(記/minaco.)
契約は1年半。背番号は22。
お別れセレモニーの翌日、ハンブルガーSVでプレゼンテーションを行ったルートは、集まった報道陣との質疑応答を(所々確認しながら)普通に
ドイツ語でこなした。
HSVは早速22番のユニを発売し、クラブ史上最高の売り上げを期待しているという。ちなみに、これまでの記録はラフィの25,000枚だそう。何だかケタ違い(に少ない)の気もするが、ルートはこの規模のクラブにとって、きっと物凄い経済効果をもたらす予定なのだなあ。
よって、HSVの気合の入り方は半端じゃない。ハンブルクからの迎えにクラブが用意したのはプライベートジェット(小さめだけど)。案内されたのは高級ホテル。まるでセレヴみたいな扱いに、ルートも「ベッドさえあれば充分だよ」と漏らしたとか。サポもまたHSHノルトバンク・アレーナにバナーを準備し、クラブ史上最大のビッグネーム(?)を歓迎してくれた模様。
さて、ハンブルクの事をワタシはまだ良く知らない。とりあえずドイツ北西部の歴史あるハンザ都市であり、ドイツ最大の商業都市。沢山の運河やアルスター湖もあって、あのモンブランやニベアの本拠地なんだとか、日本企業も多数支店を置くとか、プロテスタントが多いとか(オランダ同様ドイツも北部はプロテスタント、南部はカトリック)、かのカール・ゴッチさんの出身地だとか。気候は厳しく、住人気質は割とクールらしい。まあそんな感じとしか。日本で言えば、姉妹都市である大阪みたいな所かな。
そして、とにかく寒そう。トレーニングは寒風吹きすさぶ海辺だか川辺みたいな所で、練習場にも雪が積もってて、スペインとはまるで正反対の風景。とはいえルートにすれば、言語も生活環境もこれまでよりずっと故郷に近いのは確か。チームにはマタイセンやカステレンとゆう同胞も居る。馴染むのに苦労しないはず。
早ければデビュウ戦は2月6日、アウェイのFCケルン戦になるかもしれない。
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「プレミアに行く事も出来たけど、イングランドでは既に素晴らしい5年間を経験した」
ので、ルートはブンデスでの新しい挑戦を選んだと語った。なるほど、つまり
“イングランドで価値あるクラブはユナイテッドだけ”
とゆう事ね。そう解釈しておこう。
ワタシはずっとユナイテッド…もとい、オールドトラッフォードからの距離で測っているのだと思う。物理的距離よりも心理的距離のこと。マドリーとO.T.では相当離れるが、CLで対戦する可能性があった。最も距離が近付いたのはスパーズが噂された時で、それならO.T.はすぐ手の届く所にあった。ワタシにとってすべては(どんな形でも)O.T.に帰れるか否か、なのだ。
ところが、その意味でHSVはかつてない距離にある。来季CL出場権を獲得しない限り、O.T.へ行くチャンスはない。'80年代欧州制覇の栄光も今は昔、現在5位に甘んじるHSVにそれが可能なのか、いささか懐疑的である。ああ、何と遠くまで来てしまったんだろう。
決してドイツが嫌なのではない。ブンデスリーガは男の世界、熱いサポで埋まるスタジアム、ゴールした時あの野太い声でコールされる儀式。魅力的だし4年前なら喜んでた。但し、それが観られればの話…。
そんな訳で、ますます需要が無くなりそうな気もするけど、引き続きどうかよろしくお願いします。何とか追いかけていきますとも。