☆Best of ドキュメンタリー
『イヴ・サンローラン』(2010/仏)
ファッション界には疎いけれど、このドキュメンタリーはファッション自体よりも、サンローランとピエール・ベルジェ氏の愛の記憶。ベルジェ氏自身が語る、孤高の天才を長年支え続けた愛の賛歌、その内助の功に泣かされる。屋敷を埋め尽くす物凄い数の美術品調度品を惜しげもなく全て売り払ってしまうのも、何となく解る気がして切ない。
ついでに、2人の関係がまるでホームズ&ワトソンにも重なり、サンローランがベネディクト・カンバーバッチに見えたわ。
次点:
『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』(2011/仏&米)
☆Best of 主演男優
エディ・レッドメイン@『マリリン 7日間の恋』(2011/英&米)
ミシェル・ウィリアムズのマリリンにうっとりしつつ、でも本来の主役はエディ・レッドメインくん。当初は魔性で売り出してたのに、『幸福の黄色いハンカチ』リメイクで鉄矢をやってからは、すっかり童貞キャラが板に付いちゃった。でもやっぱり、あのエロいそばかすと唇はけしからん子!『レミゼ』での歌声も楽しみ。
☆Best of 助演男優
マーク・ラファロ@『キッズ・オールライト』(2010/米)&『アベンジャーズ』(2012/米)
つつがなく暮らすレズビアン・カップルの家庭に、かつての精子提供者が現れて波風が。とにかく、この映画はマーク・ラファロですよ。モテモテなんですよ。それも納得。登場した瞬間からラファロの声や喋り方が心の隙間に沁みるんである。嵐でも突風でもない、ちょうど良いそよ風のように家族に入り込んで、つい気を許してしまう。彼じゃなかったらそうはならない。
『アベンジャーズ』は未見だけど、きっとハルクも良い感じに隙間を埋めてるのでは。
☆Best of 主演女優
キルスティン・ダンスト@『メランコリア』(2011/デンマーク/スウェーデン/フランス/ドイツ)
キルスティン・ダンストは常に「全身女の子」であり、同時に老婆みたいでもあり、それが得難い強み。風格や貫禄すら感じた。
しかし巨大惑星メランコリアの衝突も怖いけど、シャルロット怖い、怖いよー。いやもう、こんな姉に義兄に両親に上司に部下に、加えてベティだらけの豪華披露宴って参るわー。キルスティンじゃなくてもほんと参るわー。って同情する自分も病んでるのかしらん。ちなみに、夜空に浮かぶバカでかい月を見るとメランコリアを思い出すようになってしまった。
☆Best of 助演女優
アナ・ケンドリック@『50/50 フィフティ・フィフティ』(2011/米)
一生懸命だけどどこかズレてて、若干ウザいキャラは『マイレージ・マイライフ』の時と被るウサギ顔のアナ・ケンドリック。良いポジションです。『ガラスの仮面』映画化の際には、ゼヒ乙部のりえをやらせたい。
次点:シャイリーン・ウッドリー@『ファミリー・ツリー』(2011/米)
このお姉ちゃんが意外と美少女で、すらりとした手脚や微妙なお色気になまいきシャルロットを思い出した。
☆Best of 80'S
『ドライヴ』(2011/米)
こそばゆさ満載の80年代感がヒシヒシと(ベタな音楽、タイトルバックのピンクのフォント、Gジャン愛用)。そもそもライアン・ゴズリングとキャリー・マリガンは、モロに立原あゆみが描いたヤンキー漫画(読んだ事はない)かと思うし、映画自体もそんな感じ。あの間がね。間だよ間で語るんだよ!うはー(恥)。
そして、ロドリゲスの初期作『ロードレーサーズ』ともビジュアルの雰囲気が通じるような。主人公のクレイジーさも。クレイジーとロマンは比例する。
ただどうも最近はバイオレンスに食傷気味で、嫌いじゃないけど胃がもたれる年頃らしい。それに、バイオレンスには笑いが欲しいところ。例えばペキンパーにしろロドリゲスにしろ、カッコよすぎて、やりすぎて笑っちゃう、みたいな。
☆Best of 未公開DVDスルー
『戦争より愛のカンケイ』(2010/仏)
期待せずに観たら、最近のフランス映画ではちょっと新鮮で面白かったポリティカル・コメディ。全く対照的なカップルが世界の調和を探すお話。これってフランス版『ダーマ&グレッグ』だ!
エピソードに出てくる「ベータ派」「ジョスパン派」の悲哀が堪らないw実は民族、移民、イデオロギーなどシリアスなテーマが扱われてるんだけど、それも理屈に走らず嫌味がないし。全裸がバンバン出てきてもエロくない。自分ツッコミで進む展開もなかなかグッとくるオチがあって、巧い脚本。いっそシリーズ化しても面白そう。
次点:
『アナザープラネット』(2011/米)
もう一つの『メランコリア』みたいな、暗黒女子SF。
☆Best of 眉毛
『白雪姫と鏡の女王』(2012/米)
これは♪りんごとハチミツとろ~り溶けてるバーモンドカレー映画だった!(←誇張はしてない)眉毛姫(リリー・コリンズ)がすごくカワイイ。7人のリアル小人が大活躍するわ、アーミー・ハマーの古典的な顔がバカ王子様ぴったりで素晴らしいわ、ショーン・ビーン登場には吹くわwで大変楽しかったです。
贅沢なレース使いやディズニーアニメの色彩を思わせるドレスも最高(そんな豪華衣装がまるで似合わないビーンさんの出オチww)。故・石岡瑛子さんの最後の仕事がこんなにハッピーな映画でよかったな、とホロリとさせられたりもしつつ、しかし石岡さん亡き後、ターセムは一体どうすればいいのか…。
☆Best of タイトルバック
『007/スカイフォール』
ボンド映画といえばゴージャスなタイトルバック。力入ってます。今回の主題歌はアデル姐さんだが、ワタシはやっぱりエイミー・ワインハウスに一度やらせたかった…無念。