昨日、Minacoと打ち合わせがてら、近所に新しく出来た喫茶店へ。
、、、って書いたら「喫茶店ではなくてカフェだよ」とminacoに言われた。どう違うのか分からないけど、昨日のはカフェらしい。
仕事用に頭を切り替えるには喫茶店(orカフェ)に行くのが一番。近頃はチェーン店に対抗して内装にこだわった店も増えて、そういう所を開拓するのは楽しい。そのうちカフェ評でも書こうかな。。。って、カフェと喫茶の違いが分からない僕が言うのもなんだが。
で、今日は書店で『きょうの猫村さん』という漫画を買った。
昨日の“カフェ”に置かれていた雑誌に紹介されていた物だ。
高野文子以来の衝撃を受けた。これは神が描いた漫画かも知れない。いや、猫が描いたのかも。
内容は
『お試し版』 を見ていただければ分かるんで詳しくは書かないけど、とにかく圧倒された。長谷川町子、高野文子と来た鬼才の系譜を継ぐのはこの人かも知れない。
こういう人が既存の漫画媒体では無く、ネット連載という形態で登場したのも興味深い。そういえば最近漫画雑誌って読まなくなったなあ。編集者主導で、作者が変われど内容は似たり寄ったりになり、いかにもテレビドラマ化狙いって気がして。
ちなみにこの作品は「ほのぼの」とか「脱力系」などと語られているが、これはもっとポジティブな作品だと思う。絵もヘタウマでは無く、本当に上手い人しかかけない線と構図。個人的には猫なのにヒゲを描かない所に「凄いなこの人は」と思った。で、猫が飼いたいよ〜、と。
実は以前猫を飼っていた事がある。アパートに住んでいた頃、勝手に住み着いた「押し掛け猫」。雌なのに名前はアケボノ(呼称ボノ)で、由来は毛色が曙のまわしの色だったから。(※これ書いてたらminacoは「そんな由来とは初耳!」と驚いていた)
飯とトイレは他所で済ませ、それ以外は僕の部屋で暮らすという不思議な猫だった(その後、引っ越してからはちゃんと飼う事になり、特定のキャットフードしか食べないグルメ猫と判明、、、)。
僕が子供の頃飼っていたチャコという猫と似ていたので、多分生まれ変わりなのだろう。だから当然のように僕の所に居着いたんだ。
彼女は僕らが帰ってくるといつも窓の外で待っていた。自転車で帰ってきた時、路地から飛び出して追い掛けてきた事も。
彼女も猫村さんのような性格だった。生活態度がおばちゃんなみに図々しく、そのくせ義理堅くて、鳥を捕まえてきてプレゼントしたりする。鳥の死体なんぞを貰っても困ってしまうのだが、彼女なりの感謝の印だったのだろう。
また猫のクセになんかテンポがユルく、でも時折何気に人の生活を監視しているような所も。。。彼女は僕らの事をどう思っていたんだろう。
彼女はチャコ同様、お婆ちゃんになって僕のベッドの上で死んでしまった。チャコの生まれ変わりなので僕にはそんな逝き方の予感があったけど、minacoはショックで泣き通しだった。minacoには初めてのペットの死だった。
ボノが死んでからしばらく経つ。僕的にはこんなに長い間猫のいない生活は無かったかもしれない。
minacoと二人で近所を散歩をしている時はいつも、路地に茶虎のメス猫を探してしまう。ボノは死んで桜の木の下で眠っているけれど、僕らは彼女がまた生まれ変わって僕らの前に飛び出してくるのを待っているんだ。
だから彼女が死んだ後に今のマンションを決めた時も、わざわざ「ペット可」にしたんだから。
(なるほ堂)