(記&絵/minaco.)
<CL 2nd leg / UTD × LILLE>
ラーション様はほんの3ヶ月でユナイテッド・レジェンドになってしまった。
「止めてくれるな。行かねばならぬ」
ラーション様、もうすぐ春ですね。引き留める気などありませんとも。所詮あなたは行きずりのお方。
私達につかの間の幸せを届けてくれた、このご恩は忘れませんわ。
荒野のユル・ブリンナーのように、夕陽に消えゆく後姿を拝みます。賞金稼ぎの用心棒は、また次の町へと流れて行くのでしょう。どうか、お達者で・・・。
なんて、酒場の女将の気分で見送る私ですが、いや実は今引き留めてヘルシンボリの気分を害すより、ここは一旦大人しく引いて、オフの交渉を有利に運べる方がいいんではないかと。そんな下心もあったりして。
ホームで迎え撃つユナイテッドはミスも多く不安定で、隣のなるほ堂が心配しきりだったが、私はあまり気にならなかった。負ける気がしないというか(ぶっちゃけレアルの方が心配というか)。ま、ギグスがいなけりゃこんなもんでしょう。まるで自宅のソファにでも居るようにベンチで格好崩してるギグスを観ると、こっちも緊張感失くしちゃう。
ラーション様のゴールにも沸いたけど、スミシーが出て来た時には更に沸いた。
♪アーランスミス、アーランスミス、アーランスミ~ス~~・・のチャントはモリッシーのチャントとおんなじ(モリッシーにチャントがあるってのも凄いけどw)。スミス繋がりか。(モリッシーのチャントは
コチラ 。元曲が思い出せないので、ご存知の方は是非お知らせ下さい)
勿論、我々も大合唱。久々復帰したスミシーのプレイが一番頼もしく見える。
ロンはシオ気を極めて新たなる境地を開いた。それが彼の成長。前述のレアルの若手と比べても、ロンはキャラクターが完成しつつある。それがここでは何より、大事なことかもしれない。正に
"There only one Ronaldo♪"である。その強引さが理解されようとされまいと、この日のように敵をシオ漬けに出来ればいいんである。
ゴールをお膳立てし、ヤンキー座りで不敵に頷くロン。ルーたんが何故かどんどんカワイイ系キャラになるというのに、ロンの小悪魔ぶりがやがてギグスの域に達する日が来るんだろか。
今回はいつにも増して試合の話から離れますが、ついでに。
ビッグクラブであってもネタとキャラに懐が深いユナイテッド(←つきさん、有難うございます!)である。
ところがもう随分経つのに、未だ掴み所のないキャリック。奴は一体何者なんだ、というのが私にとって今季の懸念のひとつだった。
イングランドらしくないパスセンスには「キャリック=ペップ・グアルディオラ」という答えが出た。何故イングランドにペップが生まれるのか、それはまた謎だが、キャリックはそういう系譜の選手なのだった。そして今、ようやくそのキャラに対しても答えが見つかりつつある。
姫。
リオがあのガタイに乙女心を秘めたファンシー姐さんなら、キャリックは姫。顔はともかく。
美しいキック、正確なパス。どうもイングランドにしては優雅過ぎる。加えてピッチの汚れ仕事に慣れずに困惑する姿。「アタシ箸より重いもの持った事ないんですもの」と言わんばかりだ。
つまるところ、キャリックはかなり変人の予感。普段イタズラ好きのルー坊やリオの標的にされないよう、寝た振りして薄目で周囲を伺ってるという彼は、ちょっと油断ならないのであった。