(記/minaco.)
ピエール・ファン・ホーイドンクさん前編 。
引き続き、仲良しのファン・ホーイドンクらと居酒屋でフットボール談義に白熱するルート。心なしか、
次第に友人も酒癖の悪いルートに引いてきた模様。(ちなみに普段はワインを嗜む程度らしい。昔、慣れない高級酒を口にしてブッ倒れたとか)
──
(H&H) どの監督なら君を動かせるんだい?
R ボビー・ロブソンはいつも自信を与えてくれたな。時々試合に出られなくても、“すべてを勝ち取れる訳じゃない”って言うだけさ。気休めじゃなくて、彼は本当にそう思ってたんだよね。マルコ・ファン・バステン?そいつは難しいな。
時々悩むんだ。ベンチだとか、1週間ゴールが無いせいじゃない。単純な疑問だよ。自分に何が出来るか解ってるし、実際出来るさ。でも俺はまだベッドで横になって“戦うべき状況”を考えてる。
──
(ファン・ホーイドンク)自分の能力は知ってるだろ?どうせ立ち直るんだろ?俺はよくFKをミスするけど、でも次にまたFKを得たら躊躇わないぜ。やるしかないんだ。それでも毎度パーフェクトには行かないさ。
R そりゃ解ってるよ。でもお前みたいには思えないんだよね。
お前が羨ましいよ。この悩みが付きまとうんだ。俺が常に必死に働く理由でもある。そうゆう悩みを持つから、それを打ち負かそうとする。
前以って自分に凄く気合入れるのは、
試合中に絶対悩まないようにする為なんだよ。俺は後で自分を責めたりしたくないんだ…。
─────────────────────────────
【分析】
H&Hは温かい心遣いを受けて帰ってきた。ルートはゆっくりとした話し振りで、さほど退屈でもなかった。彼はピッチ外で理想的な娘婿に見える。けれどもバカな雑誌を読んだりしないので、記事が彼に影響を与える事もなく、何の批判も干渉出来ない。後にも先にも、彼自身が最大の批評家なのだ。
彼の特別な資質に疑いはない。だが、常にもっと完璧なものを探している。すべての偉大な詩人、作曲家や画家は、人生において最高傑作は2つか3つしか作れないと知っている。それでも、彼らは探し続けるのだ。
体中を流れるフットボールへの愛。ザ・リアル・フットボール。
不運にも彼は、愛なきフットボール世界に占拠されている。
休日にも拘らず彼に会えた事は、何という冒険だっただろう。
〜The End〜
オイオイ、終いにゃドンクさんに励まされちゃって…。全く、酔っ払いガチの巻くクダは手に負えんw
今頃何故こんな思い出話をするのかとゆうと、それは現在マドリーでの状況もまた、決して明るいものではないからなのだ。
勿論当時と違って、政権交代したマドリーにおいては予想通りの展開とも言え、さすがに本人も
「俺はバカじゃねえ」と自分の置かれた立場をちゃんと承知してるらしい。けれど、いくら強気な事を言っていても、ワタシはこの夜の事を思い出す。
愚痴の聞き役ドンクさんはいないけど、あの頃も今も何故かロンが居る。ルートに言わせりゃ(言ってないか)
「フットボールの××」塩とガチが共存できない仕組みは変わらない。
本当はもっと早くこのエントリを上げるべきだったかも。何せ南アW杯を目指すルートなので、事は早急に動きそうな気配なのだ。ローマ、スパーズ、フルアム、リバポー(え!)にガナーズ事務所(ええ!)まで、冬に開く市場の噂話が届く。4カ国得点王も魅力だけど、エドさんの待つイングランドに帰るのも有力な選択肢だろうな。
確かに、現代フットボールは愛なき世界。兎角、この世は塩に塗れている。如何にしょっぱかろうと、倒すべき相手や遂行すべきミッションがあるならば、それで良い。バットマン(@『ダークナイト』)もそうだった。ミッキー・ローク(@『レスラー』)もリングでしか生きられなかった。ストライカーは畳の上じゃ死ねない。
ガチには、ガチ発散の場が必要なのだ。
思い切り闘える居場所が。