(記&絵/minaco.)
ある曲やバンドの話をした後に、ラジオからその曲が流れてくる・・・なんて偶然が度々ある。滅多に流れる曲じゃないのに。
そういう事は続くもので、先日真田軍の話をここに書いたら、その数日後にTVで放送されたり、『逃亡者』について書いたら、翌週のTVで放映されていたり(ダムのシーンは少々記憶違いでした)。
で、ついこの前家で観た映画『ラスト・デイズ』にて、中国人奇術師の”弾丸口キャッチ”の話が出てきたのだけど、
『プレステージ』にその中国人奇術師が登場したではないか!ギャー。何なんでしょうこれは!デジャヴかいな。
世紀末のロンドン、いかがわしさと魑魅魍魎なムードの奇術バトルにワクワク。
一方は芸達者で紳士然としたヒュー・ジャックマン、もう一方は今ガチを演らせたら若手NO.1、子役から叩き上げたクリスチャン・ベール(
『バットマン・ビギンズ』はシリーズ初のガチ・バットマンだった)。
古今東西、男2人の対立構図といえば、数多くの名作が思い浮かぶ。
例えば『太陽がいっぱい』のアラン・ドロンとモーリス・ロネや、『アマデウス』のモーツァルトとサリエリの「持てる者VS持たざる者」パターン。ジャン・バルジャンとジャベール警部の「逃亡者VS追跡者」パターン。星飛雄馬と花形満、ジョーと力石の「宿命のライバル」パターンなどなど。
対照的なキャラクターが根底で惹かれ合いながらも、どちらかを葬るまで闘わざるを得ない。2人はそこはかとない愛で結ばれてるのがミソ。
『プレステージ』の奇術師たちも命を懸けた聖戦に執り付かれ、これでもかとエスカレートしてゆく。面白いのはヒールと思えばベビー・フェイス、ベビーと思えばヒール、と2人のポジションがその度入れ替わる点だ。
但し、そこに恨みつらみはあっても愛(またはSM関係)が漂わないのが少々物足りない。間に挟まれたマイケル・ケインの存在が、唯一それっぽい色気を醸し出しているくらいだ。主役2人に不満はないけれど、その辺の業が濃厚に出てたらなあと思う。
でもって、そんな男の愛憎バトルにスカーレット・ヨハンソンは要らなかったというか、やはり大根・・・。
物語も語り口も面白い映画ではあったんだけど、あまりに盛り沢山で、それを追いかけようとして細かい所に引っかかってしまった。
ヒュー・ジャックマンはウルヴァリン(『X‐MEN』)がまだ抜け切らないのか、立ち振る舞いの優雅さの割にムキムキとした筋肉付きすぎ。でも、アップで涙眼になる顔が面白い。どうもあの下マツゲが気になって。
そして、クリスチャン・ベールが持ち出す小道具、赤いラバーボール。
──ガチはそれぞれの「玉」を持っている。ガチストはそれを
「ガチ玉」と呼ぶ。村主章枝(フィギュアスケート・ガチ)の”スグリ玉”然り、室伏広治(ハンマー・ガチ)の”気合玉”然り。
という事は、この奇術ガチの持つボールもまた然りかと──。
気になるといえば、映画の肝である
「瞬間移動芸」なんだけど、ワタシにはそのタネが最後まで腑に落ちなくて悩んでしまった。いや、クリスチャン・ベールのじゃなくて、ヒュー・ジャックマンの方。
だってコレ、”そういう”映画だと思わなかったんだもの。
そういう意味では騙された!
多分、テスラコイルも「フィラデルフィア・エクスペリメント」も全く知らない人が観たら、ついて行けないんじゃなかろうか(逆にアメリカ人なら普通に納得するのかもしれない)。なまじっかかじってる者にとってもまた、混乱の元だった。
後でパンフ見て、「えー、それでいいの」と拍子抜けした次第。原作小説でどう書かれてたのか、凄く気になる・・・。
ところで、この映画の海外版ポスターが凝っていて、1人ずつ騙し絵みたいなドットのパターンもイイけれど、ワタシの一押しなのは
コチラ。
このポスターを先に見てたら、何となく心構えも違ってたかもしれない。
~きょうのつぶやき~
このところ、当ブログへの検索ランキングで「ラッキーナンバー7 壁紙」というキーワードがとても多いんですが、その壁紙じゃないんですスミマセン。