(記/minaco.)
ワールドカップからの流れのまま、我が家で熱烈応援する2人共が異国の新天地へと旅立っていったこの夏。
なるほ堂はいそいそと
”イタリアでも食えるじゃじゃ”作りにいそしみ、時にイタリア語と格闘する。私も慣れない王様クラブのサイトに日参し、勝手の違う世界に戸惑いつつ、忙しく過ごしている。こういう時、お互いの違いって出るような。
オガッサ(←グロッソとかキエーザみたくイタリア語っぽくどうぞ)がじゃじゃ無しで生けてゆけない(?)のと同じように、ルートはオランダのパンとチーズを今も実家から送ってもらうんだろうか。心配は尽きないけど、いずれ慣れるだろうし、どっちにしろイングランドより食う物には恵まれるはずだ。
所詮は2人共、北国の田舎者である。太陽の降り注ぐラテンの地とは別世界。
勿論我々も根っから北国、ラテンの国など縁遠い。知ってるつもりでも疑問は尽きない。
今ちょうどスペインに関するお仕事に悩殺されているのだが、折りしもバスケW杯ではスペインが優勝し、ブエルタ・デ・エスパーニャも真っ最中(観れてないけど)。毎日スペイン語のウェヴ新聞をチェックし、とにかく今私の周り、いや頭の中はスペイン尽くしだ。台風のようにスペイン・ブーム突如襲来。
だが、いざスペインといっても多様な地域性ゆえ一口には括れないことに今更ながら困惑する。バルセロナといえばガウディのサグラダファミリアをとりあえず思い浮かべる。でもマドリッドといえば何?闘牛は各地にあるけど、マドリッドって本場?
W杯前の『映画で語るW杯出場国』シリーズでも、実はスペイン編に挑戦するも結局まとまらず間に合わなかった。スペイン映画はアルモドバルもビクトル・エリセもブニュエルも好きだけど、皆作風がバラバラで掴み所がないのだ。
ただ、スペイン映画を観てるといつも気になること。必ず
「愛か、死か」で終わる。他愛もない恋愛モノかと思って観てても、最後には愛を失った者が当然のように死ぬ。十中八九、登場人物が死ぬ。いや、私が観てる分にはそんな感じ。スペイン人ってその両極端しかないのか?と思っちゃう。マドリッドかそれ以外か、敵か味方かの2者択一しかない。そういやカタルーニャ人のカントナも、味方以外は全部敵だった。強い日射しとその影のコントラストがそのままスペインのイメージである。
日頃ラテン好きを公言する私だが、正直スペインには何故か魅力をあまり感じない。
バンデラス(マラガ出身)、
ホアキン・コルテス(ロマ出身)など濃いくてイイ男はちゃんといる。でもスペイン人のフッチボー選手に惹かれたことはない。何でか解らない。ううむ。
スパニッシュ・ギターは好きだけど、マリアッチとかジプシー・キングスの方が好き。
スペイン語は歌って良し口説いて良し世界で一番セクシーな響きだと思うし、トライした事もあったけど、イタリア語ほど覚えていない。相性なんだろうか。自分でも謎。
シチリアは好きだ。映画の影響もあるし、私の最初のフットボール・アイドルはトト・スキラッチだった。あの鋭い眼差しとゴールの嗅覚、禿げた頭もセクシーでシチリアーノの哀愁を感じる。ヌォヴォ・チネマ・パラディソの地にオガッサが暮らすとは何だか想像出来ないが、多分海があれば大丈夫だろう。釣りでも出来れば尚いいだろう。海の幸とドルチェは旨いらしいぞ。サルバトーレ・トト・カシオくんは地元のスーパーで働いてるらしいぞ。羨ましい。てゆうか、『北の国から』もいいけどとりあえず
『ニュー・シネマ・パラダイス』と
『ゴッドファーザー』は観とけ。そして泣け。
イタリアとスペイン。我が家から遠い遠いラテンの地へ思いを馳せる。
まあ、これがトルコだったりしたらもっと難儀だし。あと何年そこに居るか解らないけど、その間に我々も行った気になってイタリアとスペインにかぶれてみようかな、なんて思いつつ。
ああ、秋風が身に染みる。やっぱりここは北国・・・。