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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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「ベルバトフのばら」狂い咲き
(記&画/minaco.)

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by tototitta | 2010-11-30 00:03 | Manchester United | ▲ TOP
何はともあれ
(記&画/minaco.)

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ルーニーは大好きな選手だ。25、6歳の頃には世界最高の選手になっているだろう。但し、フットボールにおいて努力する必要があると解ればな。しっかり練習し、何を食い何を飲むか、どう生活するかに気を配ればの話だ。非常に重要な事だぞ。すべての一流選手にはそういう事が大事なのだと、25、6の頃には気付くだろう。その時、あいつは世界最高の選手になっているはずだよ。
だが、同時に私は少々心配もしている。25、6といえば、あいつは最高のチームを離れ、イングランドを離れ、ベスト100の選手でも何でもなくなっている事だって有り得る。サー・アレックスが良く面倒見てるのは知っている。ルーニーはまだ若い。しかし、誰かが忠告してやらねばならん。最後に会った時、そう言ってやりたかったんだがな。あいつは急いでたようだったものでね…。

これは2006年、カントナが語ったルーたんへの助言である。今思えば、我らがカントナは全部お見通しだったんだなあ。当時センセーショナルに登場した天才ルーたんに対し、地道な努力と日頃の生活規範をアドバイスするのがカントナらしい。確かに、ああ見えてカントナは「初めから最後まで練習また練習」の人だった。ともすれば若い才能が勘違して、すぐ暗黒面へ堕ちる事を危惧していた。当時この苦言をルーたんがちゃんと聞いていれば…なんて。若すぎて何だか解らなかった事がリアルに感じてしまうこの頃さ♪

まあ私生活が落ち着いたのか心の怪我が治ったのか不明だが、ルーたんは無事ピッチに帰ってきた。オールドトラッフォードはブーイングも歓迎もそこそことゆう感じ。改心後初ゴールして、「すまなんだ。そもそもシティに行く気は更々ないっス」と公式に謝罪。乱入したファンも手厚く祝福さえすれ、責める気などないらしい。何はともあれ。おかえり、ルーたん。


ところで、今シーズンのサー・マット・バスビー賞はポールさんだと思う。気が早過ぎるけど。ついでに、ワタシに投票権があるならバロンドールだって推したいと思う。いやマジで。

ポールさんに対し、幾度となく「シュート!」と声を合わせるオールドトラッフォード。何とゆう様式美。ちょうど先日WWEのマンチェスター興行を見た所だが、この一連のお約束はプロレスにおける阿吽の呼吸のよう。レジェンド・レスラーの決め技発動に観客が先駆けるのと同じく、ポールさんがミドル圏内に入って来るとユナイテッドファンは一糸乱れぬタイミングで「シュート!」と要求する。今やミドルにもタックルにも頭掻きにも、流れるような様式美が完成されている。

そういや、ホレイショ・ケイン(@マイアミ)のサングラスムーブも見事な様式美。ホレイショが非行に走った赤毛息子を厳しく見守るように、ポール主任は保護観察中の薄毛ルーたんが2度と赤悪魔の道を外れないよう目を光らせてるに違いない。何かあればすぐまた制裁を加えるぞ、と無言で脅しつつ。『CSI:マンチェスター』でもまた、センター&右サイド&左ウィングの合同捜査スペシャルが観たいものです。
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by tototitta | 2010-11-27 21:17 | Manchester United | ▲ TOP
ピッチには出たものの
(記/minaco.)

フェー監督曰く、「ルートはまだ90分使えるコンディションではないが、例え1分でもあれば特別な選手だ」

とゆう訳で、4試合ぶりに復帰しちゃった。現在のチーム状況を思えば少々急かされたような気もしなくはない。ハノーファー96戦で59分から交代出場し、結果はアウェイで3−2の敗戦。ルート絶賛の韓国人若手FWソンくんが2得点したものの終了間際に勝ち越し点を与え、HSVは相変わらず勝負弱いとしか…。どっちに転んでもおかしくない展開を、モノにする事が出来ないんだった。

とりあえず無事に復帰出来て、普通に烈しくプレイして、レフリーに猛烈に抗議してるのが観られて嬉しい。まだ100%じゃなくとも、遠慮なく競り合ってぶつかり合ってた。それはいつ何処に居ても変わらない。ただちょっぴし哀しいのは、HSVがそれに応えられる程のチームじゃないせいか。監督がショボいのか。今更そんな事言っても始まらないんだが、泣けてくる…。

泣いてても仕方ないんで(嘘)現実逃避。とゆうか回想ばかり。スペインでの4年間はともあれ(失敬)、キャリアで最も長く在籍したマンチェスター時代のネタは枚挙に暇が無い。これまでもチョコチョコ紹介してきたけれど、まだまだ書ききれない程のストックがあるんだった。そんなの今更誰が関心あるのかと言えば、多分どこにもないんだけど。それは承知しつつ、このまま捨てるのも勿体無いんで、まあ在庫処分ですよ。あとどれくらい時間があるかも解らないし、今のうちに少しずつネタ在庫を放出したいな。


そういえば今年の夏、「マドリーよりユナイテッドを離れる方が辛かった」とゆうルートの記事を見つけたんだった。
ユナイテッドを離れる事の方が辛かった。あそこは俺のクラブ、PSVやFCデン・ボッシュのようにね。マドリーとは違う。俺はあそこで物凄い日々を過ごしてファンとの温かい関係があったけど、マドリーではもっとビジネスライクだよ。俺が去った理由も彼らがそれを許可した理由もあって、全部良い事だ。マンチェスターではファーギーとの間で傷付く件があって、それはエモーショナルなもの。彼にとってもそうだと思う。マドリーでは感情的な溝は無かった。(The Republik of Marcunia)

ワタシが未だに未練がましく思いを馳せるのも、そうゆう理由がある。いやむしろ、感情的対立の結果だからこそ救われる面もある。もし彼がビジネスライクにユナイテッドを去ったなら、こうして当時の思い出を語る気にはなれない。ルートは今も年に1度は休暇でマンチェスターを訪れるという(MEN)。そんな(ファーギーと喧嘩別れした)元外国人選手は聞いた事がなく、彼において地元PSVやデン・ボッシュに匹敵するとは最大級の愛着と言え。それはワタシにとって何より泣かせる事実であり。

昔話とはいえ、当時あった絆はずっと続くものだと思うし、そう思わせてくれる。例え二度と帰れなくても、ワタシにとっては確かにかつてそこに居た証が重要なんであった。
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by tototitta | 2010-11-26 22:16 | Ruud van Nistelrooy | ▲ TOP
Actors Studio Interview〜ライアン・ギグス自らを語る(妄想)
(記&画/minaco.)

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【ホスト:ジェームズ・リプトン先生】今日は記念すべき日です。2度の欧州制覇達成、うち1回はトレブル、サー・マット・バスビー年間最優秀選手賞受賞、PFA年間最優秀若手選手賞2回、2009年にもPFA年間最優秀選手賞を受賞、ウェールズ代表でも活躍、英国よりOBE授与、プレミアリーグ獲得タイトルは11回を超えます。アクターズ・スタジオを代表する選手であり、100回目のゲストにふさわしい人物です。これまで何度もゲストに対して"影響を受けた選手は?"という質問をしました。その回答で最も多く名前が出た人物です……ライアン・ギグス
(場内大喝采で入場)

── ご出身はウェールズのどこですか?
(ギグス)「カーディフ」
── 何歳でマンチェスターへ?
「7歳だ」
── 何故「赤い悪魔養成所」へ?
「アレックス・ファーガソンにスカウトされたから。ある日、クロスロードに立っていたら赤い悪魔がやって来て、魂と引き換えに契約すると言われたんだよ」

──そこで出会った人物とは?
「ネヴィル兄弟、バッティ、ポール、ベックス、サヴェージらだ」
── 当時、あなた達は"ファーギーの雛鳥達"と呼ばれていたとか。
「みんな同世代だったから。俺はすぐ抜擢されたけど、他の連中は下積みが長かった。特にギャリーは(笑)」
── 見たら怒りますよ(笑)。


── アレックス・ファーガソンとはどんな人物です?
「ボスはまだ若かった俺を周囲の誘惑から守ってくれた。何せ女の子にモテモテだったし、CKを蹴ろうとしたら女の子が乱入して唇を奪われそうにもなったし、メディアでポップスター並みに扱われたのはジョージ・ベスト以来だし、実際当時はかなりイケてたし…。でもお陰で道を外れずに済んだね。ボスには感謝の気持ちで一杯だ」

── デビュー作は?
「初スタメンは1991年のダービーで、初得点もしたけどポジション争いが激しくてね。当時まだ17歳だから」
── スタメン落ちは苦い経験でしたが、そのお陰で別の作品に出会いました。ユナイテッド史の金字塔、『FAユースカップ』です。(場内大拍手)

── その年、再度クラブ史に名を残しました。その作品こそ『リーグカップ』。PFA年間最優秀若手選手賞も受賞されましたね。
「翌年にプレミアが始まったんだけど、既に左サイドでは無敵だったよ。カントナが来て、その後ダブルもした」

── 会場にはエリック・カントナ氏が来ています。どうぞお立ちを。(場内スタンディングオベーション)
    カントナ:「初めてギグスに会った時は、正直言ってこう思った。"巧いし速そうだ、でも一番になるのは無理だ。私がいるから”」
「カントナはアクの強い男でド派手な行動で有名だったからね。でも現場に出るうちに、その考えを改めたよ。最初は偉そうにしてたのに、3週目には我々より先に練習してた。本当だよ」

── 1998/99シーズン、『FAカップ再試合アーセナル戦』でのパフォーマンスは記憶に残っています。あの胸毛のアイデアはどこから?
「俺の案か衣装係の案かは覚えていないが、ハマッてたろ?」
── 見事に。濃いめでしたね。
「アイドル脱皮の為だったんだ。あんなにウケるとは思わなかった」
── 衝撃的でした。


── 1998/99の『トレブル』は大好きな作品の1つとか。
「あの作品では1968年欧州カップの時と同じ経験が出来た。全員が高い志を持って作ろうとしていたし、俺自身とても肌の合う作品だった。持てる力を存分に発揮できた。助演がテディ・シェリンガムとオーレ・グンナー・スールシャール。文句なしの作品だったよ」


── 数年前、大胆な役に挑戦しましたね。共演はダレン・フレッチャー、アラン・スミス、ジョン・オシェイ…慣れない中盤を相手に大健闘でした…『転向!センターハーフ』。リハーサルは?
「あったよ。監督がリハーサル好きでね。でもいくらやっても相手がオシェイだからね(笑)。全く意味なしだ」
── 作品を選ぶ時の基準は何ですか?
「まず第一に役柄だ。美味しいかどうか。そして共演者と対戦相手。最後に出演料だ」

── 今後の目標は?
「せめてあと30年は興味深い作品に出演できると嬉しい。監督にも挑戦したいね」
── そのような依頼が?
「来てるよ」
── では期待できますね。名采配を。
「そう願うよ」

── フランスの名司会者B・ピポーが作成した、恒例の10の質問といきましょう。
好きな言葉は?
「左足」

── 嫌いな言葉は?
「右足」

── 心躍るものは?
「自由」

── 滅入るのは?
「自由がない時」

── 好きな音は?
「リバティとザックの声だろうな」

── 嫌いな音は?
「ギャリーの話し声」

── 好きな悪態は?
「"シティなんか一生優勝とは無縁だぜ"…でも最初はシティのアカデミーにも居たんだ(笑)」

── 俳優以外で挑戦してみたい職業は?
「超攻撃的なチームの監督。守備なんかしない」

── 絶対にやりたくない職業は?
「イングランド代表かな」

── 天国に着いた時、神に何と言われたい?
「そうだな…神より悪魔が良いな(笑)」

── では、学生たちと。

Q(21歳フランス人男性):僕は後釜志望の2年生です。力不足を感じる分野はありますか。あるとしたら、どう対処を?
「良い質問だ。俺にはないね。苦手な右足は使わなきゃ良いんだ。だって左足で何でも出来るから。あと身体を柔らかくする事だね。ヨガをやれば良い」

Q(復帰志望30代男性):たまに途中出場したのですが、現場で孤立感を覚えました。ワンダーな役作りをしていたのですが、周囲が皆ワンダーをバカにするので…。
「仕方ない。ワンダーボーイには老け込み過ぎてるからな。ちなみに元祖ワンダーは俺だし。昔は可愛かったって?俺もそうだった。でも髪の毛には限りがある。だからワンダーで居たいならヘアケアに気を使え。え?そうゆう事じゃないって?お前もドライヤーの当たり過ぎだろ……?」

【フェイド・アウトしてエンディング・テーマ。早送りクレジット…】
参考:アクターズ・スタジオ・インタビュウ「ジーン・ハックマン自らを語る」
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by tototitta | 2010-11-23 22:09 | Manchester United | ▲ TOP
『ヤギと男と男と壁と』〜もしくは「ヤギと超能力部隊」
(記&画/minaco.)

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かつて米軍で本当にあった(とされる)超能力部隊の実話(に近い話)を基にした映画、『ヤギと男と男と壁と』('09)を観てきました。シネコン窓口で思わず「ヤギと羊と……」と口走ってしまったけれど、それでも通じた。まあ一応は羊も出てきたんだけど。

原題は『THE MEN WHO STARE AT GOATS』ですが、この邦題を千原ジュニア氏が付けましたと何故か自慢げに押し出す予告編は、一体誰得なんでしょう。本編観た後で改めて邦題を考えるとすれば、ワタシなら『山羊たちの沈黙』or『ヤギを見つめる野郎ども』かな。それじゃ流行らないか。せめて『ヤギと超能力部隊』で良いと思うお。

それはさて置き、単純に言えば、ある種の理想を掲げたジェダイ=超能力部隊が崩壊し、後にダークサイドが蔓延る世界=イラクで、再びフォースの真の力を取り戻そうと老け込んだジェダイマスター=自称超能力者が闘うお話です。まんまスターウォーズじゃん。ユアン、出オチじゃん。ライトセーバーの代わりに使うのがキラキラ眼力。

とはいえ、超能力そのものは期待したほど活躍しません。透視したりヤギを殺したり、壁をすり抜けたりとか地味な能力だし。同行取材する新聞記者(ユアン・マクレガー)目線なので、最初から眉唾ものとして扱われる。もっと無さそうで有りそうな加減なら荒唐無稽で愉しいけど、「ねーよ」としか思えないのが残念。どうせなら超能力を発揮する場面にワクワクしたかったな。

世間に居場所の無いアウトサイダーにとって、この超能力部隊が存在意義を与えてくれた、とゆう切り口は面白い。同じく居場所を失くした記者が吸い寄せられるのも必然的。但し、いかんせん全部がネタ止まりであった。肝心なのは「超能力はガチかヤオか?」ではなくその本質、「ヤオの中にもガチはあるか?」だと思うんだが。

つまり邦題と同様、ネタに走り過ぎてピンボケしてるような気がするんだった。これだけツッコミ所があると、どこからツッコむべきか悩む。『スターウォーズ』ネタに加え、『羊たちの沈黙』ネタまで持って来るもんだから掴み所がない。滑稽なジョジクル、ヒッピーでフリーダムなジェフ・ブリッジス、さすが暗黒面全開!のケヴィン・スペイシーといった豪華キャストも、結局誰の得なのか。多分、キャリアの損にも得にもならない役だろうし。


実は、濃い面々の中で一番美味しいのは狂言回しを務めるユアン・マクレガーだった。ユアンはどんなジャンルのどんな役でも「普通」にこなすが故に、妙な安定感がある。守備範囲が広く、どんな状況に置いてもちゃんとリアクションしてくれる。かといって名演と呼ばれる程でもなく、ずっと安値で安定してる感じ。

やはりスコットランド人は貧乏性だから、来た役を断らないだけかもしれない。けれど、ワタシは何故かユアンが出てるとその映画を観たくなるから不思議なもの。これが例えばブラピやジョニデだったら、名前だけで観る気半減するのに。

考えてみるとそれは多分、ユアンがノンポリ無色な役者だからだと思う。ブラピやジョニデ出演映画はどうしても「ブラピ映画」「ジョニデ映画」になっちゃうものだけど、ユアンは決して「ユアン映画」にはならない。物語に自然に入り込ませてくれるし、映像の邪魔にもならない。これは奇特な個性ではなかろうか。

つまんない映画を面白くしてくれるとまでは言わない。『アイランド』はしょうもない塩映画だった。でも、いくつかの失敗作で彼の価値が下がる訳でもない。普通の人を普通に演れる役者は貴重だし、安心して感情移入出来るのがユアンのユアンたる所。たまたま今回はトンデモな人達や状況の中に置かれ、そんな存在意義に気付く結果となったんであった。ユアン、ある意味磐石。

「ヤギと男と男と壁と」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
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by tototitta | 2010-11-19 21:18 | 映画 | ▲ TOP
ガチのルーツ
(記/minaco.)

キャリアの最後はオランダへ帰るのかって随分訊かれたよ。でも今のところそれはないな。フットボール界じゃ物事がどれだけ早く過ぎてくか解ってる。だからあまり先の事を考えても意味ないんだ。一旦自分のブーツを壁に掛けたら、もう引き返す事はない。とはいえ、あと何年か先だけど。
もしHSVが延長オファーをくれるなら、当然考える。怪我の後でまだ俺に信頼を置いてくれるクラブは多くない。でもHSVはそうしてくれた。その恩は忘れない。
(HamburgerAbendblatt)

今シーズン後に契約満了する件について。怪我の後で誰も自分を信じてくれる人がいないって時に、チャンスを与えてくれたのがHSVだから、HSVを最優先するつもりだと言う。故郷に帰る可能性も全くあり得なくはないけど、現時点でそのチャンスはごく僅かだそうな。ユナイテッド時代には、最後は古巣PSVへ帰って恩返ししたいと常に話してた。当時はマンチェスターかアイントホーフェンしか無かったけれど、あれから移籍や2度目の膝の手術もあり、何もかも激動した4年間。

バイエルン戦での負傷から練習復帰したところ、すぐまたハムストリングを痛めてしまったルートである。大黒柱欠場以来チームは1勝3敗。怪我人続出のHSVはパッとしないまま、いつしか9位まで転落…。でも思ったより怪我は軽かったようで、本日再びチーム練習に復帰したところ。よかった!

*        *

そんな状況ですが、そういえば離脱前にはドイツのTV"Sportclub"(スポーツ選手のインタビュウ番組)に出演してたんであった(動画有り)。スタジオに登場したルートは番組サイト曰く、「物静かで思慮深く、ワールドスターのオーラ無し」とのこと。そりゃまあ確かに、スタジアムの観客数にも満たない人口の田舎で生まれた農耕馬ですから。
    「出身はGeffenっていう小さな村なんだ。のどかに暮らす人ばかりで、俺達はあんまり馬鹿げた事はしないね」
などと故郷を語ると、番組は何と地元取材までしてあって、当時のコーチや関係者のコメントまで流す用意の良さ!「実はトレーニングで上手く行かないといつも泣いてたらしい」なんて、ルートも子供の頃の思い出を懐かしそうに回想する。その度ママは「失敗は不可能を可能にする」と励ましてくれたそうだが、パパはもっと現実的なアドバイスをしたのだとか。
    「親父は“Geffenからプロフットボール選手になった人なんかいない”って言うんだよ。本気でフットボール選手になる夢を追う俺を心配してたんだろうな」

どうやらルートはパパよりもママの家系に似たらしい、と思う。母方の祖父はかつて村のアマチュア選手であり、試合で敵を殴り長期出場停止を喰らったとゆう逸話もあった(当時手製だったユニを破かれた事に激怒したとか…)。ママも女子チームでプレイした経験があると聞く。一方、父方の祖父は牧場を持ち、ずっと酪農一筋。フットボールのルールすら知らないそう。そんな爺ちゃんは以前ファーギーとの確執が新聞に取り沙汰された時も、「お金はもう充分あるんだから喧嘩なんかするもんじゃない」と孫をたしなめたとか。爺ちゃんw

そんな訳で、どうもガチのルーツは母方の血にあるように思われる(のほほんとした感じの弟はパパ似かも)。パパの言う通り、北ブラバントの片隅はオランダフットボール界でも決してメジャーな土地ではなかった。けれど、例えばかのゴッホにしろヒエロニムス・ボッシュにしろ、何か強くファナティックな人間が少なくないらしい。夢を叶えたルートは言う。
    「俺は今、プロとして17年目。時々まだそれが信じられないんだ」

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by tototitta | 2010-11-16 22:24 | Ruud van Nistelrooy | ▲ TOP
『ゾンビランド』でサイコロ旅
(記&画/minaco.)

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しかしゾンビ映画ってネタが尽きないね。そしてゾンビ需要は常に高いね。走るゾンビだの賢いゾンビだの英国ゾンビやラテンゾンビや泣けるゾンビなど様々なパターンが作られてきて、まだあったか!と。

今回観た『ゾンビランド』(2009)では、ゾンビ自体はスタンダードなタイプ。人を見るとガバーッと襲ってきて、噛み付かれたらゾンビ化するとゆう、極めてお約束通りなスタイル。ただ、21世紀の人類はさすがにゾンビ慣れしてるので、古典的に1人ずつ感染してパニック!な展開は省いて可。冒頭から既にアメリカはゾンビが支配するゾンビランドでして、主人公はちゃんと「ゾンビあるあるネタ」に基づいたサバイバルのルールを開発してるんだった。そりゃ話が早い。

街はとっくにゴーストタウン化してるから、おかげで登場人物も最小限で済む。気弱で神経質な引き篭もり大学生コロンバス君(ジェシー・アイゼンバーグ)にワイルドなタラハシーさん(ウディ・ハレルソン)が行きがかり上同行すると、旅の途中でさすらいのギャル姉妹(エマ・ストーン&アビゲイル・ブレスリン)も加わって底抜け珍道中のご一行。更に、まさかの大物ゲストB.M.氏(本人役)までこんにちは!と、ゾンビ映画=ロードムーヴィとゆう趣に。

どこかにあるユートピアを目指して生存者が旅するってのは、この前観たばかりの『ザ・ロード』とよく似てるんだけど、悲壮感は殆ど無し。こちらは主人公がビビリだし、可愛い女の子にときめいちゃうし、そもそもゾンビランド化する前から幸せじゃなかったし。そんなヘタレ男子と仲間達の、これは王道青春&成長物語でもあるんだった。

それぞれのスペックから些細な小ネタまで、いちいち可笑しい。ってゆうか下らないww正に人を喰ったように始まり(!)、双六のように「1を出したらゾンビに遭遇」「ここで武器調達」「トゥインキーを探すため一休み」「ハリウッド豪邸で豪遊」「6が出たら彼女と良いムード」とか、愉快なサイコロ旅みたいな。いや、アメリカなので例えるならベースボールなんだけど。脚本は比喩が秀逸で、伏線もちゃんとある。しかもこれで87分のお得感。

そしてルーベン・フライシャー監督は、アクション映画が好きなんだなあ!と観てて嬉しくなる。王道は思い切りベタに、最高にカッコ良く見得を切り、グロは笑えるほどグロに。ゾンビ達の殺られっぷりがとても大仰でノリノリ。クライマックスの遊園地、ここぞとアトラクションを使ったアイディアを見せてくれるのが実にツボを心得てる!

それにしても、常に如何にもマッチョなテキサス野郎ウディ・ハレルソンですが、まさか彼をこんなにカッコ良く感じる日が来るとは思わなかったすよ。『ワイルド・アット・ハート』のニコラス・ケイジを思わせる蛇革ジャケットを着こなし、武器弾薬を背負って1人迎え撃つ姿がさすが漢だね!まるでニューシネマだね!シビレるね!

…って、このバカバカしくもカッコ良く、しかも家族とか真理とか人生に大事な事を説きながら低俗で、でも熱くて真剣な映画は、ちょっとロバート・ロドリゲス映画を彷彿とさせるんである。いや勿論、似て非なるものだけど、ロドリゲス映画が大好物なワタシには非常にツボにはまった。ロドリゲスに比べりゃヒロインにもっとエロが欲しい所だが、子供のブサカワ具合とか、一本筋の通ったキャラとか、手作り感とか、無駄に豪華なキャストとか愛すべき共通点がある。

だから最後にはウディ・ハレルソンが妙にカッコ良く見えちゃうし、正々堂々と清々しく、心から良い話だと噛み締めるんであった。まあ難を言えば、コロンバス君がラストまで語り過ぎた気もするけど。そこも強引にまとめると、ロドリゲスmeetsウディ・アレンなのかもしれない。強引すぎか。

「ゾンビランド」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
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by tototitta | 2010-11-13 20:14 | 映画 | ▲ TOP
窓映画『ぼくのエリ 200歳の少女』
(記/minaco.)

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映画館ではいつもスクリーンからなるべく近い席で観るんだけど、近すぎるせいか本筋と関係なく妙に些細な点が気になって、もしかしたら何か見逃しているのかもしれません。こないだ観たスウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008)では、重要なシーンで「ボカシ」が入ってしまう件を前以って見聞きしていたのに、結局最後までどのシーンの事か気付かないまま終わってしまった。あれれ?

言い訳すれば、部屋にある古びた無邪気な広告パネルが気になって。まあ後でネタバレを知ると、あーあそこの場面ね!と思い当たり、一応ワタシも観ながら1ケ所「?」と引っ掛かる点があったので(本筋とは別に)、そうゆうコトならそれはそれで納得。


ホラーでありロマンスであって、繊細であり残酷な映画である。既に邦題で盛大にネタ振りされてるので、冒頭からいきなりの猟奇的殺人も本来のミスリードとならないのが残念。そう、オスカル少年が出会ったエリはヴァンパイアです。生きるには人の血が必要なんです。

ジャンル的にはバイオレンスとロマンスを行ったり来たり、決してどちらかに偏らない。ホラーとしては割と王道を思わせるけど、それ以外ではわざと断片的に余白を残してある。独特のカメラワークは勿論、何より窓の使い方が凄く印象的。もしや、これはホラーでもロマンスでもない、実は「窓映画」(窓を介在して描く映画)なんじゃないかと。

異界と現実世界を分かつ窓、子供と大人を分かつ窓、安堵と恐怖を分かつ窓。誰かが覗き、何かを隠す窓。時に窓は壁や扉以上に人を隔てるし、凍てつくスウェーデンの田舎町ならではの、分厚いガラスが氷の壁のように光を歪める。吸血鬼にとって太陽が天敵なのは勿論、やはり北欧では太陽光が貴重だから窓が重要になるのかしら。

そしてスウェーデンといえば、『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』など子供を主人公にした名作をいくつも輩出した国。教育熱心で福祉国家なはずなのに、何故かベルイマンを筆頭に抑圧されたドラマが多いのも特徴かと。この映画に映るものすべてが視覚的に痛々しい(でも僅かな無邪気さのコントラストが際立つ)。

どうも本当にホラーなのは吸血鬼よりも、恐るべき子供たちだった。オスカルくんは色素薄い肌と金髪がとても怪しい容貌で、ちょっと悪魔の子ダミアンを思い出したし、スケートの場面はまるで『オーメン2』。自覚的なのか無自覚なのか、この子がたまに醸し出す残酷さや尊大さにゾッとする。それにワタシは彼を苛める同級生、リーダーではなくその子分達の表情が凄く怖くて。彼らの痛々しさは、この映画の最も恐ろしい部分に思えるほど(それにしても子供にこんなトラウマ演技させて大丈夫かスウェーデン)。

この痛さはもしかしたら、原作者であり脚本を担当したヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストがモリッシーを愛する事から由来するのかもしれない、と後で知る。原題『Låt den rätte komma in / Let the Right One in』はモリのソロ「Let the Right One Slip In」からも来てるんだそう。確かに「心に茨を持つ少年」と日陰の引きこもりヴァンパイアの共鳴が壁越しに響き合う関係なのだった。

まさかモリちゃんがヴァンパイアとなって、マンチェスターから遥か遠くスウェーデンに引き継がれるとは!『(500)日のサマー』もそうだけど、最近はThe Smithsもの映画(?)が流行りなんでしょうか。

ちなみに、ハリウッドリメイク(『Let Me In』)では大怪獣デストロイ映画『クローバーフィールド』(これ好き)のマット・リーヴス監督で、『ザ・ロード』のエロい子役コディ・スミット=マクフィーくんがオスカル役だそうな。うーん、日の当たらない北欧の陰気さあればこそだし、やっぱアメリカの子役にあの邪悪さは出せないよね…。

「ぼくのエリ 200歳の少女」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
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by tototitta | 2010-11-08 00:25 | ▲ TOP
小◯3 『文化財・桜山界隈商店街』の研究(下)
(記/なるほ堂)

小◯3 『文化財・桜山界隈商店街』の研究(上)より続く】

■文化財保護法の近年の推移と精神

昭和50年、文化財保護法の改正によって「伝統的建造物群保存地区」の指定制度が発足し、京都の「伊根の舟屋」に代表されるような、
周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群(文化財保護法第二条第1項第六号)

つまり歴史的な集落や町並みもまた、「保存価値のある文化財」と認定された。

更に平成17年、同法改正によって「重要文化的景観」の選定制度が発足し、徳島の「樫原の棚田」や本県の「一関本寺の農村景観」のような、
地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの(文化財保護法第二条第1項第五号)

もまた、文化財の一つに加えられた。

前者は「伝統的な建造物」、後者は「風土により形成された景観地」と、桜山商店街は直接的にそれらの範疇には無いが、しかし上記の推移を見れば、近年の文化財保護がその対象を積極的に拡大している現状が窺える。歴史上のモニュメント的な建築物のみならず、住民生活に即した住民文化の保全へと。

また、その建築年代も然り。前述の「登録有形文化財」に関し、平成17年の文部科学省告示では、その登録基準を近代にまで拡げて「原則として建設後50年を経過」とし、ならばその点に於いて桜山商店街は有資格である。

つまり、桜山界隈商店街の建造物を文化財に推す行動は、これら文化財保護法の近年の推移、精神に適うと映るのである。





■その他の保存認定(市指定保存建造物)

この桜山問題に際し、同様に保存建造物認定を唱える中で、他方では、

領民の明日食う米さえ取り上げた盛岡城址が史跡文化財ならば、戦後の貧しい食料事情下にあって、肉味噌うどんに胡瓜を乗せて庶民の胃袋を満たし、戦後の復興の一躍を担ったじゃじゃ麺の元祖『白龍』一帯は、「国宝、世界遺産」こそが相応しい

──との声も聞く。つまり市指定有形文化財では、その価値に見合わないと。

真意に於いては自分も同感である。当地区は某浄土以上に世界遺産に相応しく、チータンタンに於いて卵を溶く技術は正に人類の無形文化財と、個人的には考える。その暗い路地界隈には、妖怪魍魎フォークシンガーといった絶滅危惧種、希少生物も住んでいる気がしてならない。

ともあれ、保存認定を受ける形態には上記の如く様々あり、中には「文化財」という認定を前提としないものもある。いわゆる「自治体指定の保存建造物」である。
盛岡市自然環境及び歴史的環境保全条例
第1条 この条例は、自然環境及び歴史的環境(以下「自然環境等」という。)の保全等に関し必要な措置を講ずることにより、現在及び将来にわたり、すぐれた自然環境と永い伝統にはぐくまれた歴史的環境とが調和する個性豊かな都市環境を保全し、かつ、創出することを目的とする。

上記条例第8条では、その保存建造物を「由緒、由来のある建造物又は都市景観上保存することが必要な歴史的建造物」と規定し、一部に文化財を対象としながら、市内の旧石井県令邸、徳清、茣蓙九、浜藤の酒蔵などを、独自に「盛岡市指定保存建造物」として、保存の対象にしている。

しかし、この「盛岡市指定保存建造物」指定が、桜山商店街の保護に有効かと言えば、そこには疑問がある。道路拡幅工事を念頭に、「徳清」はその一部が、「浜藤私邸」はその全てが指定解除され、取り壊された(盛岡タイムス)。その例を考えると、単純にこの指定が市の積極的な保全活動を担保するものとは思えない。

また、この盛岡市指定保存建造物の選定を所管するのは、盛岡市環境審議会の意見を受けた「市長」自身である点も、留意するべき処と考える。





■何処でボタンを掛け違えたのか

平成15年、政府は「美しい国づくり政策大綱」を策定し、翌16年には「景観法」を公布、それを受けて盛岡市でも、平成21年に「盛岡市景観計画」「景観条例」の全面施行に至った。

その経緯の中で、一面的な「美しい国」は、一面的な「美しい街」という概念を産んだ。何処でボタンを掛け違えたのか、自分はそもそもの始まりを、そこと考える。

盛岡市景観計画にて、盛岡城跡公園とその周辺を規定している部分を、以下に抜き出す。
盛岡市景観計画 第3章 盛岡らしい景観を守り、創り、育てる
〜良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項〜
3-6 歴史景観地域 3-6-1 盛岡城跡公園とその周辺ゾーン
盛岡城跡公園は、盛岡の象徴的存在であり、お城を中心とした城下町としての成り立ちを大切にするため、周囲の建築物等に対し、配置や色彩及び高さの景観的誘導により、城跡の石垣や緑が醸し出す落ち着きと風格に調和した景観の形成を目指します。(青字筆者)

先ずはここから再定義するべきでは無いか。

盛岡城跡エリアの景観に於いて「大切にする」べき点は、その歴史的な「城下町としての成り立ち」だけだろうか。往時の城は、飢饉や苛政で落命した何万もの人々の怨嗟の対象であり、それ故に現在も他所と違い、市井には所謂「旧主君の城」としての顕彰の念など更々である。ならばむしろ真に大切にするべき景観は、過去の圧政者が目指した姿──言わば「負の歴史的景観」では無く、そこに市民たちが自力で築いた「正の文化的景観」の方では無かろうか。

廃城、石垣、引揚者、闇市、バラック、じゃじゃ麺、桜山商店街──江戸の封建文化の上に、昭和の庶民文化が積層する盛岡城跡エリアは、今もその特異な歴史を現在進行形で刻み続けている。即ちその「ハイブリット景観」こそが「盛岡らしい景観」の肝であり、今なおそこに生活の息吹あるからこそ、盛岡城跡は、今なお「盛岡の象徴的存在」なのだ。

どうにも近世近代現代とを区切った、言わば「縦割り史学」の視点で計るから、おかしなことになる。交雑した文化を蔑む者らは「破壊的文化浄化」を唱え、結局真の文化を殺してしまう。その意味でも、先ずは

「じゃじゃ麺を食え」

と言いたい。

麺は石垣、味噌は城、そこにラー油やニンニクを携えた一揆勢が攻め込む事により、じゃじゃ麺はその景観を為す。しかし、じゃじゃ麺の歴史はそれで終わりでは無い。城滅びし後、同じ皿の上に民衆自ら「卵」を溶く事により、新たにチータンの歴史が花開く。麺、スープという二つの食文化のリレーが、一つのじゃじゃ麺文化を為すのだ。正に盛岡城址一帯の歴史文化そのものである。

市は桜山界隈商店街を、あたかも「美しい街もりおか」の恥部としてきた過去を改め、その文化的価値の再認識を以て、改めて「お城を中心とした街づくり」という計画全般を、より広い見地に立った現実に即したものへと練り直すべきである。その上で、市自らが文化財としての保護を──。





■まとめ

勿論、文化財としての保護が、全てに於いてバラ色であるわけでは無い。メリットに於いては以下が挙げられる。

 ・新たな管理保存計画の下で耐震工事などが施され、現状を基本に整備が図られる
 ・晴れて市のお墨付きを得て、今以上の観光アピールが可能になる
 ・地権者は税制優遇を、住人らは管理修繕費用の公的補助を受ける権利が発生する

しかし、逆の部分もまた当然ある。いや、関係当事者にとってはデメリットの方が大きいかもしれない。

 ・市役所は現行の街づくりの改訂を迫られ、既に決まっているであろう工事業者にも御
  免なさいしなければならない。
 ・市以外の地権者は、再開発に際しての土地の買い上げを受けられない。
 ・商店主は、文化財である建築物利用に、ある程度の制約を受け、またこれを機に立ち
  退き料
で心機一転というのも叶わなくなる。

これらを思えば、かの「鞆の浦()」の様に、文化財保護という当案もまた、新たな「保護という名の暴力」として地域を蝕む危険を孕み、むしろ住民の方から反対の声が上がる事すら予想される。

だが、上記の様に「三方一両損」だからこそ、関係者各位は歩み寄れるのでは無いだろうか。自分はそこに一縷の望みを抱くのだ。

当方の案は、言わば張りボテの、荒唐無稽の類である事は理解している。現状で「今のままの風情の商店街の維持」という民意、我が意が向かうべき道筋が宙に浮いている事への危惧から、その方法論の研究を試みたもので、せいぜい今後の論議の「呼び水」程度にでもなれば報われる程度のモノだ。

また、市民運動に於いては民意の先鋭化こそが重要と考え、その研究に於いては「民意の受け皿となり得るか」を重視し、また「専門家の検証に耐え得るか」は、意図的に軽視した部分もある。よって、上記案を積極的に推すべきと訴える気は毛頭ない。拙速な代案づくりを促す気も無い。

しかし、市側に「ゼロベースでの協議」を受ける様子が一向に窺えず、邪な懐柔や強権を以て、彼らが計画を成し遂げようとしている現状は鑑みねばならない。例えば「関係者間で合意案が形成されるまでは、現状を追認させる」というのも「無駄な時間稼ぎ」として受け付けないだろう。

ならば、やがては住民の総意としての「具体的な代案」を提出せざるを得ない状況が予想される。その折は、どうか「何処ぞの門前町風に整備」の様な妥協案では無く、あくまでも「今のまま」を大前提とした対抗案の提起を望みたい。今、民意はそこにある。ならば商店街が目指すべき道はその中にあり、そしてその道筋は必ずあると信じる。


【了】
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by tototitta | 2010-11-04 18:14 | 日々日常 | ▲ TOP
小◯3 『文化財・桜山界隈商店街』の研究(上)
(記/なるほ堂)

■水は低い方へ流れる

まずは現在の署名活動を受けて、晴れて現桜山界隈商店街地区を「商業用地指定」に変更いただき、その後桜山神社との借地契約が切れる2014年までに、将来的な計画、つまり「どのような形で商店街を残していくのか」を、当事者同士で話し合っていただく、それが自分の希望する今後の道筋だった。

何だかそうも言っていられないらしい。

現在1年ごとに契約している市所有地部分の賃借について、市は翌年度の更新に難色らしく、また背後に市長が控える桜山神社も、2014年以降の契約延長を呑む目は無いだろうとのこと。

新たに協議機関の設置を提案し、一見して軟化に映る市側だが、しかし商店街の生殺与奪権を持つ彼らは、とうにその「余命」を定めている。例え今の公園案が「白紙」になっても、彼らは賃借の「停止」だけで商店街を殺せるのだ。

商店街側が協議という市の秋波を、現時点で撥ね付けたのは賢明だった。一部ではトーンダウンとも評される市側であるが、しかしそれは勘定所風建物といった類について。

「史跡は史跡らしい姿に整備する」

という計画案を堅持し、その余命をカウントダウンし乍ら、

「現案を叩き台とした修正案」

以外は話し合いの余地なしという態度は揺らいでいない。

予め死を定めた上での協議会は、協議会では無く、言わば住民招待の「お墓の選定会」である。住民の望みを一同に集め、同時にその一つ一つを「無理」と書いたハンマーでモグラ叩きし、ようやく皆が静まったところで、各種「現行案を叩き台とした墓」を揃えたパンフレットを示し、さっさと彼らの「道理」を通すセレモニー。

しかし、それを拒否したとしても、市は計画遂行への手順が一つ増えるだけに過ぎない。市は、住人から借地権を取り上げ、彼らを不法占拠者に変える事も可能なのだ。商店街が自らまな板に上るのを拒むなら、現在の「良き死神」の風情から「無慈悲な死神」へと変貌し、地権という生殺与奪権を以て、商店街を解体せしめるだけのこと。

例え水を塞き止めても、濁流はそれを越え、結局は低い方へ流れる。

ならば、「別の水路」を用意する必要がある。

死では無い、生に向かって伸びる水路を。





■別の水路

勿論、当事者の頭越しに「代案」を提起する事には憚りはある。何を以てこの桜山問題に於ける勝利とするかは、住民たちが決定すべきこと。生活者である彼らの選択に、無遠慮に口を挟む立場には無い。

そこに至るプロセスも然り。下手に現段階で二者択一を迫るよりも、先ずは市に「史跡は史跡らしい姿に整備する」という考えを撤回させ、全てをゼロベースとした上での協議の中で、商店街維持に適う具体的な計画案を、市と協調して見出そうというのも、一つの賢明なやり方である。

しかしその一方で、既に署名に参加した人の多くが望み、先のアンケートでも盛岡市民の40%が望んだ「今のままの風情の商店街の維持」という「希望」が、一向に肉付けされた「代案」として見えてこない事への忸怩(じくじ)たる思いは拭えない。例え現計画案を白紙撤回したとしても、その代わりの計画案が見えない現状、それは現在の市側の硬直的態度の一因でもある。

本当に「今のまま」を望むなら、如何なる計画案を以てそれを為すのか。
その計画案を見出すことは、実際に可能なのか。

よって、商店街の意向はそれはそれとし乍らも、一方で「今のまま」を叶える為の代案、即ち要求の試案を研究考察する事は無為ではないと考える。

例えば、史跡も公園も解除が難しいなら、また更に構造物に「文化財」という制約を被せてしまおうという、まア端的に言えば、

桜山界隈商店街を、『地方公共団体指定の有形文化財』

──というのは、如何なのかと。





■地方公共団体指定の有形文化財

各種保存建造物に於いて、いわゆる「◯◯文化財」には、以下の3つの形態がある。簡潔に紹介すると、
重要文化財(文化財保護法・第27条第1項)
有形文化財の内、文部科学大臣が重要として指定する文化財。

例:啄木・賢治青春館(盛岡市中ノ橋通)
登録有形文化財(同・第57条)
文部科学大臣により、文化財登録原簿に登録された有形の文化財。国レベルで厳選する重文指定制度のみでは不十分であるとして、一歩引いて届け出を「登録」するという形で、より幅広い保護を図るべく設けられた制度。主に近代の建造物が登録される。

例:米内浄水場水道記念館(〃上米内)
有形文化財(同・第182条第2項)
『地方公共団体は、条例の定めるところにより、重要文化財、重要無形文化財、重要有形民俗文化財、重要無形民俗文化財及び史跡名勝天然記念物以外の文化財で当該地方公共団体の区域内に存するもののうち重要なものを指定して、その保存及び活用のため必要な措置を講ずることができる』
──という条文に則り、地方公共団体が指定した有形の文化財。

例:木津屋池野籐兵衛家住宅(〃南大通り/岩手県指定有形文化財)
  啄木新婚の家(〃中央通/盛岡市指定有形文化財)

上記の3番目、つまり現在の「盛岡市文化財保護条例(リンク参照)」に基づいて、現在桜山参道地区に群立する商店街の建造物を「盛岡市指定有形文化財」に認定し、それを以て商店街の現状維持を図るよう市に要求する、そのような要求を「現状維持派」の旗印とする──それが今回記すところである。

ちなみに「桜山商店街は既に史跡盛岡城址の範疇であり、重複した文化財指定は不可能では無いか」と言う問いに対しては、

 ・昭和12年に史跡に指定された際には、これら上物(うわもの)は存在しなかった
 ・名古屋城の様に城跡一帯は史跡とし乍らも、その上に立つ建造物は重要文化財と、
  各々の性質によって個別に文化財指定している例がある

などの点から、現状で商店街建造物は史跡指定の範疇には無いというのが当方の見解である。また、先に文化庁はこれらの建造物を「史跡を構成する主要な要件以外の物」とした上で、文化庁の許可無くとも現状変更可能としている事からも、必要ならば再調整の上、「これら建造物は、史跡に含まれない」という確認を得るのは可能と考える。





■なぜ、盛岡市指定有形文化財か

数ある文化財形態の中で、なぜ「盛岡市指定有形文化財」に着目したのか。しかしその前に、そもそも「桜山界隈商店街は文化財に相当するのか」への見解を示す必要がある。そもそも「文化財」とは何か、「文化財保護法」より以下を抜粋する。
文化財保護法 第2条第1項第1号
第二条  この法律で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
1 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)

つまり、桜山商店街の建造物を、大戦後に日本中に発生した簡易店舗から始まり、昭和の佇まいを今に伝える「我が国にとつて歴史上価値の高いもの」と考え、その周辺群を「これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件」と考えるならば、桜山界隈商店街を文化財相当としても差し支えないというのが、当方の考えである。

その上で、なぜ「盛岡市指定有形文化財」を選んだのか。

理由は、その指定判断を所管する組織にある。「重要文化財、登録有形文化財」の場合、その所管は市の外部(文化庁)であるのに対し、盛岡市文化財保護条例に基づく「盛岡市指定有形文化財」の場合、所管は盛岡市教育委員会盛岡市文化財保護審議会である。

つまり、標的(まと)は小さく、見えるところに、そしてハードルは低く。

何より、この問題で現状維持派の最大の武器となりうるのは、それを推す「市民の声」である。ぶっちゃけ、建築物の客観的価値ではない。じゃじゃ麺の味の様に、簡単に外部の人間がその文化的価値を理解するとは期待し難い。

ならば、例えば「伊賀市庁舎の保存運動()」の様に、文化庁への「登録有形文化財申請」を市に要求する戦法、即ち市外戦や空中戦に持ち込むよりも、いたずらに戦場を拡大せず、「市民の声」が最大限生かされる「市内戦」を選んだ方が吉との考えである。



『文化財・桜山界隈商店街』の研究(下)へ続く】
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by tototitta | 2010-11-04 18:06 | 日々日常 | ▲ TOP
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