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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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2011年の映画ベストイレブン
(記/minaco.)

今年も劇場であまり観られなかったんだけど、年末メモとして振り返っておきます。色々見逃してるのが多いなあ。寒くなると出不精なもんで。迷ってるうちに上映終了とか。最近では『マネーボール』も『ゴーストライター』も行けず終い。やっぱり「い つ で も 観 ら れ る と 思 う な 、行 け る 時 に 行 け」を教訓として胸に刻みたいと思います。

なお、一般的には昨年の封切り作も含むけど、あくまでこちらで今年公開された映画という事で。

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まずベスト5を順不同で。

『ソーシャル・ネットワーク』
ナウな題材だからって訳でなくて、映像や若手俳優含め一番新鮮な「旬」を感じた。結局、普遍的な青春映画ってのが魅力。同じく実在人物もの『アビエイター』や『J・エドガー』のディカプリオの演技に致命的に足りないものが、ジェシー・アイゼンバーグにはある。
イチ押しのマックス・ミンゲラくんがパッとしない役だったけど、準主役の『アレクサンドリア』を見逃したのが心残りです。

『エリックを探して』
ああ、あたしのエリック!

『リトル・ランボーズ』
少年達のいじらしさ、健気さにとめどなく泣かされた。そもそも『ランボー』観てランボー映画作りなんて反則だよ。

『ブルーバレンタイン』
ロマンティックで暴力的。非常にダウナーなんだけど、ベルイマン『ある結婚の風景』が大変ツボな自分には、ダウナー夫婦映画としてその系譜に続きます。それにしても、あの鷲のプリントTシャツは!

『ファンタスティック Mr.FOX』
これぞ野生の生きもののロマン!ロマン主義バンザイ!おー!

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そして、残りの6本(順不同)。

『ツリー・オブ・ライフ』
難解だとかポカーンだとか、宗教観や宇宙や恐竜だとか、何を今更。テレンス・マリックが新作作ってくれるだけで満足。比較できないポジション。

『マチェーテ』
我がロドリゲスの新作を2本も観られた今年。『スパイキッズ4D』も大好きだけど、とりあえずビバ☆トレホ(66さい)で。ロドリゲスは君を裏切らないぜ。

『シングルマン』
これぞミッドセンチュリーのロマン!ご飯3杯いける。

『MAD探偵 7人の容疑者』
特筆すべきは、今年ジョニー・トーさんの映画を色々観れたこと。噂通り面白い。一番良かったのは旧作『柔道龍虎房』だけど、『MAD探偵』も有り得るようであり得ない展開が可笑しい。特に嫁の存在が凄かった。

『ステイ・フレンズ』
冒頭から台詞を追うのに忙しいくらい、脚本がネタてんこ盛り。ハイカラで楽しい。それに、ダーマ(@ダーマ&グレッグ)がダーマっぽい役で出てたのも嬉しい!そうか、ラリー・フィンケルシュタインの老後も世話してるのか…なんて。しかし、歌うジェスティン・ティンバーレイクを知らぬままに映画俳優として1年に2本も観る事になるとは。しかも尻まで。

『インモータルズ -神々の戦い-』
ターセム、あなた実はプヲタだったのね?!と妄想しながらとても盛り上がった。ギリシャ神話とか教養のないワタシは、全能の神ゼウスさん=全能のプロレスラー三沢さんに置き換えて観ました。
つまり、ミッキー・ザ・レスラーは「三沢さん、ずるいぞ俺と戦え!」と因縁吹っかけてリングに担ぎ出そうとするんだけど、いかんせん三沢さんは他団体なぞ相手にしない。やがてノアの若手レスラーが勝手に参戦するのを見かねて、遂にリングに降りた時の脳内三沢コール!えげつない本気エルボー炸裂!(実際エルボーが必殺武器として登場します)燃えたね。『300』では燃えなかった心が燃えた。

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さて、最後に2011年の新作ではないけど、今年観て心に残った1本を。ドリュー・バリモアさん初監督作『ローラーガールズ・ダイアリー』(2010)です。

ローラー・ゲームという女子競技を舞台に、大げさに言えば「女子の生き様」を語る映画。主役は女子高生エレン・ペイジちゃんだけど、彼女の世代ばかりでなく、ローラーゲームの年増スター(ジュリエット・ルイス)、ミスコン主義の母親(マーシャ・ゲイ・ハーデン)という3世代の女性がフェアにリスペクトされ描かれてるのが素晴らしかった。型に縛られない現在形の女子も、その上の痛い青春を送った世代も、そのまた上の保守的ながら強い世代も、みんなそれぞれのやり方で闘ってる。だから1本筋が通ってるし、清清しい。

例えば、W杯優勝の日本女子代表や、現在wowowで観られる「ランジェリー・フットボール」競技の選手たちにも同じような爽快さを感じるんだった。コーチ監督は男性、でも主導権やモチベーションはあくまで女子自身。自由だし勇敢だし、ブレない。

昔の「東洋の魔女」や漫画「エースをねらえ!」にあったフォーマット、カリスマ指導者に身を委ねて導かれるって構図はもうない。だって、「岡、エースをねらえ」って言われなくても彼女達は自らエースを狙って掴み取るんだもの。W杯決勝で日本に敗れたUSA代表(ソロさんかっけー)も、そのプライドは負けてなかった。彼女達は「勝つ為にやってるんでしょ、勝たなきゃ明日なんかないでしょ」って腹が据わってるように見える。

そして時代によってやり方や環境が違っても、女子競技の選手達には脈々と信念が続いてるんだと思う。この映画のように。

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# by tototitta | 2011-12-30 00:49 | 映画 | Comments(2)| ▲ TOP
よいこのための『スパイキッズ』シリーズ
(記/minaco.)

スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション 3D&2D(Blu-ray Disc)【初回限定生産】

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ワタシが劇場で初めて3D映画を観たのが、ロバート・ロドリゲス監督『スパイキッズ3-D』(2003)だった。当時は3D映画が盛んになるずっと以前で、むしろ3Dなんて時代遅れの色モノ扱いな訳で。映像技術だって現在の方式とは違う旧式3Dだったし、緑色と赤色のセロファンメガネを掛けて、いわゆる「とびだす映画」を観たものだった。しかもたった1人、貸切状態で。

そして今回の新作『スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション』(2011)も、4D映画の初体験。つまり、ワタシは『アバター』とか『ハリポタ』じゃなくて、ロドリゲスによって映像新時代を体験させてもらってる事になる。

4Dと言えば4次元だけど、この映画は現方式3D+「匂い」付き。いや、匂いと言っても予め渡された匂い付きカードを、スクリーンに登場する番号順に各自「こすって指で嗅ぐ」仕組み。大昔にジョン・ウォータースが『ポリエステル』って映画で実践したのと同じく、非常にアナログな方法なんだった。
で、せっせとカードをこすって嗅ぎましたよワタシ。
今回も た っ た 1 人 、 貸 切 状 態 で !(泣)

ぶっちゃけ、匂いはほんのオマケで特に意味なんかないんだけど、そのムダさが素晴らしい。おかげで初の最新式3Dメガネ装着体験をして、3Dメガネonマイ・メガネがこんなに難儀だと知り、その上匂い付きカードまで。何せ他に観客がいないので、どうしたもんかと暗闇で必死に格闘する羽目に…。

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さて、よいこのみんなはメキシカン家族がスパイ一家として活躍するこのシリーズ、もうお馴染みだよね?一応おさらいすると、初代パパはマリアッチのバンデラス、ママは『シン・シティ』でもセクシーなカーラ・グギノ、その子供はお姉ちゃんカルメンにくるくる頭の弟ジュニ。便利な秘密兵器を作ってくれる叔父さんは、マチェーテことダニー・トレホさんだよ!リアル前科者だけど優しい人だよ!みんなロドリゲス・ファミリーだね。

今回は、同じスパイ組織のママで可愛いジェシカ・アルバさんが参戦するよ。主役は勿論子供たちだけど、お姉ちゃんと弟も新しい子に交代なんだ。前任スパイキッズはもう大人になっちゃったからね。でもご安心、カルメンとジュニもちゃあんと登場するから。嬉しいよね。ジュニはトレホ叔父さんと『マチェーテ』に出てたから知ってるけど、すっかり立派になっちゃって…登場シーンも無駄にカッコ良くて。あ、初代パパママは一瞬写真で見えるだけで、ジョジクル大統領も出て来なかったけど、もう退職&任期切れしちゃったから仕方ないかな。

そんな訳で、もしこれまでを知らなくても大丈夫。子供たちが世界の危機を救うのはおんなじだからね。それに、よいこのみんな大好きな下ネタが沢山あるのも変わらないよ!ゲロが飛び出したり、ワンコのお尻の穴からいろんなものが出てきたりね!だって、ロドリゲス映画はドリフみたいなものなんだ。くだらない下ネタやバナナの皮で滑るようなベタベタなギャグに、何故あの頃の子供たちが異常なテンションで反応したのか、ロドリゲスはそのスピリットをよくわかってるんだ。そんな子供たちのために、きっと誠意を込めて真剣にこのシリーズを作ってるんだよね。

ロドリゲスのテーマはいつも家族。『スパイキッズ』シリーズでも他のバイオレンス映画でも、それは一緒さ。「兄弟仲良く」とか「家族を大切に」とか、よいこにとって大事なことを伝えてるんだ。それだけじゃない。「子供には不可能なんかない」とジュニに言われて、つい目頭熱くなっちゃったよ。これ、ジュニが言うからこそ良いんだよね。例えサエなくても、小さくても、みんなで力を合わせれば何か大きなことができるんだって。そういやロドリゲス自身の長男はロケットくんって名前で、どこへでも飛んでいけるように、って名付けたらしいよ。

そう、映画作りだって同じじゃないかな。ロドリゲスは従兄弟のトレホおじさんや、古い仲間や大家族と一緒に映画を作ってきたんだ。そして、長年連れ添った後離婚してしまった奥さんのエリザベスさんが、今でもちゃんとプロデューサーを務めてるし。更に言うと、チカーノ(メキシコ系アメリカ人)のロドリゲスにとって、メキシコ人そのものも家族。だからこそ、ハリウッドで悪役扱いされてたメキシコ人をヒーローにしてギャフンと言わせたんだ。みんな、ファミリーによるファミリーのための映画なんだね。

そんな『スパイキッズ』シリーズを、よいこのみんなに是非観てほしいな。匂いを指でこすって大騒ぎしながらね。そして学校や家でスパイごっこを真似したり、下らないいたずらしたり、ゲロ袋を投げたりして、大人をギャフンと言わせてほしいな。だって、真っ当にとっても正しい子供向け映画なんだから。

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# by tototitta | 2011-12-03 01:22 | 映画 | Comments(0)| ▲ TOP
『ブルーバレンタイン』~動物プリントTはやばい
(記/minaco.)

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どうでも良いけど、最近観るハリウッド女優さんの中ではミシェル・ウィリアムズとか、キャリー・マリガンのような丸顔系が好みのタイプです。肉質が柔らかそうで生々しい感じ。逆に『トワイライト』のお嬢さんとかキーラ・ナイトレイみたいなガリガリ三日月顔は苦手だな。

で、予告編の只ならぬ雰囲気にも惹かれ、ミシェル・ウィリアムズ主演の『ブルーバレンタイン』(2010)を観た。

何が只ならぬかとゆうと、男女の恋愛ものでありながら非常にダウナー系なこと。観るならいっそ思い切りダウナー映画を欲する時もある。若い夫婦のどんよりした現在と、出会った頃の瑞々しい過去が交互に進行する物語なんだが、オープニングからしてデート向けのメロドラマとはとても思えない渋い映像なのだった。

まるでヌーヴェルバーグかギャング映画か、はたまたカラックスかと思うよなタイトルバック。"BLUE VALENTINE"って大きなフォントが暴力的でもあり、これだけで度肝を抜かれる。穏やかな陽光の中、幼い娘と汚い父親の他愛もないやり取りにも何故か緊張感漂う。映像のトーンや音楽の使い方はちょっとグランジ世代のダルさが特徴で、とても現代的。疲れきった生活感とロマンティックな青春がコラージュされ、ザッピングされ、観る側の想像が行間を埋める。

夫婦がこうなってしまった原因が何なのか、いつどこにあったのか、別にコレといったきっかけを提示してない。どちらかに非がある訳じゃないし、娘を大事にしてるし、家庭を守ろうとお互い努力もしてるけど上手く行かないのが現実で、だからこそ身につまされる訳で。発散しきれないストレスに息苦しさが募るのみで。台詞で言わない部分にこそ、本質を読み取れる訳で。

愛の不毛…といえば、この監督はベルイマンのダウナー系夫婦映画の傑作『ある結婚の風景』を観てるのかなあ。きっと脚本を丹念に練り上げ、妥協無く俳優を酷使して撮影されたんだろう。多かれ少なかれ身につまされる話だけど、どこか'80年代のヤンキー系少女漫画風味漂うのがミソ。


それでもとにかく、夫を演じたライアン・ゴズリングはやばい。役者バカとゆうか、毎度偏執的に役作りするおかげでどんどん変態じみてきてる。若かりし青春時代は気の良い優男としてまあイケメンと言えるんだが、現在の姿はハゲ散らかしてヘンな眼鏡して、ヤニ臭い体臭も匂いそうなオッサンぶり。妻ミシェル・ウィリアムズがそれほど激変してないのに比べ、アンタやりすぎ!ってくらい強烈なインパクトである。

但し、特筆すべきはハゲ頭よりも何よりも、着てるTシャツの動物プリントであった。これはやばい、やばすぎる。だって、旦那が大阪のおばちゃん愛用豹柄プリントみたいなキッツいTシャツ着倒してるんですよ。そりゃ百年の恋も醒めるわな、って説得力有りすぎでしょう!他のどんな事も許せても、動物プリントだけはアウトだろ。男女関係の変移をこれほど端的に表すアイテムはない。むしろそれが破局の要因と言っても過言じゃないかも…ってくらい見事なチョイス。

そんな風に冷徹なリアリズムを突き詰めた演出なのだが、ラストは抽象的象徴的な映像美で締めくくられる。映画が終わる時、独立記念日の花火と共に儚ない記憶のコラージュが散ってゆく。暗闇に浮かぶ幻の残像が美しすぎる。

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# by tototitta | 2011-11-19 01:00 | 映画 | Comments(0)| ▲ TOP
『ブラック・スワン』は『レスラー2』だった
(記/minaco.)



【『ブラック・ワンダー』あらすじ】あたしはトウが立ったバレリーナのワンダー。赤悪魔バレエ団のファーガソン監督は、新しい7番役にあたしを大抜擢したの。ずっと夢に見た大舞台のプリマの座。そりゃあ周囲から妬まれたし、プレッシャーのせいで身体のあちこちを傷めつけてしまったわ。なのに監督から「お前にはワンダーがある。だが、もっと黒ワンダーを解放しなきゃ使えねえ」って怒鳴られてばかり。だから毎日競馬場に入り浸ったり、お酒に溺れてみたり、大金をスろうが賭け事なら何でもやってみた。もうワンダーボーイには戻れないわ。身も心も汚れるうちに、やがて気付いたの。ああ、あたしを育ててくれたリバプールのママンだけど、本当はあたしが赤悪魔バレエ団で成功するのが気に障るのね。「フン!あんななんか所詮ELすら出られない三流のくせに!」って追い払ってやったわ。でも、元7番の先輩が監督に弄ばれた末に捨てられてボロボロな姿を見ると、とても怖くなるの。あたしもいつかああなるかもって。だって、他所から来たばかりの新人チチャリートって子が、せっかく掴んだあたしの7番を狙ってるのよ。自由奔放に愛されて、いつしかあたしの代わりに主役を張ろうだなんて…キイイイイ。いいわ、思い知らせてあげる。ダークサイドを…真の黒ワンダーを…!

そんなダーレン・アロノフスキー監督の新作、『ブラック・スワン』(2010)はバレエもの。バレリーナといえば優雅で繊細で華やかで、まるで少女漫画みたいに乙女心をくすぐる存在……だが、ちょっと待て。もしこれをバレエ好きなマダムなんぞが連れ立って観に行ったら、ドン引く事間違いなしじゃないか。

前作のアメプロを舞台にした男臭いガチ映画『レスラー』から、別に作風が変わった訳じゃない。全く接点なさそうなプロレスと(ストリッパーと)バレエでも、実は共通点が多いんだった。身体を酷使する仕事、エースやプリマを頂点とした閉鎖的な縦社会、リング上も舞台上も孤独で過酷。

アロノフスキー先生は、そういったガチ稼業を題材にするのがお好きらしい。ボクサーが主人公の『ザ・ファイター』でも製作総指揮を務めてるし。きっと否応無しに生身の身体を張った、「痛みの伝わるプロレス」を見せたいんじゃないかな。ドラッグ中毒の恐怖を容赦なくこれでもかと見せつけた超ダウナー映画、『レクイエム・フォー・ドリーム』もそうだったもん。


最初のうちは、クローズアップが続く心理ホラー=メンタル・スプラッターと呼ばれるベルイマン映画風かとも思ったけど、やがてむしろこれはメンタルよりフィジカルだと気付く。トウシューズを支度するバレリーナは、コスチュームや凶器を仕込むレスラーに符合して、カメラが商売道具を手入れする職人を見つめるように捉えてる。そしてクライマックスのダイブ。スローモーション。諸々の相似に確信しちゃった。こ れ は 『 レ ス ラ ー 2 』 (或いは『裏レスラー』) だ っ た の ね !

そんなプロレス脳監督だから、バレエ映画を観に来た観客がドン引きしても無理はない。バレリーナの極端にデフォルメされた苦痛を、肉体を通して延々と伝えてゆくのみ。身に付けた白い服が徐々にくすんで真っ黒に染まるまで、ひたすら痛みのオンパレード。しかも爪先指先に尖ったアレコレなもんだから、先端恐怖症にはかなり辛いんじゃないかしら。

そうして、プロレスラーとしてミッキー・ロークの老いた肉体を曝したのに続き、ナタリー・ポートマンをバレリーナとして身体を張らせるアロノフスキー先生であった。どちらも役者自身が醸し出すイタさを強調してるのがミソ。子役から大人になるにつれ潰しの利かなくなってしまったナタリーさんだが、その「いびつさ」を前面に押し出し、ミッキーには届かなかったオスカーも獲得。人形みたいに整いすぎて何かツラい容姿が正にハマリ役であった。

おフランスの演出家ヴァンサン・カッセルも、落ちぶれプリマのウィノナ・ライダー(余りにオーラが無くてしばらく気付かなかった)も、その他みんなこれしかないってくらい絶妙な配役だけど、ベタすぎるとも言える。そもそもバレエ=「白鳥の湖」ってストレートすぎ。実は笑えるほどベタでコテコテな映画だと思うし、それがアロノフスキー先生の芸風なのかもしれない。

「ブラック・スワン」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

# by tototitta | 2011-10-31 00:10 | 映画 | Comments(0)| ▲ TOP
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