[鹿2-2浦和]
鹿×浦和戦は、諸般の事情で翌日ビデオにて観戦という事になっていた。
そういう時に気を付けなくてはならないのは、それまでに試合結果を耳に入れない事。
テレビは勿論、ネットサーフィンも自制せねば。
だが、最近はそれだけでは危険だ。
例えばメールなどで試合結果を御丁寧に教えて下さる人、、、
「今日は残念だったね〜☆」
とか送って来る。油断は出来ない。
そこで、気晴らしに外出。だが、それさえも恐ろしい。電器屋のテレビ売り場や街角のオーロラビジョンを避けて歩いていても、最近では裏路地の自動販売機までが電光掲示で時事ニュースを流している。図らずも、そこでチャンピオンズリーグの結果を知り、臍を噛んだ経験もある。。。おせっかいな情報教え魔に囲まれた中で、身を守るのは容易ではないのだ。
そして今回も悲劇が。
何気なく入った深夜のコンビニ。レジに並んで合計金額を眺めていたら、レジスターにまで電光掲示板が!
しかも、
「Jリーグ、今日の結果。ついにG大阪が・・・」
(わわわっ! まずい!)
慌てて目を逸らし、「G大阪が・・・」以降は読まずにすんだのだが、帰る道すがら、
(あの後に続くのって、「・・・首位に立つ」以外に無いじゃないか。という事は鹿島が勝てなかったって事じゃないか・・・)
と、暗い気持ちに包まれた。
僕は必死で、あの後に当てはまる他の言葉の可能性を試案した。
「ついにG大阪が・・・首位と思ったら逆転負け。鹿島は首位堅持」
「ついにG大阪が・・・宮本放出決意。鹿島は大勝」
「ついにG大阪が・・・C大阪と合併。鹿島は安泰」
・・・無理があり過ぎる。
で、翌日ビデオを見たのだが案の定・・・。
まあ、てっきり負けるものだと思っていたところが引き分けだったので、ショックはさほど無かったが、なんとも後味の悪い試合となった。本来は喜ぶべき前半の2ゴールさえ、後に来るカタストロフィーの前フリに過ぎないって、分かっちゃっているんだから。
それにしても、、、
(サッカーは技術では勝てないんだろうか? 「技術<体力」の時代なんだろうか?)
という思いは年々強くなる。
(鹿の目指すサッカーは時代遅れなんだろうか?)
だが、そんな思いの中見た、W杯南米予選のブラジル×チリ戦。
セレソンは地上のサッカーを越えた、天上のごときサッカーでチリを葬った。かつてフランスW杯決勝で敗れ、その方向性に疑問を挿まれた事もあったセレソンは、それでも自分達の掲げる美しきブラジルサッカーを追い求め、今やこの地上に敵などいないかのような強さを誇っている。敵は自身の慢心以外に見当たらない。
迷いの中の自分の溜飲が下がった。
やはり、サッカーが一番上手いチームが、一番強いのだ。そうで無くてはならないのだ。
鹿の目指すサッカーは間違いじゃ無い。日本のサッカーが欧州的な効率主義に堕ちない為にも、鹿は今のスタイルを極めて欲しい。そして、この不文律を守る為にも、勝たなくてはならないんだ。
(なるほ堂)