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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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第三十四話『愛は奇跡を信じる力よ』
(記/なるほ堂、監修/minaco.)

【#34 Blackburn 0 - 0 Man Utd】

「お前らゼロか! ゼロな人間なのか!」

最終スコアに「0」と刻まれた、イーウッド公園球技場。控え室に響いた怒声に、顔を上げた町田の先には──

「先生……」

そこには、キャリントン・アカデミー、通称「赤悪魔工業高等学校サッカー部」の新任顧問、オーレの姿が。多くの名だたる卒業生を輩出した名門の歴史も、今は遠い過去。この物語は、この荒廃した学園に戦いを挑んだ、熱血教師の記録である。(語り;芥川隆行)

オーレ ;オイ、お前たち! 俺がどうして怒ってるのかまだ判らんのか! 試合に勝てなかったからじゃない。どうでもいいやっていう、お前たちの心が許せんからだ! お前らがやったことは裏切りだ。いいか、毎朝早く起きてご飯を作ってくれたお母さんたち。汚れたジャージを毎日洗ってくれたフレッド君。仕事を休んでまで応援に駆けつけてくれたサポーター。試合の度に、無い知恵絞るブロガー。そういう陰で支えてくれた大勢の人々の信頼を、お前たちは手ひどく踏みにじったんだ!

町田  :スールシャール先生!
ナニ  :ソルスキア先生!
ギブソン:ソルスキアル先生!
エバンス:ソーシャー先生!

その返答は様々だったが、熱血教師の激しい言葉は、この屈辱的な無得点劇で再び暗闇に閉じ籠もりかけていた、かつての非行少年たちの心の扉を開いた。オーレは続けた。

オーレ :俺は英国サッカーの伝統を顧みないチェルシーやガナーズの選手よりも、お前らの方が好きだ。しかし、今日のお前ら最低だ。それはサッカーを舐めているからだ。生きるってことをバカにしている。いま自分がやっている事を、ひたむきにやらないで、この短いサッカー人生でいったい何が出来ると思ってんだ。よく考えて見ろ! ルーニーも同じフットボーラーなんだ。同じ歳、同じ背丈、髪の毛は兎も角、頭だってそう変わらんだろ! それが何でルーニーが居ないと、ローヴァーズごとき相手からも点が取れないって事になるんだ。お前らゼロか! ゼロなフットボーラーなのか! 何をやるのもいい加減にして、今季残り試合ゼロのまんま終わるのか! それでいいのか! お前らそれでも男か! 悔しくないのか! マチダ! ナニ! ギグス!

ギグス :えーっ、俺も!?
ベルバ :悔しいです!
オーレ :お前……
ベルバ :今までは本業はハリウッド俳優と思って、にやついて誤魔化してたけど……今は悔しいです!

オーレ :悔しいのは誰でもそう思う。でも思うだけじゃダメだ。お前たち、それでどうしたいんだ! 
おシェイ:勝ちたいです! チェルシーに勝ちたいです!
ヴィダ :タイトルを取りたいです!

オーレ :しかしな、この勝ち点差4を引っくり返すには、並大抵の努力じゃ無理なんだぞ! 血ヘドを吐いて死ぬほどの練習をしなきゃならん! 誰も助けてくれるわけじゃない。お前たちそれでも勝ちたいか!
一同  :勝ちたいです!

これほどの熱情が、一人一人に秘められていようとは。オーレの胸に感動が込み上げた。

オーレ :よーし、よく言った。俺が必ず勝たせてやる! そのために、これからスコールズがお前たちを殴る! いいか、殴られた痛みなど3日で消える。だがな、今日の悔しさだけは絶対に忘れるなよ! よし、歯を食いしばれ!

バキッ、ガツッ、ボコボコボコボコボコボコ…

ギャリー :校長先生、いいんですか?
ファーギー:見ろ、学級委員長。オーレ先生の涙を……。

スコールズは部員ひとりひとりに無言で殴っていった。選手を殴るスコールズに遠慮はない。顔が命の俳優アンディ・ガルシアも、また女優ハル・ベリーとして活躍するヴァレンシアも例外ではなかった。それはオーレにとって、生徒との絆をより深めたいという願いから発した行為であった。これは暴力ではない。もし、暴力だと呼ぶ者があれば、FAでもUEFAでも、出るところへ出てもよい。オーレはそう思っていた。生徒たちは目覚めた。オーレが何一つ強制したわけではないのに、翌日から目の色を変えて猛練習を始めたのである。

その輪の中に、かつて「マージサイド一のワル」と呼ばれたルーニーの姿があった。その痛めた足に、再びスパイクを履いて。それは、再びゴールを積み重ねるためだろうか。いや、違う。人間は、勝ち点とか得点数とかいう、単なる抽象的な数字の為には生き死には出来ない。だが、家族や仲間たちのような手触りのある、具体的な愛する者のためになら死ねる。ウェイン・ルーニーはこれまで何を愛してきたか。それは……フットボール、そしてマンチェスター・ユナイテッド。

「One for All,All for One!」
「This is the One!」

キャリントン練習場に響き渡る選手たちの声。
その光景を、今は亡きイソップ(マイケル・オーウェン)の遺影が静かに見守っていた。

to be continued...


次回、第三十五話『愛は奇跡を信じる力よ2〜信は力なり』。
荒廃したチーム状況の中から健全な精神を培い、
わずか残り数試合で逆転優勝をなし遂げた奇跡を通じて、
その原動力となった信頼と愛を余すところなくドラマ化した続編を、
どうぞご期待下さい。
(タイトルは予告無く変更される場合があります)

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このドラマはフィクションです。実際の人物・団体・
実在するスクールウォーズとは一切関係ありません。
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by tototitta | 2010-04-14 22:09 | Manchester United | ▲ TOP
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