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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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skin by なるほ堂
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第五話『ホワイトハートレーンを封鎖せよ!』
(記/なるほ堂、絵と監修/minaco.)

【#05 Tottenham Hotspur 1 - 3 Man Utd】
放送日程変更のお知らせ:予告した「Stretford Endにほえろ!」第5話『ワンダー、怒りのロンドン!』は、日程を改めて放送致します。お詫びして訂正致します。
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2009年9月13日──
赤悪魔署ドレッシングルーム。各自2週間の里帰りを終え、久方ぶりに集いしその部屋、とりわけウェイン刑事ら、イングランド人たちの表情は明るい。

彼ら咲かす話題は、来年6月の『4年おきの世界旅行』──
08年の『4年おきの欧州旅行』には行きそびれたが、来年は『(株)伊太利亜優勝請負本舗』の名ツアーコンダクター、カペッロ氏に引率され、南アフリカに行くことが決まったという。

だが、その輪から外れて一人寂しく──イングランド人、ワンダー刑事。

「もう、あれから四年が経とうというのか……」

2010年の世界旅行、目的地のドイツで遭遇した事件。そこで残した、現場突入開始僅か1分で負傷退場という、警察史上最短の記録。汚点──あの日を境に、彼の「世界最優秀刑事賞」「洋服の青山イメージキャラクター」という栄誉は過去に葬られ、今日に続く試練の日々が始まった。

(……俺も行くぜ、南アフリカへ! ……その為に、おれはこの赤悪魔署に来たんだ!)

だが、ワンダー刑事が「世界旅行」に参加するには、まだ「旅行積立金」が足りない。
未だ薄い積立金袋を膨らます為にも、この赤悪魔署で、一人でも多くの犯人を逮捕しなくては。

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その時、彼らに出動命令が下る。館内放送で鳴り響くボスの声──
北ロンドンのコンビニエンスストア
『ホットスパー・トッテナム店』
を強制捜査せよ! 彼らはここ数年、「今年こそビッグ4に割って入るから」という虚偽の約束手形を乱発し、フランチャイズの加盟者(サポーター)たちを騙し続けている模様だ。被害者が増えないうちに、身の程を思い知らせてやれ。
ホットスパー……ベルバトフこと、今や押しも押されぬハリウッドスターのアンディ・ガルシア刑事にとり、耳に覚えある、その店の名。未だ駆け出しの役者だった頃、彼はそこでアルバイトをして糊口を凌いだ経験があるという。キャリック砲も然り。彼らの情報により、容疑者の素性は割れた──
北ロンドンにて「町の一番店」を目指して旗揚げしたコンビニ、正式名称『トッテナム・ホットスパーFC(フランチャイズチェーン)』。一時はリネカー弁当、ガスコイン饅頭といった人気商品を並べ、羽振りのいい時代はあったが、その後徐々に外国資本の大型店や、タレントショップ『ガナーズ』に客足を奪われ、経営は悪化。

昨年度には、再興願う加盟者たちの、新商品を「取ってなむ、取ってなむ」という願いに応え、スペインからファンデ・ラモス店長を招聘。流行りの多国籍コンビニ化を計るも、これが大失敗。買い手のつかぬ「売れ残り選手」を値引き安価で売り払う訳にもいかず、サポーター加盟店の止まらぬ減少の態は、本家さながらである。

しかし昨年、新たにレドナップ店長を迎えて以来、再び業績は向上。一旦就職し乍らも、大企業勤めは性に合わぬと出戻って来たバイトリーダー・キーンと共に「今年こそビッグ4」キャンペーンを展開、開幕から四連勝という好営業成績を挙げ、コンビニの立地するホワイトハートレーンには淡い夢に賭けるフランチャイズ希望者が殺到中──
どうやら一筋縄ではいかぬ相手の様だ。

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「いらっしゃいませ、こんにちはぁ」

店内に突入した赤悪魔署を、左にキーンを配置した今日のバイトシフトが迎え打つ。倉内こと商品陳列用の「アルミ脚立」に上空を支配され、早くも一失点のダメージを負う刑事たち。

しかし、ビッグ4の壁は厚い。当時は時給以上は働かないバイト美学の持ち主だったベルバトフの献身的な捜査がパラシオス容疑者の違法行為を呼び、そこから胸毛刑事が左足一旋。たちまちホットスパーの目論見は振り出しへ。

更に丸顔のブラジル人、「アンパンマン」ことアンデルソン刑事が追い討ちをかける。

♪何の為にユナイテッドに来て、何処のポジションで生きるのか、わからないまま終わる──

それがこれまでの彼の試合の常だった。しかし、遂に炸裂したアンデルソンのパンチの効いたミドル、略して「アンパンチ」が、赤悪魔署にリードをもたらす。

懸命に挽回目指すホットスパー。しかし頼みの「2メートルのアルミ脚立」は鼻曲り刑事に足下をグラグラ揺らされ、思うに任せず。にも関らず、「全ては倉内の頭経由」というマニュアル通りにしか行動出来ないバイトたち。例の如く、過剰暴力の違法捜査で赤毛刑事が送還されるも、赤悪魔署優勢の流れは変わらず。
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戦前は脅威と目されたレノン容疑者も、散発。
ジョン・レノンからジュリアン・レノンまで、日によって出来に振り幅の大きい彼だが、今日の出来はショーン・レノン級といった所か。左サイドの戦いは、前日に雨中の鹿島で川崎フロンターレと戦ったとは思えぬスタミナを披露した、エブラに軍配が上がる。

せめて、モドリッチさえ居れば──店内を包む溜め息。

このホットスパーで、近年一番の売れ筋であった携帯型育成ゲーム『もどりっち』。
かつて一世を風靡した『ぼくしっち』、いまいちヒットしなかった『らぱいっち』など、所謂「クロアチアで発見!! ◯◯っち」シリーズの後継機である。ちなみに『もどりっち』は、上手に育てるとヨハン・クライフになるらしい。だが、バーミンガムの悪童「リー坊や」に破壊され、今店頭にその姿は無い。最早打つ手無し──
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「お前たち、魂(スピリット)を見せろ!」

レドナップ店長が叫ぶ。しかしこの店の陳列棚には「酒(スピリット)」は置いていなかった。ポール・ガスコインが全て飲み干して以来……。

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ウェイン刑事の留めの一撃で、勝利を決定づけた赤悪魔署。
残務処理、ゴール前の交通整理に勤しみながら、還ってきた婦警のリオ姐さんは思った──

花とサッカー選手の命は短い。
いつしかリオ子も三十路も過ぎ、選手として、女としての「売り時」も残り僅か。
このままここで売れ残るも良し、でもそんな時、私の元に届いたスペインからの縁談話。
国際結婚、寿退社、今なら結納金が幾ら入るのかしら?──そんな思いに揺れた日もあったわ。
でも、やっぱり赤悪魔署には私が必要なのね……。


捜査終了の笛が鳴る。
筆者は思う。勝敗を分けたのは、退場を怖れてパラシオス容疑者を引っ込めたコンビニ店長と、退場を怖れず……いや退場するのが判り切っているにも関わらず、狂気の赤毛刑事に犯罪者撲滅の戦いを託し続けたボスの、「器量の差」であったと。

やっぱり俺たちにビッグ4なんて無理なんだ──
一度は夢を賭けたフランチャイズのサポーターたちも現実を思い知り、一人、また一人と現場から去っていく。数的優位に関らず、「ロー損」こいた「ホットスパー」。これで開幕四連勝の勢いも「ミニストップ」だ。

勝者の席にはワンダーと胸毛。両刑事の背中を見れば、セブンイレブン、いい気分。
されど出番なく、W杯貯金の目論見はずれたワンダー刑事。

「まあ、自宅でテレビ観戦もいいものだぞ」

そんなギグスの慰めに、彼は小さく答えるのだった。

「サンクス」



to be continued...



次回放送、第6話『ダービーはワンダーに任せろ!』、
次回こそワンダー刑事の活躍に、どうぞご期待下さい。
(タイトルは予告無く変更される場合があります)

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このドラマはフィクションです。実際の人物・団体・
実在する「トッテナム・ホットスパーFC」とか、
コンビニエンスストア「ホットスパー」とは、
一切関係ありません。
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by tototitta | 2009-09-13 22:28 | Manchester United | ▲ TOP
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