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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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『アルフィー』と『チェルシー』
(絵/minaco、記/なるほ堂)
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そもそも映画のリメイク版って大嫌いだ。(それについては後日書く予定)
だが、それ故に敬遠していた『アルフィー』のリメイク版をたまたま観た所、
珍しく当たりだった。
まあ、かなり邪道な意味に於いてだけど。

その理由。
主演のジュード・ロウに、本来重なるはずのオリジナル版「マイケル・ケイン」ではなく、かの「ジョゼ・モウリーニョ」が重なって見えてたから。それに気付いたとたん、この作品は『アルフィー』ではなく『チェルシー』になりましたよ、僕ん中では。
ははは、邪道だ。


元来この二人、さほど似ているってわけではないと思う。
(少なくとも僕はこれまで気付かなかったし)
しかし今作と、例えば「敗戦後のモウリーニョの会見」を併せてご覧下されば、頷いて頂けるだろう。髪型、尻アゴ、その外見だけじゃない。仕草までそっくり。
正に、生き写しだ。

両者の仕草。
時折口をへの字にし乍ら、伏し目を交えて、自分の言葉に逐一“頷きながら喋る”様。
自信過剰で、その実かなり気弱さも伺える。
愛に飢えた男が虚勢を張る姿──彼らが同じ「役作り」の線上にあるのは明らかだ。

「スーツ&マフラー」というファッション、それも大きい。
ちなみに「スーツ&ベースボールキャップ」は、我らがユナイテッドのオーナー・グレイザー氏、もしくは怪人二十一面相といった、お金が大好きな人のファッションだが、「スーツ&マフラー」はアーバンでセンシティブにロンサムを気取る、「なんちゃってダンディ」のマストアイテムだ。(片仮名だらけですまん)

++++++++

『アルフィー』が『チェルシー』ならば、そのストーリーまで重なって見えてくるから不思議だね。うん。

物語の終盤、
「知りたいんだ、奴に何がある?」(アルフィー)
やっと見つけたはずの理想の女(金持ちの年増)を寝取られた彼は、彼女にそう迫る。
「若さよ」(スーザン・サランドン)
身も蓋もない。

そしてチェルシー=モウリーニョのパトロンもそう答えるのだろう。
「若さよ」(油モビッチ)
今、その寝室にはシェフチェンコがいる。

更に深読みすれば、
「奴」をユナイテッドやバルサにも当てはめられる。
労をいとわず努力し、戦績で幾ら上回っても、彼らが受ける愛に比べてチェルシーが受けるそれは余りに少ない。

「知りたいんだ。バルサに、ユナイテッドに何がある?」(チェルシー)
ならば答えよう。
「パッションよ」(バルササポ・なるほ堂)
「伝説よ」(ユナイテッドサポ・Minaco)

──
かりそめの愛すら失ったアルフィーは自問する。
「女たちは尽くしてくれた。だが僕は何を?」

チェルシーも、また。
僕は何を? プレミアのタイトルは獲ったが、そのタイトルに僕は何を与えただろう?
「金で獲ったタイトル」「つまらないサッカーで獲ったタイトル」・・・
チェルシーのサッカーが優勝杯に、美しさを与えただろうか。
そこには自分本位の、一時だけの快楽しかなかったのではないか。
(チェルシーファンの方、散々でスマン)

++++++++

話を少し映画に戻す。
このリメイクを当初敬遠した理由は、僕のリメイク行為そのものへの拒否反応もあったかが、何よりもアルフィーをジュード・ロウが演じると聞いて、そこに「格落ち感」が否めなかったことに由来する。

ケインとロウ。ジゴロとホスト。
同じくプレイボーイでも、その瞳の奥に宿った「業」が違う。

ロウはどう足掻いても、美しい英国紳士だ。
決して嫌いな俳優では無いが、しかし、
マイケル・ケイン、A・ドロン(『太陽がいっぱい』)、J・デップ(『ドンファン』)、R・ギア(『アメリカン・ジゴロ』)、デコ(バルセロナ)にはなれない。数多の色事師たちとは、混ざっている血が違う。(ギアは違うか)
M・マストロヤンニ(『甘い生活』)の退廃の香りも無い。

実際『太陽がいっぱい』のリメイク『リプリー』でも、ロウはドロンの役では無かった。
(演じたのはモッコリ海パンのマット・デイモン。酷いにも程がある。)
横道だが、ロウがモウリーニョとしてドロンを演じ、ファーギーがモーリス・ロネを演じていたら、「愛する者を殺して、それに成り代わろうとするホモ物語」という『太陽がいっぱい』の裏ドラマにハマっていたのかもしれないね。

閑話休題。
ロウがどんなに愛を囁いても、残念ながら「ただの軽薄」でしかない。苦悩する様すら、軽い。
オリジナルのケインも軽薄を演じてはいるが、決して「ただの・・・」ではない。

++++++++

両者の違いを考える時に、マイケル・ケインの「執事臭」も着目点だ。
またまた横道に逸れるが、
いい女は──
奇麗なティーカップを眺めるよりも、そのカップにお茶を入れる執事にこそ心奪われる。
(反論歓迎)

お前は何様だ、という皆様の声を他所に、続ける。

いい女である事は大変だ。
その道程で必然的に生きる事が億劫になると、女はやはり「飾り」よりも、ソフィスティケイトされた「労(いたわ)り」を求める。

男にはメイドが、女には執事が必要。
今の時代にメイドカフェ、執事カフェは必然なのだな。萌え〜。

++++++++

以上の様にその差異を上げつらって参ったが、前述の様にリメイク版『アルフィー』を見る際、それは問題ではなかった。

今作で、新たに学んだ事──
誇る様なバックボーンの無い者が頑張って、イヤミなまでに虚飾し、しかし結局は「本当に欲しいもの」が手に入れない様。それでも「気取り」を取り払えない男の哀しさ。
そして、何よりそこに浮かぶ「いじらしさ」

ジュード・ロウのアルフィー設定には乗れなかったが、格好付けダメ男の悲哀としては十分に楽しめた。おかげでモウリーニョも楽しんで眺められる。これで、いちいち彼が画面に映る度にテレビを消したくなる衝動から逃れられる。

さりとて、やはりチェルシーが『サッカーの敵』である点は変わらない。
同情なんて、しちゃいけない。

ユナイテッドにとってアーセナルは、まだ好敵手とも呼べた。
(Minacoには、そんな気は更々無いようだが)
母国のフットボールを守る戦いに身を捧ぐ老将ファーギーを、かの沖田十三に例えるなら、異星人ベンゲルはデスラー総統。彼の手管は瞬間物質輸送機、反射衛星砲である。
(読者置いてきぼりで、すまぬ。。。以降、『アルフィー』の話には戻りませんのでご了承を)

ベンゲルは異民族を率いた侵略者の長ではあったが、破壊者ではなかった。
デスラーがガミラス民族の命運を負っていたように、ベンゲルの行動にも汲むべき理由が、
またその戦法にも認めるべき品格が、あった。
即ち、敵ではあっても、悪ではなかったのだ。

先日のアウェイ戦。
ベンゲルはユナイテッドに対して、思いっきり格下の、プライドもへったくれも無い放り込みサッカーを行った。その「白兵戦」の前にユナイテッドは敗れたが、逆にそれは痛快であった。敵ながら、あっぱれと。(また、「やっと分をわきまえたか/笑」って気持ちも)
いずれにせよ、彼らとの戦いには、常になんらかの「ドラマ」が生まれる。

だがチェルシーは、違う。認められない。
例えるならば「白色彗星帝国」だ。ユナイテッドが「ヤマト〜愛の戦士たち」ならば、油モビッチはズォーダー大帝だ。
物量で支配を目論む。そこには惑星の命運を賭けた勝負論は無く、征服者の奢りしかない。

白色彗星の弱点は「渦の中心核」。彗星の回転を止める事であった。
チェルシーもまた、石油の循環をストップする事にある。
ユナイテッド・サポの愛は枯れない。しかし気の長い話だが、アブラモビッチの石油はいずれ枯れる。

だが、近年では「石油=化石燃料」という定説に疑問が呈され、かつてあれ程叫ばれた「さらば地球よ 石油の埋蔵量枯渇まで、あと○○年・・・」という話も聞かなくなった。どうやら石油とはマントルの作用の産物で、まだまだ地下に埋もれているらしい。困った。

さりとて、ユナイテッドは戦い続けるのみ。母国のフットボールを守る為に。
そしてサポは、ユナイテッドカラーの「真っ赤なスカーフ」を振り続ける。

油モビッチの油田が枯れる、その日まで──
その日まで、その日まで、その日まで、愛よ枯れるな、傷つくな。
by tototitta | 2007-01-24 18:18 | 映画 | ▲ TOP
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