(記&絵/minaco.)
何だかまた色んな事があったりして、フットボールを純粋に愉しむ気力が萎えてしまいます(ぶっちゃけ、レアルがまた成す術なく負けたのがトドメだけど)。
欧州のスポーツを観るというのはそういうモノも奥深さとして踏まえるべきなんだけど、私がサイクルロードレースに惹かれつつも今更一歩足が前に出ないのはそういう訳でもある。そしてどんよりと溜息が出るのは、これ以上のカオスを引き受けるにはナイーヴ過ぎる自分のせい。それがまたイタイ。
正に「Losing my religion」な心境です。
昔々、恐れ多くもこの曲もLiveでコピーした事があった。久々に聴いたら、まだちゃんと歌詞を覚えてて我乍ら驚いたw。
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そんな時、地元TVでは盛商の県大会決勝から選手権優勝まで、全試合の再放送をやっている。
生観戦した遠野高との決勝を改めてTVで観て気付く。林くんの剃り込み入り丸刈り頭・・・長髪のモロリン・・・スタジアムの目の前を走る新幹線はやて号と共にピッチを駆け抜ける新幹線・成田号・・・やはりクレバーな千葉くん・・・ってゆうかモロリン、強いな。
岩瀬アナの
「スタンドの中央でカッパも応援しています!」って実況は、ギャグでも何でもないのが凄い(
*岩手にカッパは実在します)。
この快挙についてはなるほ堂が思い入れたっぷりに綴っているので、今更私が書くことはないんだけど。
ただこの感動(ワタシも泣いたー)ってのは、日頃遠い異国のクラブに熱を上げてる自分にとって一体何に例えればいいのだろうか、と。
何しろ地元の選手達、おらほのチームが奇跡を起こした!という経験を計る尺度が、自分にはないんである。
シェフィールド・ユナイテッドがユナイテッドを破ってリーグ優勝したら、こんな感じ?
それともオールダム(←スコールズ心のクラブ)がFAカップで優勝したら、こんな感じ?
デンマーク代表やギリシャ代表がユーロ優勝した時はこんな感じ?
・・・全然的外れな気がする。勿論、ユナイテッドがヨーロッパ・チャンピオンになった時とも違う。
これは地元民(出身者含む)だけが味わえる至福であるに違いない。都の大関より土地の3段目(じゃあ栃乃花が幕内優勝したらこんな感じか?でも個人競技だからな)。
このチームの中からJリーグへ行く選手がいるか否か、なんて事は私にはどうでもいい。まして海外で通用するか否か、なんて事は全くどうでもいい。
(ちなみにルートの次に好きなFWは、盛商で第83回選手権得点王だった福士徳文くん。彼こそ日本で「エース」と呼ぶに相応しかった)
おらほのチームが日本一強い!って事実が誇りだ。ピッチで見せたサッカーが誇りだ。
目の前の相手を倒してやった事がすべてだ。せっかくだから偉そうに言わせてもらうぜ、ウハハハハ!なんてね。
この感覚が日頃観ている欧州や南米の地域民族のフットボールへの誇りと同じものなのか、と考えてみる。
少なくとも「盛岡ブランド」なんて気取ったアイデンティティなんかより、ずっと拠り所に出来るものではある。
なんて思ったり。思わなかったり(←某新主将口調で失敬)。
とはいえ、私はそんなに郷土愛に溢れてる訳でもない。何しろ行動範囲極狭なんで地元でも知らない所ばっかりだし。
まるで英国映画で観るような、しょっぱい愛着である。英国スモールタウンの映画はアメリカ映画のそれより、ずっと感情移入してしまう。
マンチェスター・ムーブメント真っ盛りの頃、ユナイテッドより先にマンチェスターのバンドをよく聴いていた。
Joy Division、The Smiths、The Stone Roses・・・その他Factory、4AD、Rough Tradeレーベルとか。当時そこにユナイテッドへの接点はなかった。
でも今、ブログのタイトルに詰まると強引にThe Smithsの曲名を使うように、彼らの曲がユナイテッドを観てる感情とちょうどシンクロする。
オールドトラッフォードの入場テーマ曲はThe Stone Rosesの「This is the one」だし、モリッシーに抱きついてキスをせがむ野郎共を見ると、ロンの過剰さをも愛するマンチェスターの萌え魂すら感じる。
そんな風に盛商以外にこうして感情移入できる我が心のクラブは、行った事もないマンチェスターにある。不思議だけど、そういうモンなのだった。