(記&絵/minaco.)
<#4 / VALLADOLID × REAL MADRID>
クラスの子が新しい超合金ロボを自慢するのを見て、子供が親に同じものをせがむ。じゃあクリスマスになったら買ってやる、と約束した親。そして待ちに待ったクリスマス。期待に胸膨らませ、プレゼントの包みを開けるとそこにはあの超合金ロボットが──あるはずだった。
「ボクの欲しかったのはコレじゃな────い!!!」
それが
「コレジャナイロボ」である。
(コーレじゃないっ♪主題歌・水木一郎 http://www.youtube.com/watch?v=sFYTquuI-aw)
バルサが若い天才ドリブラーを自慢するのを見たレアル・マドリーは、「ウチだって!」と猛烈に同じものが欲しくなったのだろう。
だが、今季引っぱった挙句やっとお披露目したロッベンを観て、ワタシがマドリディスタならこう叫ぶだろう。
「ボクの欲しかったのはコレじゃな────い!!!」
バジャドリー戦で交代出場したロッベン。1点ビハインドで敵がボールを奪いに来た所で身体を「よけた」のを観ても、それは見慣れた
塩ムーブ。
ボールを持って前を向けばいい選手だ、と言われても、そもそもプレッシャーの中で前を向ける事など滅多にないではないか。活躍したハイライトシーンだけを観れば、凄い選手はいくらでもいる。でもチームプレイで「使える」選手とは限らない。身体を張れないような相手は敵にとっても怖くはない。若い事をエクスキューズに出来るほど、ロッベンの頭髪に若さもない。可哀相に。
ついでに言えば、2頭目の馬狙いで買い集めたオランダ人かもしれないけど、ルートはブラバント人であってオランダ人のデフォルトではないのよね。
幸いスナイデルは良くやってるけど、「ダヴィッツ2世」のつもりで買ったドレンテもまた「コレじゃないロボ」2号・・・・。
ああ、レアルの目論見はかくも儚い。
層が厚くなったというれど、勝ってた時のレアルは「コレじゃな────い!!!」。
ペペやガビーやメツェルダー、そしてスナイデルがいれば、この試合はまた違ったものになってたと思う。
今のうちはともかく、昨季のような苦しい時こそシュスターは何が出来るんだろう。
ルートとラウルの2トップは上手くいってるようで何よりだ。右に左にセットプレイの高さ要員に、守備で忙しく動き回っておる。紺のアウェイユニの裾から白いインナーを出す着こなしはだらしない、と言われてもワタシには見分けが付き易いからイイわ。
かたやラウルは、自分のシュートをセーブしたGKを称えに行くほどイイ人なのに、ルートときたらGKを踏んづけ、無理なオーバーヘッドで顰蹙を買い、DF2人を相手にして転びながらも1人は殺っておく(バジャドリーのGKはプレミアみたいで面白かった)。
でも最後には気まぐれグティのパスから、
黒馬と
黒ウサギでこの試合をドローに持ち込んだ。
「去年はホナウジーニョだったけど、今年はルートか」
リーガ中継の前に流れるセゾンカードのCMを観て、なるほ堂が言う。
哀しいかな、「コレじゃな────い!!!」とは言えなかったワタシである。