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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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映画で語るW杯出場国 #9
『奇人たちの晩餐会』で読み解くフランス代表

最近のフランス映画を観るにつけて、正直パリには住みたくないな、と思う。そんな機会はないけれど。
ヌーベルバーグの頃ならおサレなイメージだが、現在パリを舞台にした映画では移民の現実は避けて通れないし、殺伐としたイメージを増幅させる。絵葉書のような『アメリ』や、寡作で我が道を行くレオス・カラックスは別として。
そして、どうも私にはフランスの貴族社会が肌に合わないと思われる。

『奇人たちの晩餐会』 (1998)は、パリのスノッブな上流層達が「誰が一番のバカを連れてくるか」を競い合う晩餐会の話である。主人公は、デブでハゲで始終ニヤケ笑いでマッチ棒でエッフェル塔を作るのが自慢という、これぞ絵に描いたようなバカオヤジ(バカを演らせたら天下一のジャック・ビルレ/05年逝去)を見つけて、嬉々として晩餐会に招待する。だが事態は思わぬ方へ転がって、嘲笑われるはずのバカより実は主人公達の方が余程バカじゃないの、と映画の観客は嘲笑うことになるオチだ。元々は舞台劇なので映画としてはイマイチな気がしたし、何よりコメディとして笑えなかった。むしろスピルバーグがリメイク権を買ったという後日談の方が笑える。
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独断で言わせてもらえば、フランス人は偉そうだ。
自国の歴史、文化が欧州で一番であると言う自負。欧州のアメリカだ。基本的に他国は見下して然るべき。だが、それをあからさまに表すのは品がない。他国の、特にエキゾティックに映るアジアやアフリカなどの文化を重宝することによって、さも自分達は自由で先進的であると思いたいのだ。パリ万国博覧会、クーベルダンのオリンピック、ジュール・リメ杯、要するに世界に対し常にパーティの主催者として仕切りたいのだろう。
そう、『奇人たちの晩餐会』もそんな自分を自嘲するかに見せて、その実やっぱり「コレが笑えるフランス人ってエスプリでしょ」と言われてるように感じてしまうのだ(私も意地悪だな)。
フランス人の日本趣味やワールドミュージック・ブームなども、本当に異文化を理解しようとしてるのかといえば、映画の中で「オイオイその掛け軸、逆さまですよ」って時もあるし、ツッコミ所は多い。ま、ツッコんでもフランス語じゃなきゃ人の話など聞かないだろうけど。

さてフランス代表も、残念ながら植民地思想が残っている限り今のところ懐疑心抜きで観るのは難しい・・。
自国開催で優勝した時は「移民達との融合」と謳ったものだが、現在の移民同化政策の行き詰まりを見ればそれは所詮まやかしだったと言う事になる。選手もフランスに同化しない限り、結局は認められないのかもしれない。
日韓W杯でフランス対セネガルの試合を観た時、ヴィエラはセネガル代表で闘うべきではなかったかと思うのは余計なお世話で(キーンじゃあるまいし?)憚られるが、セネガル人がセネガルでフットボールが出来る環境があるべきだとは思う。移民問題が騒がれる度悲しく思うのは、結局は母国である程度幸せに暮らせるのなら問題はないのに、という事だ。フランスだけじゃないが、元宗主国の責任は重い。

現在のフランス代表選手は成功者だが、その陰には代理人に旨い話を聞かされてフランスに来たものの、夢破れて行き場がなくなった移民選手も多いという。フットボールは現実社会を映している。もし再び優勝したら、フランスは今度こそ移民達を理解するだろうか。フットボールにはそれが出来ると信じる代表選手達の願いは叶うだろうか。

いっそそんな重さなど考えずに、優等生の移民(をルーツにする)代表という枠から自由になって、アカデミーで教え込まれたフレンチの規律など忘れて、本能のままフットボールを楽しんだ方がいいのではないか。ここ何年か疲弊した姿のジダンも、アーセナル以外ではキングになれないアンリも、ついでに元気のいい汁やサハ、ついでにあの隠し球リベリも使って、暴走タクシーが活躍する映画『TAXI』のようにスノッブなフランス人をギャフンと言わせてやるのもいいではないか。君達は晩餐会に招待された客として遠慮する事はない。そんなフランス代表なら現在よりも可能性を感じるのだが。

ここまで書くと「お前、よっぽどフランス嫌いだな」と思われそう。でも好きなフランス人もフランス映画も多い。我がカントナは正しく偉そうなフランス人だ。いや、カタルーニャ人なのかな。
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(記&絵/minaco.)
by tototitta | 2006-05-13 18:23 | W杯2006 | ▲ TOP
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