W杯ドイツ大会──
世界中より集った塩プレイヤーの塩っぷりを、テレビ桟敷でニヤニヤしながら見守る「ソルトマニア」の秘密結社
『塩溜まり会』。
台所のナメクジも逃げ出すような塩プレイの競演に、彼らも大いに塩ジョイした大会となった。
そしてこの度、
その選考による「W杯塩大賞」の発表がなされ、その栄えある受賞者及び団体を今日ここに報告する。
(※なるほ堂からのお願い「あまり真面目に取らないでね。怒らないでね。」)
【ベスト塩イレブン】
FW
ロナウド(ブラジル)※塩太り
アドリアーノ(ブラジル)
ロッベン(オランダ)
MF
ロナウド(ポルトガル)
ロナウド(ブラジル)※ガウショ
中村俊輔(日本)
DF
キャラガー(イングランド)
ハイティンハ(オランダ)
宮本(日本)
ネスタ(イタリア)
GK
シュウォーツァー(オーストラリア)
SUB
サハ(フランス)
【最優秀塩選手】
ロナウド(ポルトガル)
【ベスト・ヤング塩プレーヤー】
ロナウド(ポルトガル/二冠)
【最優秀塩監督】
ファン・バステン(オランダ)
【最優秀塩団体】
ポルトガル
【最優秀塩プレイ】
マルダ(フランス)のダイブ※決勝戦
【最優秀塩主審】
ミケル(スロバキア)
【最優秀塩会長】
川淵三郎(日本)
【最優秀塩コメント】
「人生とは旅であり、旅とは人生である」(中田英寿/日本)
【塩特別賞】
大会公式球 adidas「+(プラス) チームガイスト」(ドイツ)
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<寸評>
【ベスト塩イレブン】
●FW
「塩のカーニバルだ!」
ブラジルが誇る2トップ、
アド&ロニー(ブラジル)。
高カロリーボディに塩分過多なプレイで王国に動脈硬化をもたらした彼らが当然の受賞だ。
恋人ダニエラの分まで産後太りなアド。
大会中にダイエットをするという前代未聞な計画で、結果日本戦限定の怪物だったロニー。
彼らの塩っぷりに今、故郷シオ・デ・ジャネイロは怒り心頭だ。
「オランダの塩風車!」
緒戦で「オレって天才」と勘違いし、その後は屁の役にも立たぬような自分の才能アピールのみに終止した
ロッベン(オランダ)。
試合を重ねる度に存在感も前髪も薄くなり、両翼で長年塩コンビを組んでいたファン・ペル塩からも「自己中」と蔑まれる塩プレイ続出で、オランダファンのハートを塩上させた。
●MF
「マデイラ島のダンシング・クィーン!」
巨大な塩の原石が、遂にW杯でヴェールを脱いだ。
一人も抜けないフェイント。失敗して敵にパスするトリックキック。
転んでは笛を要求するヘタレムーブをワールドワイドに定番化させ、
世界の嘲笑を買った
塩(ショ)ナウド(ポルトガル)。
三位決定戦では上川さんにまで冷たくスルーされるなど、各試合で塩の山を築いた。
勿論、今大会の「ベストヤング塩プレーヤー」と「最優秀塩選手賞」をW受賞!
副賞として『俺の塩(マルちゃん)』一年分を贈れる物なら贈りたいくらいだ。
「セレ塩ンの象徴!」
世界中のメディアの期待を裏切った
ガウショ(ブラジル)。FWが太り過ぎという攻撃的MFの評価としては同情を汲むべき点もあるが、上記二人のロナウドの「ついで」という側面も併せての選出。
希代のトリックスターも所詮「水運び役」がいなければ、ただの面白い顔の人だ。
「トルシエは正しかった!」
自ら交替を申し出る勇気もなかった
中村俊輔(日本) 。
我らが代表の10番が栄えある選出だ。
ジーコの顔に塩泥を塗り、四年前のトルシエの選択の正しさを証明した。
「いつか…、ワールドカップに出られなかったことが良かったと思えるくらい上手くなる」
という四年前の落選時の言葉に、
「おいおい君に必要なのは“上手く”ではなく“強く”だろ?」
と思ったソルトマニアの危惧が現実になった。塩茸のそしりは免れまい。
●DF
「親子揃って・・・」
およそ「塩」とは縁遠いと思われていた
リバプールの草魂・キャラガー(イングランド)が、ルーニー(電気アンマ)、ベッカム(ゲロゲロ)を抑えて母国選手から唯一の選出。
馴れない右サイドでのプレーで調子を崩したか、ポルトガル戦での意表を突いたPKは蹴り直しを命じられて、敢えなく失敗。母国は総ズッコケ。
そこまでならまだ良いが、更には大会中に父親がダフ屋行為で捕まるという塩事件も露見し、母国を二度ズッコケさせた。
「オランダのクレイジーソルト」
フェアプレーでポルトガルにボールを返すべき所で、突如ドリブルを開始・・・正に「塩の結晶」とも言えるプレイを披露した
ハイティンハ(オランダ)。
ベテランらしからぬ幾多の塩プレイで、のどかなオランダの田園にコクコクと塩水を汲み上げたコクーを抑えての受賞だ。
「代表選手の資格無し」は尤もな意見だが、ソルトマニアとしては今後何処まで塩っぱくなるのか、目を離せない塩選手だ。
「塩主将」
幾度も味方の意欲を削ぐ塩クロスを連発して列島をため息で包んだ駒野を抑え、
日本代表主将・宮本ツネ様がより多くのニヤニヤを受け選出。
協会会長自らが何故か「キャプテン」を名乗り、冷笑する我々を尻目に太鼓持ちどもが本当に「川淵キャプテン」などと呼ぶもんだから、結果実際のキャプテンの存在性が薄まっちゃった気もするが、しかし中田の暴走、緒戦の3バック戦術・・・やはり日本の敗因は彼個人の力量不足に負う所が大きかった。
所属のガンバ大阪でも既に出番のない彼。
「代表主将」の肩書きも消える今後は、テレビCMでその塩演技を拝むのみか。
「アズーリのMR.フリーズ」
怪我を「塩」とするのはいささか心苦しいが、
ネスタ(イタリア)はここぞという時の怪我が多すぎる。古いOSのパソコン並に肝心な時にフリーズしやすいのも、一つの塩と言えるだろう。
米大会のバレージのような「決勝で復活」というドラマも無く、マテラッティに全てを持っていかれたネスタ。折角のアズーリ優勝も彼個人としてはシオシオのパーか。
●GK
「ヒディングマジックも効果無し!」
ポルトガル戦にて何をトチ狂ったかPK戦決着を狙ったイングランド。そして大方の予想通りに敗れた「世界一守備範囲の狭いGK」ことロビンソンを推す声も少なくなかったが、やはり「シュート恐怖症」こと
シュウォーツァー(オーストラリア)が、それに勝るニヤニヤを集めた。
日本に淡い希望を抱かせたポロリは勿論、あまりの不安定ぶりに一試合先発を外されるなど、イケイケなヒディンク采配の悩みの種となり、結果オーストラリアを今イチな結果に留めた塩っぷりが高く評価された。
●SUB
本来想定外だったSUB表彰だが、
ルイス・サハ(フランス)の塩っぱさに敢えて新設。
時間稼ぎで使われた二試合、そのほんの僅かな時間できっちり警告を貰い、結果決勝戦に出られないというその活躍は全国のソルトマニアを大いにニヤニヤさせた。万一それが無ければ決勝ではトレゼゲの代わりに投入されていたかもしれず、それを思えば、今大会の裏キーマンだったかもしれない。
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【最優秀塩監督】
愛人騒動、おとり報道騒動、そして一度も見ていないウォルコット選出など、その塩エピソードに事欠かないエリクソン(イングランド)の独走と思われたが、「彼は実質、監督ではない」という尤もな意見により資格外に。
候補はジーコ(日本)、そしてファン・バステン(オランダ)とアドフォカート(韓国)という二人のオランダ人に絞られた。
だが、クライフ神の威光に怯えて懐古的な采配に走り、奇妙な果実「塩っぱいオレンジ」を実らせた
ファン・バステン が、一部より激しい塩恨(えんこん)を買い選出。
現役当時の評価では比較にならぬ元ストライカー監督クリンスマン(ドイツ)が、同じ若手起用策で成功したのと比べても、彼の塩監督ぶりは際立っていた。
【最優秀塩団体】
「塩の宝石箱や!」
塩エース・塩(しょ)ナウドのみならず、幾多の顰蹙を買うプレーで、今大会世界中から「塩っぱい」コールを浴びた
ポルトガル代表が堂々の受賞。
その塩の輝きは「塩っぱいオレンジ」「塩っぱいカナリア」の追撃を許さなかった。
誰もその戦いぶりすら覚えていないポーランド代表を推すマニアもいたが、他の選考委員の「出てたっけ?」の一声でその声はかき消された。
ポルトガルは何よりイングランド戦で「大ヒール」として一皮むけたかと思われた所を、フランス戦にて「所詮小物ヒール」な姿を晒したのが痛かった。
今後、人間が浮くほど塩分濃度が高い『死海』とも称されるロナウドに、これからどこまで浸食されるのか・・・想像しただけでソルトマニアはニヤニヤだ。
【最優秀塩プレイ】
ロナウド(ポルトガル)の数々の塩プレーは殿堂、いや「塩堂入り」とし除外。
その他からの選考となった。
ジダンの「マルセイユ・ヘッドバット」を推す声もあったが、年季の入ったソルトマニアはむしろ好意的だ。
「移民の神様に祭り上げられそうになっていた所への、見事な『人間宣言』!」
「移民の子は猫をかぶって暮らさなきゃならない・・・そんな世界的風潮への一撃だ」
「カントナ!」
ともあれ、「ジダンの栄光は失墜した」的なメディアのマッチポンプこそ「塩」である。
「マテはテロリストと言った(怒)!」と、そっち方面の話題にしたがる人権団体も塩っぱい。
ということで、あわやW杯を盗むところだった
マルダのダイブ に決定。
本来なら大問題のプレーのはずがジダンの話題に隠れてしまっている所も、
どこかマルダの存在感と併せてその塩っぱさを一層濃くしている。
【最優秀塩主審】
イエローカードを一人に三枚出すという醜態を晒し、母国の威信を失墜させたグレアム・ポール主審(イングランド)。
一時クラブサッカーを忘れ、W杯を楽しんでいたアンチ・チェルシー=アンチ油モビッチに「サッカー界にロシア人が絡むとロクな事が無い」
と、しみじみ言わしめたイワノフ主審(ロシア)。
臭うようなオールバックとヒロミ・ゴーな太い眉毛で警告を乱発し、処女と少女と娼婦に淑女が「How many Yellowcard?」
と眉をひそめたマルコ・ロドリゲス主審(メキシコ)。
だが、試合中(ガーナ対ブラジル戦)に選手にユニフォームをねだるという
ミケル主審(スロバキア) の、いわゆる「大阪のおばちゃん」的なミーハーぶりが受賞。
何より、ねだった相手が塩太りロナウドだったところが、一層このエピソードの塩分を高めている。
【最優秀塩会長】
イタリアサッカー界(マフィア)をも凌ぐ伏魔殿FIFA。その会長ブラッターの独壇場と思われたが、エクアドルの亡きチームメートを偲んでのマスク・パフォーマンスを不問に付すというナイスアシストで選外へ。
どさくさに紛れて愛人と結婚しちゃったベッケンバウアー組織委員会会長も、ご祝儀で選外。
結果、まるで責任論の矛先をそらすかの様な「オシム。あっ・・・」で、今なお列島を混迷させている
川淵三郎会長(日本) の「塩漏れ」が受賞。
「自分一人でジーコを監督に決めたんじゃない」
という素晴らしい責任逃れで日本サッカー界のモラルを示し、そのモラルを以て文部省とナイスタッグ。教育界にまで進出を目論むその面の皮の厚さには、ソルトマニアも塩を撒きたい気持ちで一杯だ。
何より、てんでFIFAに相手にされない癖に国内では大物ぶるってのが癪に障る。
【最優秀塩コメント】
そんな川淵会長に、「ぜひ将来の日本サッカー協会会長に」とラブコールを受けた中田英寿(日本)の引退コメントが受賞。
さすが塩会長、塩の匂いを嗅ぎ付けたか。
ブラジル戦後、多くの日本国民がその姿に涙している頃、
「わざわざセンターサークルまで戻ってから地に伏せる」
という彼の姿に、捻くれたソルトマニアはニヤニヤ。ヒデ姐さん、面白いぞ!
そして、小僧の唄う『マイウェイ』を思わす、
「人生とは旅であり、旅とは人生である」
という、なんとも江川卓ちっくな引退美化コメントが、より一層ソルトマニアの心をくすぐった。
その影で、執行役員CBOを勤める東ハト(キャラメルコーン)が、山崎製パン(パンまつり)の子会社に・・・というニュースが流れたのも、彼の引退に塩を添えた形になった。
ともあれ、ニヤニヤとツッコミを入れながら見守るのが、正しい中田英寿の愛し方と思うのだが。。。
【塩特別賞】
あまりの不人気で製造会社を大会前に倒産させた、パンツを穿かないライオン『ゴレオ』。
ブンデスリーガの選手さえズルズルと転び、あまりの滑り様で何人もの選手に怪我を負わせた「試合会場のピッチ」。
しかし今大会の公式球、
adidas「+(プラス) チームガイスト」(ドイツ) こそが、最もこの賞に相応しいだろう。
ガンダムのハロを思わす愛らしい外見とは裏腹に、その軌道は世界のGKたちを悩ませた。
「突然目の前に現れて、フワフワと揺れて、、、そして消えた。。。」
GKたちからは、そんなオカルトな会話が聞こえてきそうだった。
何故かドイツの選手ばかりがこれを上手く蹴っていたように見えたのが印象的だ。他意は無いが。
また、
「決勝戦では金の球を使う」(FIFA)
という発表で別のマニアを期待させておきながら、実際はたいして金色じゃなく、
「がっかりした」(マニア)
という事実があった事も、その塩エピソードに加えておこう。
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<総評>
人類の歴史は「塩」の歴史である。
多くの民が塩を求めて旅をし、僅かばかりの塩と引き換えに大金を差し出した。
それは今も変わらない。
我々「ソルトマニア」の秘密結社『塩溜まり会』は、サッカー界に溢れる「塩」を嘲笑う者では無い。何を今更と言われようが、そういうことだ。
我々は塩を愛している。そして我々には塩が必要だ。
言わば、
「人生とは塩であり、塩とは人生である」
寸評に溢れる言葉を罵詈雑言と思わないで欲しい。
こういう形の愛もあるのだ。
今大会はクリスチャーノ・ロナウドの塩っぷりが傑出していた観がある。
スイカ色国旗のポルトガルは、この塩をスイカの甘みを増すスパイスとして利用していたが、最後はその塩分過多に屈した観がある。
しかし、総じて見ると彼以外にも沢山の岩塩が採掘された大会だった。
若手選手が多かった故か、観戦中の
「しょっぱい、しょっぱい」
という言葉はいつにも増して多かった。
また塩の対極にある「ガチ」の不遇も目立った。
ニステル、カーン。。。
彼らの塞ぎガチな表情は見る者を悲しませた。
さすがのソルトマニアもニヤニヤばかりはしていられない事態である。
ドイツから南アフリカへ続く「塩の道」を辿る中で、今大会にて輝いた岩塩が一人でも塩抜きされ、「ガチズム」を標榜する「ガチスト(=ガチマニア)」の秘密結社『全ガチ連』を喜ばせる事を期待したい。
(記/なるほ堂、参考/プロレス板)