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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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『ブラック・スワン』は『レスラー2』だった
(記/minaco.)

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【『ブラック・ワンダー』あらすじ】あたしはトウが立ったバレリーナのワンダー。赤悪魔バレエ団のファーガソン監督は、新しい7番役にあたしを大抜擢したの。ずっと夢に見た大舞台のプリマの座。そりゃあ周囲から妬まれたし、プレッシャーのせいで身体のあちこちを傷めつけてしまったわ。なのに監督から「お前にはワンダーがある。だが、もっと黒ワンダーを解放しなきゃ使えねえ」って怒鳴られてばかり。だから毎日競馬場に入り浸ったり、お酒に溺れてみたり、大金をスろうが賭け事なら何でもやってみた。もうワンダーボーイには戻れないわ。身も心も汚れるうちに、やがて気付いたの。ああ、あたしを育ててくれたリバプールのママンだけど、本当はあたしが赤悪魔バレエ団で成功するのが気に障るのね。「フン!あんななんか所詮ELすら出られない三流のくせに!」って追い払ってやったわ。でも、元7番の先輩が監督に弄ばれた末に捨てられてボロボロな姿を見ると、とても怖くなるの。あたしもいつかああなるかもって。だって、他所から来たばかりの新人チチャリートって子が、せっかく掴んだあたしの7番を狙ってるのよ。自由奔放に愛されて、いつしかあたしの代わりに主役を張ろうだなんて…キイイイイ。いいわ、思い知らせてあげる。ダークサイドを…真の黒ワンダーを…!

そんなダーレン・アロノフスキー監督の新作、『ブラック・スワン』(2010)はバレエもの。バレリーナといえば優雅で繊細で華やかで、まるで少女漫画みたいに乙女心をくすぐる存在……だが、ちょっと待て。もしこれをバレエ好きなマダムなんぞが連れ立って観に行ったら、ドン引く事間違いなしじゃないか。

前作のアメプロを舞台にした男臭いガチ映画『レスラー』から、別に作風が変わった訳じゃない。全く接点なさそうなプロレスと(ストリッパーと)バレエでも、実は共通点が多いんだった。身体を酷使する仕事、エースやプリマを頂点とした閉鎖的な縦社会、リング上も舞台上も孤独で過酷。

アロノフスキー先生は、そういったガチ稼業を題材にするのがお好きらしい。ボクサーが主人公の『ザ・ファイター』でも製作総指揮を務めてるし。きっと否応無しに生身の身体を張った、「痛みの伝わるプロレス」を見せたいんじゃないかな。ドラッグ中毒の恐怖を容赦なくこれでもかと見せつけた超ダウナー映画、『レクイエム・フォー・ドリーム』もそうだったもん。


最初のうちは、クローズアップが続く心理ホラー=メンタル・スプラッターと呼ばれるベルイマン映画風かとも思ったけど、やがてむしろこれはメンタルよりフィジカルだと気付く。トウシューズを支度するバレリーナは、コスチュームや凶器を仕込むレスラーに符合して、カメラが商売道具を手入れする職人を見つめるように捉えてる。そしてクライマックスのダイブ。スローモーション。諸々の相似に確信しちゃった。こ れ は 『 レ ス ラ ー 2 』 (或いは『裏レスラー』) だ っ た の ね !

そんなプロレス脳監督だから、バレエ映画を観に来た観客がドン引きしても無理はない。バレリーナの極端にデフォルメされた苦痛を、肉体を通して延々と伝えてゆくのみ。身に付けた白い服が徐々にくすんで真っ黒に染まるまで、ひたすら痛みのオンパレード。しかも爪先指先に尖ったアレコレなもんだから、先端恐怖症にはかなり辛いんじゃないかしら。

そうして、プロレスラーとしてミッキー・ロークの老いた肉体を曝したのに続き、ナタリー・ポートマンをバレリーナとして身体を張らせるアロノフスキー先生であった。どちらも役者自身が醸し出すイタさを強調してるのがミソ。子役から大人になるにつれ潰しの利かなくなってしまったナタリーさんだが、その「いびつさ」を前面に押し出し、ミッキーには届かなかったオスカーも獲得。人形みたいに整いすぎて何かツラい容姿が正にハマリ役であった。

おフランスの演出家ヴァンサン・カッセルも、落ちぶれプリマのウィノナ・ライダー(余りにオーラが無くてしばらく気付かなかった)も、その他みんなこれしかないってくらい絶妙な配役だけど、ベタすぎるとも言える。そもそもバレエ=「白鳥の湖」ってストレートすぎ。実は笑えるほどベタでコテコテな映画だと思うし、それがアロノフスキー先生の芸風なのかもしれない。

「ブラック・スワン」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
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by tototitta | 2011-10-31 00:10 | 映画 | Comments(0) | ▲ TOP
或いは強烈にダウナー系『メアリー&マックス』
(記/minaco.)

メアリー&マックス [Blu-ray]

Happinet(SB)(D)



いきなり余談ですがワタシも昔、文通してました。雑誌のペンフレンド募集コーナーとゆう当時のベタベタなきっかけで始まり、小学生~ハタチくらいまで続いた。そのくらい長い時間の中ではお互い変化してゆくもので、特に彼女の方は途中から韓国や中国大陸を放浪し始め、旅先からエアメールが届くようになる。結局一度も会う事なく、暮らす環境も対照的なのに、不思議といつも繋がってるような気がする友達だった。どうしてるかなあ、まさみ。


でも映画を観てる間はそんな事を思い出す余裕もなく、殆ど泣きっぱなし。コンプレックスや不安定な感情や孤独に苛まれない人が観たら、ああ良い話だね、って映画かもしれないけど、どこか身に覚えのある人が観ると相当に辛いものがあります。その時ワタシは、『メアリー&マックス』(2009)で言うところの中盤辺りに居た。

オーストラリアに住む8才の女の子メアリーと、ニューヨークに1人暮らしする40代男マックスが手紙をやり取りする、20年もの長き時間の物語。ふと思うのは、この2人の関係がかなり偶然に左右されてること。

メアリーがアメリカ人へ手紙を出そうと思い立ちマックスを見つけるのも、マックスからの返事がたまたま運良く見つかるのも、お互い同じTVアニメが大好きなのも、お互い友達を求めてるのも、そしてメアリーがマックスからの大事な小包を受け取るのも、偶然がなければどうなっていた事か。実話を元に作られた物語だと言うけれど、本当に、これら偶然がなかったら酷く悲惨な事になってたはずだもの。

ともあれ年齢も環境も離れた2人には、少しだけ接点があった。メアリーが自分の身の回りの話やお薦めのチョコを取り留めなく手紙に託すと、マックスはタイプライターで延々と身の上話を語り、お薦めのレシピを返す。お互い打ち明け話をしながら、思い出したように追伸の中で相手に答えるのが不器用さの現れかもしれない。何しろ友達なんて1人も居なかったのだから。

メアリーの家族や同級生、マックスの隣人たちもまた、コミュニケイションが不器用なだけで、彼らを拒絶してる訳ではなかった。醜悪に見える関係性は多少いびつなだけで、やや一方通行だっただけ。

それに、コンプレックスを消せばなりたかった自分になれるなんて望んでも、実は問題はそこじゃなかった。環境や周りの人の問題でもない。そもそも病だったり容姿だったり心の弱さだったり、誰もみんな不完全な人間だから、この世界は不完全だから。まずはそれを受け入れなきゃ。

映画はそう伝えているけれど、描かれる現実はとても身につまされる。信頼関係が壊れてしまったら、2度と修復できない可能性だってある。メアリーもマックスも偶然のおかげで救われただけかもしれない。そのくらい、人は脆いのも確かなんだ。メアリーがいなければ、きっとマックスは孤独なままだった。マックスがいなければ、メアリーも孤独なままだった。宝くじに当たるように、偶然の出会いはむしろ奇跡と言った方がいい。

クレイ・アニメの柔らかな質感や、セピア色とモノクロに分けられた2つの世界は繊細で温もりあるものだし、2人の声を担当したフィリップ・シーモア=ホフマンとトニ・コレットの演技もさすがの説得力。淡々とした手紙の声には痛みや諦念が滲みつつ、決して哀れじゃない。文面は対等だけど、やはり大人のマックスの方が孤独の年季が違うのだし、そのささやかなプライドを静かに表現してるシーモア=ホフマンは素晴らしいよ。
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by tototitta | 2011-10-04 00:25 | 映画 | Comments(2) | ▲ TOP
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