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イラストレーターMinacoとなるほ堂が、サッカーのこととか、映画のこととか、日々日常に関して、その情熱の総てを地球にぶちこんで叩き付け、戦い挑み、愛を説く日々の記録。
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『テッド』~私がクマにボロ泣きした理由
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お下劣なテディベアが喋るコメディとして(珍しく)大当たりしてる『テッド』 (2012) だけど、もしかしてボロ泣きしたのはワタシだけでしょうか。だって弱いんだもの、この手には。つまり、ささやかだけど真っ当に1本筋が通ってて血の通ったウェルメイドな映画なんだもの。

物語は少年ジョンとぬいぐるみテッドの出会いから始まる。そして少年からティーンエイジャーへ、やがて成人へと共に年日が過ぎる1人と1体のクマ(のぬいぐるみ)。『スターウォーズ エピソード1』公開日のカットで、ワタシはもう泣きそうだった。『SW』シリーズまともに観たことないのに!一瞬のフラッシュバックシーンに、2人(面倒なのでヒト扱い)の過ごした時代や歴史が詰まってる。


小ネタには固有名詞が沢山登場するのでいちいち可笑しいが、すべてがテッドとジョンの世界を物語るリアリティになってるのが素敵。『フラッシュ・ゴードン』が予想外に重要な使われ方だし、その他映画や他愛ない(むしろズッコケる)ポップカルチャーがごく自然に共有されてる。こういうものを観て育ったんだ、こういう話題が盛り上がるんだ、という内輪内言語として。ビールのお約束もすごく良かった(ミラ・クニスの反応含め)。

そんなネタの数々は、「いい年して大人になれないダメ男」の証明として表面上受け取られるのだけど(実際、多くはそういう描写に過ぎないと思うだろうな)、ガールズトーク同様男子トークとして大事な側面もあると思う。そしてそこがラストまで持っていく導線になってるから素敵。

クマのテッドとジョンは、『フラッシュ・ゴードン』でもビールでもマリファナでも全部共有する仲だし、他人から見て価値のないものでも2人にはある。ヲタク趣味という程でもなく、ただ自分たちの好きなものに堂々としてる。ジョンは別にSWのフィギュアを部屋に集めたりしない、テッドとその場を愉しみ心に残すだけ。ヲタクなら予めあきらめもつくだろうが、意外とこういうタイプは彼女にとって厄介かも。友情と同じように、他人の基準じゃなくて自分の積み重ねた価値だから。

そう、ジョンは立派な大人とは言えないけど、真っ当に育ってはいる人間なのだ。親友が居てステキな恋人もいて、自分の価値観を持ってる。それはテッドがいたおかげ。

好きな映画や趣味の世界って、ある意味他人にどう見られたいかを無意識にもアピールする材料な訳で、大抵は「自分が○○派である」表明みたいになりがち。映画で対照的なのは、ジョンの彼女に迫る上司(『スパイ・キッズ4D』のパパ!)。彼は部屋に自慢のコレクションを並べ、誰かに見せることで価値が成り立つ人間として描かれてる。

でも、ジョンは自分の趣味を表明する必要なんかない。長年常にテッドが居ることで、今更誰かの認可を必要としない。恋人にも。それは小さく閉じた世界かもしれないが、無邪気な自由でもある。テッドが居たから自信が持てた、という台詞があるけど、相棒の存在ってそういう自由を与えてくれるんだよね。

だから、この映画は“ダメ男が成長して大人になる話”みたいに一見思えるけど、そもそもそんなに成長する理由はなかったんじゃないかという気がする。『トイ・ストーリー』みたいに、テッドと別れて別の道を行く理由はない。そこが素敵。何せ、もともとジョンはミラ・クニスのような彼女に愛される男で、成長したから恋人が出来ましたって話ではないのだから。むしろ立場が危ういのはテッドの方で、ちょっと切ない。

そんな細やかな側面が伝わるから、泣かされてしまった。勿論、全く違和感ないテッドのぬいぐるみ感もスゴイし(経年による腹の辺りのすり切れ具合に萌える!細かい!)、伸びたTシャツとスウェットパンツが似合う男マーク・ウォルバーグ(といえば舞台はボストンなのだ)も素晴らしいハマリ役だし、取っ組み合いのシーンは名場面。でもぬいぐるみのあんな瞬間(エロではない)を観ると胸に刺さるよね…残酷トラウマシーンだよね。

*蛇足だけど、この映画の良さはホモソーシャルでありながら、女性を排除しないでみんな幸せになる幸福論を唱えてるからかもしれない。続編の話もあるみたいだけど、そしたら次は父親になるジョンとテッドの関係なんだろうなあ…。それも大変そう。


それにしても、2012年は『宇宙人ポール』(これも“本質は変わらない”無邪気さが素晴らしい)、今年はコレが映画館初めで、どっちもブロマンス映画にえらくボロ泣きしてる自分って。
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by tototitta | 2013-01-28 01:21 | 映画 | ▲ TOP
『007 スカイフォール』を妄想する
昨年末に観た『007 スカイフォール』ですが、評判通り面白かったですね。ダニエル・クレイグの新ボンドシリーズは、1~2作目の長い自己紹介を済ませてやっと本業再開ってところでしょうか。いやMI6ごとリニューアル、グランド・オープンって感じか。そんな華やかさもあり。

そもそも、老舗アクション映画が次々台頭する新興勢力にどうやって対抗するか、老舗の沽券を示せるか、がテーマと思われる6代目ボンドシリーズ。ボーンさんシリーズのような目まぐるしいカット割り、ノースタントも辞さない荒ぶるアクション…色々試してみた訳だけど、ここに来てむしろ無闇にスケールを広げるより、ドメスティックな英国らしさを誇り高く示したのが正解だったと思う。

トム・フォードのスーツを着てカフスを整える英国紳士、女王陛下の007はボンドだけ。そこが他のアクション映画と一線を画す。ボンドを越えるのはボンドだけ、ってプライドを改めて誇示してみせたよう。

さて、そんな英国らしさを軸にしたお話は、MotherとLadsがテーマである。ワタシはコレ、そのまんまGafferとLadsに置き換えられると思った。そう、つまり今回の『007』は「ファーギーとベックスの04/05シーズン」を観てるかのようだった!やはりロンドン五輪開会式の、ボートで颯爽とエスコートするベックスが伏線だった訳である。君 こ そ ボ ン ド だ よ ベ ッ ク ス !!



(以下、若干ネタバレ含む)


あの時、追い詰めた敵と揉み合いながらMの命令により「被弾」したボンド。あの時、追い詰めた敵を獲り逃がし、ドレッシングルームでGafferの蹴り上げたブーツにより「被弾」した007番=ベックス。どんな時も味方だったはずのボスの仕打ち。この事件が両者の信頼関係に影を落とす。奇しくも、ボンドが負傷したのは「右」の肩。

サム・メンデスがユナイテッドのサーガを下敷きにしたとしか思えない、この導入部。更に、この後も007=7番に試練を与え、その忠誠心を試すのである。

MI6とMにとっても、存亡の危機。当時のユナイテッドもタイトルから遠ざかり、ファーギーやクラブのやり方を疑問視されもした。もはや時代遅れ、ロシア中東の油マネーをバックにした新勢力に対抗するには不合理な組織では?引退を迫られるボス、MI6の窮状にユナイテッドを重ねずにはいられない。

かつてボスに冷酷な仕打ちを受けた元仲間…ハビエル・バルテム扮する今回の悪役は、恐らく寵愛を受けながらファーギーに裏切られたと恨む(特に外国人)選手たちの亡霊だろう。いや誰という訳でなく、その怨念の象徴である。

だが、ボスはブレない。自らの哲学で組織を守ろうとする。そして、実はその揺るぎない掟「組織より大事な部下(選手)はいない」を一番体現するのはボンド(=ベックス)であった。頑なに自分の武器(右足)を使い、飛び道具より肉弾戦や伝家の宝刀で敵を倒す。英国を代表する色男であり、組織のエースナンバーを背負った男が、誰よりも古き善き伝統を愛するのだ。

ちなみに、Mの傍らに常にいる側近は、今で言うボスの腹心マイク・フェランか。ならば秘密兵器担当Qは用具担当のアルバートさんか。マニーペニーはレネ?ちょっと強引。

ともあれ、ボンドとMは原点回帰とばかり、初代ボンド(ショーン・コネリー)のルーツであるスコットランドへとアストン・マーチンを駆る。スコットランド…即ちファーギーの故郷であり、サー・マット・バスビーの故郷である!決定打キタコレ!

結末ばかりはちと違うが、でも両者の別れは同じである(恐らく、残された箱にはボス愛用のガムが…)。組織の再生・復活に伴う痛みとはユナイテッドサーガの基本だし、タイトルskyfallのfallって、fall outの意味もあるんじゃないかとすら。MとLadsの絆、その深き業は、ユナイテッドにおけるGafferとLads(監督と選手)と通じる。勿論、女王陛下でもあるんだけど、実に英国ならではの視点、関係性じゃないかと思うんだった。


そんな訳で、数々の符号に妄想を掻き立てられる『スカイフォール』でございましたよ!そう思えばたぶん、ユナイテッドファンは尚更愉しめるね!
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by tototitta | 2013-01-23 01:21 | 映画 | ▲ TOP
2012年に観た映画 #4~塩映画部門~
世にガチ映画あれば、塩映画もまたあるのが常。恐らく、以下に挙げる映画が良かった!と思う人もいるに違いない。というか、むしろ多いかも。そんな方には平にご容赦。


☆Salt of 監督
スザンネ・ビア@『未来を生きる君たちへ』(2010/デンマーク&スウェーデン)

スザンネ・ビア監督はやっぱり苦手。今回も身近にある家庭の話と遠くアフリカの過酷な世界をスケール大きく扱ってるんだが、そこが極端というか、一面的すぎてついてゆけない。

心に闇を抱えた少年といじめられっ子の少年がいて、ならば嫌な事件が起こるって解るから、観るのがしんどいばかり。アフリカの方も同様で、作為ありき、予め決められた方向性が観客を窮屈にさせる。設定や人物が正論を語る為の道具としか見えずゲンナリしちゃった。


☆Salt of リブート
『猿の惑星:創世記』(2011/米)

『猿の惑星』(1作目)が子供心にショッキングだった自分にすれば、これはしょっぱい。やはりオリジナルは戦中体験や60年代の時代背景が色濃く影響してるだけに、今どきの監督が今どきの観客に向けて作ると話がしょぼくなる。バイオレンスもエロスもない。せめてジェームズ・フランコが腰蓑一丁だったら…それでもチャールトン・ヘストンのインパクトには敵わないが。

旧作と切り離してみれば、むしろ「マッドサイエンティストとフランケンシュタイン」なのかとも思うけど、どうもドラマに一本筋が通ってないし、ヒトがバカすぎ弱すぎなんでどっちにしろ無理がある。


☆Salt of 大風呂敷
『カウボーイ&エイリアン』(2011/米)

ネタだけ聞くと荒唐無稽でバカらしくてイイ!と思ったが、興行はコケたらしく、観てみるとさもありなん。ジェームズ・ボンド&インディ・ジョーンズVSエイリアンといっても異種格闘技の妙味はなく、酷く退屈。ポール・ダノが面倒な役で出てたので、これが唯一面白い見せ場かなと期待したら、すぐ退場。

カウボーイが悪いのか、エイリアンが悪いのか…結局エイリアンさえなければ正統派西部劇なのに…もしかして、製作側は西部劇作りたいけどそれは鬼門ということで、エイリアン付きなら目新いはずと踏んだのかもしれんが。


☆Salt of 群像劇
『コンテイジョン』(2011/米)

やたらオールスターキャストで裏『オーシャンズ~』みたいなのが、ソダーバーグらしいっちゃあらしい。感染者、防疫担当者、研究者、無責任な扇動者などそれぞれのシーンを時間軸でサクサク切り分ける。グィネスのグロシーンが悪趣味だよ。淡々とした映画だけど、その割には音楽がベタに恐怖を煽ろうとして聞こえる。ドキュメントタッチというよりむしろ、単に豪華な再現ドラマみたい。


☆Salt of 完結編
『ダークナイト ライジング』(2012/米)

アメコミ世界をより現実的に置き換えると、“ブルース・ウェインが如何に痛い人か”を追求した意味で、『ダークナイト』は面白かった。ただそれもツッコミ役ジョーカーが大変ふるっていたからだよね、と再確認する完結編。舞台設定をリアルにすればするほど穴が見えてしまう。もはやゴッサム・シティじゃないし、あれキャットウーマンじゃないし。
やっぱ、わかってるようでわかってないなあノーラン。


☆Salt of 原作脚色
エリック・ロス@『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(2011/米)

原作を先に読んだ上で観ると、確かにこれは…何度も、え?え?ええ?!と目を疑ったよ…。(これに限らず)原作をどう解釈・咀嚼するかは自由として、何もその中の一番つまらない解釈で映画化するこたぁないだろと。ものすごく陳腐でありえないほど陳腐じゃん。

それがまた、悲劇を語る表現についてこの1年間感じた陳腐さと同質なもんだから、尚更がっくり。原作のエピソードを削ったり、新たに加えたりするのは別に問題じゃない。おかげで『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』映画化の『僕の大事なコレクション』は、もう1つの傑作となった訳だし。

脚本のエリック・ロスといえば『ベンジャミン・バトン~』で『フォレスト・ガンプ』の二番煎じをやった人。あれも非常に勿体なかったし、今回のがっくり具合も同じ構造によるものだと思う。エリック・ロスめ!

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昨年も劇場で観逃した映画が多くて後悔先に立たず。それにしても、『マペッツ』も『アルゴ』もこちらでは上映されてないという…例年以上に地方格差に泣かされた年でもありました。もう「全国順次公開」なんて言葉は信じないっ。

さて、今年の新作で一番観たいのは、ウェス・アンダーソンの『ムーンライズ・キングダム』です。どうか盛岡でも上映されますように!
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by tototitta | 2013-01-13 00:57 | 映画 | ▲ TOP
2012年に観た映画 #3~その他の部門~
☆Best of ドキュメンタリー
『イヴ・サンローラン』(2010/仏)

ファッション界には疎いけれど、このドキュメンタリーはファッション自体よりも、サンローランとピエール・ベルジェ氏の愛の記憶。ベルジェ氏自身が語る、孤高の天才を長年支え続けた愛の賛歌、その内助の功に泣かされる。屋敷を埋め尽くす物凄い数の美術品調度品を惜しげもなく全て売り払ってしまうのも、何となく解る気がして切ない。
ついでに、2人の関係がまるでホームズ&ワトソンにも重なり、サンローランがベネディクト・カンバーバッチに見えたわ。

次点:『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』(2011/仏&米)


☆Best of 主演男優
エディ・レッドメイン@『マリリン 7日間の恋』(2011/英&米)

ミシェル・ウィリアムズのマリリンにうっとりしつつ、でも本来の主役はエディ・レッドメインくん。当初は魔性で売り出してたのに、『幸福の黄色いハンカチ』リメイクで鉄矢をやってからは、すっかり童貞キャラが板に付いちゃった。でもやっぱり、あのエロいそばかすと唇はけしからん子!『レミゼ』での歌声も楽しみ。


☆Best of 助演男優
マーク・ラファロ@『キッズ・オールライト』(2010/米)&『アベンジャーズ』(2012/米)

つつがなく暮らすレズビアン・カップルの家庭に、かつての精子提供者が現れて波風が。とにかく、この映画はマーク・ラファロですよ。モテモテなんですよ。それも納得。登場した瞬間からラファロの声や喋り方が心の隙間に沁みるんである。嵐でも突風でもない、ちょうど良いそよ風のように家族に入り込んで、つい気を許してしまう。彼じゃなかったらそうはならない。
『アベンジャーズ』は未見だけど、きっとハルクも良い感じに隙間を埋めてるのでは。

☆Best of 主演女優
キルスティン・ダンスト@『メランコリア』(2011/デンマーク/スウェーデン/フランス/ドイツ)

キルスティン・ダンストは常に「全身女の子」であり、同時に老婆みたいでもあり、それが得難い強み。風格や貫禄すら感じた。

しかし巨大惑星メランコリアの衝突も怖いけど、シャルロット怖い、怖いよー。いやもう、こんな姉に義兄に両親に上司に部下に、加えてベティだらけの豪華披露宴って参るわー。キルスティンじゃなくてもほんと参るわー。って同情する自分も病んでるのかしらん。ちなみに、夜空に浮かぶバカでかい月を見るとメランコリアを思い出すようになってしまった。


☆Best of 助演女優
アナ・ケンドリック@『50/50 フィフティ・フィフティ』(2011/米)

一生懸命だけどどこかズレてて、若干ウザいキャラは『マイレージ・マイライフ』の時と被るウサギ顔のアナ・ケンドリック。良いポジションです。『ガラスの仮面』映画化の際には、ゼヒ乙部のりえをやらせたい。

次点:シャイリーン・ウッドリー@『ファミリー・ツリー』(2011/米)
このお姉ちゃんが意外と美少女で、すらりとした手脚や微妙なお色気になまいきシャルロットを思い出した。


☆Best of 80'S
『ドライヴ』(2011/米)

こそばゆさ満載の80年代感がヒシヒシと(ベタな音楽、タイトルバックのピンクのフォント、Gジャン愛用)。そもそもライアン・ゴズリングとキャリー・マリガンは、モロに立原あゆみが描いたヤンキー漫画(読んだ事はない)かと思うし、映画自体もそんな感じ。あの間がね。間だよ間で語るんだよ!うはー(恥)。

そして、ロドリゲスの初期作『ロードレーサーズ』ともビジュアルの雰囲気が通じるような。主人公のクレイジーさも。クレイジーとロマンは比例する。
ただどうも最近はバイオレンスに食傷気味で、嫌いじゃないけど胃がもたれる年頃らしい。それに、バイオレンスには笑いが欲しいところ。例えばペキンパーにしろロドリゲスにしろ、カッコよすぎて、やりすぎて笑っちゃう、みたいな。


☆Best of 未公開DVDスルー
『戦争より愛のカンケイ』(2010/仏)

期待せずに観たら、最近のフランス映画ではちょっと新鮮で面白かったポリティカル・コメディ。全く対照的なカップルが世界の調和を探すお話。これってフランス版『ダーマ&グレッグ』だ!

エピソードに出てくる「ベータ派」「ジョスパン派」の悲哀が堪らないw実は民族、移民、イデオロギーなどシリアスなテーマが扱われてるんだけど、それも理屈に走らず嫌味がないし。全裸がバンバン出てきてもエロくない。自分ツッコミで進む展開もなかなかグッとくるオチがあって、巧い脚本。いっそシリーズ化しても面白そう。

次点:『アナザープラネット』(2011/米)
もう一つの『メランコリア』みたいな、暗黒女子SF。


☆Best of 眉毛
『白雪姫と鏡の女王』(2012/米)

これは♪りんごとハチミツとろ~り溶けてるバーモンドカレー映画だった!(←誇張はしてない)眉毛姫(リリー・コリンズ)がすごくカワイイ。7人のリアル小人が大活躍するわ、アーミー・ハマーの古典的な顔がバカ王子様ぴったりで素晴らしいわ、ショーン・ビーン登場には吹くわwで大変楽しかったです。
贅沢なレース使いやディズニーアニメの色彩を思わせるドレスも最高(そんな豪華衣装がまるで似合わないビーンさんの出オチww)。故・石岡瑛子さんの最後の仕事がこんなにハッピーな映画でよかったな、とホロリとさせられたりもしつつ、しかし石岡さん亡き後、ターセムは一体どうすればいいのか…。


☆Best of タイトルバック
『007/スカイフォール』

ボンド映画といえばゴージャスなタイトルバック。力入ってます。今回の主題歌はアデル姐さんだが、ワタシはやっぱりエイミー・ワインハウスに一度やらせたかった…無念。
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by tototitta | 2013-01-12 00:35 | 映画 | ▲ TOP
2012年に観た映画 #2~ロマン映画部門~
続いては、ロマンを感じる【ロマン映画部門】を。

☆Best of ロマン
『裏切りのサーカス』(2012/イギリス/フランス/ドイツ)

埃臭いページをめくるようなトーン、くすんだ赤色が映える映像にグッときて、カメラの動きと同じく流れるタイトルバックがまた渋い!資料庫、幹部の集まる部屋の壁紙、書類エレベーター、チェスの駒、アナログ仕様のスパイ小道具にロマン迸る。人間模様にもロマンが溢れてて、冷戦時代ならではの葛藤、孤独、悲哀がひしひしと。

加えて、「この中に何組のカップルがいるでしょう」と、まるで騙し絵のように秘められた関係(多分5、6組かな…)。何しろゲイリー、コリン、ジョン・ハート、トム・ハーディにカンバーバッチとゲイ歴ある人達ばかりですもの。
『ぼくのエリ』から続く、いたいけなおっさん愛もひしひしと。こりゃ堪らん。


☆Best of ロマンティック挿入曲
「愛のファンタジー」@『サニー 永遠の仲間たち』(2011/韓国)*盛岡未公開

1人ずつ昔の仲間を探し出すと共に蘇るあの頃。全編笑って泣いてキュンとする見せ場がてんこ盛り。1980年代の青春が『ラ・ブーム』世代には堪らない。ああ「愛のファンタジー」3段活用は反則!(当時ハート型のレコード買ったクチ)

これだけケレン味たっぷりドラマティックに盛り上げられたらグッとくるし、最後のオチまで心憎い。スジちゃん可愛い。やられました。
ちなみにこの映画、むしろ男性の支持が高いみたい。少女漫画にハマる男、みたいな。


☆Best of ブロマンス
サイモン・ペッグ&ニック・フロスト+ジェイソン・ベイトマン@『宇宙人ポール』(2010/米)

スピルバーグ・ネタはさほど重要じゃなくて、それよりも、おっさん達がキャッキャしてるのを見るだけで幸せになれる映画!そして「自分の好きなモノに誇りを持て」という映画!ヲタク世界でそのまま「本質は変わらない」ラストも素晴らしい。

サイモン・ペッグ&ニック・フロストは勿論キュートなんだけど、ジェイソン・ベイトマンが効いてた。あのスクエアな顔がほころぶ瞬間にグッとくるのだ。


☆Best of 王道ロマン
『アーティスト』 (2011/仏)

やぁね、これは泣くね…。冒頭の劇中劇での台詞(字幕)でもうオチが読めてしまったし、実際その通りなんだけど、その解り易さがたまらん。サイレントならではの大仰な演出、ベタすぎるお話、国籍不問のキャスティング。如何にも当時にありがちな、でも実はどこにもない、現代のサイレント映画。だからこそグッときてしまう。ロマンの王道がツボを直撃してしまう。

大事なのは元ネタの完璧な再現より、「如何にも」なスタイル。やったもん勝ちだし、やるならとことん拘ってほしいもの。ギミックは徹底することに価値がある。


☆Best of ロマンティック・シーン&ファッション
『テイク・ディス・ワルツ』(2011/カナダ)

ミシェル・ウィリアムズの「夫婦残酷映画」第2弾…『ブルー・バレンタイン』が男性にとってホラーなら、こちらは女性にとってのホラーだと思う。ゾンビ映画でよく「そっち行っちゃダメ!」って方に行って、まんまと喰われるパターンがあるけど、そんな感じ。ファッションが全部可愛くて家もステキで、ロケーションもロマンティックなのに、永遠に続きそうな残酷さが後を引く。正直、旦那が「犬でも飼おうか」って言った時、飼えばよかったと思うよ!

でも、陽に照らされた産毛、夕景、遊園地、ラジオスターの悲劇、プール、それぞれのシーンに何とも言えないマジックというか、サムシングが。2012年はセス・ローゲンに泣かされてばかりな気がする。


☆Best of ロマンティック・アンサンブル
『ラブ・アゲイン』(2011/米) *盛岡未公開

スティーブ・カレルはギャグ映画でキャラを演じるより、こういう普通の中年男の方が良い。それにライアン・ゴズリングが珍しく超イケメンに徹してて新鮮(『ブルー・バレンタイン』ではカレル以上に酷いおっさんぶりだったのに!)。マリサ・トメイ&ケビン・ベーコンの贅沢な脇役使いもツボを心得てるし。

ちょっとした掛け合いや歯切れ良いテンポで大いに笑った。それぞれの恋愛模様が実は…って、まさかの展開に爆笑。ベーコンさすがに美味しい所持ってくなぁ!後で思えば、そうかなるほどね~とニヤニヤしちゃう伏線があって、スベらない、ありきたりじゃない、見事なアンサンブル・コメディ。


☆Best of ロマン派007
『007/スカイフォール』(2012/英&米)

新ボンド1~2作目は長い自己紹介で、ようやく物語が始まった。あれこれ妄想して語りたい事が多すぎるけど、総じて凄く英国らしい気が。言葉の選び方や、MとLadsの関係は(GafferとLadsにも置き換え可)英国ならではの視点だなあと。アクションの舞台は如何にもバトルしたくなる場所を厳選、チューブに乗るボンドなんて実は一番斬新じゃなかろうか。それに初代ボンドのルーツであるスコットランドとは心憎い!(アストンマーチンも)

あらゆるアクション映画のライバルに対抗し、老舗の沽券を示すには、ただスケールを広げるんじゃなく、むしろドメスティックな基本に立ち帰るというのが正解だった。エンドクレジットに並ぶ大量のスタント名に圧倒される。やっぱボンド映画はこうでなくちゃ。
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by tototitta | 2013-01-10 00:58 | 映画 | ▲ TOP
2012年に観た映画 #1~ガチ映画部門~ 
昨年観た映画の中から、印象に残るものを部門別にざっくりとまとめます。
まずは、新作からマイ・ベスト「ガチ」部門を。


【ガチ映画部門】

☆Best of ガチ映画
『ウィンターズ・ボーン』 (2010/米) *盛岡では2012公開

男たちの掟、女たちの掟、ファミリーの掟。それが生き抜く為の掟。アパラチア怖えええ…でも興味深い。正しく噂に違わぬガチ映画。


☆Best of ガチ監督
ナンニ・モレッティ@『ローマ法王の休日』(2011/イタリア)

ナンニ・モレッティは昔、“神父が○○○だった!”というけしからん映画『ジュリオの当惑』を撮ってる人だからして、今回ローマ法王が職場放棄しても、観客をドン引きさせても、相変わらずだなあ黒いなあと、かなり笑えた。
いつも悩めるモレッティ自身がセラピスト役というのも可笑しいが、自己中ぶりがブレなくて、ほんと大人げないよモレッティ!バレーボール大会のガチっぷり最高!(しかも無駄に男前だからタチ悪い)

実際の映像を交え、フィクションながらさもリアルそうなバチカン内部やコンクラーヴェの様子なども見所だし、法王ミシェル・ピコリはじめ世界各国おじいちゃんが勢揃い。モレッティ映画としてもジジイ萌え映画としても美味しかったです。


☆Best of ガチ暗黒母子
ティルダ・スウィントン&エズラ・ミラー@『少年は残酷な弓を射る』(2011/英)

これはキツい…。子供がいてもいなくても、女の人にはかなりゾッとする映画ではないかなあ。正に悪夢。無意識の罪悪感や恐れを増幅されるようでたまらない。毒々しい色彩や編集も象徴的だけど、音楽の違和感がまた怖い(バディ・ホリーのEverydayの使われ方!)。ちょっとギャスパー・ノエ『アレックス』のダメージ思い出しちゃった…。
エズラ・ミラーは美少年というよりファニーフェイスで、あの声が非常に不快感煽る。しかも子役が2人ともそっくりでなあ…。


☆Best of ガチ変態リユニオン
アントニオ・バンデラス&ペドロ・アルモドヴァル@『私が、生きる肌』(2011/スペイン)

お帰りバンデラス!『アタメ!』以来の変態コンビ復活ですなあ~と感慨もひとしお。タイトルのフォント、屋敷にある絵画にインテリア、どれもエッジィで心惹かれる。お話も凝ってて先が読めなかったけど、やっぱりママの存在が欠かせないし、これもまたママの物語なのだった。皮膚であり服であり盆栽であり、繰り返し形を変えるアイデンティティはアルモドヴァル映画に一貫したテーマと感じる。コラージュも。

あと、妙に印象に残ったのは、バンデラスがパンにオリーブオイル?をつけた後、瓶を舐めたところ。あれは自然にそうしたのだろうか。


☆Best of 英国ガチ映画
『家族の庭』(2010/英)

つつがなく暮らす初老夫婦と、その家を訪れる家族や友人たちの1年。穏やかな春、変化の夏、虚しい秋、別れの冬。格調高い音楽と共にマイク・リー監督ならではのタッチが冴える。安定と不安定、充足と孤独といったように人は敢えて2種類に分けられ、その対比が残酷に際立つ。確かに「人生は優しくない」けれど、そこであがく様は単に哀れとは片付けられず。1年また1年と、人生はそれぞれに敷かれたレールを進んでいくんだった。
って、これが独特の即興だなんて!恐ろしい完成度ですよマイク・リー。しかも年々凄みを増してる。

それにしても庭いじりとか温かい触れ合いとか、予告宣伝が流すイメージとは程遠いガチ映画なのでご注意。
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by tototitta | 2013-01-09 01:00 | 映画 | ▲ TOP
今年もよろしくお願いします。
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by tototitta | 2013-01-03 17:25 | 日々日常 | ▲ TOP
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