを我々に投げかけてきた満男。今年もJ優勝時の「アラブ風シャツかぶり」で、頭周りのファッションにこだわりを見せた。流石の私も理解不能で、かばいきれない。

ベニテス監督(リバプール):その采配を「マジック」と謳われ、マジシャンとも評されるベニテス監督。しかし今季勇んで整えたヒゲ姿には「安い奇術師」の声しきり。それに比例してか、近頃は肝心の采配も冴えない所に一層の塩気が漂う。

赤城前農水大臣:ワンポイント塩アイテム=絆創膏で、近年「省エネルック」(羽田親子)の一人勝ちだった政界のソルトファッションに新境地を開いた。



♦塩CM大賞♦
クレディセゾン「セゾンカード」
【塩評】
WOWWOWリーガ・エスパニョーラ中継にて放映中のCM。昨年度は、その前年に大活躍したロナウジーニョ選手が起用され、「ならば今年は……」との期待高まったが、現れたのは昨年度リーガ得点王ではなく、
「僕、競走馬です。成績しだいの厳しい世界で生きています。応援お願いいたします。」
……何が言いたいんだ、ゴラァ!

【副賞】
永久不滅ポイント(プレゼンター:ロナウジーニョ)

【次点】
FIFAクラブワールドカップ番宣CM:心にも無い事を言うのが仕事の一端である、いつもの「ぶら下がりタレント」の面々を集め、「頑張れ、浦和レッズ!」とアナウンス効果目当てに声塩を連呼させる姿には、むしろ「大会の権威を貶めよう!」的な塩っぱさが満々。次点ながら特別に副賞として「ヒルズダイエットのパステルゼリー」(プレゼンター:佐藤藍子さん)が贈られた。
ちなみに、醸造された日本のサッカー文化が既に自分を追い越したのに、未だにサッカー暗黒時代の方法論をなぞり、自身がはしゃぐ事で視聴者の関心を集めようとしている明石家さん、当時を知る者としては切ない。

アップルジャパン「Get a Mac」:米国で放映の「Get a Mac」キャンペーンのCMをラーメンズを起用して焼き直したもの。「外人による、外人の笑いのツボを突く為のユーモア」を日本人がなぞっても、ただ薄ら塩寒いだけという事を示した。他社製品に対するツッコミもオリジナルと比べるとイマイチで、一マックユーザーとして恥ずかしい。

タレントも使わず、しかし僅か15秒で端的にメッセージと感動(?)が伝わる、こんなCMもあるというのに。エステー化学「Song for Toilet」

DoCoMo 2.0:豪華出演陣でプレミア感を狙うも、船頭多ければ何とやら。無理矢理押し込めた感溢れるドラマ、雁首揃えて結局何を言いたいのか判らないそのグダグダ感がソルトマニアには溜らない。「ドコモ にいてん ゼロ」を「ドコモに 移転ゼロ」と読む大衆のセンスにまるで及ばない所もソルトポイント。反撃、御容赦。

CMシリーズドラマならば、これくらい泣かせてみろ。
洗顔料SmoothE「LOVE STORY 」(タイ)※シリーズを一本にまとめたもの。



♦ベスト塩バウト♦
ファン・バステン対ファン・ニステルローイ
【塩評】
フットボールオランダ代表の「裏側」を舞台にした監督対ストライカーの戦いが、栄えある本年度ソルトバウトの第一位に。

自身に従順な「お気に入り選手」で臨んだユーロ予選の最中、監督ファン・バステン曰く、
「怪我人が出たから、また代表に呼んでやるぞ……ポジションは保障しないがな!
しかし、ルート・ファン・ニステルローイ答えて、
「断る。俺は保障が欲しいんじゃないよ。信頼が欲しいんだよ!
共にプライド高い「元・天才ストライカー」と「現・ガチストライカー」同士ゆえ、話はこじれて塩沼化。その後、監督から「話し合い」を図るも馬の耳に念仏。同僚カイトが事態を納めようと、インタビューにて優等生発言を展開しても、
「はぁ? 文句があるなら俺に直接言ってみろ!」(ルート)
と火に油。結果、「VAN同士の、FAN不在の争い」という、何か良く判らない事態へ。

まあそこまでなら、サッカー界の恒例行事とも言える「オレンジ内紛」なのだが、やがて事態は一方的な塩展開。ユーロ予選、オランダ代表は徐々に低空飛行を始め、一方ルートは、そんな飛べないオランダの「ダッチロール」ぶりを他所にリーガ得点王&優勝。あれほど強気だった監督も、遂に危うい立場に追いやられ、
「実力、活躍は評価しています。戻ってきて下さい……」
と塩っぱく軟化。加えて、それを本人に直接連絡出来ず、ルートの代理人ロジャーに電話でその旨伝えるというソルトオレンジっぷり。ともあれ、泥試合というより「塩試合」といった感で争いは決し、ルートは代表復帰、オレンジのエースストライカーの座に返り咲いたのだった。で、結局その間、監督期待の新鋭FWフンテラールはさっぱり成長せず……なんだったんだ、この争いは。

なお、ルートに釣られて代表固辞、類似した立場にありながらしかし一向に復帰のお声がかからないファン・ボメルは塩っぱいというより、哀しい。

【副賞】
「美しく勝利せよ」(単行本)(プレゼンター:ヨハン・クライフ)

【次点】
浦和×ACミラン(クラブW杯準決勝):方やこの年の瀬、J2に負け(天皇杯)、鹿に11人対9人(一説には「12人対9人」)で負け、仕舞いには最終節にJ最下位に負けるという離れ業を見せたアジア王者。念願の「世界の舞台」に立つも、すっかり疲弊したチームに、アジアを制した頃の面影無く……。しかしもう一方のミランもセリエA中位を低迷中。加えて、そんな相手にもピンチを塩出する二人の選手──まるで足下のボールをキャッチできない守護塩ジダと、まるで点の取れない塩取り屋ジラルディーノ。「アジア王者対欧州王者」への期待感が大きかった割に、結果「ジダ対ガットゥーゾ」の内輪もめの方が面白かったのが、何とも。

×森進一(戦意喪失によるKO)川内康範○:ハミルトンvsアロンソ、彦根市vsひこにゃん作者、梅図かずおvs近隣住民──それら世間を塩漬けにした幾多のソルトマッチを制してのエントリー。「おふくろさん」歌唱禁止という作詞者のいきなりの大技に、対する森進一はいきなり戦意喪失。結果、先生の「耳毛」ばかりが印象に残るソルトバウトとなった。



♦ベスト塩ソング賞♦
「Q・O・L(クオリティ・オブ・ライフ)」 森山直太朗

(「WOWOWリーガ・エスパニョーラ」2007年イメージソング)
【塩評】
WOWOWリーガ放送のエンディング、
「♪花の命は結構長〜い」
と唐突に響く、少々壊れ気味な森山直太郎の声……それがこの曲。微塵もサッカーの香りせぬ、試合の余韻に浸る中に於いては耳障りなだけのこの曲に「これぞソルトソング」の声鳴り止まず。
正直「♪花の命は結構長〜い」の後は、「──女ですもの女の保険、私はニッセイナイスディ♪」だろ。そこら辺も塩っぱい。

【副賞】
この広い野原いっぱい咲く花(プレゼンター:森山良子)

【次点】
「恋はビヨーン〜No Moso No Life〜」amtm:口笛の切ない響きに世界でスマッシュヒットしたピーター・ビヨーン&ジョンの「ヤングフォークス」を、事もあろうに駄洒落的解釈でカヴァーした今作。カジヒデキ・プロデュースという点も、色んな意味で「終わってる感」が漂い、多くのニヤニヤを誘った。悪ノリってのは当事者だけが楽しいのよね。

「All my treasures」織田裕二:公式テーマソングとして、世界陸上開会式にて歌唱披露。ある意味「人間国宝を越える存在」である事を世界に示した。映画「椿三十郎」といい、この人もCロナウド同様に「塩の世界の向こう側」に行っている人かもしれない。

「heavenly days」新垣結衣:あまりに音痴でビックリした。



♦ソルトムービー オブ ザ イヤー♦
「ゴール2」
【塩評】
詳細はコチラを参照下され。

【副賞】
ベッカムグッズの山の様な在庫(プレゼンター:カルデロン・レアル会長)




以下、「Salt Aword'07──塩大賞授賞式(その3・塩ディング)」へ続く──
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by tototitta | 2007-12-25 22:49 | 小ネタ | Comments(0) | ▲ TOP
Salt Aword'07──塩大賞授賞式(その1)
(記/なるほ堂 ※このエントリーはフィクションです)


年の瀬も押し迫った12月──
我ら塩愛好家(ソルトマニア)の「塩走(しわす)」もまた、忙しい。
そう、一年で最も塩っぱかった人物、最も優塩だった団体を決める

「ソルト オブ ザ イヤー」
(またの名を「ゴールデン・ナトリウム賞」)

──の季節だ。だが、私にとって今年の塩走は少し違った。例年ならば多くのソルトマニアと共に集い、この一年を彩った塩たちの活躍を塩大福片手に語らいながら選定に勤しむのだが、何故か今年はその塩人会議=「塩溜り会」から塩待状が届かなかった。ぶっちゃけ言うとMinacoの先日のエントリーで、大賞にあたる「07塩バロンドール」が勝手に決まっていたのだ。こらこら。

本家を倣ったフライング発表か、いや最近医者に「塩分は控えめに」と言われた私(←ガチ)を気遣ってか。無論、クリスチャーノ・ロナウドの「塩バロンドール(=主塩男優賞)」受賞には何のニガリも無い。今や彼は塩界の眩い結晶として、塩っぱさの向こう側にまで突き抜けようとしている。それが何処なのか、そこもまた塩っぱいのか、我らソルトマニアにも皆目見当がつかないが。

とはいえ、それで大団塩とも行くまい。一年書き溜めた塩メモがシオシオのパーになるのも困る。
「ならば、授賞式……ならぬ授塩式へ!」
ここで引いては生来のソルトマニアの名が廃るのだ。この一年の「ニヤニヤ納め」を求め、いざ行かん授塩式、塩溜り会プレゼンツ:

「Salt Aword'07」
(ソルト・アウォード’07)
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(画像:塩バロンドール受賞者に贈られる「金の漬物石」)


──へ。早速私は牛を曳きながら、ここ盛岡市から東に伸びる「塩の道(実在)」を塩々と進み、辿りついたのは……そう、塩ニズムの聖地・ソルトレイクシティ。ここまで読み進んで「何書いてんだ、これ?」と思われた読者諸君、引き返すなら今のうちだ!



塩獄の門──
そびえ立つ受塩会場、「塩パイヤーステートビル」。
だが、その敷地へ進むには『塩獄の門』(シオーギュスト・ロダン作)を潜らねばならない。
その門には、こう刻まれている──

Lasciate ogne Buon senso, voi ch'intrate'
汝等こゝに入るもの一切の良識を棄てよ


この門の先にあるのは、グローバル、フェア、スポーツマンシップといった視点など一切持たぬ、ソルトマニアたちの塩獄の世界。万事の秘めた「塩分」を暴き、愉しみ、愛で、「ニヤニヤ」に替える事で逆に「価値ある物」へと昇華する、それが彼らの流儀。

故に、例え自身の最も大切な者が……例え我が子が偏向した彼らの視線の前に「塩認定」を受けたとしても、しかし笑い飛ばせる──親心ならぬ「塩心」ある者だけが入塩を許される。

それは本ブログの読者様に於いても同じ。
『塩獄の門』を潜られる方は、どうか決意を以て下へ進まれよ。



塩絨毯──
盛り塩された正面玄関前、そこに敷かれた塩絨毯(栄光のソルトロード)を歩いて、今年を代表する塩たちが現れた。正に夢の競塩。塩道からは盛大な拍手と撒き塩、ニヤリズムを標榜するニヤリストからの溢れる様なニヤニヤが。

やわらか戦車に先導されて、先ず現れたのは安倍元首塩夫妻。距離を置いて赤城前農水大臣。続いて、来日したら結構普通のおっさんで忽ちブームが終塩したビリー隊長が、全然似ていない娘と共に。更には「どんど晴れ」の加賀美屋ご一行織田信成選手は自転車で蛇行しながら。他にも亀田一家高砂親方(元大関・朝塩)、ひこにゃん大日本人チンギスハーン(反町隆史)、エリカ様森進一さん、比内地鶏山田洋行さん、そして三度目の参加となる三田佳子さんなど、各界を代表する塩々(シオシオ)たる面々……もとい塩々(エンエン)が。

勿論、海外のビッグな塩も。石景山遊楽園(中国)の着ぐるみたちに続き、ブレア元首相(辞任)にサルコジ大統領(離婚)。実写版「ドラゴンボール」に主塩が決り、来年の主塩男優賞が有力視される俳優J・チャットウィン。怪しい千ゴールのロマーリオ選手は育毛剤片手に。更には野球五輪アジア予選韓国代表の「幻のスタメン」。勿論ボンズ、ヒンギス、そして椿三十郎さんのエスコートでマリオン・ジョーンズの姿も。おぉ、マリオン。

また、この豪華な「塩ー(ショー)」に塩を添えるべく塩招きされた塩セレブ、懐かしき
「レジ塩ド(レジェンド)」
たちの姿も。今年も夫婦塩満なベッカム夫妻、壊れかけのロナウド、かつて東京ドームに塩の金字塔を打ち立てたt.A.T.uのお二人、加えて実写版「8マン」2千円札家電リサイクル法セカンドライフといった人では無い塩アイテムまで。他にも、チャーリーズ塩ジェルレイク塩ジェルなど、単に名前に塩が付くだけで呼ばれた人たちも……。

ああ、来て良かった。正に「塩のサミット」「塩遊会」と呼ぶに相応しい面々。ナメクジも溶ける様な光景にニヤニヤが止まらない。私の頬に涙が溢れた。勿論その涙もまた、塩っぱい。     

ちなみに「おっととっと〜塩だぜ、鯉を彫ろうよ♪」とトラックに乗って現れた後藤容疑者は入場を断られた。塩と犯罪者は違う。また、ヘリで現れた狂言師一家も「ネタ的に塩味期限切れ、つまらん」と門前払い。スピリチュアルカウンセラーとやらもお断りだ。塩の敷居は決して低くない。



開塩──
日々日常の塩っぷりが評価され、私は無事入場を許された。
会場内に満ちる、開演を待ちわびるソルトマニアたちの塩気。そして遂に塩幕が上がり、自身もまた今年を代表する塩歌歌手だった細川たかしさん(塩天興行)の一声で式典は幕を開けた。
「あぁ〜、塩っぱい♪」
──会場はもちろん大声塩だ。

先ずは豪華なアトラクション。高橋ジョージ(虎舞竜)の国歌に続き、「ミニモニ。」ショー、船場吉兆の試食会、納豆ダイエット、ミュージカル「テニスの王子様」公演、小朝・泰葉夫妻の離婚会見、守屋前事務次官の証人喚問、福田小沢会談マクドナルド元店長代理による内部告発、ワイドショーコメンテーターらによる犯人像予測、大トリは引田天功さんと恋人のハリウッドスターによるイリュージョン(失敗)……正に塩多目(エンタメ)てんこもりだ。

塩もたけなわ、するとステージ上に今年の司会者、マーク・パンサー夫妻が姿を現した。
遂にお待ちかね、「2007ソルト・オブ・ザ・イヤー」各部門受塩者の発表だ。


以下、発表された順に箇条書き──


♦最優塩大会賞♦
ツール・ド・フランス

(2年連続)
【塩評】
選手が消えた!──犬を轢くわ、車が燃えてるわ、更には優勝候補が連日続々と薬物検査で消えるというミステリーにも満ちたツール・ド(ーピング)・フランスが、今年も世界中のサイクルロードレースファンの支持を集めて受賞。今や「ソルトマニア御用達」「ソルトマニアしか見ていないんじゃないか?」とも囁かれるこの大会。昨年は「ウドー・ミュージック・フェスティバル」という手強い塩フェスを抑えての初受塩だったが、今年は山岳コースでのラスムッセン(失格)の走りの如く、他の追随を許さず見事に連覇だ。

なお、仏国の大会に関わらず、ゲスト解説に「アメリカ人漫才師パックンを起用」という、Jスポの意味不明な行動も塩分添加。また、止むなく「妄想解説」から「泣き解説」に転じた栗村修さんに至っては、監督を務める日本のチームが大会後に解散しちゃうという……正に泣きっ面に塩。

ちなみに由緒在るこの大会だが、第二回大会(1904)で早速初代王者の「電車利用」が発覚し、優勝を剥奪される等、ツールの歴史とは正に塩と共に綴られた歴史。今後この最優塩大会賞が、ランス・アームストロングの7連覇に何処まで迫るか注目である。

【副賞】
ランスの爪の垢(プレゼンター:オルセン姉妹、シェリル・クロウ、サマンサ)

【次点】
世界陸上大阪大会(セリク):競技運営のグダグダ、選手宿舎の手配ミス、挙げ句は競歩での誤誘導など、各国選手や善意のボランティアの嘆きばかりが聞こえ、ある意味「これぞ大阪」を世界に晒した大会。肝心の競技記録も、概ね選手が「来年の北京の予行練習」といった趣で低調。全力を出し切ったのは織田裕二のみか。

大相撲九州場所:客席ガラガラ、しかも千秋楽は千代大海の休場で、取組み前に優勝決定。稽古と暴行はどう違うのか、横綱の品格とは何か、腰を骨折してもサッカーは出来るのか、福山雅治は悪霊に取りつかれているのか──色々考えさせられた大相撲の一年を締めるに相応しい場所だった。

チャレンジ三宅島’07 モーターサイクルフェスティバル:言い出しっぺの人のメンツを潰さない為に、計画当初の公道レースから無理矢理に体裁を変えて開催。駆り出された都職員ら関係者が見守る中、バイクがノロノロと隊列を組んで走るシュールな光景に、結果「突っ走ったのは知事だけ」というオチ。

F1日本グランプリ(富士スピードウェイ):昨年のウドー・ミュージック・フェスティバルに続き、今年も富士スピードウェイが塩の舞台に。悪天候と運営のグダグダで、富士の裾野に累々と塩の屍を築いた。(「塩グルメ大賞」も参照)




♦主塩女優賞♦
ひで姐さん

(初)
【塩評】
恐怖、周囲が皆不幸に!──ベルマーレ平塚、ペールジャ、パルマラット、東ハト製菓、前園、ムトゥ、ドイツW杯日本代表と、これまでも幾多の場面で塩風吹き散らし、「なかちん=下げちん」ぶりを発揮してきたひで姐さん。引退後もその塩害は衰えず、今年は横綱朝青龍、為末大選手、安倍首相が塩漬けに。昨年度は主塩男優賞の次点に甘んじたが、オネエブームの勢いを借りて新天地での受賞だ。

対抗視されたエリカ様の「斜に構えていればアーチストっぽく見えるかも」というカビの生えたセルフ塩アングルを推す声もあったが、
「日本人は自分たちの可能性に気付いていない。ぼくは日本人の意識を変えたいからこういう雑誌をやりたいと思った。」(COURRiER Japon 12月号表紙)
──と臆面も無く語れるひで姐さんには敵うまい。「責任編集」ってのも、ニヤニヤのツボだ。

ガチ原理主義者=ガチ者ならば、こう言うだろうか。
「ボロになるまで一つの事を追求する、そんなガチ的美徳を鼻白んでる様な所が好きになれない」
「自己愛が高じて実像を晒すのを怖れ、結果自分を虚飾するが故に疎まれている事実──そこから目を反らさんと、良く知りもせぬ日本文化とやらに転嫁してる所がみっともない」
「お前は、ガイ・ベネット(映画「アナザーカントリー」の主人公)か」

──だが、我らソルトマニアとしては、この日本を代表する「中二病」の行く末を生暖かく見守りたいもの。現実社会に身を置く事で生じる責任や批判を怖れるあまり、方便(逃避)として設けた「旅人」という無責任なポジション。その居心地良い場所からは決して見えない「他者」を、しかし知ったかで見下しちゃう姐さんの物言いこそ、ある意味今日のソルトボーイ像を象徴しているのだ。日本サッカー界の為にも、どうか永塩に旅を!

【副賞】
ペルー・マチュピチュ旅行をペアで。(プレゼンター:為末大選手)



♦流行塩語大賞♦
「頑張れ、朝青龍!!」

(ひで/2年連続)
【塩評】
一連の朝青龍騒動に伴い「横綱は鬱状態?」とも報じられる最中、ひで姐さんのHP上にアップされたのが、この言葉。わざわざ「鬱病患者に言ってはいけない言葉、第一位」をセレクトしての励ましに、ソルトマニアのニヤニヤ止まず。昨年の、
「人生は旅である。旅とは人生である」
という、何故繰り返すのか判らぬ塩引退宣言に続いてのV2達成。今なおJ史に残る塩語の金字塔「負けないよ」(福田正博)と共に、是非とも語り継ぎたいサッカー塩名言だ。なお、前述の通り今年は堂々ひで姐さん、主塩女優賞との二冠となった。おめでとう。

【副賞】
モンゴル「ドリームランド」宿泊券(プレゼンター:朝青龍の兄/元ブルーウルフ)

【次点】
「優勝すれば盛岡のPRになる」(谷藤盛岡市長、高校サッカー選手権決勝を前に)
「ついに2部落ちを心配しながらのシーズンが始まった……」(鹿サポ・なるほ堂、春先に)
「7万台以上あった廃家電を全て盗まれた」(コジマ電気社長)
「美しい国」(安倍前首相)
「切腹じゃー」(亀田親子)
「違うよ、全然違うよ」(マーク副社長)
「父親がいい!」(星野奈津子)
「言っていることは分かるが、選手たちにもう一度浦和と戦いたいという気持ちはないのか?」
(「ワイタケレに勝ってから、レッズ戦の事は考える」と言うセパハン監督へのインタビュー)

──いやはや今年は豊作ですた。



♦塩グルメ大賞♦
喫茶イーハトーブのじゃじゃ麺

(どんど晴れ/初)
【塩評】
吉兆、ミートホープ、白い恋人等、数々の問題に揺れた塩グルメ界。とりわけ偽装まで「赤福餅」を真似ちゃた「御福餅」の塩表示を推す声も大きかったが、NHK朝の連続ドラマ「どんど晴れ」に一瞬映っただけで岩手県民の猛抗議を受けた「喫茶イーハトーブの偽じゃじゃ麺」が栄冠を手に。岩手県民として感慨も一塩だ。

【副賞】
盛岡の老舗旅館「加賀美屋」宿泊券(プレゼンター:リュ・シオン)

【次点】
バナナ切り落とし他:元「モーニング娘。」飯田圭織と行く日帰りバスツアーにて、参加者に出された食事。ちなみにその前日、彼女は妊娠結婚を発表。

F1弁当:F1日本グランプリ(富士スピードウェイ)会場にて販売。紐を引くと弁当が暖まる配慮も、パッケージ絵のF1カーからモウモウと白煙が上がる様に……人呼んで「琢磨仕様」。



♦最優塩団体賞♦
フットボール・イングランド代表

(初)
【塩評】
欧州選手権予選。イスラエルがロシアを倒してくれたお陰で、一度は消えたはずの「自力での本戦出場」が復活──そんな幸運が舞い込んだにも関わらず、ホームでクロアチアに敗れるという体たらくには世界がニヤニヤ。相次ぐ怪我人、スコールズへの未練たらたら、楽隠居のベッカム復帰と塩現象相次いだ母国だが、何よりこの大一番に殆ど経験の無いGKカーソンを起用というマクラーレン監督の塩采配が実った形。マクラーレン、枕を高くして眠らーれんね。なお、チームを代表して塩ーン・ライト・フィリップス選手が塩トロフィーを掲げた。胸のスリーライオンズの塩ブレムが、悲しい。

【副賞】
メモ帳(プレゼンター:モウリーニョ前チェルシー監督)

【次点】
オールブラックス:ラグビーW杯、大会前は圧倒的な強さを見せ、世界の全黒ファンに「今度こそ最強」と呼ばれながらも、何故かGLを二位通過しちゃった開催国フランスと決勝T初戦で激突し、結局はいつもの「勝負弱さ」が出て敗退。次戦に向けて温存した選手たちがスタンドから呆然と敗北を見守る姿には、何とも言えぬ哀塩が。思えば大会前、代表主力をスーパー14の序盤戦で欠場させた策も全て裏目、塩目。結果として余りに実力差があった決勝「南アvsイングランド」を塩出し、大会のフィナーレにまで塩を盛った。

関東学院大学ラグビー部:監督が「雑草に花を咲かせよう」と命を削っている時に、押し入れで違う雑草を育てていた学生ども。塩と言うよりもひたすらに悲しかったので、却下。



♦最優秀助塩賞♦
反町康治(サッカー五輪代表監督)

(初)
【塩評】
助塩賞とは、側面からこの一年の塩っぱい出来事を演出(塩出)した監督協会等に与えられる賞。実際は好素材揃いの世代を「未だ続く狭間の世代」と世間に誤解させているのは、一重に反町監督の塩手腕との評価高く、北京五輪出場権獲得も一顧だにされず晴れて受塩となった。

Jでも見ない1トップ布陣等が顕す「机上システム」や、適所適所での柔軟性を欠く謎采配で、ポテンシャルが高いとされた素材を続々と塩漬けに。理想と現実のギャップに苛まれ、弱気が祟って危うく出場権を逃しそうになった際には、その塩分過多ぶりに国民クラクラ、我らニヤニヤ。

周囲の声よりも信念に邁進する所はモウリーニョを思わすが(真似てる?)、結果が出ないで本人一杯一杯なもんだから、単に意固地な子供にしか映らない。オシムが倒れても、殆ど誰も「オシムサッカーを知る反町をA代表監督に昇格」と言わない所が、その塩濃さを表しているだろう。

【副賞】
コナミ「ウイニングイレブン2008」(プレゼンター:山本昌邦前五輪代表監督)

【次点】
川淵三郎キャプテン:我那覇選手のニンニクドーピング問題や、ACLを控えての先発入れ替え問題といった「フロンターレ虐め(?)」。浦和鹿島戦での「疑惑の主審選定」。今イチ腑に落ちないJリーグアウォードの「投票システム」。「ベスト塩スマイル賞」の呼び声高い、犬飼専務理事による苦虫を潰した様な表情での「J王者へのメダル授与」──などなど、今年も沢山の塩分を振りまいた日本サッカー協会。代表して、その頂点に立つ川淵キャプテンが次点に入賞だ。オシム入院に際しての緊急会見の席上、その徒に不安を煽る様な涙も高ポイント。昨年度の塩語大賞次点作、「オシム……言っちゃった」や、昨年Jリーグ参入への気運が高まらない秋田を訪れた際に漏らした、
「秋田は夢のない県だな」
など、やたら会見にて塩発生率の高い我らがキャプテン。塩発言の第一人者・中田氏と共に、日本サッカー界を牽引する2トップであろう。街の声──
「キャプテンって呼称は止めて欲しい。自称キャプテンって、麻生真美子のバックダンサーか」
「代表にキャプテンは二人いらないよ。キャプテンが二人って、麻生真美子のバックダンサーか」
ともあれ、Jのピッチが塩枯れせぬ様、祈るばかりだ。

リバプール公式サイト:「欧州CL優勝!」の記念バナーを決勝戦前日に掲示。御存知の様にリバプールは決勝でACミランに敗北し、チームの無念に塩を添えた形に。兵庫県芦屋市立図書館が地元出身作家・村上春樹さんのノーベル賞受賞特集をHP上に半月以上も掲載した件も併せ、これからの時代、「ネットは新しい塩田」を思わせる出来事であった。

高野連:一連の特待生問題に於ける迷走ぶりは、塩というよりもマグマか。むしろこれほどの黒組織に対し、当たり障りの無い事しか言えない主催新聞社こそ「塩」。

UCI(国際自転車競技連合):最優塩大会賞の項、参照。



♦最優塩文学賞(ソルトブック オブ ザ イヤー)♦
「ミシュランガイド東京2008」

(初)
【塩評】
Windows、ハリポタら、洋モノ恒例の塩臭漂うオープニングイベントでも耳鼻を集めた「ミシュランガイド東京」。しかし、その思いとは裏腹に、たちまち評価方法への疑問が囁かれ、発売当初は「御用ライターの広告記事とは違う、客観的な審査」と歓迎していた一部識者を嘲笑う様に、続々と癒着などの内幕が暴露される始末。思えば過去に本家では、
「開店前の店の評価を書いてしまって5万部を回収」
の黒歴史もあり、とうに地元でも信用を失っている様が報じられ、「だから日本に来たのね」とソルトマニアの塩評価も★★★だ。

実際、未だに「出版物=権威」と見なしがちな我が国とは違い、既に本家フランスでは小粋なパリジャンがエスプリを利かせ乍らニヤニヤして楽しむものとか。さりげなく三ツ星リスト内に額賀大臣の疑惑の舞台になった料亭「濱田家」があったことも、旬の店を先取りする「変な意味での実力」を示し、一層本著の塩分を高めた。

【副賞】
フリーペーパー「ゲドを読む。」全5色(プレゼンター:宮崎吾朗)



以下、「Salt Aword'07──塩大賞授賞式(その2)」へ続く──
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by tototitta | 2007-12-25 22:43 | 小ネタ | Comments(0) | ▲ TOP
White Christmas
(記&画/minaco.)

‐7℃、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!! 。
コチラでは最低気温も本格的となりました。雪が積った郊外の町並みを高い所から眺めると、まるでブリューゲルの絵みたいです。この色彩は好き。気分はフランドル。

今年は奇跡の盛商優勝に始まり、ユナイテッドもレアルも4年ぶりの優勝、ルートはピチチ、更に年末には鹿島アントラーズも見事逆転優勝!何しろ我が家で自分だけ恵まれて肩身の狭い思いだっただけに、鹿島の優勝は本当に嬉かったデス。
しつこいようですが、これでウチ的にはグランドスラム達成でございます!!年頭に2人揃って引いたおみくじの大吉、正に予言だった訳ですなあ。ありがたやありがたや。

しかしよく考えれば、すべて自分の努力でもナンでもない、他人様の偉業であります。自分は応援しただけで、彼らのおかげで喜びを分かち合えただけなのです。イイ気になってはいけません。
来年は何かもっと人様の役に立てるように働かねばなりません。とりあえず、年始にはまた馬頭観音にお参りしとこうと思います(同じじゃん)。


さて、「この映画がすごい!」にて恒例の“ホントに面白かった映画ベスト10”アンケートに、今年も参加させていただきました。
興味のある方は、ただいま書店にて発売中の2月号をぜひどうぞ。
今年も多少不本意なベスト10になってしまいましたが、コチラじゃ公開本数が限られてるので仕方ない。『パンズ・ラビリンス』と『インランド・エンパイア』を観たのは、締め切り後でした。


そんな訳で、今年もあっという間に過ぎました。
ガチ凶作にオロオロ歩いたのは去年のこと、今年は映画もフットボールもガチの大豊作となりました。「踏まれた麦は強くなる」(by 元大関・霧島)。

とはいえ、シオもまた決して絶えること無しなのがこの世界。

苦戦したエバートン戦。最後はやっぱりギグスの悪魔力だったんだと思います(ピーナールかわいそ)。
なのに左足で思いがけない軌道のゴールを決め、プレッシャーのかかるPKをしっかり決め、ふくれっ面で存在を誇示したのはロン。実際はそれ以外、何の役にも(略)。

ロンがダブルでチームを救う展開は、何度目でしょうか。どんなにしょっぱくても、期せずしてゴール・ランキングのトップにいるという事実。この人を常識で計ってはいけません。世の中には説明のつかない事が沢山あるのです(超常現象か)。

全世界の塩溜り会にとって、ホワイト・クリスマスとは塩の白。それでは皆様、メリークリスマス。


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by tototitta | 2007-12-24 14:38 | 日々日常 | Comments(12) | ▲ TOP
ストライカーはベンチでは死ねない。
(記/なるほ堂)

ストライカーは、いつもゴールを見ている。
後方からチーム全体を見る視点ではなく。
──それは自然な事。

この鹿の街で育ち、老若男女全ての人たちに愛されたガンマン。
だが、バーの椅子で銃を磨き、若者たちに決闘の所作を手ほどきし乍ら、
街の平和を見守る日々では、彼の心が満たされる事は無いだろう。
そんな気はしていた。

「13」という死神のナンバーを背中に負った男。
平穏は、むしろ背負う物が多すぎる。

ストライカー=ガンマンの身体の中には、
常に「次の獲物」を求める血が流れているのだ。
それを求め、彷徨(さすら)う時が来たのかい? ヤナギ。


田代の代表入りがきっかけだろうか。
明確に「追い越された」という気持ち。
今ベンチに居ては、再びそこに立つ事は叶わぬとの思い。

カズとのミーティングがきっかけだろうか。(実際あったか知らないが)
あれこそがストライカーの生き方と、感じる物があっただろうか?

本当の彼の心の中を探る事は出来ない。
ただ、「代表>鹿」ではなく、「ゴール>鹿」なのだろうと思いたい。
よしんば、「ゴール>鹿のアジア制覇」でも構わない。
ヤナギはストライカーだもんね。

今の気持ち、僕は許す。
もしそうなったとしても、「シェーン、カムバック!」なんて、言わない。
街を去るタイミングとしては、新しい街で居場所を求めるにも今しかなかったのだろう。
鹿が替わりのガンマンを捜すにも、決意が固まっているならば早いに越した事は無い。

ヤナギが前を向いて出した答えならば、僕も前を向こう。
ルートの時の様に、全てが上手く行く場合も在る。
若い力で鹿が優勝し、ヤナギがもう一度代表のエースストライカーに返り咲く。
──それならば、それでよし。

ストライカーはベンチでは死なず、ただ消え去るのみ。
(気が早いかもしれないけれど、心の準備だけは……)
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by tototitta | 2007-12-21 17:13 | 鹿島アントラーズ | Comments(0) | ▲ TOP
♪マンチェスターとリバプール
(記&画/minaco.)
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<#17 / LIVERPOOL × UTD 0-1>

勝ちました。
テベ子のゴールで勝ちました。
昨季に続き、アンフィールドで勝ちました(しつこい)。
やはりリバポーとのクラシコはこうでなくちゃいけません。
ヘタレる奴はピッチにいらねえ、というガチ試合。ライバル心むき出しの、容赦ない削り合いもまた一興。

ご挨拶に一発危険なタックルお見舞いされるもその後ジェラードを自由にさせなかったアンデルソンは、(公式サイト投票による)この試合のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれてた。彼と組んだハーグリーヴスも、正にこの日の為にいると言っていい存在感。
きかん気強いエヴラとギグスの左サイドは、偉そうで強気でしたたかで気持ちいい。
試合を〆る役目で投入されたおシェイとキャリックも、当然このクラシコの意味をちゃんと解ってる。
何より、連携にバタついたエドさんに噛み付きトーレスをコドモ扱いであしらうリオ姐さんがステキ。こういう相手にゃ異様にハイテンションな姐さんが、スコールズやギャリーの分までユナイテッドのプライドを背負ってる気がしたものよ。

多分、スコールズがいればまた違った雰囲気になったかもしれないと思う。テベ子が先制した後、スコールズならきっとお約束のファウルをしてたんじゃないかな。
そんな事もよぎるのだけど、それでもイングランド&アイルランド人(+何故かフランス人)達には「この相手だけには負けられねえ」意味をしっかと感じた。勿論、リバポー側にも。
時代が変わっても、こうでなくちゃいけない。去年やその前に勝利した時のギャリーを見れば、ここに育った人にとって理屈じゃなくて、必然的にそういうものなんだというのは充分伝わる。これは2位と4位のチームじゃなくて、♪マンチェスターとリバプール…なんだから。


ところで、こんなガチ試合になるとシオのシオっぷりがいっそう際立つもんです。
ボールを持つ度ピッチに塩の山を築くロンである。うははは、どうだ、ナメクジも逃げ出すぞ!
カカ’が如何に完璧な選手と言えども笑いは取れまい!
I BELONG TO SALT!

但し、ルーたんまでしょっぱいのは困りもの。テベ子の働きぶりにキングが応えてやれんでどうする…とファンの頬にもしょっぱい涙が。
とはいえ、ルーたんの白い首輪が堂々復活してるのを見ると、そんな事はとりあえずどうでもよくなってしまうのでした。親バカすぎ。
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by tototitta | 2007-12-20 22:55 | Manchester United | Comments(4) | ▲ TOP
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